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いつか離れるその日まで〜βとΩの発情期〜
深夜のバスルーム
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時計の針が天を示してから一時間以上経過した頃。
何となく眠れず、寝返りばかりを打っていたら、突然隣の部屋から駆け出す音が聞こえた。
最初は、貴志がトイレにでも駆け込んだのかと思った。
けれど、ザーッという水音に、シャワーへ行ったのか、と気づく。
また発情の波が来たのだろうか。
そう考え、貴志の冷静な顔が赤く火照り、夜色の瞳が色欲に潤む様をつい想像してしまい、俺は頭を抱えた。
なぜ俺は、幼馴染の媚態を妄想し、体を熱くしているのだろう。
俺だけは、貴志に下卑た目を向けてはいけないのに。
貴志の信頼を裏切るわけにはいかないのに。
罪悪感に打ちひしがれながら廊下の外の様子を伺っていると、ガタンッと大きな音が聞こえてきた。
その後呻くような声がバスルームから聞こえたので、俺は慌てて部屋を飛び出した。
「貴志?!大丈、ッ」
ノックもなしにドアを開け、後悔した。
「た、か……」
バスルームの光景は俺の想像を超えていた。
貴志はタオルを口に押し込んで、声を殺していた。
おそらく座ったまま、台の上のタオルを無理やり引っ張ったのだろう。
台の上に置いてあったはずの小物がばらばらと散らばっている。
音の正体はこれか、と思った。
「ぅ、ん」
ゆらり、と開いた扉の方へ視線を向けた貴志の目が俺を捉えた途端、背筋を電流が走った。
「た、かし」
「は、んぁ、あ」
あまりにも扇情的な姿に目が釘付けになり、ゾクゾクするような嬌声がバスルームに反響して鼓膜から脳を溶かす。
急速に喉がカラカラに渇き、少ない唾液を無理やり嚥下すれば、ゴクリと喉が鳴った。
バスルームに立ち込めた湯気までも、貴志の桃色の肌に纏わりついて全身を愛撫しているようだった。
苦しげに息を荒げながら膨らんだ熱を嬲る貴志の右手と、トロトロとした分泌物を纏わせて後腔へ突き込まれた左手の指。
「んっ、ふ、はあ、見る、なァ」
口から布を落とした貴志の溢した喘ぐような懇願に、体の奥から熱の塊が押し寄せた。
俺の存在に気がついても、全く自分を抑えられないのだろう。
泣きそうな目で、俺を見る貴志は、明らかに飢えて欲情した獣の目をしていた。
「たかし……」
初めてのヒート以来、貴志は我を失うような状態には陥っていない。
だから、貴志のヒートは「軽い」のだと、俺は思っていた。
けれど、違ったのかもしれない。
俺は自慰に耽溺する貴志を見て、今呆然と立ち竦んでいる。
確かに貴志はヒートの最中でも思考することが出来る。
けれど、発情していない訳ではないのだ。
こみ上げる熱をコントロール出来る訳ではない。
熱を逃がそうとする自分を抑えられる訳でもない。
「くぅ、っあ、見るなって、ばぁ」
泣きながら自分を嬲り続ける貴志の目には、明らかな絶望が宿っている。
「っあ、なんで、おれ、くそっ」
欲情だけに支配されたのならば、まだ楽だったのかもしれない。
けれど、貴志は。
「っは、もう、やだ」
理性を、失うことも、出来ないのだ。
「……貴志、それ、水?」
足元にひたひたと近寄る液体の冷たさに、貴志に魅入っていた俺はハッと我に返った。
「っん、水だよ!でも、おさまんな」
「馬鹿!風邪ひくだろ!」
「でも、っあ」
怒鳴りつけてシャワーを止め、そして手近な棚から引っ張り出した大きなバスタオルで貴志の体を包み込む。
タオルが触れた瞬間、感じ入ったように貴志がふるふると震えたが、敢えて気がつかないふりをした。
「布団に戻るぞ。薬を飲んで、落ち着くんだ。……治るまで、そばに居てやるから」
それから、一時間。
頓服の抑制剤を飲んでも治らない熱に、貴志は悶えた。
そしてビクビクと震えながら欲情の波に耐える貴志を、俺は何をするでもなく見守った。
