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16章
元魔王様とシキの契約者 1
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後日、ジルとアレンは再びギルドを訪れていた。
タイタンベノムスネークや他の魔物の買い取りをしてもらう為である。
「ではこちらが残りの買い取り代金となります。」
ミラが重そうな袋を机の上に運んでくる。
中はキラキラと光り輝く金貨で埋め尽くされており、相当な金額で売れた様だ。
大量の金貨とは別に大金貨も数枚渡される。
こちらはタイタンベノムスネークの買い取り代金であり、特殊個体と言う事もあってこちらもかなりの値段になった。
「想像以上の額だな。」
アレンは嬉しそうに袋を受け取っている。
報酬は既にギルドの方で分けて出してくれていた。
「だがよかったのか?ジルの方が金が少なくなっちまってよ。」
ミラから袋を受け取っているジルにアレンが言う。
どちらも大金を受け取った訳だが、アレンの貰った額の方が多いのである。
「元々そう言う約束だったからな。それにこれだけ貰えれば文句は無い。」
ジルの報酬が少ないのは、一部のタイタンベノムスネークの素材を抜いた分である。
ライムの新スキル習得の為にタイタンベノムスネークの一部を吸収させたので、その分が引かれた報酬となっている。
吸収させた成果は充分にあり、ライムは強力な溶解液のスキルを取得する事が出来た。
これによって最初から覚えていた変化吸収に加えて、分裂、威圧、石化、溶解液を覚えている事になる。
スキルの構成を見ると強者感が凄まじい。
集団の低ランクの魔物相手でも絶対的優位性を保てる威圧、そして本体の死ぬリスクを減らして手数を増やせる分裂と言う使い勝手の良い二つのスキル。
残りのスキルも石化で動きを止めて溶解液で溶かし、倒した魔物を変化吸収で自分の力に変えると言う所謂チートコンボも可能である。
しかし今のライムでは魔力量が足りず、そんなにスキルの乱用は出来無いのでチートコンボはお預けだ。
しかし無限に強くなれるライムなので、将来性は充分にあると言える。
「そうか、今回は本当に助かったぜ。また何かあったらよろしくな。」
アレンはジルにそう告げてギルドを出ていった。
昨日も大金を得ていたので、孤児院に帰ってからは全員に美味い料理を振る舞っていた。
豪勢な食事をしても全く金は使い切れなかったのに、更に今日も大金を得たので、暫くは孤児院も贅沢な日常を送れるだろう。
「ジルさんはこの後にご予定はあるんですか?」
残ったジルにミラが尋ねてくる。
「ふむ、特に考えてはいないな。お前達は何か希望はあるか?」
両肩に乗っているシキとライムに尋ねる。
と言ってもライムは主人であるシキに殆ど同調するので形だけの質問だ。
「シキはジル様のしたい事に付き合うのです。」
シキがそう言うとライムも同意する様にプルプルと揺れている。
「もしお暇なら簡単な依頼を受けていかれませんか?荷運びなのですけど。」
ミラは少し遠慮気味に尋ねてきた。
断るならばそれでも全然構わないと言った様子である。
「荷運び?」
「はい。この後一つの商隊がセダンの街を訪れる予定なんです。ギルドから魔物の素材を大量に買い取る為にです。」
話しを聞くと隣りの領地から商隊が買い付けにくるらしい。
隣りと言っても片道を商隊規模の馬車の移動で2週間も掛かる長旅である。
セダンの街の近くには魔の森があり、沢山の魔物の素材が取れる。
その中にはこの辺りにしかいない魔物も多く、そう言った珍しい魔物の素材を遠出してでも買い付けて、街の利益としたいらしい。
「素材はご存知の通り倉庫に保管してあります。それを表に運び出す作業は中々に大変ですので。」
倉庫からギルドの外まではそれ程距離が離れている訳では無い。
それでも魔物の素材を抱えながら何度も何度も往復するのは大変な作業だろう。
「つまり我の無限倉庫のスキルを頼りたいと言う事か。」
ジルの持つ無限倉庫のスキルは収納量に限界が無い。
荷運びをするとなれば一度に全ての物を移動させる事が出来る。
「そうなります。実は急遽人手が足りなくなってしまって、ギルド職員だけでは時間が掛かりそうなのです。なので冒険者の方にも依頼しようとしていました。」
「我一人いれば事足りる訳だしな。」
多くの冒険者に依頼しなくても、荷運びならばジル一人いれば簡単に終わらせられる。
ギルド側としては受けてもらえれば大助かりだろう。
「当然依頼ですから報酬も出しますよ。どうですか?」
