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本編

76. 野獣(おとこ)のロマンと乙女のアコガレ。1 **

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一旦教会へと戻ったフェリクスとリィナは、荷馬車から伯爵家の馬車に乗り換えて帰宅した。

リィナは一足先に戻っていた使用人達に改めて『奥様』として迎え入れられて、不束者ですが、と挨拶をしたりなんかして、そしてお疲れでしょうからまずはお着替えをと言われたところで、ひょいとフェリクスに抱き上げられて、エントランスホールから屋敷の2階へと向かっている。
着替えるはずなのに、何故かフェリクスがアンネ達にストップをかけていたのも不思議で、リィナはフェリクスに抱き着いたまま首を傾げる。

「あの、フェリクス様?私自分で歩けますよ??」
「良いから運ばれとけ」
「……はい」

くっついていられるのだからまぁ良いかしら、とリィナはこくんと頷いて、フェリクスの首に回した腕にきゅっと力を込める。

そのまま連れて行かれたのは、フェリクスの私室。
入ってすぐに、リィナはあら??と首を傾げた。
元々殺風景な部屋ではあったけれど、何だか更に物がなくなっている気がする。

「模様替えなさったのですか?」
「あぁ。塞いだままってわけにもいかねーだろ」
「……え?」

フェリクスの視線を辿ったリィナの視線は、すぐにそれを捉えた。

「ドア……?」

今までは、確か大きな本棚が並べられていたそこに、今開けた部屋のドアと同じデザインのドアがくっついている。
ここはフェリクスの私室で、そこから廊下ではないどこかへ繋がるドア。
つまり、それは──

「もしかして、私の部屋……ですか……?」

ドキドキしながらフェリクスを見上げれば、ニッとフェリクスの口端が上がる。
ぱっと顔を輝かせたリィナは、けれどドアとは反対に足を進めたフェリクスにえ?と声をあげる。

「あの、フェリクス様??」

お部屋見たいです、と言おうとしたリィナは、横抱きからくるんと脇に抱えられて、そのままぽすんっとうつ伏せの状態で、しかも上半身だけ乗った状態でフェリクスのベッドの上に下ろされた。

「……え??」

もう一度「お部屋を」と言おうとしところで、今度は覆いかぶさる様に背中から抱き締められる。

「え、と。あの…………します、か?」

早くもドレスの裾をめくりあげているフェリクスに、リィナは一応確認をしてみる。

「やっぱあれだよな。真っ白なドレスってのは、滅茶苦茶にしてみたくなるよな」

本当は教会でヤっちまいたいくらいだったんだが、と罰当たりな事を呟いたフェリクスに、さすがのリィナもそれはちょっと……とぷるぷると首を振る。

「で、でも、あの、誰かいないと脱げません……」
「あ?着たままするに決まってんだろ」
「ふぇっ!?で、でも、あの、汚れちゃ……」
「"多少汚れても大丈夫" なんだろ?」

教会での自身の言葉を持ち出されて、リィナがそれは子供達との事で……と口を開く前に、ドレスとパニエの中に侵入を果たしたフェリクスの手がリィナの太腿を撫で上げたものだから、リィナは反論よりも甘い声を漏らす事になった。

「もう着ねぇなら、今しかチャンスねーしな」
「チャンス、ですか……?」
「純白の花嫁を犯すチャンス」
「???」

白に近い──例えば淡いピンクだとか、黄色だとか、そういう色のドレスの時ではダメなのかしらと首を傾げたリィナに、フェリクスが全然違うだろ、と何を言ってるんだとでも言いた気にリィナの普段よりも出ている肩に唇を落とす。

「真っ白で何も知らなそーな無垢な花嫁をぐちゃぐちゃにするってのがイイんだよ。ロマンだ、ロマン──まぁこの花嫁は無垢でもねぇけどな」

可笑しそうに笑ったフェリクスの唇に肩を、そこから滑ったドレスラインギリギリの背中を、強く吸われてチリッとした痛みに小さく声をあげて、
リィナは自分の顔の横につかれているフェリクスの腕を見て、そっとその袖口をなぞる。

「でしたらフェリクス様……私の”ろまん”も、叶えて下さいますか?」
「叶えられる事ならな」

ちゅっと音を立てて背中から離れたフェリクスは、リィナの頬に口付けて何だ?と聞いてくる。
リィナは首を回してフェリクスの唇を強請ってから、少し恥ずかしそうにもう一度フェリクスの袖口をなぞる。

「騎士様なフェリクス様と、したい……です」
「なら問題ねーな」

片手だけで器用に腰のリボンを解いて、下着だけをリィナの身体から取り去ったフェリクスは、いきなりつぷんっとリィナの中に指を2本、滑り込ませた。

「あっ──!?や、待ってくださ……後ろからじゃなくて、前……で……ぎゅってしたいです……」
「んー、それは後でな」

まずはこっちからだと、いつものようにたくさん口付けられたりあちこち撫でられたりして濡らされる、という準備のなかったそこを無遠慮に掻き回されて、リィナの入り口がピリッと痛みを訴える。

