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番外編
短編集ー01
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Twitterに上げたSSに加筆修正したものです。
2019年の ポッキーの日 と いい夫婦の日 の2本です(*´ω`*)
本日(2020/03/02)もう一本短編を上げていますので、未読の方は宜しければ1ページ前に戻って下さいませm(_ _"m)
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
【2019 ポッキーの日SS】
お仕事の邪魔になってはいけないので、と普段あまり執務室には近寄って来ないリィナが、珍しく「お茶にしませんか」と顔を覗かせた。
フェリクスは書類とペンを放り出すと、そのままリィナを伴って執務室を後にして自室へと移動する。
アンネがさささっとお茶の準備を整えている横で、フェリクスはテーブルの上に置かれている皿に目をやる。
その視線に、フェリクスの膝の上に落ち着いたリィナがあのですね……と何故かもじもじしながらフェリクスを見上げる。
「これ、今巷で話題のお菓子なんだそうです」
「また巷かよ……」
ちろりとアンネに視線を向ければ、丁度お茶の準備が終わったらしいアンネが「本当に巷で話題なんですよ」と言ってからさっさと部屋を辞していく。
「──んで?」
皿に盛られている"巷で話題の菓子"は、何やら細長い棒状で、一部を除いてチョコレートでコーティングされている。
これの何がそこまで話題になるのかさっぱり分からずに、フェリクスは一本摘まみ上げてみる。
「恋人たちは、これを両端から、一緒に食べるんだそうです」
「……へぇ?そんで?」
「あの、私たちも、やってみたいなぁ、なんて……思いまして……」
「んんっ……!」
リィナに咥えさせた菓子をバキ ボキと二口で口内に収めて、フェリクスはそのままリィナの唇を塞ぐ。
そうして唇を離すと、リィナが恨めし気にフェリクスを見上げていた。
フェリクスはリィナの唇に残ったチョコレートを舐め取ると、ニヤリと口端を上げる。
「リィナは全然食ってねーけど、良いのか?」
「だ……だって、フェリクス様がすぐに食べてしまうから……!」
「先に食い終わった方が相手を好きに出来るんだろ?」
「えぇ??何かちがっ……んむっ」
「ほら、次、咥えろ」
そうではなくてですね!と訴えたいのに、フェリクスに次の一本をずぼっと咥えさせられてしまって、リィナはまた恨めし気にフェリクスを見上げた。
けれど、フェリクスはまたしてもバキッと一瞬で菓子を飲み込むと、リィナの唇を塞いで──
結局全然食べられませんでした……
とへにゃりながらもしょんぼりしてるリィナの為に、アンネがその棒状の菓子を買い占めに行ったとか行かなかったとか。
*.:・.。**.:・.。**.:・.。**.:・.。**.:・.。**.:・.。**.:・.。**.:・.。**.:・.。**.:・.。**
【2019 いい夫婦の日SS】
「フェリクス様フェリクス様、今日はいい夫婦の日なんだそうですよ」
「……またあいつらか」
今度は何だと、フェリクスは嬉しそうにしているリィナをちょいちょいと指で呼ぶ。
寄ってきたリィナを抱き上げて膝の上に乗せると、そんで?と丁度ついさっき息抜きにどうぞと運ばれてきた、先日の棒状の菓子をフェリクス好みに甘くなくしたもの──塩加減が絶妙で最近のフェリクスのお気に入りになっているそれをリィナに咥えさせると、端を噛む。
恥ずかしそうにしながらもフェリクスを伺いながらちまちまと食んでいたリィナは、突然がしりと後頭部を押さえられて、慌てて顔を離そうとした時にはまたしてもたったの二口で辿り着いてしまったフェリクスに唇を食まれて、パタパタとフェリクスの背を叩く。
最後にぺろりと唇を舐められて、リィナはもうっと頬を染めながらフェリクスの唇を指で押さえる。
「お話中です」
「まだ始まってなかっただろ」
しれっと言われて、ぷっと頬を膨らませたリィナの頬をフェリクスはそんで?と突っつく。
「で、ですから。今日はいい夫婦の日なのだそうで……ですから……その……今夜は、楽しみにしていて下さいね……と、言ってきて下さいってアンネが……!」
もじもじとフェリクスのシャツをいじりながらそんな事を言ったリィナにフェリクスは片眉を上げる。
あいつらまた何か新しい夜着を買ってきやがったなと思いながら、フェリクスはリィナの髪を掬う。
「夜まで待たねぇといけないのか?」
「え?あ、はい……お待ち、頂けると……」
「待てねぇ──と言ったら?」
リィナの毛先に口付けたフェリクスに、リィナはひゃっと悲鳴を上げてあわあわと膝の上から降りようとしたけれど、あっさりと腰を抱かれて動きを封じられてしまう。
「だめです、待って……!」
「待てねぇっつったろ」
「やっ!?…………あっ………」
✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻
くったりとフェリクスの胸にもたれかかっているリィナの髪を梳くように撫でているフェリクスに、リィナがすんと鼻を鳴らす。
「私、いい妻になれませんでした……」
「はぁ?」
「だってアンネが "焦らしぷれい" で夫の気を引き続けるのもいい妻の証で、いい夫婦でい続けられる秘訣ですよって……」
「──お前、そろそろあいつらの言う事を疑うって事を覚えろな?」
まぁ夜は夜でのってやるけどなと、
さて、夜はどう焦らしてやろうかと、
