普通の僕が性王と呼ばれる世界【R-18】

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秀雄は初めての娼館で逆指名される 4

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まただ、また身体がふわふわして自分がどこに居るか良く判らない。
でも、とても温かくて居心地が良いのはわかる。
なぜだか、大きな安心感に包まれている感じがする。

ずっとこうしていたいけど、段々と視線が合ってきてぼんやりした景色が鮮明になり現実に引き戻される。

そして目の前にある顔。

「おっ、起きたか」

なによ、またこのパターンなんだ。
私の顔を覗き込む山本の顔がみえるわね。

そして気が付けばまた私と山本は裸で抱き合っている。
悔しいけど勘違いじゃない。

それに抱き合う私の頭の下には山本の腕がある。
これって腕まくらよね。

男に腕枕をされることなんて無いと思ってたわ。
ましてやそれを好ましいと思うなんてびっくりね。

それだけじゃないの。
山本が私の髪を撫でているわ。

「ベッドにはちゃんと使い道があっただろう」

そうね、私達はベッドで毛布に包まって抱き合っているものね。
それに私の髪を撫でる山本の手が気持ち良いのよ。

「不思議ね、山本と裸で抱き合って眠るのはとても心地がいいの」

女としての喜びに包まれて、私は素直な言葉をつぐむ事ができるみたい。

「僕もだよ。委員長の柔らかな体を抱きしめて眠ると安らげるんだ。
こんな気持ちは初めてだよ。
そうか、だから僕たちは素直な言葉が出るんだな」

「あら、私はいつでも素直よ」

ダメね、私ったら。つい山本に噛み付いてしまう。
でもそんな私を理解してか、山本は私の言葉を流して私の口に指を当てる。

「無理に争いの言葉を紡ぐ事も無いだろう」

「そうね」

山本の配慮に私は同意する……本当は感謝すべき所なのだろうけど私はそこまで素直では無いのだ。

「委員長とのセックスはとても魅力的だったよ。
だから僕は全力で委員長とのセックスを頑張ったんだ」

「ありがとう。でも死ぬかとも思ったわよ。
まあ、最高のセックスだった……うん、最高だったわ」

不思議ね。体を重ねた相手だからかしら?
とても素直に言葉が出るわ。

「正直、逆指名された時は構えたけど受けてよかったよ」

「そうね、それで私達はこれからどうなるのかしら」

しまった、この言葉は早すぎよね。
私の言葉で山本の表情が強張るのがわかるもの。

「娼館を出ればセックスだけで繋がった男と女の関係は終わるだけだよ。
明日からは只のクラスメートに戻るだけだろう」

当然の答えね、そして私の理性はそれを受け入れろと私に指示を出してくる。
でも無理みたい。

「ねえ、次は山本から私を指名してくれないかしら」

未練な私。こんな事を言ってしまえば山本の答えに傷付くだけなのに。

「どうしたんだい?
委員長は望み通りに僕の童貞をコレクション出来たんだろう?
童貞じゃ無くなった僕からは委員長が得るものはもう無いだろう?」

ほら、そうなった。

「確かに私は、童貞のコレクションを増やす事が出来たわ。
それで、山本は何が手に入ったのかしら?」

何も無いなんて言わないでね。
そんな言葉を聞いたら、私は平常心を保てないもの。

「初めての娼館経験かな?
委員長のお陰で自信が付いたよ。
これなら、次も自信を持って望めるよ。
あれっ、委員長ったら泣いてるの?」

やだ、私ったら未練ね。

「泣いてなんか無いわよ!
それよりも山本はこんなセックスをこれからも娼婦相手に続ける気なの」

「ああ、折角ライセンスを取得したしね。
続けないって選択は無いだろう」

この子は自分の特殊性を少しも自覚してないのね。

「ねえ、山本って毎日でもセックスが出来るんでしょう?
その度にこんなセックスをするのかしら」

