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47章
元魔王様とエルフの上位種 7
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エルティアが呪いの痣のあるエルフの男性に手を向ける。
「魔力を糧とし、清浄なる癒しの光りよ、この者の穢れを祓い、あるべき姿を示せ、ディスペル!」
エルティアが詠唱した超級神聖魔法により、手から神々しい光りが放たれてエルフの身体を照らす。
その光りによって身体にあった呪いの痣が見る見る薄くなり、数秒と経たない内に綺麗に消えて無くなった。
「ありがとうございます里長様。」
エルフの男性は祈る様に手を合わせて礼を言う。
「いいのですよ、寧ろ治療が遅くなって辛い思いをさせましたね。」
「これくらい問題ありません。」
「他に治療が必要な方はいませんね?」
エルティアが辺りを見回すが呪いによる痣が残っている者はいない。
全員を神聖魔法で治療し終えたのに魔力切れになる様子も無い。
さすがは魔力量が多いエルフの上位種である。
「さすが里長様じゃのう、これだけの人数に超級神聖魔法を使用出来るとは。」
「私も魔力は多い方だけど里長には負ける。」
膨大な魔力による魔装での戦い方を主とするエルミネルと比べてもハイエルフのエルティアの魔力量は多い。
ジルの前世である元魔王と比べると劣ってしまうが、今のジルよりは多いかもしれない。
「エルミネルも魔力量は凄まじいですからね。いづれ私を上回るかもしれませんね。」
「頑張って訓練する。」
エルミネルは両拳を握って意気込んでいる。
前世に魔力量で苦労したジルからするとお勧め出来る事では無いが、普通の者ならあんな事にはならないので問題は無いだろう。
「終わった様だな。」
「ええ、ジルさんの万能薬のおかげです。本当にありがとうございました。」
「気にするな。我も良い取り引きとなったからな。」
無限倉庫の中には大量の世界樹の素材が入っている。
今後の魔法道具の作製に大いに役立ってくれるだろう。
「ドライア様、素材の受け渡しに問題はありませんね?」
「無いよー。万能薬のお礼とSランクの魔石の取り引きで大量の世界樹の素材は渡したー。」
ドライアの蓄えている分だけでも充分過ぎる量だったが、万能薬の分も有り難く貰っておいた。
自分で使わなければ売っても構わないと言われたので、たまにオークションに流してもいいかもしれない。
「量に不満はありませんか?」
「使い切れるか分からない量だからな。全く問題無いぞ。」
「我らとしても良い取り引きでした。」
「Sランクの魔石で万能薬も作れるしねー。」
他にも素材は必要だが最も入手困難な世界樹の素材やSランクの魔石が手に入っているので、残りはどうとでもなるだろう。
「Sランクの魔石なら他にも用途があるだろう?」
魔石の中でも最高レベルのSランクの魔石ともなれば、作れる魔法道具の幅が一気に広がる。
万能薬以外にも使い道は無限にある。
「でも非常事態を考えると万能薬かなー。エルティアちゃんの保険があった方が何かと安心だしー。」
今回もエルティアが呪われていなければ、ギガントモスの件をジルに頼らなくても解決出来た。
万能薬のストックは重要である。
「万能薬なら我が融通してやろう。魔石は別の防衛に当てるといい。」
「えええー!?三粒もー!?」
ジルの差し出した小瓶を抱える様に受け取ったドライアは中身を見て驚いている。
貴重な万能薬が三つも入っていたのだ。
「ジルさん、万能薬は無くなった筈では?」
「ドライアに世界樹の素材を分けてもらったから作れたのだ。それにお前とは知らない間柄でもないしな。」
エルティアが解呪している時に作っておいたのだ。
三つ渡しても手元にまだ残っているので問題無い。
そして後半のセリフは小声で話したので、近くにいるエルティアやドライアしか聞こえていないだろう。
「ドライア様、世界樹の実を。」
「いいのー?」
「我々には不要な物ですから。これだけの恩情には正当な対価を渡したいのです。皆も反対はしませんね?」
エルティアが周りを見回すがエルフ達は驚いてはいるものの反論は無い。
するとドライアの力か、巨大な枝が木箱を運んできてエルティアに渡した。
「ではジルさん、この実を受け取って下さい。」
木箱を開くと黄金の木の実が三つ入っていた。
どうやら万能薬のお礼を追加でくれるらしい。
「名前から察するに世界樹関連か。初めて見るな。」
「これは数百年に一度、世界樹になる実です。これをどう扱おうと所持者であるジルさんの自由です。」
他の世界樹の素材とは比べ物にならない程希少な物の様だ。
万能鑑定で黄金の木の実を視てみると、食べた者の寿命を10年延ばすと書いてあった。
寿命を延ばせるとはとんでもない木の実である。
「ほう、寿命を増やす果実か。随分と高価な物を受け取ってしまったな。」
「さすがのご慧眼ですね。ですが心配は無用です。我々長命種にとっては延命なんて必要ありませんから。」
「成る程、それはそうかもな。」
前世の自分も長命な魔族だったから良く分かる。
長く生きられる種族程、破格な力を持ったこう言った物でも有り難みは感じられないだろう。
だが寿命の短い人族であれば喉から手が出る程欲しい筈だ。
