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57章
元魔王様と国宝級の武具 7
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ドメスに武器を作製してもらった翌日、いよいよ明日セダンに向けて旅立つと言う前日にも関わらずジル達は魔物狩りに出ていた。
「とりゃーなの!」
ホッコが龍聖剣を振るうと魔物達が面白い様に倒れていく。
最高の素材を使用して作った剣なので、王都近辺の魔物では相手にもならない性能だ。
明日出発なので今日はゆっくり過ごそうかとジルは考えていたのだが、龍聖剣を手に入れたホッコが昨日からずっとソワソワとしていたので、魔物狩りでもするかと提案したら直ぐに食い付いてきて現状に至る。
なので今日はホッコの要望に応える形で魔物狩りにやってきている。
ここで龍聖剣を思う存分堪能してもらう事にする。
「昨日は試せていなかったし魔法効果上昇の具合も確かめてみたらどうだ?」
「分かったの!」
魔法の相手を探して辺りを散策していると単独行動のオーガを見つけた。
「丁度良いのがいたの!再戦なの!」
「グオオオオ!」
ホッコの声に反応してオーガが襲い掛かってくる。
「威力が上がった雷霆魔法を受けてみるの!ショックボルトなの!」
昨日はオーガに対して効かなかったが今のホッコには龍聖剣がある。
装備しているだけで装備者の魔法の威力を高めてくれるので、同じ魔法でも昨日とは威力が違う。
「グオッ!?」
魔法がオーガに当たってしっかりと痺れているのが分かる。
昨日と魔法の及ぼした効果が異なっているのは一目瞭然だ。
「効いたの!」
「ホッコ、喜んでいないで攻撃だ攻撃。」
「そうだったの。てやーなの!」
痺れて動けないオーガに龍聖剣を振るって倒す。
苦戦していた相手もホッコだけで簡単に倒す事が出来た。
「倒せたの!主様、雷霆魔法が効いたの!」
「ああ、龍聖剣のスキルでしっかり魔法の威力が上がっている様だな。」
「凄い武器なの!」
龍聖剣をキラキラとした目で見ている。
あれだけの素材を注ぎ込んだ甲斐があったと言うものだ。
「オーガに通じるなら初級雷霆魔法でも充分戦力になってくれるだろう。」
「もっともっと倒すの!」
その後も龍聖剣や初級雷霆魔法を使ってホッコは思う存分魔物を倒した。
無限倉庫に収納していた大量の魔物をギルドに売却したばかりなのに、また魔物が溜まっていく。
「いっぱい倒したの!」
「あの数だとこの辺りの魔物は狩り尽くしただろうな。満足したか?」
「大満足なの!」
「それならギルドで売却して帰るとするか。」
ホッコが満足したので二人は王都に戻ってギルドに向かった。
「ホッコ、酒場で何か食べて帰るから先に注文しておいてくれ。」
「分かったの。」
ジルは先程の魔物を売却する為に受付に向かう。
「ジルさん、いらっしゃいませ。」
「ユメノ、魔物の買い取りを頼む。」
「分かりました、倉庫に向かいましょう。」
王都に来てから大量の魔物の売却ばかりを行なっているので、ユメノも慣れたのか直ぐに倉庫に案内してくれる。
「ここにどうぞ。」
「明日出発だから売却金は今日中に受け取って帰りたい。酒場で食事している最中に終わるくらいの買い取り量で頼む。」
「分かりました、丁度良さそうなところで止めさせてもらいますね。」
ジルが倉庫の空きスペースに魔物を次々と取り出していく。
「このくらいでしょうか。」
「こんなにいけるのか?」
酒場で食事する間の時間で可能な買い取り量にしては多く感じる。
「手の空いている者を集めれば問題無いでしょう。それにしても明日からはこの量の買い取りが無くなるのは嬉しさ半分寂しさ半分ですね。」
大量に積み上げられた素材を見ながらユメノが呟く。
「せっかく大量に持ち込んでやってるのに文句か?」
「いえいえ、当然有り難い事ですよ。ですがその時だけ普段よりも遥かに忙しくなるので少し疲れるんです。それでもこんなに一度に持ち込んでくれる冒険者の方って滅多にいないのでギルド職員としては喜んでいる人の方が多いんですけどね。」
ジル一人の持ち込み量だけで数十パーティーの持ち込み量に並ぶ。
ギルド職員として喜んでいる者もいれば、その量に文字通り悲鳴を上げる者もいる。
「我のおかげで随分と儲かっただろう?」
「それはもう感謝していますよ。今月のお給料なんてかなり上がっていましたから。」
ジルの言葉にユメノが嬉しそうに呟く。
「冗談のつもりだったがそんなに影響力があったんだな。」
「ジルさんの持ち込んだ素材を頑張って捌いた職員に特別ボーナスが出たんです。皆喜んでいましたよ。」
それくらいしてもらわなければギルド職員もやる気が出ない。
多種多様な冒険者の相手や膨大な仕事量の割には賃金が少なくて、ブラック企業と言われる事もあるのだ。
「まあ、また機会があれば訪れるから、その時は宜しくな。」