「やっ……フェリクスさま、久しぶり、なので、ゆっくり……あ、やぁっ!」
「とか言って、濡れてきてんじゃねーか」

響き始めた水音に、すぐにフェリクスの指が3本に増やされて動きも速くなる。
ぐちゅぐちゅと大きくなる水音と、リィナの口から漏れる声も甘さを帯びてきたところで、フェリクスは唐突に指を引き抜いた。

「これからは久しぶりって事もなくなるだろうしな──初めての時の事でも、思い出してみるか?」
「───ふぇ?」

どういう事ですか?と問おうとしたリィナはけれど、がしりと腰を掴まれて入り口に大きなそれを押し付けられて、これから何が起こるかを察した。

「ま、待ってください……もう少し……」
「ほら、挿れるぞ」

リィナのお願いはあっさりと無視されて、フェリクスがぐっと入って来る。

「やぁっ……おっき……!」

最奥まで一気に貫かれて、まだ解れきっていなかった膣内をぎゅうぎゅうに埋め尽くされて、無理矢理押し広げられるような、痛みというよりも苦しさのようなものを覚えたリィナは、無意識のうちにフェリクスから逃げる様に腕を伸ばしてシーツを掴む。

「ふぇるさまっ……おっきいの……おなか、くるし……」
「こら、逃げんな」

弱々しく頭を振って、何とか距離を取ろうとしているリィナの両の腕を掴むと、フェリクスはリィナの腕を後ろに引いた。

「あぁっ!?やぁっ…ふか、い……おく…っふぇる、さま……!」

上半身が持ち上がったせいでぐっと奥を刺激されて、リィナがいやいやと首を振ったけれど、フェリクスはそのままがんがんと腰を打ち付ける。

「あぁんっ…あっ、あっ……やっ、はげし……っ」
「こんなにぎゅうぎゅう締め付けといて、嫌はねーだろ?」
「ゆっくり……して、くださ……」
「無理、とまんねー。久しぶりだし……このドレスもやべぇ」
「でも、どれす、は……ふぇるさま、が……」
「そうなんだけどよ……想像以上にクる」

汚れを知らなさそうな純白のドレスを纏った花嫁が己の下で乱れているというのは、それが何度も抱いて隅々まで把握しているリィナだと分かっていても、普段以上にフェリクスを興奮させていた。

はぁっと、珍しく艶を含んだフェリクスの吐息が落ちたのが聞こえてきて、それだけでリィナの奥がきゅっとフェリクスを締め付ける。
フェリクスは誘われるまま、貪るようにリィナの腟内を犯した。

「ぁっ……も、だめっ……ふぇるさま、いっちゃ………いっちゃいます……!」
「俺も……ヤバイ。すぐに出ちまいそうだ」

フェリクスは掴んでいたリィナの腕から手を離すと脇の下から腕を回して肩を掴んで――羽交い締めるようにして、リィナの身体を更に引き寄せる。

「やぁっ!あっ……あぁ!い、く……っ」

突き上げられるように何度か突かれて、リィナの腟内がきゅうっと収縮して──
リィナが達したのと同時に、フェリクスの熱い白濁がリィナの腟内に放たれた。


久しぶりなせいかいつもよりたくさん注がれて、ようやく全てが出し切られると、リィナはそのままふにゃんとうつ伏せでベットに倒れ込んで、フェリクスはそんなリィナに覆い被さるように背中からリィナを抱きしめた。
暫く荒い息を繰り返していたリィナが、少しだけ頭を持ち上げる。
フェリクスは顎に手を添えると、リィナの唇にキスを落とした。

「……痛くなかったか?」

ぼそっと聞かれて、リィナは「それ聞くの、今なんですか?」と苦笑を零す。

「痛くはなかったですけど……おっきくて、苦しかったで……えっ?」

まだ膣内に挿ったままのフェリクスが硬さを取り戻した事に気付いて、何となく自分のせいの気がして、リィナはごめんなさいとベッドに顔を埋める。

フェリクスはリィナの肩を引いてうつ伏せから横向きに体勢を変えさせると、リィナのこめかみに口付ける。

「わりーな、もう一発だ」
「え……えっ……?それでしたら、今度は私の……やぁんっ」

"騎士様と前でぎゅっと"を……と言おうとしたリィナの言葉は、すぐに律動を開始してしまったフェリクスのせいで言葉になる事なく溶けてしまった。




*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
フェリクスさんの頭がおかしいのはウェディングドレスde無理無理えっちを書きたかった作者のせいです。
リィナさんの頭がおかしいのは仕様です。

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