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本編
40. 乙女は野獣伯爵邸を後にする。
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コルセットを締め上げられて、パニエとドレスを身に着けて、すっかりと令嬢の外出用の装いとなったリィナは、改めて挨拶をしておこうと、再びフェリクスの自室にやって来た。
小さく部屋のドアをノックすると返事があったので、リィナはそっとドアを開けて失礼します、と声をかけて中を覗き込む。
「準備終わったか?」
フェリクスから声をかけられて返事をしようとしたリィナは、フェリクスの姿を見てその場で固まった。
リィナは必要最低限の夜会にしか参加しないし、リィナが参加するような夜会にフェリクスが参加する事はほぼない。
それどころか貴族は全員参加するのが義務のような国王主催の会にすら、フェリクスは来ない事が多いのだ。
だからリィナは、実のところフェリクスの正装を直接目にした事は数える程しかなかった。
こんな間近で見たのは、今が初めてだ。
白地のジレに、濃紺のブリーチズ姿で、ジレにはさり気なく金糸で模様が入れられている。
ソファの背もたれには無造作にブリーチズと同色のコートがかけられているから、きっとそれを羽織れば支度完了なのだろう。
「リィナ?」
袖口のカフスリンクを止めながら振り返ったフェリクスに、リィナははいっと返事をして背筋を伸ばす。
そしてフェリクスもまた、リィナのドレス姿に一瞬手を止めた。
「あー……そうだよな。いや、当たり前だし最初に見てるが……」
フェリクスはぶつぶつ呟きながらリィナの前に来ると、腕を引いて室内に引き込む。
「……何かきっちりしてっと変な感じだな」
「普通はきっちりしてるものです、けど……」
腕を引かれるまま、フェリクスの胸にぽふんと飛び込んだリィナは、フェリクスの胸に顔を埋めて、そして小さく笑う。
「でも本当……変な感じです」
埋めた顔に触れる感触に、何だか分厚い布に邪魔をされているような気がしてしまって、リィナはそういえば抱き締められているのは肌が触れ合っている時がほとんどだったのだわと、少し恥ずかしくなる。
そんな事を考えている間にフェリクスに顎を持ち上げられて、リィナは降ってきたキスをそっと目を閉じて受け入れる。
ゆっくりと離れて、角度を変えてもう一度──
何度目かのキスの途中でフェリクスがぴくりと肩を揺らして、顔を離した。
「──フェリクスさま?」
もう終わり?と思ってしまったリィナは、ぱたぱたと近づいてくる足音に気付いて、慌ててフェリクスから身体を離す。
「フェリクス様、リィナ様。侯爵家の迎えの方が到着されましたよ」
「あぁ、今行く」
ひょっこりと顔を覗かせたリシャールにフェリクスが返すのを聞きながら、リィナはドアが開いたままだった事に今更気付いて顔を覆った。
もう少し気付くのが遅かったら、見られてしまっていたかもしれなかったのだ。
いくら2人が既に"そういう事"をしたと知られていて、していたのが軽いキスだとは言え、実際に見られるのは恥ずかしい。
「大丈夫か?」
真っ赤になっているリィナの頬を可笑しそうに突いて、フェリクスは一旦リィナの側を離れるとコートを羽織って戻ってくる。
ずいっと手を差し出されて、リィナはその手を取ろうとしたところでふとフェリクスの首元に目を遣る。
手を伸ばして、少しだけ曲がっていたクラバットをちょんちょんと直して、一歩下がって確認して頷くと、改めてフェリクスの手に自身の手を乗せた。
「悪い」
「いいえ。フェリクス様、とっても素敵です」
微笑んだリィナに、フェリクスがそーかよ……と少しばかり照れたように頭を掻くのを、リシャールが張り付いたような笑顔で見守っていた。
きっと内心では砂を吐きまくっているのだろう。
「あぁ、それと、手紙が」
リシャールがフェリクスに1通の封筒を差し出した。
フェリクスはそれを受け取って、リィナに少し待ってろと声をかけるとその場で手紙の内容を確認する。
「──調整頼む」
一つ頷いてリシャールに手紙を開いたまま渡すと、「行くか」とフェリクスは改めてリィナの手を取った。
3人が玄関ホールに到着した時には、既にアンネ達が迎えの馬車に荷物を積み込んでいた。
積み込むと言っても大きめのトランク2個だけで、その2個目を今まさに積み終えたところだった。
「りぃなさま、かえっちゃうの?」
約束通り見送りに来てくれていたアリスのスカートをきゅっと握りしめて、ルチアがリィナに潤んだ瞳を向ける。
