47 / 387
ウタと愉快な盗賊くん
雷の使い手 エイプリー
しおりを挟む
四階は、三階に比べるととても明るいが、二階よりは薄暗い。そして、とても殺風景だった。ほとんど何もないのだ。ただ、奥に扉があって、その前に例のごとく螺旋階段があるだけだった。
「……はぁ…………」
「大丈夫ですか? アリアさん」
「無理すんなよ? 次はおいらが頑張るからさ!」
「心配かけて悪いな。……でも、今はあっちに集中だ」
アリアさんの視線の先に目をやる。奥の扉が開いていて、その前には、真っ白な長い髪をした女性が、静かに立っていた。
消去法でいくと、この人が四天王最後の一人、エイプリー。とりあえず、冷静に鑑定する。
名前 エイプリー
種族 人間
年齢 29
職業 魔術師
レベル 60
HP 7100
MP 4000
スキル アイテムボックス・暗視・剣術(中級)・体術(中級)・初級魔法(熟練度6)・炎魔法(熟練度6)・雷魔法(熟練度8)・光魔法(熟練度4)・闇魔法(熟練度3)
ユニークスキル 雷鳴
称号 キルナンス四天王・雷の使い手・冷淡
身構える僕らに、エイプリーは静かに口を開く。
「……先を急ぐのはわかる。でも、少し話を聞いて」
今までの四天王とはまるで違う。疲れきっているアリアさんに代わって、僕は口を開いた。
「……話が、したいって?」
「今までの、全部見てた。みんなは強い。でも、それを倒した、あなたたちはもっと強い。普通に戦ったら、勝てない」
あまりにも弱気な態度に、こちらがどう反応していいのか分からなくなってしまう。
「だから、取り引き、したい」
「取り引き?」
僕が聞き返すと、エイプリーはうなずく。
「あなたたちが、ローレン、カーター、モーリスをここに残して、ここから去ってくれたら、私たちは、あなたたちのことは追わない。危害も加えない。だから、帰ってほしい」
「…………」
簡単に言えば、今ここで引き下がれば、お前らのことは許してやる、ということだ。
僕はちらりと二人を見る。……しっかりと意思を持った目で、うなずかれた。
「……僕らは、退きません。絶対に」
「そう。残念。……それじゃあ、」
エイプリーが右手を前に突き出す。僕らもそれを見て一気に身構えた。
「雷鳴」
突如として、その手から僕らに向かって三本の雷が放たれる。咄嗟に横に避けて回避する。ポロンくんも同じように。が、
「っく……」
「あ、アリアさん……!」
動きが鈍っていたアリアさんだけは避けきることができずにその攻撃を受け、床に膝をつく。すぐに駆け寄ろうとしたが、
「雷鳴」
「っ……」
また魔法が放たれ、近づくことが出来ない。その代わりアリアさんにエイプリーが近づいていった。
雷魔法には麻痺の効果がある。そう、さっきアリアさんが言っていたのを思い出した。そのせいなのか、アリアさんはほとんど動くことが出来ないようだ。
「……ステータス10倍に加えて、窃盗という大きなスキル。そして、なぜかあなたたちは、私たちの弱点を知っている。普通にやったら勝てない。
でも、一人弱ったのがラッキーだった」
「っ、離せ……!」
エイプリーは身をかがめ、アリアさんの首に左腕を回し、懐から取り出したナイフを突きつける。
「……殺されたく、ないでしょ? 私も殺したくない。いい商品。カモはたくさんいる。皇女で、美人。スタイルもいい。金貨1000枚はくだらない。
殺されたくなかったら、そこから一歩も動かないで。あと、窃盗のスキルは解いて。言うこと聞かなかったら、この首、切っちゃうからね」
なにも言い返せないし、なにか行動することも出来ない。と、いつのまにか窃盗を使っていたポロンくんが僕の隣に姿を見せ、そして、僕に聞いてきた。
「……なぁ、予定は未定であって、絶対にそうしなきゃいけないってことじゃ、ないよな?」
「え?」
この状況で、何をいってるんだろう……。僕が頭にはてなを浮かべると、ポロンくんは続けていう。
「敵を倒すよりも、仲間を助ける方がいいよな」
「……うん、そうだね」
ポロンくんがなぜそんなことを聞いてくるのかわからなかった。けど、
「……じゃあ、二人は、死んで」
「お前ら! 避け――」
次の瞬間、全て理解した。
「プランツファクトリー!」
ポロンくんがそう叫んだ瞬間、床から無数の蔦がのび、エイプリーのナイフに絡みつく。蔦は、驚いて僕らから目を離したエイプリーにも絡み付き、動きを封じていった。
僕はチャンスだと思い、アリアさんの方へかけていき、蔦が絡み付いたナイフを遠ざけ、腕を引いた。
「だ、大丈夫ですか!?」
「大丈夫だ……悪い、私が避け損ねたから」
「もういいですって! 無事だったんだから! それに、まだ終わってませんよ!」
蔦に絡まれ、それをなんとか振りほどこうとしているエイプリーだが、これはアイリーンさんにポロンくんがもらったスキルだ。そう簡単に解除できるわけがない。
「なに……これ……とれない」
そして、その背後に、スッとポロンくんが現れる。
「おいらだって、キルナンスの端くれだい。こういう修羅場、何回か乗り越えてるんだからな」
「…………!?」
「卑怯なのは、お互い様だい!
