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第二章シャーカ王国
84王子としての覚悟
しおりを挟むラテスサイド
昔から私は弱かった。
兄さん達の母親は違うが昔は良く仲良く遊んでいただけど兄さん達がスキルを神から授けて貰ってから人が変わった。
ハジン兄さんは力の強いものが強者で偉い、力が弱いものは弱者、弱肉強食のような考えをするようになった。
クラマ兄さんは魔法を探求したいと魔法の研究を一人でし始めた。
そして二人の祖父は二人の内どちらかを王にするために力を貸したそれも父上が知らぬ間に。
それ以降私とは遊ばなくなり逆に力の無い私をいじめるようになった。そして十二歳になり国の教会へ行き神からスキルを授けて貰ってからは更に当たりが強くなり私は何もできないでいた。
そんなある日私は父上の仕事を母上とこっそりと見て母上は私に王とは何かを教えてくれた。
『ラテス貴方のお父さんはね国民の為に様々な政策を考えているのよ』
『国民のため?』
『そうよ国民が豊かに暮らせるようにどうすれば良くなるのかどうすれば笑顔の絶えない国になるのか』
『…………』
その時の父の姿は私の憧れでもあったいつか私も父みたいに国民の力になりたいと。
それから私は勉学、礼儀作法、力の鍛練、出来ることをひたすら取り組んだ…………だが圧倒的な力の前には無意味だった。
兄達の強力なスキルの前には逆らえずにいたそれでも私を支えてくれる母上やミナ、騎士の皆さんの為に立派な王子になろうとした。
ある日アリアさんから神聖キリス共和国に資金を全て回収されたとアリアさんに相談をうけ私はお世話になった教会の為に支援をしようとした。だが兄達の圧力で食料の支援しかできなかった。
そんなある日私は教会でムゲンさんと出会った。
ムゲンさんは優しくて強い方だ。事情を聞いたら教会に食料を提供してくれると何の迷いもなく答え、更に私と対決してその実力も圧倒的だった。
城で兄さん達と近衛兵達を難なく倒す力その姿に父上と同じような憧れを抱いた。だが本当にムゲンさんが強い理由は心だ。
数日前私は教会の広場でムゲンさんと話しをしていた。
「ムゲンさん」
「何だ?」
「何であの時私には無限の可能性があると言ったんですか?」
「…………俺は昔から人には無限の可能性があると信じて生きてきた」
「無限の可能性」
「そう…生きとし生きる者には様々な可能性がある。例えば幼い子供が将来優秀な学者になったり、中年の男性が料理にひたすら励んだら有名な料理人になったりと可能性は様々それは計りしれないつまり無限…」
「…………」
ラテスはムゲンさんの話を聞いていた。
「その凄さに気づいて俺は無限の可能性を信じて突き進んでいる……お前にもその可能性があるから言ったんだ……」
ムゲンさん……力だけではなく人としての心が私よりもあって正直凄い。
「まぁ、これを教えてくれたのはじいちゃんなんだけどな」
「………私は昔から弱くて父上の姿に憧れて国民の力になりたいと努力してきましたですが…………」
「力の差か」
「はい…………」
ザッ
ラテスは落ち込んでいると無限は少し立ち上がった。
「ラテス、王様だって人だ全員が同じ考えをしている訳じゃない国民を思う優しい王や力で支配する王、様々な王がいる…………お前はどんな王になりたいんだ?」
「私は…………」
その時私の頭には父上の姿と国民が笑って過ごしている姿が思い浮かんだ。
「父上と同じ国民を思える王になりたいです」
「そうか……その覚悟はあるんだな」
「はい」
「その覚悟をジャダ王に見せてやれそして俺にもな」
現在
「さて、ラテス王子そろそろ死のうか」
「…………」
カチッ
「何のつもり~」
「王子…………」
「ラテス…………」
ラテスはミナ達の前に立ちリョウとウヴァルに剣を向けた。
父上、私はこの国の王子としていつの日か貴方みたいな王になるその覚悟を見ていてください。ムゲンさん………私は自分の無限の可能性を信じます!。
「私はこの国の王子として国に仇なす敵を倒す!」
ドクン!
