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番外編
『可愛い』
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【創作お題】RTされたら指定された攻めの台詞を使ってCPの作品を描(書)きましょう(https://shindanmaker.com/528698)からのお題で、
「可愛いって言うと照れるお前がまた可愛くてな」の台詞を使ってフェリィを描(書)きましょう。
です。
2年以上ぶりの更新何事!?と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、
実はこの話、最初の方だけ書いて2年半ばかり放置しておりました(時の流れがはやすぎて…)
何故だか急にやる気になって書き上げてみたので、相変わらずの二人をお楽しみ頂けると嬉しいです。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
「あー、もうホント可愛い。さっきの顔見た? 照れ隠しで睨んでくるとか、もうホント可愛い」
――いや、あれはどう見ても照れ隠しなんかじゃねーだろ。完全に迷惑そうな顔だろ。
というツッコミを飲み込んで、フェリクスは可愛い可愛いと連呼しているマウロに溜息を落とす。
「本気で嫌がられてるとは思わねーのか?」
「最初の頃は迷惑そうだったけど、最近は良い感じの反応してくれるからなぁ……脈は、ある」
自信満々にそう言い切ったマウロに、恋だとか愛だとか言うものとは無縁で生きてきたフェリクスは、そうか……とだけ返した。
フェリクスにはアンネが本気で迷惑そうにしているように見えたが、色恋沙汰でマウロに敵うはずもない。
マウロが言うのならば、きっと恐らくは本当にアンネは〝脈あり〟なのだろう。
あー可愛いかった、とまだニヤニヤしているマウロに、しかしフェリクスは呆れたような視線を向ける。
「お前は恥ずかしげもなく……」
いい加減戻れと小突くと、マウロははいはいと言いながらちらりとフェリクスを伺う。
「何だ?」
「いや、フェリクスはリィナ様にちゃんと言ってんのかなーと思ってさ」
「――――あ?」
「可愛い、愛してるってさ。たまにでもちゃんと言葉にしないと、いくらリィナ様でも逃げるかもよ」
そんな事を言われて眉間に皺を刻んでむぐっと押し黙ったフェリクスに、マウロはニヤリと笑みを浮かべた。
「フェリクス様!」
お疲れ様です! と声を弾ませて立ち上がったリィナを抱き寄せながらテーブルの上に目をやると、本が一冊伏せられていた。
今日は読書をして過ごしていたのかと問えば、リィナははい、とニッコリと微笑む。
「復習中なんです」
「…………そうか」
何を、と問うのは止めて、フェリクスはただ頷いてリィナの柔らかな唇に自分のそれを重ねる。
「……リィナ」
「はい?」
「あー……その、なんだ……」
フェリクスにしては珍しく、何か言いかけてはモゴモゴと口を噤んでしまう様子に、リィナはこてんと首を傾げる。
「何かありましたか?」
フェリクスが言葉にしにくいような何かが起こったのかしらと、リィナは心配そうにフェリクスを見上げる。
「いや、別に何かあったってわけじゃねーんだが……な……」
リィナを腕の中に閉じ込めたまま、あーとかうーとかひとしきり唸ったフェリクスは、ついにはあ"ーーっ! と叫ぶと頭をガシガシと掻いて、そしてぎゅむっとリィナを抱き締めた。
「フェリクス様……???」
「…………マウロの奴がな」
「はい」
「アンネの事を……その……あー……」
フェリクスがそこでまた言い淀んだものだから、リィナはあぁ! とぱっと顔を綻ばせる。
「そうなんです。マウロさん、アンネの事を絶賛口説き中で!」