リィナはルチアの前にしゃがみこんで視線を合わせると、その頭を優しく撫でる。
「ごめんなさい、今日は帰らなくてはならないの。でも時々遊びに来られると思いますので、その時は一緒に遊んで頂けますか?」
「ほんと?またきてくれる?」
「えぇ──すぐに、とは言えないかもしれませんけど」
申し訳なさそうな表情のリィナに、ルチアはやくそくね、と小さな小指を差し出す。
「はい、約束です」
微笑んで小指を絡ませてゆっくり振ると、ルチアは満足したのか嬉しそうに笑って指を離した。
「何か月か先になるだろうが、リィナもここで暮らすようになるから、そうしたらいくらでも遊んで貰え」
リィナの横から手が伸びて来て、ルチアの頭をぐしゃぐしゃと掻き混ぜる。
ルチアはきゃっきゃと声を上げてその手に纏わりついている。
さり気ないフェリクスのその宣言に、リィナは嬉しそうに微笑んだ。
ラーシュとマウロ、そしてフェリクスの馬の準備をしていたレオンとハンスに挨拶をして、アリスとルチアと、「別におれはどうでもいいんだけどよっ、リィナが遊びに来たときにヒマなんだったらおれが話し相手にくらいなってやるぞ」とつんとそっぽを向きながら言ったラーシュと抱擁を交わして、リィナはアンネと共に馬車に乗り込んだ。
ベティとクラーラはもう1台の馬車へと乗り込む。
「んじゃ行ってくる」
フェリクスは騎馬で侯爵家の──リィナが乗り込んだ馬車と並走するようにして、屋敷を後にした。
「すっごいついて行きたい。というか物陰から観察してたい」
遠ざかっていくフェリクスの姿を見ながらアリスがそんな事を言って、リシャールがうんうんと頷く。
「どんな顔して侯爵に会うのか、気になるよね」
「お嬢さんを下さい、とか言うのかな」
「正直、娘の倍も年上の、自分達の方が年の近いおっさんからそんな事言われちゃう侯爵に同情を禁じ得ないけど……」
「あれ?でもリィナ様はずっとフェリクス一筋だったわけでしょ?」
「でもだからって、まさか本当にその男に嫁ぐ事になるなんて、普通は思わないよね……普通は」
「まぁ、どっちも『普通』の枠に収まってないんだし……っとと」
「かーさま、あそぼ」とアリスがルチアに手を引かれた為に、夫婦の会話はそこで途切れた。
「とーさま、おしごと?」
「うん、もう少しだけね。戸締りが済んだら戻るよ」
ルチアの頭を撫でてマウロ達と屋敷に入っていくリシャールを見送って、アリスはラーシュとルチアの手を引いて歩き出す。
最後にもう一度、もう姿の見えないフェリクスを振り返って、「ま、がんばれ」と小さく呟いた。
小さく部屋のドアをノックすると返事があったので、リィナはそっとドアを開けて失礼します、と声をかけて中を覗き込む。
「準備終わったか?」
フェリクスから声をかけられて返事をしようとしたリィナは、フェリクスの姿を見てその場で固まった。
リィナは必要最低限の夜会にしか参加しないし、リィナが参加するような夜会にフェリクスが参加する事はほぼない。
それどころか貴族は全員参加するのが義務のような国王主催の会にすら、フェリクスは来ない事が多いのだ。
だからリィナは、実のところフェリクスの正装を直接目にした事は数える程しかなかった。
こんな間近で見たのは、今が初めてだ。
白地のジレに、濃紺のブリーチズ姿で、ジレにはさり気なく金糸で模様が入れられている。
ソファの背もたれには無造作にブリーチズと同色のコートがかけられているから、きっとそれを羽織れば支度完了なのだろう。
「リィナ?」
袖口のカフスリンクを止めながら振り返ったフェリクスに、リィナははいっと返事をして背筋を伸ばす。
そしてフェリクスもまた、リィナのドレス姿に一瞬手を止めた。
「あー……そうだよな。いや、当たり前だし最初に見てるが……」
フェリクスはぶつぶつ呟きながらリィナの前に来ると、腕を引いて室内に引き込む。
「……何かきっちりしてっと変な感じだな」
「普通はきっちりしてるものです、けど……」
腕を引かれるまま、フェリクスの胸にぽふんと飛び込んだリィナは、フェリクスの胸に顔を埋めて、そして小さく笑う。
「でも本当……変な感じです」
埋めた顔に触れる感触に、何だか分厚い布に邪魔をされているような気がしてしまって、リィナはそういえば抱き締められているのは肌が触れ合っている時がほとんどだったのだわと、少し恥ずかしくなる。
そんな事を考えている間にフェリクスに顎を持ち上げられて、リィナは降ってきたキスをそっと目を閉じて受け入れる。
ゆっくりと離れて、角度を変えてもう一度──
何度目かのキスの途中でフェリクスがぴくりと肩を揺らして、顔を離した。
「──フェリクスさま?」
