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05 努力の日々

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それまで好きではなかった魔法の練習を、ティレーリアは一生懸命頑張った。
元々素質は悪くなかったのか、癒しの魔法だけではなくて、水や風を操ることも出来るようになって

毎月10の日、森の中の湖畔でヴィリディスに少しだけ「こんな事も出来るようになったのよ」と見てもらって、
そうするとヴィリディスは決まってティレーリアを褒めてくれた。

今のはこうした方が良いかも、とか、これが出来たならこんなのも出来るんじゃないかな、とか
アドバイスや、少し先を行った新しい魔法を教わって。

ヴィリディスに褒められるのが嬉しくて、教えてくれた魔法を上手に使えるようになった時は近づけたみたいでもっと嬉しくて、
だけど時々見せてくれるヴィリディスの魔法は、本人はとても簡単そうにやってのけるけどやっぱり凄くて。

ヴィリディスに少しでも追いつきたくて、ティレーリアは毎日毎日頑張った。


そうして5年の月日が経った頃には、
ティレーリアは村の中で1番の癒しの魔法の使い手になっていた。

それ以外の魔法もそこそこは使えるようになったけれど、何をしてもヴィリディスの魔法には敵わなくて、
この頃になると、ティレーリアはヴィリディスの魔法を見るのは楽しみだけれど、
反面自分にはやっぱり才能がないのだと、密かに溜息をつくようになっていた。

そんなティレーリアをヴィリディスは困ったように見つめて、そして決まって
「ティーアはすごいよ」
と優しく髪を撫でてくれた。

「ありがとう」と微笑むティレーリアに、ヴィリディスはいつももどかしそうに、少しだけ苦しそうな顔をしていた。

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