実の所アプローチはリィナが嫁いで来てすぐの頃から始まっていて、屋敷の皆でずーっと見守っていたのだけれど、二年近く経った最近ついに! アンネの態度が変わってきたのだと、興奮気味に説明するリィナに、フェリクスはそうだったのか、と目を丸くした。
「もしかしてフェリクス様、ちっともマウロさんの気持ちに気付いていませんでしたか?」
「あいつはいつだってあの調子でチャラチャラしてんだから、本気だと思うわけねーだろ」
「そこなんですよね……」
リィナが頬に手を当てて、ほぅと溜め息を落とす。
「アンネったら、マウロさんの女性関係は信用が出来ないって」
「そりゃそーだろ」
どぎっぱりと頷いたフェリクスに、リィナはまぁ、と苦笑を零す。
「でもマウロさん、アンネと出会ってからは一度も遊んでいないのだそうですよ」
「……そうなのか?」
そうだったか? と首を傾げているフェリクスに、リィナはベティとクラーラ調べです、と得意気に胸を張る。
「最近は街の皆さまからも応援されているようで――だからでしょうか。アンネも以前に比べると、マウロさんを気にしている様子で」
ふふ、と楽しそうに笑ったリィナは、けれどあら、と口を手で抑える。
「ごめんなさい、フェリクス様。お話が逸れてしまいましたね」
「あぁ、いや……。そのマウロがな……アンネの事を、可愛い可愛いと言いやがる上に……あー……その……俺も、リィナにそういう事を言わねーと、愛想つかされて逃げられるだのなんだのと、言いやがるから、だな……」
ごにょごにょと小さくなっていくフェリクスの声に、リィナはまぁ、と笑みを零す。
「私、そんな事で愛想を尽かせたりしませんわ。――でも、そうですね」
ちら、と見上げて来るリィナに、フェリクスはぐっと身構える。
「言って頂けたら嬉しい……と、思います」
控えめな、けれど視線にはたっぷりと期待の色を浮かべているリィナに、フェリクスは小さく唸る。
そんなフェリクスに向かって、リィナは小さく笑うと腕を伸ばした。
当然のようにその腕を引き寄せて小さな身体を腕の中に収め直したフェリクスの胸に、リィナは甘えるように頬を擦り付ける。
「フェリクス様……私のこと可愛いって、思って下さっていますか?」
「――――当たり前だろう」
ぼそりと返された答えに、リィナはぱぁっと笑顔を見せると、ぎゅうっとリィナの力の限りでフェリクスに抱き着く。
「私、それで充分です。ありがとうございます、フェリクス様。好きです、大好きです。愛してます」
ぎゅうぎゅうと抱き着いて来るリィナに、フェリクスは呆れたような、面映ゆそうな、何とも言えない笑みを浮かべると、まったく、とリィナ抱き上げる。
「思わないわけがないだろう――俺の嫁は、誰よりも可愛い」
「――――え」
一瞬何を言われたのか分からずにぽかんとしたリィナの頭を引き寄せると、フェリクスは軽く触れるだけの口付けをする。
ちゅ、と軽い音を立てて唇が離れてから数拍。リィナの頬がかぁっと染まった。
「あの、フェリクス様、今……」
え? あら? と真っ赤になったまんまオロオロしているリィナに、フェリクスは可笑しそうに笑うとリィナの頬を撫でる。
そうしてにやりと、いたずらを思いついたような悪そうな顔で笑った。
「照れるお前も、可愛……」
「きゃーっ! 待って……待ってください!!」
両手で顔を覆って身悶えているリィナに、フェリクスがくっと喉を鳴らす。
「……どうしましょう、フェリクス様。私嬉しくて死んでしまいそうです」
「死なれんのは困るな」
リィナは顔を覆っている指の隙間からちらりとフェリクスを見る。
そうしてすーはーと深呼吸をしてからそろりと手を外すと、期待にこくりと喉を鳴らした。
「――もう大丈夫ですわ。フェリクス様、もう一度お願いいたします!」
「んな事、何度も言うかよ」
「えっ!?」
「死なれちゃ困るからな」
「ええっ!!?」
そんな! と今度はへにゃりと眉を下げて泣きそうな顔になってしまったリィナに、フェリクスは可笑しそうに笑う。
「まぁ、気が向いたら、な」