もう終わり?と思ってしまったリィナは、ぱたぱたと近づいてくる足音に気付いて、慌ててフェリクスから身体を離す。
「フェリクス様、リィナ様。侯爵家の迎えの方が到着されましたよ」
「あぁ、今行く」
ひょっこりと顔を覗かせたリシャールにフェリクスが返すのを聞きながら、リィナはドアが開いたままだった事に今更気付いて顔を覆った。
もう少し気付くのが遅かったら、見られてしまっていたかもしれなかったのだ。
いくら2人が既に"そういう事"をしたと知られていて、していたのが軽いキスだとは言え、実際に見られるのは恥ずかしい。
「大丈夫か?」
真っ赤になっているリィナの頬を可笑しそうに突いて、フェリクスは一旦リィナの側を離れるとコートを羽織って戻ってくる。
ずいっと手を差し出されて、リィナはその手を取ろうとしたところでふとフェリクスの首元に目を遣る。
手を伸ばして、少しだけ曲がっていたクラバットをちょんちょんと直して、一歩下がって確認して頷くと、改めてフェリクスの手に自身の手を乗せた。
「悪い」
「いいえ。フェリクス様、とっても素敵です」
微笑んだリィナに、フェリクスがそーかよ……と少しばかり照れたように頭を掻くのを、リシャールが張り付いたような笑顔で見守っていた。
きっと内心では砂を吐きまくっているのだろう。
「あぁ、それと、手紙が」
リシャールがフェリクスに1通の封筒を差し出した。
フェリクスはそれを受け取って、リィナに少し待ってろと声をかけるとその場で手紙の内容を確認する。
「──調整頼む」
一つ頷いてリシャールに手紙を開いたまま渡すと、「行くか」とフェリクスは改めてリィナの手を取った。
3人が玄関ホールに到着した時には、既にアンネ達が迎えの馬車に荷物を積み込んでいた。
積み込むと言っても大きめのトランク2個だけで、その2個目を今まさに積み終えたところだった。
「りぃなさま、かえっちゃうの?」
約束通り見送りに来てくれていたアリスのスカートをきゅっと握りしめて、ルチアがリィナに潤んだ瞳を向ける。
リィナはルチアの前にしゃがみこんで視線を合わせると、その頭を優しく撫でる。
「ごめんなさい、今日は帰らなくてはならないの。でも時々遊びに来られると思いますので、その時は一緒に遊んで頂けますか?」
「ほんと?またきてくれる?」
「えぇ──すぐに、とは言えないかもしれませんけど」
申し訳なさそうな表情のリィナに、ルチアはやくそくね、と小さな小指を差し出す。
「はい、約束です」
微笑んで小指を絡ませてゆっくり振ると、ルチアは満足したのか嬉しそうに笑って指を離した。
「何か月か先になるだろうが、リィナもここで暮らすようになるから、そうしたらいくらでも遊んで貰え」
リィナの横から手が伸びて来て、ルチアの頭をぐしゃぐしゃと掻き混ぜる。
ルチアはきゃっきゃと声を上げてその手に纏わりついている。
さり気ないフェリクスのその宣言に、リィナは嬉しそうに微笑んだ。
ラーシュとマウロ、そしてフェリクスの馬の準備をしていたレオンとハンスに挨拶をして、アリスとルチアと、「別におれはどうでもいいんだけどよっ、リィナが遊びに来たときにヒマなんだったらおれが話し相手にくらいなってやるぞ」とつんとそっぽを向きながら言ったラーシュと抱擁を交わして、リィナはアンネと共に馬車に乗り込んだ。
ベティとクラーラはもう1台の馬車へと乗り込む。
「んじゃ行ってくる」
フェリクスは騎馬で侯爵家の──リィナが乗り込んだ馬車と並走するようにして、屋敷を後にした。
「すっごいついて行きたい。というか物陰から観察してたい」
遠ざかっていくフェリクスの姿を見ながらアリスがそんな事を言って、リシャールがうんうんと頷く。
「どんな顔して侯爵に会うのか、気になるよね」
「お嬢さんを下さい、とか言うのかな」
「正直、娘の倍も年上の、自分達の方が年の近いおっさんからそんな事言われちゃう侯爵に同情を禁じ得ないけど……」
「あれ?でもリィナ様はずっとフェリクス一筋だったわけでしょ?」
「でもだからって、まさか本当にその男に嫁ぐ事になるなんて、普通は思わないよね……普通は」
「まぁ、どっちも『普通』の枠に収まってないんだし……っとと」
「かーさま、あそぼ」とアリスがルチアに手を引かれた為に、夫婦の会話はそこで途切れた。
「とーさま、おしごと?」
「うん、もう少しだけね。戸締りが済んだら戻るよ」
ルチアの頭を撫でてマウロ達と屋敷に入っていくリシャールを見送って、アリスはラーシュとルチアの手を引いて歩き出す。
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