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80章
元魔王様とオークション島テルイゾラ 5
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少しすると町に向かっていたレイアが戻ってくる。
無事に門番に話しを付けられた様なのでジル達は町に近付いていき門で待たされる。
「それにしてもまさか戦争になる一歩手前だったとはな。」
「この人数ですからね。そう思われても仕方ありませんよ。」
「これだけの砂賊がいれば町も簡単に滅ぼせそうですしね。」
戻ってきたレイアに話しを聞いて驚いたが、町の中は予想以上の大騒ぎになっていたらしく、大量の砂賊が攻め込んできそうだと厳戒態勢を取る寸前だったらしい。
もう少し遅れていたら大変な事になっていた。
「お待たせ致しました、町への入行を許可します。ですが万が一砂賊達が暴れた時の事を考えて、奴隷商館まで警備兵を同行させる事を受け入れて下さい。」
「仕方無いか。ならば早速向かうとしよう。」
「そうしていただけると助かります。」
これだけの砂賊が町中で暴れたら大変なので警備兵が馬車を囲む様に数十人付けられる。
これくらいで抑えられるとは思えないが警備兵としての仕事をしなければならない。
「それにしてもこれだけの砂賊を一度に見たのは初めてです。殆どが眠っている様ですが凶悪な賞金首達がこれ程大人しくしているとは。」
これはテスラの魅了魔法に掛かっている状態で眠れと命令された結果だ。
砂賊達は簡単に夢の中へと旅立っていった。
「そう言うスキル持ちなのです。ですがこれ以上の詮索はいけません。我々は冒険者ですから。」
「いや、申し訳ありません。」
テスラが口元に指を当てて注意すると警備兵が頭を下げてくる。
冒険者の技能は商売道具なので詮索する事はあまり宜しくない。
それを分かっているので素直に引き下がってくれた。
「奴隷商館はどっちだ?」
「このまま大通りを真っ直ぐ進んだところにあります。」
警備兵に案内されながら町の中を進んでいく。
町民達が大規模な砂賊の団体を見て驚いている。
敵意や殺意を向けてきている者もいるのでこの中の砂賊に恨みがある者もいるのだろう。
多額の懸賞金を掛けられているだけはある。
「今更なんだけど全員を受け入れられるの?」
馬車の檻の中には五百人を超える砂賊がいる。
この町でこれだけの奴隷を受け入れるのは難しそうだ。
「問題ありませんよ。奴隷契約をした直後から労働力として町や外へと配置されますから。」
「それでも契約には時間が掛かりそうですね。」
「そちらも問題ありません。町中から奴隷商人を掻き集めています。近くの町にも既に早馬を出していますから、1時間も掛からず作業は終わるかと。」
既に大量の奴隷契約をする為に動いてくれているらしい。
これならそれ程待たされずに済みそうだ。
「それは助かるな。ついでにテルイゾラへの入行許可証も貰いたいのだがどう言う手順になってるんだ?」
「カードのランクによりますね。ブロンズ、シルバー、ゴールドとありますがブロンズであれば比較的簡単に入手出来ます。町で簡単な仕事を数日行ってもらえれば発行許可が下りますので。」
一番簡単なブロンズでも取得には日数がいる。
当然その上であるシルバーやゴールドは更に手に入れるのが困難となる。
ちなみに邪神教の女性が落とした入行許可証はゴールドだ。
「数日間の仕事?それは面倒ね。」
「テルイゾラへの入行は町への貢献度が認められた者にしか渡せない決まりなのです。」
何かしらの形でデスザードに利益を齎した者にテルイゾラへの入行が許可される。
それは貴族や権力者であっても変わらない。
「であればこれだけの砂賊を捕えた我々は既にその条件を満たしているのではありませんか?」
「前例がありません。確かにこれだけの砂賊を捕えた方は過去にいないですが、町に来たその日に入行許可証を発行された人もいないのですよ。」
レイアが言う様にこれだけの砂賊を捕らえてきたのはかなりデスザードに交換している。
しかし入行許可証を訪れてきたその日に発行された人物もいないので悩ましい表情をしている。
「つまり貢献度があっても今日貰うのは難しいと。」
「可能性があるとすれば許可証発行権限のある町長に直接判断を仰ぐしかないかと。町長が頷けば許可証もブロンズと言わずその上を発行してもらえる可能性もありますから。」
他の者が多少難色を示しても町長が許可すれば可能性はあると言う。
何日もデスザードに滞在すると怒りそうな弟子がいるので、早く手に入れる手段があるのならそれを選ばない理由は無い。
「それはいいな。奴隷の引き渡しが終わったら町長のところに顔を出すとするか。」
「それでは面会許可はこちらで取っておきます。」