むにゅっと頬をつままれたことで、リィナはフェリクスからのご褒美タイムが終わってしまったことを察してがっくりと項垂れる。
「うぅ……不意打ちなんてひどいです、フェリクス様。きちんと心の準備をしてから、全神経を集中して聞きたかったのに……」
自分の肩にぐりぐりぐりぐりと額を押し付けてくるリィナに、フェリクスは仕方ねーなと言うとリィナを抱き上げたまま歩き出す。
そうして寝室に入るとぽすんっとリィナを寝台へ横たえる。
「……フェリクス様?」
「いらねーか?」
長男を身籠って以降、産後の不調やら何やらも落ち着いてすっかり元気になった今になってもぐんと数が減ったままの語らいへの誘いにリィナは一瞬目を丸くして、けれどすぐに嬉しそうに微笑む。
「欲しいです」
まだ明るい時間帯ではあるけれど、こんなチャンスを逃がすなんて出来るはずもない。
リィナは手を伸ばしてフェリクスの首に回す。
「ください、フェル様」
とろりと笑みを浮かべたリィナに口端を上げると、フェリクスはゆっくりとリィナに覆いかぶさった。
夕餉の時間を少し過ぎてから食堂にやって来た二人をにやにやと笑いながら迎えたマウロは、フェリクスからはごつんっとゲンコツを貰い、リィナからはこっそりと耳打ちをされた。
「フェリクス様はお言葉にするのは得意ではありませんけど、たくさんお気持ちを頂いているので大丈夫ですよ――でも、ありがとうございます」
幸せそうに笑っているリィナに、マウロはぱちりと片目を瞑ってみせた。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
お読みくださいましてありがとうございました♡
言わなきゃ!と意識しちゃうと恥ずかしくなってもごもごしちゃうフェリクスさんでした(笑)
結局お題の台詞まんまは言わせられませんでしたが、頑張ったんじゃないかと思います(フェリクスが)
そしてマウロ×アンネも書きたいなぁ、という想いが強くなってしまいました。
需要、あるでしょうか…?(^^;
ところでトラサーン(リィナ愛読書の主人公)は、一体いつまで旅を続けさせられるんでしょうね?(今更)
「可愛いって言うと照れるお前がまた可愛くてな」の台詞を使ってフェリィを描(書)きましょう。
です。
2年以上ぶりの更新何事!?と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、
実はこの話、最初の方だけ書いて2年半ばかり放置しておりました(時の流れがはやすぎて…)
何故だか急にやる気になって書き上げてみたので、相変わらずの二人をお楽しみ頂けると嬉しいです。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
「あー、もうホント可愛い。さっきの顔見た? 照れ隠しで睨んでくるとか、もうホント可愛い」
――いや、あれはどう見ても照れ隠しなんかじゃねーだろ。完全に迷惑そうな顔だろ。
というツッコミを飲み込んで、フェリクスは可愛い可愛いと連呼しているマウロに溜息を落とす。
「本気で嫌がられてるとは思わねーのか?」
「最初の頃は迷惑そうだったけど、最近は良い感じの反応してくれるからなぁ……脈は、ある」
自信満々にそう言い切ったマウロに、恋だとか愛だとか言うものとは無縁で生きてきたフェリクスは、そうか……とだけ返した。
フェリクスにはアンネが本気で迷惑そうにしているように見えたが、色恋沙汰でマウロに敵うはずもない。
マウロが言うのならば、きっと恐らくは本当にアンネは〝脈あり〟なのだろう。
あー可愛いかった、とまだニヤニヤしているマウロに、しかしフェリクスは呆れたような視線を向ける。
「お前は恥ずかしげもなく……」
いい加減戻れと小突くと、マウロははいはいと言いながらちらりとフェリクスを伺う。
「何だ?」
「いや、フェリクスはリィナ様にちゃんと言ってんのかなーと思ってさ」
「――――あ?」