理性を失いかける恐怖に手を伸ばす貴志の手を取り、優しく握りしめて声をかける。
「大丈夫、大丈夫だ」
「お前はまだ、ちゃんとお前だよ」
「深呼吸しろよ、吸って、吐いて」
耐え難い熱の昂りに苦しみ悶えながら、高熱の子供のように荒い呼吸をする貴志を見かねて、俺は思わず泣きそうになった。
「イきたいなら、抜くの手伝ってやろうか?」
躊躇った末に口を吐いて出た提案には、握り合う手の甲に爪を立てられて拒まれた。
馬鹿なことを言ってしまった、と、後悔した。
「……ありがと、な」
「いや……余計な真似しちゃって、悪かったな」
やっと落ち着きを見せた貴志にお礼を言われ、俺はなんとも決まりが悪くて顔を背けた。
「ううん、ありがと。引かないでくれて、嬉しかった」
「引くわけないだろ。発作なんて、しょうがないんだから」
貴志の言葉にやりきれない思いで否定すれば、貴志は柔らかな表情でくすくすと笑う。
「修一ってさ」
「ん?」
抑制剤を内服して少しは落ち着いたものの、貴志はまだ微熱があるような顔をしている。
「ぜんぜん、ヒートに影響されないよな」
「っ、えっと」
感心したような、呆れたような、困ったような声で嘆息する貴志に、俺は一瞬言葉に詰まった。
「まぁ、……俺は、ベータだからな」
先ほど完全に貴志の熱気に当てられ、危うく襲い掛かりそうだったとはとても言えず、俺は平静を装って頷いた。
「ベータでも、さ」
コロリと後ろを向いて、俺に背を向けたまま貴志がポツリと呟く。
「欲望に弱い人間は、簡単に負けるよ。それで、言うんだ。『オメガが悪い』って」
「……悪いわけないじゃん」
「ふふっ、お前、……いいやつだよな」
一抹の諦念と、幾らかの喜びと、大きな信頼の込められた貴志の言葉に、何故か俺は胸を抉られるような思いがした。
「そうでもないけど。でも……ありがとな」
一時の惑乱に任せて貴志を穢してしまわなくて本当に良かったと、俺は安堵して泣きそうだった。
自らのために貴志を傷つけてしまったら、俺はとても自分を許せそうにない。
俺は、貴志の心も体も守りたいと、心から願っているのだから。
何となく眠れず、寝返りばかりを打っていたら、突然隣の部屋から駆け出す音が聞こえた。
最初は、貴志がトイレにでも駆け込んだのかと思った。
けれど、ザーッという水音に、シャワーへ行ったのか、と気づく。
また発情の波が来たのだろうか。
そう考え、貴志の冷静な顔が赤く火照り、夜色の瞳が色欲に潤む様をつい想像してしまい、俺は頭を抱えた。
なぜ俺は、幼馴染の媚態を妄想し、体を熱くしているのだろう。
俺だけは、貴志に下卑た目を向けてはいけないのに。
貴志の信頼を裏切るわけにはいかないのに。
罪悪感に打ちひしがれながら廊下の外の様子を伺っていると、ガタンッと大きな音が聞こえてきた。
その後呻くような声がバスルームから聞こえたので、俺は慌てて部屋を飛び出した。
「貴志?!大丈、ッ」
ノックもなしにドアを開け、後悔した。
「た、か……」
バスルームの光景は俺の想像を超えていた。
貴志はタオルを口に押し込んで、声を殺していた。
おそらく座ったまま、台の上のタオルを無理やり引っ張ったのだろう。
台の上に置いてあったはずの小物がばらばらと散らばっている。
音の正体はこれか、と思った。
「ぅ、ん」
ゆらり、と開いた扉の方へ視線を向けた貴志の目が俺を捉えた途端、背筋を電流が走った。
「た、かし」
「は、んぁ、あ」
あまりにも扇情的な姿に目が釘付けになり、ゾクゾクするような嬌声がバスルームに反響して鼓膜から脳を溶かす。
急速に喉がカラカラに渇き、少ない唾液を無理やり嚥下すれば、ゴクリと喉が鳴った。
バスルームに立ち込めた湯気までも、貴志の桃色の肌に纏わりついて全身を愛撫しているようだった。
苦しげに息を荒げながら膨らんだ熱を嬲る貴志の右手と、トロトロとした分泌物を纏わせて後腔へ突き込まれた左手の指。
「んっ、ふ、はあ、見る、なァ」