「えっと、毎日毎日出来るって、まあ判るか。
そうだよ、できると言うかやらないとムラムラして持たないかな?
それにこんなセックスってどんな意味」

山本って自分を本当に判ってない!
悔しいけど教えるしか無いようね。

「山本は自分を知らなすぎるのよ。
普通の男はこんなセックスは出来ないの。
貴方のセックスは女を魅了するのよ」

「女を魅了する?」

「そうよ、寝た女はみんな貴方のものになる。絶対にね。
貴方、娼館の女を全員自分のコレクションにするのかしら?」

「いや、大袈裟だろう、大袈裟だよな?!」

私の言葉の意味に戸惑っている山本に私はキスをする。
このキスは山本にされるまで知らなかったキスよ。
私の舌が山本の口の中を舐め回すの。
それはとてもステキな感触ね。

でも、誰に話しても他人の口の舌を入れるなんて気持ち悪いと言われると思うわ。
言葉にすると自分でも受け入れられないかな?

でも、ステキなの。
だから私は満足するまで山本の口に舌を入れて山本の舌と私の舌を絡ませるの。
山本の舌が絡むのはとってもステキな感触だもの。

どうしよう?
いつまで経っても満足できないわね。
しょうがないわね。私は諦めてキスを終えるの。

「ねえ、山本、山本はどこでこんなキスを覚えたの。
少なくても私は知らないもの。
それでね、大切なのは私が知らない事じゃ無いの。
私がずっと山本とこのキスをしていたいと思う所なの」

やっぱり、山本には私にしたキスや愛撫やセックスは普通の行為なのね。
だから私の言葉が分からないみたいね。

「ねえ、山本、あなただってチュートリアルで習ったんでしょう?
娼館でやる普通のセックスを」

そうしたら山本はバツの悪そうな顔をするの。
なに、山本ったらチュートリアルでもやらかしていたのね。

「判ったわ、山本のおかしさは折り紙付きなのね。
でも座学で言われたでしょう、娼館での行為は精々20分程度って。
女が潤滑剤をおまんこの中に塗り込んでいる間に男はチンポを自分で硬くして、数回挿入すれば射精して終わり。
そんな行為では相手は只の精子の供給者なの。
もっと言えば妊娠する為の道具に過ぎないの」

山本が少しは真剣に聞いていてくれるのが目でわかるわね。

「だけど、貴方のセックスは違う、相手を虜にしてしまう。
愛撫された体も、貴方のチンポで蹂躙されたおまんこも子宮も、貴方に夢中になるしか無い心も。
全部で次も貴方が欲しくなるわ。
それは強い愛情と同じよ。
山本はどうするのかしら、セックスをする度に相手から愛情を求められたら応えられないわよ」

やだ、涙が出ちゃう、そうよね山本は応えてくれないもの!
判ってるわよ!

「でもそれってルール違反だろう。
娼館での関係は娼館を出ると終わり。
娼館に子種をもらいに来た女がセックスの相手と恋に落ちるなんて事になったら、旦那は妻を娼館になんか行かせないだろう。
結婚は愛情で結ばれるもの、生殖は種族を残す義務、その使い分けが無くなったらシステムが崩壊するぞ」

あら、頭では解ってるのね。
でも自分のセックスがそれを破壊する物だとは思い至っていないみたい。

そうね、これ以上は野暮ね。

「ねえ、山本、難しい話はお終いにするわ。
今の貴方には私の気持ちは分からないもの。
そのかわり、ねえ、もう一回抱いてよ。
そして次に私が山本を逆指名しても断らないって誓ってよ」

私は縋るように山本を見つめるの。
山本に私の懇願は通じるのかしら?

「ああ、良いよ、誓うよ。
僕は委員長の逆指名を断りません!
これで良いのか?」

私の願いは通じたみたい。
チョットなおざりだけどね。

「ありがとう」

そう言って、私は山本に飛び込んでいくの。
貴方は気づいていないけど、私は貴方に夢中なのよ。

だからね。

一杯私を抱きなさい!!!
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