ウィングトルネード!」
ポロンくんは風魔法を唱えると同時にプランツファクトリーを解除する。風の渦に巻き込まれたエイプリーは高く浮き上がり、やがて、床に落ちて気を失った。
「……へへ、予定とは違うところでプランツファクトリー使っちまったよ。ごめん」
頭をポリポリとかきながら気まずそうにポロンくんがいうが、僕もアリアさんも首を振る。
「いや、お前が機転を利かせてくれなかったら、私は死ぬか、人身売買で売り渡されていたかもしれない」
「僕らだって死んでたかもだしね。全然大丈夫だよ! むしろ本当にありがとう! ポロンくん!」
「……べ、別に、おいらは自分が助かろうと思ってそうしただけだい!」
自分が助かればいいのであれば、窃盗を解除せずに背後をとればよかったのだけど、そうはせずに姿を現してアリアさんの安全を確保しようとした。
……全く、素直じゃないなぁ。
「……次、頭領か?」
「そうだな。四天王はみんな倒した。おいらが知ってるのが正しければ、次が頭領のはずだい」
「ちょっと緊張しますね……。アリアさん、怪我とかしてませんか?」
「怪我はしてないが、まだ完全に痺れが……あぁそうだ。二人のどっちでもいいが、回復魔法お願いできるか?」
「あっ、じゃあ僕が。僕ならすぐにMP回復しますから。ヒール」
アリアさんに向かって手をかざす。目には見えないが、アリアさんの様子を見る限り、ちゃんと出来ているようだ。
「よし、もういいぞ。疲労感も、さっきよりは大分回復した。これならいける」
「……いける? ポロンくん」
「おいらはいつだって大丈夫だい!」
「よし……じゃあ、行くよ」
僕らは、最後と思われる螺旋階段をのぼった。
「……はぁ…………」
「大丈夫ですか? アリアさん」
「無理すんなよ? 次はおいらが頑張るからさ!」
「心配かけて悪いな。……でも、今はあっちに集中だ」
アリアさんの視線の先に目をやる。奥の扉が開いていて、その前には、真っ白な長い髪をした女性が、静かに立っていた。
消去法でいくと、この人が四天王最後の一人、エイプリー。とりあえず、冷静に鑑定する。
名前 エイプリー
種族 人間
年齢 29
職業 魔術師
レベル 60
HP 7100
MP 4000
スキル アイテムボックス・暗視・剣術(中級)・体術(中級)・初級魔法(熟練度6)・炎魔法(熟練度6)・雷魔法(熟練度8)・光魔法(熟練度4)・闇魔法(熟練度3)
ユニークスキル 雷鳴
称号 キルナンス四天王・雷の使い手・冷淡
身構える僕らに、エイプリーは静かに口を開く。
「……先を急ぐのはわかる。でも、少し話を聞いて」
今までの四天王とはまるで違う。疲れきっているアリアさんに代わって、僕は口を開いた。
「……話が、したいって?」
「今までの、全部見てた。みんなは強い。でも、それを倒した、あなたたちはもっと強い。普通に戦ったら、勝てない」
あまりにも弱気な態度に、こちらがどう反応していいのか分からなくなってしまう。
「だから、取り引き、したい」
「取り引き?」
僕が聞き返すと、エイプリーはうなずく。
「あなたたちが、ローレン、カーター、モーリスをここに残して、ここから去ってくれたら、私たちは、あなたたちのことは追わない。危害も加えない。だから、帰ってほしい」
「…………」
簡単に言えば、今ここで引き下がれば、お前らのことは許してやる、ということだ。
僕はちらりと二人を見る。……しっかりと意思を持った目で、うなずかれた。
「……僕らは、退きません。絶対に」
「そう。残念。……それじゃあ、」
エイプリーが右手を前に突き出す。僕らもそれを見て一気に身構えた。
「雷鳴」
突如として、その手から僕らに向かって三本の雷が放たれる。咄嗟に横に避けて回避する。ポロンくんも同じように。が、
「っく……」
「あ、アリアさん……!」
動きが鈍っていたアリアさんだけは避けきることができずにその攻撃を受け、床に膝をつく。すぐに駆け寄ろうとしたが、
「雷鳴」
「っ……」
また魔法が放たれ、近づくことが出来ない。その代わりアリアさんにエイプリーが近づいていった。
雷魔法には麻痺の効果がある。そう、さっきアリアさんが言っていたのを思い出した。そのせいなのか、アリアさんはほとんど動くことが出来ないようだ。
「……ステータス10倍に加えて、窃盗という大きなスキル。そして、なぜかあなたたちは、私たちの弱点を知っている。普通にやったら勝てない。
でも、一人弱ったのがラッキーだった」
「っ、離せ……!」
エイプリーは身をかがめ、アリアさんの首に左腕を回し、懐から取り出したナイフを突きつける。
