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31章
元魔王様と船上の戦い 10
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テンタクルーを討伐し終えたジルはそれを全て無限倉庫に回収して再びマググロ釣りを再開した。
まだマググロはルルネット達の一匹しか釣れておらず、まだまだ足りない。
「もおー、ぜんっぜん釣れない!やっぱりジルのせいで逃げちゃったんだわ。」
ルルネットが釣竿を持ちながら文句を言ってくる。
かれこれ30分程当たりが無い。
釣りをする者からすればこれくらい当たりが無い事もあるのだが、ルルネットは耐えられない様だ。
「そう言われても食い付いたのだから仕方無いだろう?」
ジルだってマググロを釣りたくて糸を垂らしていたのにテンタクルーが釣れるとは思わなかった。
そしてあの巨体が暴れたので周辺の生き物が逃げたとルルネットが文句を言っている。
「場所を移しますか?」
「そうしましょ。このまま釣ってても…ってうわあ!?」
ルルネットが突然大きな声を上げる。
サリーが何事かと見るとルルネットの釣竿の糸がピンっと張っていた。
「きたあ!久々の当たり!」
ルルネットは嬉しそうに釣竿を引っ張る。
サリーも微力ながらそれを手伝う様に引く。
「良かったな当たりがきて。」
「ほんとよ、ようやく再開ね!」
ジルはまた初級闇魔法のフォースディクラインで糸を引っ張るマググロを弱体化しておいてあげる。
これでルルネット達だけでも釣り上げる事が出来るだろう。
「確かにテンタクルーのせいでマググロは離れてしまったみたいだな。追い掛けるのも面倒だし、この方法でいくとしよう。」
実はルルネットの釣竿に当たりがあったのはジルの魔法のおかげだった。
テンタクルーを釣り上げ、時間もそれなりに経過したので普通の釣りは一旦止めて、魔法を使用した釣りに移行した。
空間把握によって海面下の状況を調べるとマググロの姿は見当らなくなっていた。
予想通りテンタクルーの影響で遠くに逃げたと思われ、少し遠ざかった場所で発見出来た。
時空間魔法を使える事は言ってないので、マググロの事を伝えれば何故知っているのかと言う話しになるので、追いかけはせずにこの場所でマググロ釣りをする事にした。
空間把握でマググロの位置が分かっていれば、それは魔法の対象である。
同じ空間魔法の空間置換を使いマググロの位置をルルネットの針先の近くに入れ替える。
そうすればマググロが餌に食い付いてくれると言う訳だ。
「少し魔力は使うがどんどん釣り上げるとしよう。」
ジルは自分の釣竿の前にもマググロを移動させて食い付かせる。
直ぐに釣竿に当たりがあり引っ張られる感覚がきた。
さすがにテンタクルーよりも引きは弱いので弱体化の魔法を使わずともジルは釣り上げる事に成功する。
「サリー、こいつの処理も頼んでいいか?」
「お任せ下さい。それではルルネットお嬢様が釣り上げた分の収納をお願いします。」
「ああ。」
サリーが処理したマググロを無限倉庫に仕舞い、代わりに釣り上げたマググロを渡す。
「またきた!」
ジルが無限倉庫に収納している間にルルネットの釣竿にはまた当たりがきた様だ。
纏めて何十匹かを移動させておいたのでどれかが食い付いたのだろう。
「これは予想外に大漁となりそうですね。」
先程釣り上げたばかりなのに、また釣竿に当たりがきているルルネットを見てサリーが呟く。
「サリーはそっちに集中していてもいいわよ。私だけで釣り上げてみせるわ!」
自分の力だけでも釣り上げてみせると宣言する。
ジルのアシストがある事には気付いていないが、まだ子供なのでこれくらいの手助けはあってもいいだろう。
「そう致します。ルルネットお嬢様、無理はしないで下さいね。」
「魔力ならまだまだ問題無いわ!ジル、どっちが多く釣り上げられるか勝負よ!」
釣竿を引っ張りながら振り向いて笑みを浮かべて言う。
当たりが次々にくるので楽しいのだろう。
「ほお、我に勝負を挑むとはな。いいだろう。」
ジルはその誘いに乗って釣竿を垂らした。
その瞬間に後ろではルルネットがマググロを釣り上げている。
「よし!リードよ!」
「ルルネットお嬢様、頑張って下さい。」
「勿論よ!ジルに勝てそうな勝負なんて珍しいんだから!」
ルルネットはマググロを預けると直ぐに次の餌を取り付けて糸を垂らす。
その後も二人でマググロを釣り上げまくった。
ジルが闇魔法で弱体化してあげていると言っても、ルルネットはよく頑張って釣っていたと言えるだろう。
そして二人の釣り上げるペースが早いのでサリーも休む暇無くマググロの処理をしていた。