戦争に発展する可能性もあるので死蔵確定である。
「我が使うかは分からないが有り難く貰っておこう。」
貴重な物には違い無いので、世界樹の実を無限倉庫の中に収納した。
「魔力を糧とし、清浄なる癒しの光りよ、この者の穢れを祓い、あるべき姿を示せ、ディスペル!」
エルティアが詠唱した超級神聖魔法により、手から神々しい光りが放たれてエルフの身体を照らす。
その光りによって身体にあった呪いの痣が見る見る薄くなり、数秒と経たない内に綺麗に消えて無くなった。
「ありがとうございます里長様。」
エルフの男性は祈る様に手を合わせて礼を言う。
「いいのですよ、寧ろ治療が遅くなって辛い思いをさせましたね。」
「これくらい問題ありません。」
「他に治療が必要な方はいませんね?」
エルティアが辺りを見回すが呪いによる痣が残っている者はいない。
全員を神聖魔法で治療し終えたのに魔力切れになる様子も無い。
さすがは魔力量が多いエルフの上位種である。
「さすが里長様じゃのう、これだけの人数に超級神聖魔法を使用出来るとは。」
「私も魔力は多い方だけど里長には負ける。」
膨大な魔力による魔装での戦い方を主とするエルミネルと比べてもハイエルフのエルティアの魔力量は多い。
ジルの前世である元魔王と比べると劣ってしまうが、今のジルよりは多いかもしれない。
「エルミネルも魔力量は凄まじいですからね。いづれ私を上回るかもしれませんね。」
「頑張って訓練する。」
エルミネルは両拳を握って意気込んでいる。
前世に魔力量で苦労したジルからするとお勧め出来る事では無いが、普通の者ならあんな事にはならないので問題は無いだろう。
「終わった様だな。」
「ええ、ジルさんの万能薬のおかげです。本当にありがとうございました。」
「気にするな。我も良い取り引きとなったからな。」
無限倉庫の中には大量の世界樹の素材が入っている。
今後の魔法道具の作製に大いに役立ってくれるだろう。
「ドライア様、素材の受け渡しに問題はありませんね?」
「無いよー。万能薬のお礼とSランクの魔石の取り引きで大量の世界樹の素材は渡したー。」
ドライアの蓄えている分だけでも充分過ぎる量だったが、万能薬の分も有り難く貰っておいた。
自分で使わなければ売っても構わないと言われたので、たまにオークションに流してもいいかもしれない。
「量に不満はありませんか?」
「使い切れるか分からない量だからな。全く問題無いぞ。」
「我らとしても良い取り引きでした。」
「Sランクの魔石で万能薬も作れるしねー。」
他にも素材は必要だが最も入手困難な世界樹の素材やSランクの魔石が手に入っているので、残りはどうとでもなるだろう。
「Sランクの魔石なら他にも用途があるだろう?」
魔石の中でも最高レベルのSランクの魔石ともなれば、作れる魔法道具の幅が一気に広がる。
万能薬以外にも使い道は無限にある。
「でも非常事態を考えると万能薬かなー。エルティアちゃんの保険があった方が何かと安心だしー。」
今回もエルティアが呪われていなければ、ギガントモスの件をジルに頼らなくても解決出来た。
万能薬のストックは重要である。
「万能薬なら我が融通してやろう。魔石は別の防衛に当てるといい。」
「えええー!?三粒もー!?」
ジルの差し出した小瓶を抱える様に受け取ったドライアは中身を見て驚いている。
貴重な万能薬が三つも入っていたのだ。
「ジルさん、万能薬は無くなった筈では?」
「ドライアに世界樹の素材を分けてもらったから作れたのだ。それにお前とは知らない間柄でもないしな。」
エルティアが解呪している時に作っておいたのだ。
三つ渡しても手元にまだ残っているので問題無い。
そして後半のセリフは小声で話したので、近くにいるエルティアやドライアしか聞こえていないだろう。
「ドライア様、世界樹の実を。」
「いいのー?」
「我々には不要な物ですから。これだけの恩情には正当な対価を渡したいのです。皆も反対はしませんね?」
エルティアが周りを見回すがエルフ達は驚いてはいるものの反論は無い。
するとドライアの力か、巨大な枝が木箱を運んできてエルティアに渡した。
「ではジルさん、この実を受け取って下さい。」
木箱を開くと黄金の木の実が三つ入っていた。
どうやら万能薬のお礼を追加でくれるらしい。
「名前から察するに世界樹関連か。初めて見るな。」
「これは数百年に一度、世界樹になる実です。これをどう扱おうと所持者であるジルさんの自由です。」
他の世界樹の素材とは比べ物にならない程希少な物の様だ。
万能鑑定で黄金の木の実を視てみると、食べた者の寿命を10年延ばすと書いてあった。
寿命を延ばせるとはとんでもない木の実である。
「ほう、寿命を増やす果実か。随分と高価な物を受け取ってしまったな。」
「さすがのご慧眼ですね。ですが心配は無用です。我々長命種にとっては延命なんて必要ありませんから。」
「成る程、それはそうかもな。」
前世の自分も長命な魔族だったから良く分かる。
長く生きられる種族程、破格な力を持ったこう言った物でも有り難みは感じられないだろう。
だが寿命の短い人族であれば喉から手が出る程欲しい筈だ。
戦争に発展する可能性もあるので死蔵確定である。
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