口から布を落とした貴志の溢した喘ぐような懇願に、体の奥から熱の塊が押し寄せた。
俺の存在に気がついても、全く自分を抑えられないのだろう。
泣きそうな目で、俺を見る貴志は、明らかに飢えて欲情した獣の目をしていた。
「たかし……」
初めてのヒート以来、貴志は我を失うような状態には陥っていない。
だから、貴志のヒートは「軽い」のだと、俺は思っていた。
けれど、違ったのかもしれない。
俺は自慰に耽溺する貴志を見て、今呆然と立ち竦んでいる。
確かに貴志はヒートの最中でも思考することが出来る。
けれど、発情していない訳ではないのだ。
こみ上げる熱をコントロール出来る訳ではない。
熱を逃がそうとする自分を抑えられる訳でもない。
「くぅ、っあ、見るなって、ばぁ」
泣きながら自分を嬲り続ける貴志の目には、明らかな絶望が宿っている。
「っあ、なんで、おれ、くそっ」
欲情だけに支配されたのならば、まだ楽だったのかもしれない。
けれど、貴志は。
「っは、もう、やだ」
理性を、失うことも、出来ないのだ。
「……貴志、それ、水?」
足元にひたひたと近寄る液体の冷たさに、貴志に魅入っていた俺はハッと我に返った。
「っん、水だよ!でも、おさまんな」
「馬鹿!風邪ひくだろ!」
「でも、っあ」
怒鳴りつけてシャワーを止め、そして手近な棚から引っ張り出した大きなバスタオルで貴志の体を包み込む。
タオルが触れた瞬間、感じ入ったように貴志がふるふると震えたが、敢えて気がつかないふりをした。
「布団に戻るぞ。薬を飲んで、落ち着くんだ。……治るまで、そばに居てやるから」
それから、一時間。
頓服の抑制剤を飲んでも治らない熱に、貴志は悶えた。
そしてビクビクと震えながら欲情の波に耐える貴志を、俺は何をするでもなく見守った。
理性を失いかける恐怖に手を伸ばす貴志の手を取り、優しく握りしめて声をかける。
「大丈夫、大丈夫だ」
「お前はまだ、ちゃんとお前だよ」
「深呼吸しろよ、吸って、吐いて」
耐え難い熱の昂りに苦しみ悶えながら、高熱の子供のように荒い呼吸をする貴志を見かねて、俺は思わず泣きそうになった。
「イきたいなら、抜くの手伝ってやろうか?」
躊躇った末に口を吐いて出た提案には、握り合う手の甲に爪を立てられて拒まれた。
馬鹿なことを言ってしまった、と、後悔した。
「……ありがと、な」
「いや……余計な真似しちゃって、悪かったな」
やっと落ち着きを見せた貴志にお礼を言われ、俺はなんとも決まりが悪くて顔を背けた。
「ううん、ありがと。引かないでくれて、嬉しかった」
「引くわけないだろ。発作なんて、しょうがないんだから」
貴志の言葉にやりきれない思いで否定すれば、貴志は柔らかな表情でくすくすと笑う。
「修一ってさ」
「ん?」
抑制剤を内服して少しは落ち着いたものの、貴志はまだ微熱があるような顔をしている。
「ぜんぜん、ヒートに影響されないよな」
「っ、えっと」
感心したような、呆れたような、困ったような声で嘆息する貴志に、俺は一瞬言葉に詰まった。
「まぁ、……俺は、ベータだからな」
先ほど完全に貴志の熱気に当てられ、危うく襲い掛かりそうだったとはとても言えず、俺は平静を装って頷いた。
「ベータでも、さ」
コロリと後ろを向いて、俺に背を向けたまま貴志がポツリと呟く。
「欲望に弱い人間は、簡単に負けるよ。それで、言うんだ。『オメガが悪い』って」
「……悪いわけないじゃん」
「ふふっ、お前、……いいやつだよな」
一抹の諦念と、幾らかの喜びと、大きな信頼の込められた貴志の言葉に、何故か俺は胸を抉られるような思いがした。
「そうでもないけど。でも……ありがとな」
一時の惑乱に任せて貴志を穢してしまわなくて本当に良かったと、俺は安堵して泣きそうだった。
自らのために貴志を傷つけてしまったら、俺はとても自分を許せそうにない。
俺は、貴志の心も体も守りたいと、心から願っているのだから。
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