「可愛い、愛してるってさ。たまにでもちゃんと言葉にしないと、いくらリィナ様でも逃げるかもよ」
そんな事を言われて眉間に皺を刻んでむぐっと押し黙ったフェリクスに、マウロはニヤリと笑みを浮かべた。
「フェリクス様!」
お疲れ様です! と声を弾ませて立ち上がったリィナを抱き寄せながらテーブルの上に目をやると、本が一冊伏せられていた。
今日は読書をして過ごしていたのかと問えば、リィナははい、とニッコリと微笑む。
「復習中なんです」
「…………そうか」
何を、と問うのは止めて、フェリクスはただ頷いてリィナの柔らかな唇に自分のそれを重ねる。
「……リィナ」
「はい?」
「あー……その、なんだ……」
フェリクスにしては珍しく、何か言いかけてはモゴモゴと口を噤んでしまう様子に、リィナはこてんと首を傾げる。
「何かありましたか?」
フェリクスが言葉にしにくいような何かが起こったのかしらと、リィナは心配そうにフェリクスを見上げる。
「いや、別に何かあったってわけじゃねーんだが……な……」
リィナを腕の中に閉じ込めたまま、あーとかうーとかひとしきり唸ったフェリクスは、ついにはあ"ーーっ! と叫ぶと頭をガシガシと掻いて、そしてぎゅむっとリィナを抱き締めた。
「フェリクス様……???」
「…………マウロの奴がな」
「はい」
「アンネの事を……その……あー……」
フェリクスがそこでまた言い淀んだものだから、リィナはあぁ! とぱっと顔を綻ばせる。
「そうなんです。マウロさん、アンネの事を絶賛口説き中で!」
実の所アプローチはリィナが嫁いで来てすぐの頃から始まっていて、屋敷の皆でずーっと見守っていたのだけれど、二年近く経った最近ついに! アンネの態度が変わってきたのだと、興奮気味に説明するリィナに、フェリクスはそうだったのか、と目を丸くした。
「もしかしてフェリクス様、ちっともマウロさんの気持ちに気付いていませんでしたか?」
「あいつはいつだってあの調子でチャラチャラしてんだから、本気だと思うわけねーだろ」
「そこなんですよね……」
リィナが頬に手を当てて、ほぅと溜め息を落とす。
「アンネったら、マウロさんの女性関係は信用が出来ないって」
「そりゃそーだろ」
どぎっぱりと頷いたフェリクスに、リィナはまぁ、と苦笑を零す。
「でもマウロさん、アンネと出会ってからは一度も遊んでいないのだそうですよ」
「……そうなのか?」
そうだったか? と首を傾げているフェリクスに、リィナはベティとクラーラ調べです、と得意気に胸を張る。
「最近は街の皆さまからも応援されているようで――だからでしょうか。アンネも以前に比べると、マウロさんを気にしている様子で」
ふふ、と楽しそうに笑ったリィナは、けれどあら、と口を手で抑える。
「ごめんなさい、フェリクス様。お話が逸れてしまいましたね」
「あぁ、いや……。そのマウロがな……アンネの事を、可愛い可愛いと言いやがる上に……あー……その……俺も、リィナにそういう事を言わねーと、愛想つかされて逃げられるだのなんだのと、言いやがるから、だな……」
ごにょごにょと小さくなっていくフェリクスの声に、リィナはまぁ、と笑みを零す。
「私、そんな事で愛想を尽かせたりしませんわ。――でも、そうですね」
ちら、と見上げて来るリィナに、フェリクスはぐっと身構える。
「言って頂けたら嬉しい……と、思います」
控えめな、けれど視線にはたっぷりと期待の色を浮かべているリィナに、フェリクスは小さく唸る。
そんなフェリクスに向かって、リィナは小さく笑うと腕を伸ばした。
当然のようにその腕を引き寄せて小さな身体を腕の中に収め直したフェリクスの胸に、リィナは甘えるように頬を擦り付ける。
「フェリクス様……私のこと可愛いって、思って下さっていますか?」
「――――当たり前だろう」
ぼそりと返された答えに、リィナはぱぁっと笑顔を見せると、ぎゅうっとリィナの力の限りでフェリクスに抱き着く。
