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02. 告白
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「んぅ……」
──何かが肌を這っている。
胸を、太腿を、ゆっくりと這うそれを払おうとしたけれど、思うように手が動かない。
身体を捩ろうとしても、ちっとも動かす事が出来ない。
厚いもやに覆われているような意識の中、それでもルクリアは何とか瞼を持ち上げた。
ぼやけた視界の中見えたのは、見覚えの無い天蓋。
次いで身体にかかる重みを感じて、ルクリアはぼんやりと視線を下ろした。
「……え……?」
誰かが自分に覆いかぶさっている。
しかも自分の胸があらわになっていて、上手く働かない頭でも何か良くない事が起こっていると分かってルクリアは身じろいだ。
「──あぁ、気がついたか?」
ルクリアの動きに反応して、その胸に顔を埋めるようにしていた人物が動いた。
「……ウォルナー、侯爵……?」
「言っただろう? ユーグ、だよ、ルクリア」
頬を撫でながらそう言ったユグランスに、ルクリアはそういえばそんな事を言われたと思い出して、そしてその後目眩に襲われた事を思い出した。
「わたし……たおれて……?」
「あぁ、気分はどうだ? 強い薬ではないからそう影響はないと思うが」
「────え?」
さらりと言われたその言葉の意味を、まだぼんやりとしていたルクリアは上手く捉えることが出来なかった。
「くす、り……?」
「変なものじゃないから心配はない。眠くなるだけだ……が、少し効きすぎたようだな」
効きやすい体質なのかもしれないなと笑んだユグランスに、ルクリアは頭の芯がすぅっと冷えたような感覚を覚えて小さく頭を振る。
「ど、して……こんな、こと……」
「どうして? そんな事、決まっているだろう?」
普段であれば見惚れてしまいそうな、蕩けるような微笑みを浮かべてユグランスはルクリアの頬を撫でる。
「愛しているからだよ、可愛いルクリア。やっと私の元に来てくれた」
うっとりと微笑むユグランスに、ルクリアは息を飲んだ。
「あ、い……?」
「ルクリアも覚えているだろう? 十三年前の、花園での出逢いを」
「はな、ぞの……?」
いまだ上手く働かない頭で、それでもルクリアは必死に記憶を掘り起こす。
十三年前──ルクリアはまだ四歳だ。
ユグランスの容姿と花園というキーワードでその出逢いを思い出そうとしてみるが、頭が重いせいもあってかちっとも思い出す事が出来ない。
「その頃の茶会では、暇を持て余した子供たちが親の目から離れた場所で、とある遊びに興じていたんだ──その遊びというのが、私をいたぶる事だった」
「──え?」
侯爵家の跡取りを? と疑問を表情に乗せたルクリアに微笑んで、ユグランスはゆっくりとルクリアの胸に顔を寄せる。
「ひゃっ……!」
そのまま肌を舐められて、ルクリアはびくりと身体を跳ねさせた。
「うぉる……」
「ユーグだ」
言っただろう? とユグランスはルクリアの胸の先端、小さな蕾に軽く歯を立てた。
声を上げて身を捩ろうとするルクリアを宥める様に、今度は蕾を舐めて、そしてちゅっと吸い上げる。
「私は庶子でね。正式な跡取りが病で死んだとかで、その頃この家に無理矢理連れて来られたばかりだった」
「あっ……やぁ……っ!」
ルクリアの胸を唇で、指で、なぞる様に愛でながら、ユグランスは言葉を落とす。
「まだ貴族としての振る舞いなど身についていなかった私を、言葉で、時に手や足で、楽しくて仕方がないといった様子でね」
「んっ……!」
「子供といえども貴族様に手など出せないと。当時の私はやり返す事も出来ずされるがままだった。そんな時に現れたのが、君だ」
こり、と蕾を指先で捏ねられて、ルクリアはまたびくりと身体を震わせた。
──何かが肌を這っている。
胸を、太腿を、ゆっくりと這うそれを払おうとしたけれど、思うように手が動かない。
身体を捩ろうとしても、ちっとも動かす事が出来ない。
厚いもやに覆われているような意識の中、それでもルクリアは何とか瞼を持ち上げた。
ぼやけた視界の中見えたのは、見覚えの無い天蓋。
次いで身体にかかる重みを感じて、ルクリアはぼんやりと視線を下ろした。
「……え……?」
誰かが自分に覆いかぶさっている。
しかも自分の胸があらわになっていて、上手く働かない頭でも何か良くない事が起こっていると分かってルクリアは身じろいだ。
「──あぁ、気がついたか?」
ルクリアの動きに反応して、その胸に顔を埋めるようにしていた人物が動いた。
「……ウォルナー、侯爵……?」
「言っただろう? ユーグ、だよ、ルクリア」
頬を撫でながらそう言ったユグランスに、ルクリアはそういえばそんな事を言われたと思い出して、そしてその後目眩に襲われた事を思い出した。
「わたし……たおれて……?」
「あぁ、気分はどうだ? 強い薬ではないからそう影響はないと思うが」
「────え?」
さらりと言われたその言葉の意味を、まだぼんやりとしていたルクリアは上手く捉えることが出来なかった。
「くす、り……?」
「変なものじゃないから心配はない。眠くなるだけだ……が、少し効きすぎたようだな」
効きやすい体質なのかもしれないなと笑んだユグランスに、ルクリアは頭の芯がすぅっと冷えたような感覚を覚えて小さく頭を振る。
「ど、して……こんな、こと……」
「どうして? そんな事、決まっているだろう?」
普段であれば見惚れてしまいそうな、蕩けるような微笑みを浮かべてユグランスはルクリアの頬を撫でる。
「愛しているからだよ、可愛いルクリア。やっと私の元に来てくれた」
うっとりと微笑むユグランスに、ルクリアは息を飲んだ。
「あ、い……?」
「ルクリアも覚えているだろう? 十三年前の、花園での出逢いを」
「はな、ぞの……?」
いまだ上手く働かない頭で、それでもルクリアは必死に記憶を掘り起こす。
十三年前──ルクリアはまだ四歳だ。
ユグランスの容姿と花園というキーワードでその出逢いを思い出そうとしてみるが、頭が重いせいもあってかちっとも思い出す事が出来ない。
「その頃の茶会では、暇を持て余した子供たちが親の目から離れた場所で、とある遊びに興じていたんだ──その遊びというのが、私をいたぶる事だった」
「──え?」
侯爵家の跡取りを? と疑問を表情に乗せたルクリアに微笑んで、ユグランスはゆっくりとルクリアの胸に顔を寄せる。
「ひゃっ……!」
そのまま肌を舐められて、ルクリアはびくりと身体を跳ねさせた。
「うぉる……」
「ユーグだ」
言っただろう? とユグランスはルクリアの胸の先端、小さな蕾に軽く歯を立てた。
声を上げて身を捩ろうとするルクリアを宥める様に、今度は蕾を舐めて、そしてちゅっと吸い上げる。
「私は庶子でね。正式な跡取りが病で死んだとかで、その頃この家に無理矢理連れて来られたばかりだった」
「あっ……やぁ……っ!」
ルクリアの胸を唇で、指で、なぞる様に愛でながら、ユグランスは言葉を落とす。
「まだ貴族としての振る舞いなど身についていなかった私を、言葉で、時に手や足で、楽しくて仕方がないといった様子でね」
「んっ……!」
「子供といえども貴族様に手など出せないと。当時の私はやり返す事も出来ずされるがままだった。そんな時に現れたのが、君だ」
こり、と蕾を指先で捏ねられて、ルクリアはまたびくりと身体を震わせた。
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