結局ジルが移動させた分を全て釣り上げた頃には船の上は血溜まりと化していた。
まだマググロはルルネット達の一匹しか釣れておらず、まだまだ足りない。
「もおー、ぜんっぜん釣れない!やっぱりジルのせいで逃げちゃったんだわ。」
ルルネットが釣竿を持ちながら文句を言ってくる。
かれこれ30分程当たりが無い。
釣りをする者からすればこれくらい当たりが無い事もあるのだが、ルルネットは耐えられない様だ。
「そう言われても食い付いたのだから仕方無いだろう?」
ジルだってマググロを釣りたくて糸を垂らしていたのにテンタクルーが釣れるとは思わなかった。
そしてあの巨体が暴れたので周辺の生き物が逃げたとルルネットが文句を言っている。
「場所を移しますか?」
「そうしましょ。このまま釣ってても…ってうわあ!?」
ルルネットが突然大きな声を上げる。
サリーが何事かと見るとルルネットの釣竿の糸がピンっと張っていた。
「きたあ!久々の当たり!」
ルルネットは嬉しそうに釣竿を引っ張る。
サリーも微力ながらそれを手伝う様に引く。
「良かったな当たりがきて。」
「ほんとよ、ようやく再開ね!」
ジルはまた初級闇魔法のフォースディクラインで糸を引っ張るマググロを弱体化しておいてあげる。
これでルルネット達だけでも釣り上げる事が出来るだろう。
「確かにテンタクルーのせいでマググロは離れてしまったみたいだな。追い掛けるのも面倒だし、この方法でいくとしよう。」
実はルルネットの釣竿に当たりがあったのはジルの魔法のおかげだった。
テンタクルーを釣り上げ、時間もそれなりに経過したので普通の釣りは一旦止めて、魔法を使用した釣りに移行した。
空間把握によって海面下の状況を調べるとマググロの姿は見当らなくなっていた。
予想通りテンタクルーの影響で遠くに逃げたと思われ、少し遠ざかった場所で発見出来た。
時空間魔法を使える事は言ってないので、マググロの事を伝えれば何故知っているのかと言う話しになるので、追いかけはせずにこの場所でマググロ釣りをする事にした。
空間把握でマググロの位置が分かっていれば、それは魔法の対象である。
同じ空間魔法の空間置換を使いマググロの位置をルルネットの針先の近くに入れ替える。
そうすればマググロが餌に食い付いてくれると言う訳だ。
「少し魔力は使うがどんどん釣り上げるとしよう。」
ジルは自分の釣竿の前にもマググロを移動させて食い付かせる。
直ぐに釣竿に当たりがあり引っ張られる感覚がきた。
さすがにテンタクルーよりも引きは弱いので弱体化の魔法を使わずともジルは釣り上げる事に成功する。
「サリー、こいつの処理も頼んでいいか?」
「お任せ下さい。それではルルネットお嬢様が釣り上げた分の収納をお願いします。」
「ああ。」
サリーが処理したマググロを無限倉庫に仕舞い、代わりに釣り上げたマググロを渡す。
「またきた!」
ジルが無限倉庫に収納している間にルルネットの釣竿にはまた当たりがきた様だ。
纏めて何十匹かを移動させておいたのでどれかが食い付いたのだろう。
「これは予想外に大漁となりそうですね。」
先程釣り上げたばかりなのに、また釣竿に当たりがきているルルネットを見てサリーが呟く。
「サリーはそっちに集中していてもいいわよ。私だけで釣り上げてみせるわ!」
自分の力だけでも釣り上げてみせると宣言する。
ジルのアシストがある事には気付いていないが、まだ子供なのでこれくらいの手助けはあってもいいだろう。
「そう致します。ルルネットお嬢様、無理はしないで下さいね。」
「魔力ならまだまだ問題無いわ!ジル、どっちが多く釣り上げられるか勝負よ!」
釣竿を引っ張りながら振り向いて笑みを浮かべて言う。
当たりが次々にくるので楽しいのだろう。
「ほお、我に勝負を挑むとはな。いいだろう。」
ジルはその誘いに乗って釣竿を垂らした。
その瞬間に後ろではルルネットがマググロを釣り上げている。
「よし!リードよ!」
「ルルネットお嬢様、頑張って下さい。」
「勿論よ!ジルに勝てそうな勝負なんて珍しいんだから!」
ルルネットはマググロを預けると直ぐに次の餌を取り付けて糸を垂らす。
その後も二人でマググロを釣り上げまくった。
ジルが闇魔法で弱体化してあげていると言っても、ルルネットはよく頑張って釣っていたと言えるだろう。
そして二人の釣り上げるペースが早いのでサリーも休む暇無くマググロの処理をしていた。
結局ジルが移動させた分を全て釣り上げた頃には船の上は血溜まりと化していた。
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