フェリクスはリィナの髪から手を離すと、両頬を包んで上向かせて、潤んでいる目元に唇を落とした。
2019年の ポッキーの日 と いい夫婦の日 の2本です(*´ω`*)
本日(2020/03/02)もう一本短編を上げていますので、未読の方は宜しければ1ページ前に戻って下さいませm(_ _"m)
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【2019 ポッキーの日SS】
お仕事の邪魔になってはいけないので、と普段あまり執務室には近寄って来ないリィナが、珍しく「お茶にしませんか」と顔を覗かせた。
フェリクスは書類とペンを放り出すと、そのままリィナを伴って執務室を後にして自室へと移動する。
アンネがさささっとお茶の準備を整えている横で、フェリクスはテーブルの上に置かれている皿に目をやる。
その視線に、フェリクスの膝の上に落ち着いたリィナがあのですね……と何故かもじもじしながらフェリクスを見上げる。
「これ、今巷で話題のお菓子なんだそうです」
「また巷かよ……」
ちろりとアンネに視線を向ければ、丁度お茶の準備が終わったらしいアンネが「本当に巷で話題なんですよ」と言ってからさっさと部屋を辞していく。
「──んで?」
皿に盛られている"巷で話題の菓子"は、何やら細長い棒状で、一部を除いてチョコレートでコーティングされている。
これの何がそこまで話題になるのかさっぱり分からずに、フェリクスは一本摘まみ上げてみる。
「恋人たちは、これを両端から、一緒に食べるんだそうです」
「……へぇ?そんで?」
「あの、私たちも、やってみたいなぁ、なんて……思いまして……」
「んんっ……!」
リィナに咥えさせた菓子をバキ ボキと二口で口内に収めて、フェリクスはそのままリィナの唇を塞ぐ。
そうして唇を離すと、リィナが恨めし気にフェリクスを見上げていた。
フェリクスはリィナの唇に残ったチョコレートを舐め取ると、ニヤリと口端を上げる。
「リィナは全然食ってねーけど、良いのか?」
「だ……だって、フェリクス様がすぐに食べてしまうから……!」
「先に食い終わった方が相手を好きに出来るんだろ?」
「えぇ??何かちがっ……んむっ」
「ほら、次、咥えろ」
そうではなくてですね!と訴えたいのに、フェリクスに次の一本をずぼっと咥えさせられてしまって、リィナはまた恨めし気にフェリクスを見上げた。
けれど、フェリクスはまたしてもバキッと一瞬で菓子を飲み込むと、リィナの唇を塞いで──
結局全然食べられませんでした……
とへにゃりながらもしょんぼりしてるリィナの為に、アンネがその棒状の菓子を買い占めに行ったとか行かなかったとか。
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【2019 いい夫婦の日SS】
「フェリクス様フェリクス様、今日はいい夫婦の日なんだそうですよ」
「……またあいつらか」
今度は何だと、フェリクスは嬉しそうにしているリィナをちょいちょいと指で呼ぶ。
寄ってきたリィナを抱き上げて膝の上に乗せると、そんで?と丁度ついさっき息抜きにどうぞと運ばれてきた、先日の棒状の菓子をフェリクス好みに甘くなくしたもの──塩加減が絶妙で最近のフェリクスのお気に入りになっているそれをリィナに咥えさせると、端を噛む。
恥ずかしそうにしながらもフェリクスを伺いながらちまちまと食んでいたリィナは、突然がしりと後頭部を押さえられて、慌てて顔を離そうとした時にはまたしてもたったの二口で辿り着いてしまったフェリクスに唇を食まれて、パタパタとフェリクスの背を叩く。
最後にぺろりと唇を舐められて、リィナはもうっと頬を染めながらフェリクスの唇を指で押さえる。
「お話中です」
「まだ始まってなかっただろ」
しれっと言われて、ぷっと頬を膨らませたリィナの頬をフェリクスはそんで?と突っつく。
「で、ですから。今日はいい夫婦の日なのだそうで……ですから……その……今夜は、楽しみにしていて下さいね……と、言ってきて下さいってアンネが……!」
もじもじとフェリクスのシャツをいじりながらそんな事を言ったリィナにフェリクスは片眉を上げる。
あいつらまた何か新しい夜着を買ってきやがったなと思いながら、フェリクスはリィナの髪を掬う。
「夜まで待たねぇといけないのか?」
「え?あ、はい……お待ち、頂けると……」
「待てねぇ──と言ったら?」
リィナの毛先に口付けたフェリクスに、リィナはひゃっと悲鳴を上げてあわあわと膝の上から降りようとしたけれど、あっさりと腰を抱かれて動きを封じられてしまう。
「だめです、待って……!」
「待てねぇっつったろ」
「やっ!?…………あっ………」
✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻
くったりとフェリクスの胸にもたれかかっているリィナの髪を梳くように撫でているフェリクスに、リィナがすんと鼻を鳴らす。
「私、いい妻になれませんでした……」
「はぁ?」
「だってアンネが "焦らしぷれい" で夫の気を引き続けるのもいい妻の証で、いい夫婦でい続けられる秘訣ですよって……」
「──お前、そろそろあいつらの言う事を疑うって事を覚えろな?」
まぁ夜は夜でのってやるけどなと、
さて、夜はどう焦らしてやろうかと、
フェリクスはリィナの髪から手を離すと、両頬を包んで上向かせて、潤んでいる目元に唇を落とした。
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