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本編
59. 乙女は野獣に騙される。**
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リィナは膝立ちをしてフェリクスの首に腕を回すと、そっとフェリクスの唇に自分のそれを押し付ける。
フェリクスが僅かに口端を上げた事に気付いて、リィナは唇を離すと首を傾げた。
「──挿れても良いけどよ。我慢、出来るか?」
硬い指の腹で唇を撫でられて、リィナは小さく呻く。
「が、がんばります……」
笑みを深めたフェリクスの、腰に添えられていた手に力が籠められたのを合図に、リィナはフェリクスの昂りに自ら跨ると、擦り付ける様に腰を揺らす。
くちりと小さく響いた水音に、リィナは小さく息を吐き出すとゆっくりと腰を落とした。
「んんっ……はっ……」
隘路を押し広げる様に入ってくるフェリクスを根元まで飲み込むと、リィナは詰めていた息を吐き出した。
けれどフェリクスはリィナが一息つく間を与える事なく、腰を掴むと軽く突き上げる。
「あっ…んっ……!!」
リィナが慌てたように片手で口を塞いで声を飲み込んだのを確認して、フェリクスが動き出す。
「んんっ……んっ……ん──っ」
揺すられて突き上げられて、リィナの息が乱れて苦しそうな表情になっていくのを観察していたフェリクスは、リィナの口を塞いでいる手を引き剥がす。
「ぁっ!?……んっ、だめ、くち……っ」
手首を掴まれて、口を覆う事の出来なくなったリィナがいやいやと首を振る。
「"がんばる"んだろ?」
そう言われて、腰を回してからがつんと突き上げられて、塞ぐ事の出来なくなったリィナの口からは悲鳴のような声が漏れて、そしてそれを俯く事で飲み込もうとしたリィナの顎をフェリクスが強引に持ち上げる。
「あぁんっ……んっ! んんっ……ふぇる、さっ……」
健気にも声を押さえようと必死になっているリィナの上気しきった頬に、きゅうっと寄せられた眉。息が苦しいせいなのだろう。瞳には涙が浮かんで、時折目尻からポロリと零れ落ちる。
「自分が今どんな顔してっか、分かってるか?」
「か、お……?ひぁっ……!」
目尻を舐められてまた突き上げられて、リィナが顎を押さえたままのフェリクスの手から逃れようと首を振る。
ようやくリィナの顎から手を離すと、フェリクスはリィナの頭を自身の肩に導くように引き寄せた。
「肩、噛んでも良いからな」
「……ん」
荒い息を吐きながらリィナが小さく頷いて、フェリクスの肩に唇を押し当てる。
フェリクスはリィナの頭をくしゃっと撫でると、その細い腰を掴んで突き上げた。
「────っ!!」
フェリクスの肩に添えていたリィナの手にぎゅうっと力が入って、噛んで良いと言ったのに歯を立てる事はせずに、フェリクスの肩を唇で食むだけで声を押さえているリィナの腟内は、苦しさを訴えるかの様にフェリクスを締め付ける。
「くっ…そ……」
これは結構ヤバいと、フェリクスは動きを止めてリィナの身体を引き離す。
「ふぇるさ、ま……?」
唐突に止まった動きと、肩を掴まれて身体から離されたリィナはフェリクスを見上げる。
「声、聞かせろ──我慢しなくて良い」
「え……?で、も……」
窓の方を気にしたように視線を動かしたリィナに、フェリクスは悪ぃと頭を撫でる。
「嘘だ。こっからじゃ、家族の部屋までは聞こえはしねぇ」
「う、そ?」
「聞き分けの悪いヤツに、少し意地悪してやろうと思ってな」
そんな事を言われたリィナは、暫くぽかんとした後に、ふにゃりとフェリクスの胸にしな垂れ掛かった。
「ひどい、です……すごく、苦しかった、のに……」
「抱く気はねーつってんのに、来るからだろ」
「だからって……」