その時ラテスの体の奥底にある何かが目覚めた。
「これは…………」
「へ~…………殺せウヴァル」
「嗚呼」
シュン!
ウヴァルは一瞬でラテスの目の前に移動し拳を
振り下ろした。
「ラテス王子!!」
「…………」
ブン!
「なに!」
(こいつ俺の攻撃をギリギリで避けた?)
「はぁ!」
キーーン
ラテスはウヴァルの攻撃を紙一重えで避け剣でウヴァルに攻撃するが腕で止められる。
「こいつ!」
ブン!
「せい!!」
ザン!
「ぐぅぅ」
ウヴァルは左手で攻撃するがラテスはたまも紙一重で避け剣で逆袈裟斬りをしウヴァルに傷を追わせた。
(こいつさっきとリョウと戦っていた時と動きが違う)
「…………」
私は今の自分に何が起こっているのかわからないでいた。悪魔が攻撃する前に私の目にはあらゆる情報が見え始めた。
今、国がどんな状態なのか、ここにいる全員の状態、敵がどこにいるのか国民の感情等様々な状態が見えている。
「なめるな小僧」
「はぁぁぁぁ!!」
キン!! ドゴ! キン!!キン!!キン!!
これは一体…悪魔の動きがわかる………今は考えるのは後今はこの悪魔を倒す。
「おいおい一体どうなってるんだ?」
リョウはウヴァルとラテスの戦いに疑問を浮かべていた。
「さっきまで僕と全然戦えて無かったのにどうしてウヴァルと対等に戦えているんだ?」
「ラテス王子……一体何が」
「ようやく本来の力が目覚めたか」
「陛下!」
ミナはラテスの戦いを見ていると後ろからジャダ王が剣を杖代わりとして立っていた。
「あれが天神眼の本来の力だ」
「本来の力」
「嗚呼、相手の動きや感情や相手の動きを完全に読み解くき全ての物を鑑定できる見通す力」
「凄い」
(ラテスようやく自分の力を信じるようになったか。戦い方でわかるお前は王になろうとする覚悟を決めたんだな)
「闇、デッドアロー」
「雷、サンダースピア!」
ドン!
「闇、ダークチェーン」
「雷、サンダー・スパーク!」
キーーーン!! ドドドドド!!!
私は悪魔の攻撃を避け反撃をした悪魔は魔法を何回も放ってくるが私も負けじと放つ。
「ウヴァル大丈夫~?手をかそうか?」
「…問題ない………闇」
ザッ!!!
次の攻撃がくる!。
「デーモンナックル」
「!!」
ドゴーーーーーーーン!!!!
「えっ…………」
私は悪魔が攻撃する事がわかり防御の構えをした次の瞬間いつの間にか私は壁に埋もれていた。
「ラテスおうじぃぃぃ!!!」
「ラテス!」
ボロ ボロ ボロ ボロ
「…………一体…………何が………私が防御するところを知っていた…」
「成る程直ぐに理解するか…………スキルのお陰だな」
私は天神眼で悪魔を鑑定すると何故壁に埋もれていたのかわかった。
この悪魔のスキル【先の未来を見る者】少し先の未来が見えるスキルだから父上と私が防御しても何処を防御するのかわかっていたのか。
「流石がだね」
「これで終わりだな」
リョウは上機嫌になりながらウヴァルの隣に立ちラテス達を見下ろしていた。
「やっと僕の仕事が終わるよ」
「くそ……動けない」
「陛下…………王子…………」
「仇を…………」
「ラテス王子残念だったねせっかくスキルが使えるようになったのにね!」
ドガッ
「「「「!!」」」」
ラテスは壁から出てきて再度剣を構えた。
「まだ私は諦めません」
「そう…じゃあ絶望をしろうか」
続く。
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