「私、それで充分です。ありがとうございます、フェリクス様。好きです、大好きです。愛してます」
ぎゅうぎゅうと抱き着いて来るリィナに、フェリクスは呆れたような、面映ゆそうな、何とも言えない笑みを浮かべると、まったく、とリィナ抱き上げる。
「思わないわけがないだろう――俺の嫁は、誰よりも可愛い」
「――――え」
一瞬何を言われたのか分からずにぽかんとしたリィナの頭を引き寄せると、フェリクスは軽く触れるだけの口付けをする。
ちゅ、と軽い音を立てて唇が離れてから数拍。リィナの頬がかぁっと染まった。
「あの、フェリクス様、今……」
え? あら? と真っ赤になったまんまオロオロしているリィナに、フェリクスは可笑しそうに笑うとリィナの頬を撫でる。
そうしてにやりと、いたずらを思いついたような悪そうな顔で笑った。
「照れるお前も、可愛……」
「きゃーっ! 待って……待ってください!!」
両手で顔を覆って身悶えているリィナに、フェリクスがくっと喉を鳴らす。
「……どうしましょう、フェリクス様。私嬉しくて死んでしまいそうです」
「死なれんのは困るな」
リィナは顔を覆っている指の隙間からちらりとフェリクスを見る。
そうしてすーはーと深呼吸をしてからそろりと手を外すと、期待にこくりと喉を鳴らした。
「――もう大丈夫ですわ。フェリクス様、もう一度お願いいたします!」
「んな事、何度も言うかよ」
「えっ!?」
「死なれちゃ困るからな」
「ええっ!!?」
そんな! と今度はへにゃりと眉を下げて泣きそうな顔になってしまったリィナに、フェリクスは可笑しそうに笑う。
「まぁ、気が向いたら、な」
むにゅっと頬をつままれたことで、リィナはフェリクスからのご褒美タイムが終わってしまったことを察してがっくりと項垂れる。
「うぅ……不意打ちなんてひどいです、フェリクス様。きちんと心の準備をしてから、全神経を集中して聞きたかったのに……」
自分の肩にぐりぐりぐりぐりと額を押し付けてくるリィナに、フェリクスは仕方ねーなと言うとリィナを抱き上げたまま歩き出す。
そうして寝室に入るとぽすんっとリィナを寝台へ横たえる。
「……フェリクス様?」
「いらねーか?」
長男を身籠って以降、産後の不調やら何やらも落ち着いてすっかり元気になった今になってもぐんと数が減ったままの語らいへの誘いにリィナは一瞬目を丸くして、けれどすぐに嬉しそうに微笑む。
「欲しいです」
まだ明るい時間帯ではあるけれど、こんなチャンスを逃がすなんて出来るはずもない。
リィナは手を伸ばしてフェリクスの首に回す。
「ください、フェル様」
とろりと笑みを浮かべたリィナに口端を上げると、フェリクスはゆっくりとリィナに覆いかぶさった。
夕餉の時間を少し過ぎてから食堂にやって来た二人をにやにやと笑いながら迎えたマウロは、フェリクスからはごつんっとゲンコツを貰い、リィナからはこっそりと耳打ちをされた。
「フェリクス様はお言葉にするのは得意ではありませんけど、たくさんお気持ちを頂いているので大丈夫ですよ――でも、ありがとうございます」
幸せそうに笑っているリィナに、マウロはぱちりと片目を瞑ってみせた。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
お読みくださいましてありがとうございました♡
言わなきゃ!と意識しちゃうと恥ずかしくなってもごもごしちゃうフェリクスさんでした(笑)
結局お題の台詞まんまは言わせられませんでしたが、頑張ったんじゃないかと思います(フェリクスが)
そしてマウロ×アンネも書きたいなぁ、という想いが強くなってしまいました。
需要、あるでしょうか…?(^^;
ところでトラサーン(リィナ愛読書の主人公)は、一体いつまで旅を続けさせられるんでしょうね?(今更)
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