ひどいです、ともう一度言われたフェリクスは、リィナの両頬を包んで上向かせるとゆっくりと唇を重ねる。
「悪かったって──機嫌直せ、な?そんでお前の声、聞かせてくれ」
柔らかく降ってきた唇に、顔中に啄むようなキスを落とされてリィナはくすぐったいですと小さく笑うと、フェリクスの首に腕を回し直す。
「──続き、してください」
「あっ……!あんっ…おく……もっと……」
「ここか?」
「ひゃっ…ぁんっ!!」
しっかりと腰を押さえられたままぐりっと抉る様に中を擦られてそのまま突き上げられて、どこにも逃げる事が出来ずにリィナの背中が反る。
フェリクスは眼前に晒された白い喉から首筋へと舌を這わせて、けれどここに痕を残すのは嫌がっていたなと思い出して舐めるだけに止めると、唇を離して再びリィナを突き上げる。
「あっ…お、く……おく……いっ………!」
「まだ足らねーか?」
「んっ…ちが……また、いっちゃ……やぁんっ!」
既にもう何度か達してしまっているリィナの身体は、フェリクスが強く突き上げただけで簡単に高められてしまう。
繋がったままの隙間から溢れ出てくる透明な体液に、フェリクスはほらな?とリィナの唇を撫でる。
「風呂場にして、正解だろ?」
フェリクスがリィナの腟内から自身を引き抜くと、零れ落ちてきた体液がリィナの太腿を伝って、そしてフェリクスを濡らす。
リィナが小さく声を漏らしたけれど、それが返事なのかどうかはフェリクスには分からなかった。
フェリクスはリィナを立ち上がらせて浴室の壁に手をつかせると、腰を掴んで引き寄せる。
フェリクスに向かって臀部を突き出すような格好にさせられて、リィナの口から恥ずかしそうな小さな声が上がる。
「悪ぃな。俺もそろそろ限界だ」
フェリクスはリィナの背中に唇を這わせると、そのまま後ろから一気にリィナを貫いた。
「あぁぁっ!!」
向かい合ってする時とまた違った刺激に、リィナは頽れそうになる自分の足に必死に力を入れてフェリクスを受け入れる。
縋る先を探してリィナの指先が壁を引っ掻けばすぐにフェリクスの大きな手で握り込まれて、そんな小さな動きにも気付くなんて、とか、
体勢が変わったせいか水音と身体のぶつかり合う音とがやけに浴室内に響いているような気がして恥ずかしくて首を振ったリィナの、耳まで舌で犯してくるなんて意地悪、とか、
私はこんなに翻弄されて必死になっているのに、フェル様だけ余裕があってズルい、とか、
リィナの思考は千々に乱れて、そして絶え間なく与えられる刺激に全てが霧散していく。
「あぁっ、もっ……また……っ……またいっちゃ……!」
腰をくねらせるリィナの手を離して、フェリクスの両手がリィナの胸を包み込んだと思ったら、その頂きがきゅっと抓まれる。
全てが甘い刺激にしかならなくなっているリィナは、それだけでも甘い悲鳴を上げて背を反らした。
リィナの腟内がきゅうっとフェリクスを締めつけて、その時が近い事を知らせてくる。
「くっ……」
小さな呻きを漏らしたフェリクスの名を繰り返すリィナの項に唇を落として、そのまま耳まで這わせる。
「ふぇ、る……ふぇるさまっ……いっしょ、に……!」
懇願するようなリィナの声音に応えるように柔らかな耳朶を食んで「いくぞ」と短く囁くと、フェリクスは律動を早めて腰を打つける。
小さな身体がガクガクと揺さぶられている様に、壊してしまいそうだと恐れを覚える自分と、最早喜悦の声を発することしか出来ずに恍惚に身を任せているその身体をもっと滅茶苦茶にしてやりたいという衝動を覚える自分との狭間で、フェリクスは迷うようにリィナの身体を抱き込む。
けれど少しばかり後者が勝ってしまったフェリクスは、次の瞬間には抉るようにその小さな身体を思い切り突き上げた。
リィナの足の間からパタパタと透明な体液が溢れ落ちて、足元に小さな水溜まりを作っている。