そう言ってミラが依頼書を見せてくる。
依頼書はギルドからジルへの指名依頼となっていた。
Dランクに指名依頼が来る事は稀なのでジルは興味深そうに依頼書に目を通していった。
タイタンベノムスネークや他の魔物の買い取りをしてもらう為である。
「ではこちらが残りの買い取り代金となります。」
ミラが重そうな袋を机の上に運んでくる。
中はキラキラと光り輝く金貨で埋め尽くされており、相当な金額で売れた様だ。
大量の金貨とは別に大金貨も数枚渡される。
こちらはタイタンベノムスネークの買い取り代金であり、特殊個体と言う事もあってこちらもかなりの値段になった。
「想像以上の額だな。」
アレンは嬉しそうに袋を受け取っている。
報酬は既にギルドの方で分けて出してくれていた。
「だがよかったのか?ジルの方が金が少なくなっちまってよ。」
ミラから袋を受け取っているジルにアレンが言う。
どちらも大金を受け取った訳だが、アレンの貰った額の方が多いのである。
「元々そう言う約束だったからな。それにこれだけ貰えれば文句は無い。」
ジルの報酬が少ないのは、一部のタイタンベノムスネークの素材を抜いた分である。
ライムの新スキル習得の為にタイタンベノムスネークの一部を吸収させたので、その分が引かれた報酬となっている。
吸収させた成果は充分にあり、ライムは強力な溶解液のスキルを取得する事が出来た。
これによって最初から覚えていた変化吸収に加えて、分裂、威圧、石化、溶解液を覚えている事になる。
スキルの構成を見ると強者感が凄まじい。
集団の低ランクの魔物相手でも絶対的優位性を保てる威圧、そして本体の死ぬリスクを減らして手数を増やせる分裂と言う使い勝手の良い二つのスキル。
残りのスキルも石化で動きを止めて溶解液で溶かし、倒した魔物を変化吸収で自分の力に変えると言う所謂チートコンボも可能である。
しかし今のライムでは魔力量が足りず、そんなにスキルの乱用は出来無いのでチートコンボはお預けだ。
しかし無限に強くなれるライムなので、将来性は充分にあると言える。
「そうか、今回は本当に助かったぜ。また何かあったらよろしくな。」
アレンはジルにそう告げてギルドを出ていった。
昨日も大金を得ていたので、孤児院に帰ってからは全員に美味い料理を振る舞っていた。
豪勢な食事をしても全く金は使い切れなかったのに、更に今日も大金を得たので、暫くは孤児院も贅沢な日常を送れるだろう。
「ジルさんはこの後にご予定はあるんですか?」
残ったジルにミラが尋ねてくる。
「ふむ、特に考えてはいないな。お前達は何か希望はあるか?」
両肩に乗っているシキとライムに尋ねる。
と言ってもライムは主人であるシキに殆ど同調するので形だけの質問だ。
「シキはジル様のしたい事に付き合うのです。」
シキがそう言うとライムも同意する様にプルプルと揺れている。
「もしお暇なら簡単な依頼を受けていかれませんか?荷運びなのですけど。」
ミラは少し遠慮気味に尋ねてきた。
断るならばそれでも全然構わないと言った様子である。
「荷運び?」
「はい。この後一つの商隊がセダンの街を訪れる予定なんです。ギルドから魔物の素材を大量に買い取る為にです。」
話しを聞くと隣りの領地から商隊が買い付けにくるらしい。
隣りと言っても片道を商隊規模の馬車の移動で2週間も掛かる長旅である。
セダンの街の近くには魔の森があり、沢山の魔物の素材が取れる。
その中にはこの辺りにしかいない魔物も多く、そう言った珍しい魔物の素材を遠出してでも買い付けて、街の利益としたいらしい。
「素材はご存知の通り倉庫に保管してあります。それを表に運び出す作業は中々に大変ですので。」
倉庫からギルドの外まではそれ程距離が離れている訳では無い。
それでも魔物の素材を抱えながら何度も何度も往復するのは大変な作業だろう。
「つまり我の無限倉庫のスキルを頼りたいと言う事か。」
ジルの持つ無限倉庫のスキルは収納量に限界が無い。
荷運びをするとなれば一度に全ての物を移動させる事が出来る。
「そうなります。実は急遽人手が足りなくなってしまって、ギルド職員だけでは時間が掛かりそうなのです。なので冒険者の方にも依頼しようとしていました。」
「我一人いれば事足りる訳だしな。」
多くの冒険者に依頼しなくても、荷運びならばジル一人いれば簡単に終わらせられる。
ギルド側としては受けてもらえれば大助かりだろう。
「当然依頼ですから報酬も出しますよ。どうですか?」
そう言ってミラが依頼書を見せてくる。
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