「はい、その際は是非ギルドに足を運んで下さい。」
その後はホッコと酒場で食事をして報酬を受け取り屋敷に帰還した。
「とりゃーなの!」
ホッコが龍聖剣を振るうと魔物達が面白い様に倒れていく。
最高の素材を使用して作った剣なので、王都近辺の魔物では相手にもならない性能だ。
明日出発なので今日はゆっくり過ごそうかとジルは考えていたのだが、龍聖剣を手に入れたホッコが昨日からずっとソワソワとしていたので、魔物狩りでもするかと提案したら直ぐに食い付いてきて現状に至る。
なので今日はホッコの要望に応える形で魔物狩りにやってきている。
ここで龍聖剣を思う存分堪能してもらう事にする。
「昨日は試せていなかったし魔法効果上昇の具合も確かめてみたらどうだ?」
「分かったの!」
魔法の相手を探して辺りを散策していると単独行動のオーガを見つけた。
「丁度良いのがいたの!再戦なの!」
「グオオオオ!」
ホッコの声に反応してオーガが襲い掛かってくる。
「威力が上がった雷霆魔法を受けてみるの!ショックボルトなの!」
昨日はオーガに対して効かなかったが今のホッコには龍聖剣がある。
装備しているだけで装備者の魔法の威力を高めてくれるので、同じ魔法でも昨日とは威力が違う。
「グオッ!?」
魔法がオーガに当たってしっかりと痺れているのが分かる。
昨日と魔法の及ぼした効果が異なっているのは一目瞭然だ。
「効いたの!」
「ホッコ、喜んでいないで攻撃だ攻撃。」
「そうだったの。てやーなの!」
痺れて動けないオーガに龍聖剣を振るって倒す。
苦戦していた相手もホッコだけで簡単に倒す事が出来た。
「倒せたの!主様、雷霆魔法が効いたの!」
「ああ、龍聖剣のスキルでしっかり魔法の威力が上がっている様だな。」
「凄い武器なの!」
龍聖剣をキラキラとした目で見ている。
あれだけの素材を注ぎ込んだ甲斐があったと言うものだ。
「オーガに通じるなら初級雷霆魔法でも充分戦力になってくれるだろう。」
「もっともっと倒すの!」
その後も龍聖剣や初級雷霆魔法を使ってホッコは思う存分魔物を倒した。
無限倉庫に収納していた大量の魔物をギルドに売却したばかりなのに、また魔物が溜まっていく。
「いっぱい倒したの!」
「あの数だとこの辺りの魔物は狩り尽くしただろうな。満足したか?」
「大満足なの!」
「それならギルドで売却して帰るとするか。」
ホッコが満足したので二人は王都に戻ってギルドに向かった。
「ホッコ、酒場で何か食べて帰るから先に注文しておいてくれ。」
「分かったの。」
ジルは先程の魔物を売却する為に受付に向かう。
「ジルさん、いらっしゃいませ。」
「ユメノ、魔物の買い取りを頼む。」
「分かりました、倉庫に向かいましょう。」
王都に来てから大量の魔物の売却ばかりを行なっているので、ユメノも慣れたのか直ぐに倉庫に案内してくれる。
「ここにどうぞ。」
「明日出発だから売却金は今日中に受け取って帰りたい。酒場で食事している最中に終わるくらいの買い取り量で頼む。」
「分かりました、丁度良さそうなところで止めさせてもらいますね。」
ジルが倉庫の空きスペースに魔物を次々と取り出していく。
「このくらいでしょうか。」
「こんなにいけるのか?」
酒場で食事する間の時間で可能な買い取り量にしては多く感じる。
「手の空いている者を集めれば問題無いでしょう。それにしても明日からはこの量の買い取りが無くなるのは嬉しさ半分寂しさ半分ですね。」
大量に積み上げられた素材を見ながらユメノが呟く。
「せっかく大量に持ち込んでやってるのに文句か?」
「いえいえ、当然有り難い事ですよ。ですがその時だけ普段よりも遥かに忙しくなるので少し疲れるんです。それでもこんなに一度に持ち込んでくれる冒険者の方って滅多にいないのでギルド職員としては喜んでいる人の方が多いんですけどね。」
ジル一人の持ち込み量だけで数十パーティーの持ち込み量に並ぶ。
ギルド職員として喜んでいる者もいれば、その量に文字通り悲鳴を上げる者もいる。
「我のおかげで随分と儲かっただろう?」
「それはもう感謝していますよ。今月のお給料なんてかなり上がっていましたから。」
ジルの言葉にユメノが嬉しそうに呟く。
「冗談のつもりだったがそんなに影響力があったんだな。」
「ジルさんの持ち込んだ素材を頑張って捌いた職員に特別ボーナスが出たんです。皆喜んでいましたよ。」
それくらいしてもらわなければギルド職員もやる気が出ない。
多種多様な冒険者の相手や膨大な仕事量の割には賃金が少なくて、ブラック企業と言われる事もあるのだ。
「まあ、また機会があれば訪れるから、その時は宜しくな。」
「はい、その際は是非ギルドに足を運んで下さい。」
その後はホッコと酒場で食事をして報酬を受け取り屋敷に帰還した。
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