その白い背にたっぷりと己の欲望を放ち終えたフェリクスは、ふらりと頽れたリィナの身体を受け止めて、抱き寄せた。
フェリクスが僅かに口端を上げた事に気付いて、リィナは唇を離すと首を傾げた。
「──挿れても良いけどよ。我慢、出来るか?」
硬い指の腹で唇を撫でられて、リィナは小さく呻く。
「が、がんばります……」
笑みを深めたフェリクスの、腰に添えられていた手に力が籠められたのを合図に、リィナはフェリクスの昂りに自ら跨ると、擦り付ける様に腰を揺らす。
くちりと小さく響いた水音に、リィナは小さく息を吐き出すとゆっくりと腰を落とした。
「んんっ……はっ……」
隘路を押し広げる様に入ってくるフェリクスを根元まで飲み込むと、リィナは詰めていた息を吐き出した。
けれどフェリクスはリィナが一息つく間を与える事なく、腰を掴むと軽く突き上げる。
「あっ…んっ……!!」
リィナが慌てたように片手で口を塞いで声を飲み込んだのを確認して、フェリクスが動き出す。
「んんっ……んっ……ん──っ」
揺すられて突き上げられて、リィナの息が乱れて苦しそうな表情になっていくのを観察していたフェリクスは、リィナの口を塞いでいる手を引き剥がす。
「ぁっ!?……んっ、だめ、くち……っ」
手首を掴まれて、口を覆う事の出来なくなったリィナがいやいやと首を振る。
「"がんばる"んだろ?」
そう言われて、腰を回してからがつんと突き上げられて、塞ぐ事の出来なくなったリィナの口からは悲鳴のような声が漏れて、そしてそれを俯く事で飲み込もうとしたリィナの顎をフェリクスが強引に持ち上げる。
「あぁんっ……んっ! んんっ……ふぇる、さっ……」
健気にも声を押さえようと必死になっているリィナの上気しきった頬に、きゅうっと寄せられた眉。息が苦しいせいなのだろう。瞳には涙が浮かんで、時折目尻からポロリと零れ落ちる。
「自分が今どんな顔してっか、分かってるか?」
「か、お……?ひぁっ……!」
目尻を舐められてまた突き上げられて、リィナが顎を押さえたままのフェリクスの手から逃れようと首を振る。
ようやくリィナの顎から手を離すと、フェリクスはリィナの頭を自身の肩に導くように引き寄せた。
「肩、噛んでも良いからな」
「……ん」
荒い息を吐きながらリィナが小さく頷いて、フェリクスの肩に唇を押し当てる。
フェリクスはリィナの頭をくしゃっと撫でると、その細い腰を掴んで突き上げた。
「────っ!!」
フェリクスの肩に添えていたリィナの手にぎゅうっと力が入って、噛んで良いと言ったのに歯を立てる事はせずに、フェリクスの肩を唇で食むだけで声を押さえているリィナの腟内は、苦しさを訴えるかの様にフェリクスを締め付ける。
「くっ…そ……」
これは結構ヤバいと、フェリクスは動きを止めてリィナの身体を引き離す。
「ふぇるさ、ま……?」
唐突に止まった動きと、肩を掴まれて身体から離されたリィナはフェリクスを見上げる。
「声、聞かせろ──我慢しなくて良い」
「え……?で、も……」
窓の方を気にしたように視線を動かしたリィナに、フェリクスは悪ぃと頭を撫でる。
「嘘だ。こっからじゃ、家族の部屋までは聞こえはしねぇ」
「う、そ?」
「聞き分けの悪いヤツに、少し意地悪してやろうと思ってな」
そんな事を言われたリィナは、暫くぽかんとした後に、ふにゃりとフェリクスの胸にしな垂れ掛かった。
「ひどい、です……すごく、苦しかった、のに……」
「抱く気はねーつってんのに、来るからだろ」
「だからって……」
ひどいです、ともう一度言われたフェリクスは、リィナの両頬を包んで上向かせるとゆっくりと唇を重ねる。
「悪かったって──機嫌直せ、な?そんでお前の声、聞かせてくれ」
柔らかく降ってきた唇に、顔中に啄むようなキスを落とされてリィナはくすぐったいですと小さく笑うと、フェリクスの首に腕を回し直す。