「頼んだぞ。」
警備兵の一人が馬で町長のところに向かってくれた。
今日中にテルイゾラへ入りたいと思っているので入行許可証は早めに入手しておきたかったので助かった。
無事に門番に話しを付けられた様なのでジル達は町に近付いていき門で待たされる。
「それにしてもまさか戦争になる一歩手前だったとはな。」
「この人数ですからね。そう思われても仕方ありませんよ。」
「これだけの砂賊がいれば町も簡単に滅ぼせそうですしね。」
戻ってきたレイアに話しを聞いて驚いたが、町の中は予想以上の大騒ぎになっていたらしく、大量の砂賊が攻め込んできそうだと厳戒態勢を取る寸前だったらしい。
もう少し遅れていたら大変な事になっていた。
「お待たせ致しました、町への入行を許可します。ですが万が一砂賊達が暴れた時の事を考えて、奴隷商館まで警備兵を同行させる事を受け入れて下さい。」
「仕方無いか。ならば早速向かうとしよう。」
「そうしていただけると助かります。」
これだけの砂賊が町中で暴れたら大変なので警備兵が馬車を囲む様に数十人付けられる。
これくらいで抑えられるとは思えないが警備兵としての仕事をしなければならない。
「それにしてもこれだけの砂賊を一度に見たのは初めてです。殆どが眠っている様ですが凶悪な賞金首達がこれ程大人しくしているとは。」
これはテスラの魅了魔法に掛かっている状態で眠れと命令された結果だ。
砂賊達は簡単に夢の中へと旅立っていった。
「そう言うスキル持ちなのです。ですがこれ以上の詮索はいけません。我々は冒険者ですから。」
「いや、申し訳ありません。」
テスラが口元に指を当てて注意すると警備兵が頭を下げてくる。
冒険者の技能は商売道具なので詮索する事はあまり宜しくない。
それを分かっているので素直に引き下がってくれた。
「奴隷商館はどっちだ?」
「このまま大通りを真っ直ぐ進んだところにあります。」
警備兵に案内されながら町の中を進んでいく。
町民達が大規模な砂賊の団体を見て驚いている。
敵意や殺意を向けてきている者もいるのでこの中の砂賊に恨みがある者もいるのだろう。
多額の懸賞金を掛けられているだけはある。
「今更なんだけど全員を受け入れられるの?」
馬車の檻の中には五百人を超える砂賊がいる。
この町でこれだけの奴隷を受け入れるのは難しそうだ。
「問題ありませんよ。奴隷契約をした直後から労働力として町や外へと配置されますから。」
「それでも契約には時間が掛かりそうですね。」
「そちらも問題ありません。町中から奴隷商人を掻き集めています。近くの町にも既に早馬を出していますから、1時間も掛からず作業は終わるかと。」
既に大量の奴隷契約をする為に動いてくれているらしい。
これならそれ程待たされずに済みそうだ。
「それは助かるな。ついでにテルイゾラへの入行許可証も貰いたいのだがどう言う手順になってるんだ?」
「カードのランクによりますね。ブロンズ、シルバー、ゴールドとありますがブロンズであれば比較的簡単に入手出来ます。町で簡単な仕事を数日行ってもらえれば発行許可が下りますので。」
一番簡単なブロンズでも取得には日数がいる。
当然その上であるシルバーやゴールドは更に手に入れるのが困難となる。
ちなみに邪神教の女性が落とした入行許可証はゴールドだ。
「数日間の仕事?それは面倒ね。」
「テルイゾラへの入行は町への貢献度が認められた者にしか渡せない決まりなのです。」
何かしらの形でデスザードに利益を齎した者にテルイゾラへの入行が許可される。
それは貴族や権力者であっても変わらない。
「であればこれだけの砂賊を捕えた我々は既にその条件を満たしているのではありませんか?」
「前例がありません。確かにこれだけの砂賊を捕えた方は過去にいないですが、町に来たその日に入行許可証を発行された人もいないのですよ。」
レイアが言う様にこれだけの砂賊を捕らえてきたのはかなりデスザードに交換している。
しかし入行許可証を訪れてきたその日に発行された人物もいないので悩ましい表情をしている。
「つまり貢献度があっても今日貰うのは難しいと。」
「可能性があるとすれば許可証発行権限のある町長に直接判断を仰ぐしかないかと。町長が頷けば許可証もブロンズと言わずその上を発行してもらえる可能性もありますから。」
他の者が多少難色を示しても町長が許可すれば可能性はあると言う。
何日もデスザードに滞在すると怒りそうな弟子がいるので、早く手に入れる手段があるのならそれを選ばない理由は無い。
「それはいいな。奴隷の引き渡しが終わったら町長のところに顔を出すとするか。」
「それでは面会許可はこちらで取っておきます。」
「頼んだぞ。」
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