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本編

27. 乙女は野獣を怒らせる。2 **

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問われて、フェリクスがこれ以上導くつもりがない事を悟ると、リィナはきゅっと唇を引き結ぶんで、そしてゆっくりと自ら腰を落とし始める。

「んっ……んんっ……」

ズブズブとフェリクスの硬いそれを必死で飲み込んでいたリィナの膣内なかに全てが収まると、リィナは一度はふっと息を継いで、そしてフェリクスの肩に置いた手に力を込めて、ゆっくりと身体を動かし始める。
リィナの動きに合わせてぐちゅぐちゅと水音が響いて、リィナの口からも小さな声が漏れる。
けれどその動きはゆっくりとしたもので、リィナはもどかしさを覚えた。

これ以上自身で動くのは恥ずかしくて、懇願するようにフェリクスを見つめる。

「ふぇる、さま……」

フェリクスはリィナの腰を支えていた手を背中に滑らせて僅かにリィナの身体を前に傾がせる。
そして空いた片手でリィナの胸を下から持ち上げる様にすると、その頂を口に含んだ。
ぴちゃぴちゃと音をさせて舐められて、リィナの腰が跳ねる。

「あんっ……あぁっ!」

少しだけ体勢が変わったせいか、膣内なかにいるフェリクスのあたる場所が変わって、リィナは背中を反らせる。

「んっ、ふぇるさま……っ」

リィナは自身の壁にフェリクスをこすり付ける様に腰を動かしてみたけれど、思ったような刺激が拾えずに、もどかし気に首を振った。

「ふぇるさまっ……おねがい、します……もうっ……」

フェリクスはリィナの頬を包んで口付ける。

「言う気になったか?」

ほんの少しだけ唇を離して言われた言葉が咄嗟に飲み込めずに、リィナはえ?と呟く。

「さっき言いかけた事。言う気になったか?」
「そ…れは……」

リィナが僅かに顔を背けたのを見て、フェリクスはリィナの胸から手を滑らせて、リィナの花芽に指を伸ばす。

「言ったらリィナのイイようにしてやる」

きゅっと花芽を摘ままれて、悲鳴のような声を上げてリィナが身体を跳ねさせると、その動きがぐちゅんっと膣内なかを擦る事になってまた声が漏れる。
フェリクスはくりくりと花芽を撫でて、時折きゅっと摘まむ。
その刺激にリィナの腰は勝手にくねって、結果的に膣内なかが刺激される。

「あっ、んっ……や、ふぇる…さ……」

それでもまだ言おうとしないリィナに、フェリクスは焦れたようにいじっていた花芽をぐりっと押し潰した。

「きゃうっ!?」

リィナの身体がびくんと一際大きく跳ねて、沈む。
その動きがリィナの奥を突く事になって、リィナは今度は嬌声を上げて背中を反らせて、2人の隙間からこぽりと蜜が溢れた。

「リィナ」

名前を呼ばれて、リィナは堪え切れずにしゃくりあげる。

「言う……言います、から……も……」

フェリクスは泣き出したリィナの背中を抱き寄せて、眦に口付ける。

「リィナが言ってからだ」

ぺろりと涙を舌で掬われて、リィナはすんっと鼻を啜るとフェリクスの肩口に顔を埋める。
フェリクスはリィナの頭を撫でながら、リィナが話し始めるのを待った。

「──あした、帰るのが……寂しくて。なのにフェル様は全然平気そうで……帰れって、おっしゃる、から……。私ばっかり、好き、で……フェル様は、内心では私の事が迷惑で……早く帰って欲しいのかしらって……。明日の夜は……おみせ、に行くのかしらって……思っ…て……」

最後のリィナの言葉に、それまでゆるゆるとリィナの頭を撫でていたフェリクスの手がぴたりと止まる。

「────あぁ?」

妙にドスの効いた声を出されて、リィナはだって、としゃくりあげる。

「わたしは、ずっとフェリクス様に憧れて……恋を、して……でもフェリクス様は、私の事なんて、ちっともご存じなくて……昨日、はじめて知った……んですよね? あっ……愛して、くださるって、言っていただけたけれど……1日で、たくさんたくさん、抱きしめて、いただいたけれど……もしかして、あした帰るから、適当に、あしらっておけばいいか、って……きゃっ、あっ!?」

突然肩を掴まれて思い切りフェリクスの身体から引きはがされて、繋がったままだったところがぐちゅりと音を立てる。
俯きそうになった顔を、顎を掴まれて乱暴に上げさせられる。

「────っ!!?」

何が起こったのか、理解が追い付かずにフェリクスの名を呼ぼうとしたリィナの口を、フェリクスが乱暴に塞ぐ。

「ふっ…んっ……んんっ……」

長い長い口付けの後に、僅かに離れたと思ったらすぐにまた塞がれて、リィナは息が出来ずにフェリクスの胸を叩く。
昨日はそうすれば仕方ないなとばかりに笑って息継ぎをさせてくれたのに、今のフェリクスは一瞬しか唇を離してくれない。
苦しくて、鼻から空気を吸い込もうとしても満足に吸い込めなくて、フェリクスの胸を叩いていた手からも力が抜けて、ぐらりとフェリクスに身体を預ける。

そこでようやく解放されて、リィナは喘ぐように必死に空気を吸い込んで、やっと肺を満たした。

「っふぇる、さま……」

乱れたままの息の合間に、リィナはフェリクスを見上げる。
「ちょっと悪ふざけが過ぎた」と、そんな風に言ってくれるものと、信じて。

けれどリィナを見返したフェリクスの瞳は、冷たい色を宿していた。

「ふぇ…り……くす、さま……?」

そこでリィナは、ようやく気付いた。
自分は恐らく、フェリクスを怒らせてしまったのだ──と。

「あの……あの、私……ごめんなさ……ひぅっ!!」

何の前触れもなくガツンと突き上げられて、リィナは悲鳴を上げる。

「何を謝る?」
「あぁっ!…だ、て……おこ……おこって……やぁっ!!」

乱暴に突き上げられて、息が詰まりそうになるのにフェリクスは動きを止めるどころか緩める事もしてくれない。
昨日からずっとリィナを気遣って、思い遣って、労わって──くすぐったくなるくらい優しく接してくれていたフェリクスは、どこにもいなかった。

昨日は手加減をしたと、言っていた。
あれで?と思っていたけれど、真実ほんとうだったのだ。

リィナはこの時になって初めて、フェリクスが昨日からどれだけリィナを大切に扱ってくれていたのかを、知った。

リィナが涙を零しても、謝っても、止めてと懇願しても、フェリクスはただ己の肉欲を満たすためのごとく、乱暴にリィナを突き上げる。

「あっ──!?」

フェリクスが突然動きを止めて、膝の上からリィナを降ろした。
ずるりと膣内なかから硬いものが引き抜かれたかと思ったら、トンと肩を押されて、抗う術もなくリィナはベッドに倒れ込む。

「ふぇり……あっ」

肩を掴まれて身体を反転させられて、そして腰を引かれる。
フェリクスに向かって臀部を突き出すような恰好になって、リィナは咄嗟に目の間にあった枕に手を伸ばして、縋る様に抱き締めた。


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