「──続き、してください」
「あっ……!あんっ…おく……もっと……」
「ここか?」
「ひゃっ…ぁんっ!!」
しっかりと腰を押さえられたままぐりっと抉る様に中を擦られてそのまま突き上げられて、どこにも逃げる事が出来ずにリィナの背中が反る。
フェリクスは眼前に晒された白い喉から首筋へと舌を這わせて、けれどここに痕を残すのは嫌がっていたなと思い出して舐めるだけに止めると、唇を離して再びリィナを突き上げる。
「あっ…お、く……おく……いっ………!」
「まだ足らねーか?」
「んっ…ちが……また、いっちゃ……やぁんっ!」
既にもう何度か達してしまっているリィナの身体は、フェリクスが強く突き上げただけで簡単に高められてしまう。
繋がったままの隙間から溢れ出てくる透明な体液に、フェリクスはほらな?とリィナの唇を撫でる。
「風呂場にして、正解だろ?」
フェリクスがリィナの腟内から自身を引き抜くと、零れ落ちてきた体液がリィナの太腿を伝って、そしてフェリクスを濡らす。
リィナが小さく声を漏らしたけれど、それが返事なのかどうかはフェリクスには分からなかった。
フェリクスはリィナを立ち上がらせて浴室の壁に手をつかせると、腰を掴んで引き寄せる。
フェリクスに向かって臀部を突き出すような格好にさせられて、リィナの口から恥ずかしそうな小さな声が上がる。
「悪ぃな。俺もそろそろ限界だ」
フェリクスはリィナの背中に唇を這わせると、そのまま後ろから一気にリィナを貫いた。
「あぁぁっ!!」
向かい合ってする時とまた違った刺激に、リィナは頽れそうになる自分の足に必死に力を入れてフェリクスを受け入れる。
縋る先を探してリィナの指先が壁を引っ掻けばすぐにフェリクスの大きな手で握り込まれて、そんな小さな動きにも気付くなんて、とか、
体勢が変わったせいか水音と身体のぶつかり合う音とがやけに浴室内に響いているような気がして恥ずかしくて首を振ったリィナの、耳まで舌で犯してくるなんて意地悪、とか、
私はこんなに翻弄されて必死になっているのに、フェル様だけ余裕があってズルい、とか、
リィナの思考は千々に乱れて、そして絶え間なく与えられる刺激に全てが霧散していく。
「あぁっ、もっ……また……っ……またいっちゃ……!」
腰をくねらせるリィナの手を離して、フェリクスの両手がリィナの胸を包み込んだと思ったら、その頂きがきゅっと抓まれる。
全てが甘い刺激にしかならなくなっているリィナは、それだけでも甘い悲鳴を上げて背を反らした。
リィナの腟内がきゅうっとフェリクスを締めつけて、その時が近い事を知らせてくる。
「くっ……」
小さな呻きを漏らしたフェリクスの名を繰り返すリィナの項に唇を落として、そのまま耳まで這わせる。
「ふぇ、る……ふぇるさまっ……いっしょ、に……!」
懇願するようなリィナの声音に応えるように柔らかな耳朶を食んで「いくぞ」と短く囁くと、フェリクスは律動を早めて腰を打つける。
小さな身体がガクガクと揺さぶられている様に、壊してしまいそうだと恐れを覚える自分と、最早喜悦の声を発することしか出来ずに恍惚に身を任せているその身体をもっと滅茶苦茶にしてやりたいという衝動を覚える自分との狭間で、フェリクスは迷うようにリィナの身体を抱き込む。
けれど少しばかり後者が勝ってしまったフェリクスは、次の瞬間には抉るようにその小さな身体を思い切り突き上げた。
リィナの足の間からパタパタと透明な体液が溢れ落ちて、足元に小さな水溜まりを作っている。
その白い背にたっぷりと己の欲望を放ち終えたフェリクスは、ふらりと頽れたリィナの身体を受け止めて、抱き寄せた。
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