「……殺されたく、ないでしょ? 私も殺したくない。いい商品。カモはたくさんいる。皇女で、美人。スタイルもいい。金貨1000枚はくだらない。
殺されたくなかったら、そこから一歩も動かないで。あと、窃盗のスキルは解いて。言うこと聞かなかったら、この首、切っちゃうからね」
なにも言い返せないし、なにか行動することも出来ない。と、いつのまにか窃盗を使っていたポロンくんが僕の隣に姿を見せ、そして、僕に聞いてきた。
「……なぁ、予定は未定であって、絶対にそうしなきゃいけないってことじゃ、ないよな?」
「え?」
この状況で、何をいってるんだろう……。僕が頭にはてなを浮かべると、ポロンくんは続けていう。
「敵を倒すよりも、仲間を助ける方がいいよな」
「……うん、そうだね」
ポロンくんがなぜそんなことを聞いてくるのかわからなかった。けど、
「……じゃあ、二人は、死んで」
「お前ら! 避け――」
次の瞬間、全て理解した。
「プランツファクトリー!」
ポロンくんがそう叫んだ瞬間、床から無数の蔦がのび、エイプリーのナイフに絡みつく。蔦は、驚いて僕らから目を離したエイプリーにも絡み付き、動きを封じていった。
僕はチャンスだと思い、アリアさんの方へかけていき、蔦が絡み付いたナイフを遠ざけ、腕を引いた。
「だ、大丈夫ですか!?」
「大丈夫だ……悪い、私が避け損ねたから」
「もういいですって! 無事だったんだから! それに、まだ終わってませんよ!」
蔦に絡まれ、それをなんとか振りほどこうとしているエイプリーだが、これはアイリーンさんにポロンくんがもらったスキルだ。そう簡単に解除できるわけがない。
「なに……これ……とれない」
そして、その背後に、スッとポロンくんが現れる。
「おいらだって、キルナンスの端くれだい。こういう修羅場、何回か乗り越えてるんだからな」
「…………!?」
「卑怯なのは、お互い様だい!
ウィングトルネード!」
ポロンくんは風魔法を唱えると同時にプランツファクトリーを解除する。風の渦に巻き込まれたエイプリーは高く浮き上がり、やがて、床に落ちて気を失った。
「……へへ、予定とは違うところでプランツファクトリー使っちまったよ。ごめん」
頭をポリポリとかきながら気まずそうにポロンくんがいうが、僕もアリアさんも首を振る。
「いや、お前が機転を利かせてくれなかったら、私は死ぬか、人身売買で売り渡されていたかもしれない」
「僕らだって死んでたかもだしね。全然大丈夫だよ! むしろ本当にありがとう! ポロンくん!」
「……べ、別に、おいらは自分が助かろうと思ってそうしただけだい!」
自分が助かればいいのであれば、窃盗を解除せずに背後をとればよかったのだけど、そうはせずに姿を現してアリアさんの安全を確保しようとした。
……全く、素直じゃないなぁ。
「……次、頭領か?」
「そうだな。四天王はみんな倒した。おいらが知ってるのが正しければ、次が頭領のはずだい」
「ちょっと緊張しますね……。アリアさん、怪我とかしてませんか?」
「怪我はしてないが、まだ完全に痺れが……あぁそうだ。二人のどっちでもいいが、回復魔法お願いできるか?」
「あっ、じゃあ僕が。僕ならすぐにMP回復しますから。ヒール」
アリアさんに向かって手をかざす。目には見えないが、アリアさんの様子を見る限り、ちゃんと出来ているようだ。
「よし、もういいぞ。疲労感も、さっきよりは大分回復した。これならいける」
「……いける? ポロンくん」
「おいらはいつだって大丈夫だい!」
「よし……じゃあ、行くよ」
僕らは、最後と思われる螺旋階段をのぼった。
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
収納持ちのコレクターは、仲間と幸せに暮らしたい。~スキルがなくて追放された自称「か弱い女の子」の元辺境伯令嬢。実は無自覚チートで世界最強⁉~
SHEILA
ファンタジー
生まれた時から、両親に嫌われていた。
物心ついた時には、毎日両親から暴力を受けていた。
4年後に生まれた妹は、生まれた時から、両親に可愛がられた。
そして、物心ついた妹からも、虐めや暴力を受けるようになった。
現代日本では考えられないような環境で育った私は、ある日妹に殺され、<選択の間>に呼ばれた。
異世界の創造神に、地球の輪廻の輪に戻るか異世界に転生するかを選べると言われ、迷わず転生することを選んだ。
けれど、転生先でも両親に愛されることはなくて……
お読みいただきありがとうございます。
のんびり不定期更新です。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる