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23章
元魔王様と風の姫騎士との再会 3
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セダンの街を出発して10日程が経過した。
その間特に変わった事も無く、ジル達は順調にトレンフルの街を目指して馬車を走らせていた。
「皆様、紅茶でもいかがですか?」
ジル達が寛ぐ馬車内の部屋にメイドが訪ねてきて聞いてくる。
全員が受け取って中々お値段がしそうな紅茶を楽しむ。
快適な旅が出来ているのも控えてくれているメイドのおかげだ。
身の回りの世話をしてくれるので、ジル達はだらだらと寛いでいるだけでいい。
「のんびりとした旅もいいものだ。」
「同感なのです。」
ジルとシキはすっかりこの環境に適応していた。
ソファーで寝転んでゴロゴロしながら異世界通販のスキルで購入した本を読み、食べて飲んで寝て自堕落な生活を送っていた。
普段は定期的な依頼を義務付けられているので、数日に一度は必ず外出しなければいけなかったが今はそれも無い。
そしてシュミットが用意してくれた馬車内の部屋も広く快適なので寛ぐには絶好の環境である。
「二人共だらけ過ぎではないかのう?」
ソファーに姿勢正しく座って紅茶を飲んでいるナキナがだらしない格好をした二人を見て言う。
元々鬼人族の姫と言う事もあり、所作の教育はされていたのか最初は二人の格好を見てよく注意していた。
しかし全く直る傾向が無く5日程で言うのを諦めた。
「そう言われてもやる事も無いからな。」
ジルはソファーに寝転んだままの姿勢で言う。
馬車で移動するだけで特に何もやる事が無いのだ。
魔物もたまにではあるが馬車の進行方向に現れたりするのだが、外で馬車と難無く並行して走っている影丸が食事として狩ってくれているので出番は無い。
影丸と言えばミラやシュミットに話した時には驚かれた。
見た目スライムのライムとは違って正真正銘の高ランクの魔物なので、従魔にしたとなると驚かれるのも当然だ。
それでもしっかりとナキナの従魔として従っており、無闇に暴れたり危害を加えたりしない事は確かなので、シュミットも安心して馬車の隣りを走らせてくれている。
「シキは本を読む事が仕事でもあるのです。」
だらしない格好をしつつもジルと違って大義名分がある事を主張する。
知識の精霊であるシキは見聞きした内容を忘れない力が備わっている。
これにより異世界の知識すらも無限に仕入れる事が出来て仲間達の為に使う事が出来る。
楽しんでいる様に見えるかもしれないがこれはシキの役割りでもある。
「そうは言ってもたまには身体を動かさぬと鈍ってしまうぞ?」
ナキナは毎日外に出て影丸と一緒に魔物を狩ったりして身体を動かしている。
対してジルとシキとライムは出発してから馬車の中に引き篭もっている。
「それでもナキナよりは強いから安心していいぞ。」
「くっ、言い返せないのが辛いのじゃ。」
ジルの言葉に悔しそうにナキナが唸る。
一体どれだけ力を蓄えれば追い付けるのか想像も出来無い。
「はぁ、今日も少し身体を動かしてくるとするかのう。」
その言葉を受けてまだまだ強くなろうと思いナキナが立ち上がる。
その瞬間にテーブルに置かれていた魔法道具の鈴が鳴り出した。
「な、なんじゃ!?」
突然鳴り出した鈴の音にナキナが驚いている。
「丁度良かったな。」
ジルが起き上がりながら呟く。
そして鳴り響く鈴を止める。
すると今の音は何事かとメイドの一人が部屋に入ってくる。
「シュミットに馬車を止める様に言ってくれ。護衛の仕事の時間だ。」
「わ、分かりました!」
メイドはその言葉を受けて慌ててシュミットの部屋に向かう。
仲間内の方が気楽だろうと部屋を分けてくれているのでシュミットと部屋は別である。
護衛の仕事と言う言葉で察してくれた様だ。
「ど、どう言う事じゃ?」
「これは敵意を持った相手が近付くと報せてくれる魔法道具だ。ちなみに人限定だけどな。」
結界魔法で馬車から一定の範囲内の生物を感知する事は出来るのだが、敵意を持っているかは分からないし、常時使うのも魔力消費が大きいので魔法道具を置いていたのだ。
「つまり魔物には反応しないと言う事じゃな?」
「そうなる。だから盗賊でも出たのだろう。」
魔物に反応するならば道中鳴りっぱなしとなるので人限定としているのだ。
ジルは魔法道具が感知した敵意を持つ人を見つける為に結界魔法の感知結界を使用する。
馬車を中心として周りにいる者を調べる。
「見つけた、進行方向だな。」
人数で言うと10人くらいの集団だ。
「どうするのじゃ?」
ナキナが尋ねると同時に馬車が止まる。
シュミットがメイドに伝えた通りにしてくれた様だ。
「無視して進んでもいいが走りながら付き纏われたり、わざわざ遠回りするのは面倒だ。向かってくるのは排除するとしよう。」
盗賊は生け獲りにすれば奴隷として売れる。
更に盗賊が所持している盗品等は倒した者に所有権が移るので、盗賊退治は意外と実入りが良いのである。
その間特に変わった事も無く、ジル達は順調にトレンフルの街を目指して馬車を走らせていた。
「皆様、紅茶でもいかがですか?」
ジル達が寛ぐ馬車内の部屋にメイドが訪ねてきて聞いてくる。
全員が受け取って中々お値段がしそうな紅茶を楽しむ。
快適な旅が出来ているのも控えてくれているメイドのおかげだ。
身の回りの世話をしてくれるので、ジル達はだらだらと寛いでいるだけでいい。
「のんびりとした旅もいいものだ。」
「同感なのです。」
ジルとシキはすっかりこの環境に適応していた。
ソファーで寝転んでゴロゴロしながら異世界通販のスキルで購入した本を読み、食べて飲んで寝て自堕落な生活を送っていた。
普段は定期的な依頼を義務付けられているので、数日に一度は必ず外出しなければいけなかったが今はそれも無い。
そしてシュミットが用意してくれた馬車内の部屋も広く快適なので寛ぐには絶好の環境である。
「二人共だらけ過ぎではないかのう?」
ソファーに姿勢正しく座って紅茶を飲んでいるナキナがだらしない格好をした二人を見て言う。
元々鬼人族の姫と言う事もあり、所作の教育はされていたのか最初は二人の格好を見てよく注意していた。
しかし全く直る傾向が無く5日程で言うのを諦めた。
「そう言われてもやる事も無いからな。」
ジルはソファーに寝転んだままの姿勢で言う。
馬車で移動するだけで特に何もやる事が無いのだ。
魔物もたまにではあるが馬車の進行方向に現れたりするのだが、外で馬車と難無く並行して走っている影丸が食事として狩ってくれているので出番は無い。
影丸と言えばミラやシュミットに話した時には驚かれた。
見た目スライムのライムとは違って正真正銘の高ランクの魔物なので、従魔にしたとなると驚かれるのも当然だ。
それでもしっかりとナキナの従魔として従っており、無闇に暴れたり危害を加えたりしない事は確かなので、シュミットも安心して馬車の隣りを走らせてくれている。
「シキは本を読む事が仕事でもあるのです。」
だらしない格好をしつつもジルと違って大義名分がある事を主張する。
知識の精霊であるシキは見聞きした内容を忘れない力が備わっている。
これにより異世界の知識すらも無限に仕入れる事が出来て仲間達の為に使う事が出来る。
楽しんでいる様に見えるかもしれないがこれはシキの役割りでもある。
「そうは言ってもたまには身体を動かさぬと鈍ってしまうぞ?」
ナキナは毎日外に出て影丸と一緒に魔物を狩ったりして身体を動かしている。
対してジルとシキとライムは出発してから馬車の中に引き篭もっている。
「それでもナキナよりは強いから安心していいぞ。」
「くっ、言い返せないのが辛いのじゃ。」
ジルの言葉に悔しそうにナキナが唸る。
一体どれだけ力を蓄えれば追い付けるのか想像も出来無い。
「はぁ、今日も少し身体を動かしてくるとするかのう。」
その言葉を受けてまだまだ強くなろうと思いナキナが立ち上がる。
その瞬間にテーブルに置かれていた魔法道具の鈴が鳴り出した。
「な、なんじゃ!?」
突然鳴り出した鈴の音にナキナが驚いている。
「丁度良かったな。」
ジルが起き上がりながら呟く。
そして鳴り響く鈴を止める。
すると今の音は何事かとメイドの一人が部屋に入ってくる。
「シュミットに馬車を止める様に言ってくれ。護衛の仕事の時間だ。」
「わ、分かりました!」
メイドはその言葉を受けて慌ててシュミットの部屋に向かう。
仲間内の方が気楽だろうと部屋を分けてくれているのでシュミットと部屋は別である。
護衛の仕事と言う言葉で察してくれた様だ。
「ど、どう言う事じゃ?」
「これは敵意を持った相手が近付くと報せてくれる魔法道具だ。ちなみに人限定だけどな。」
結界魔法で馬車から一定の範囲内の生物を感知する事は出来るのだが、敵意を持っているかは分からないし、常時使うのも魔力消費が大きいので魔法道具を置いていたのだ。
「つまり魔物には反応しないと言う事じゃな?」
「そうなる。だから盗賊でも出たのだろう。」
魔物に反応するならば道中鳴りっぱなしとなるので人限定としているのだ。
ジルは魔法道具が感知した敵意を持つ人を見つける為に結界魔法の感知結界を使用する。
馬車を中心として周りにいる者を調べる。
「見つけた、進行方向だな。」
人数で言うと10人くらいの集団だ。
「どうするのじゃ?」
ナキナが尋ねると同時に馬車が止まる。
シュミットがメイドに伝えた通りにしてくれた様だ。
「無視して進んでもいいが走りながら付き纏われたり、わざわざ遠回りするのは面倒だ。向かってくるのは排除するとしよう。」
盗賊は生け獲りにすれば奴隷として売れる。
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