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第二章シャーカ王国
73滝行
しおりを挟むシャーカ王国の西の森。
「「「ギィィィ」」」」
「土、土貫螺旋!」
ドゴーーン!!
「「「ギァウゥゥ!!」」」
「ダインいくよ」
「了解した」
「「鋼、ダイヤモンド・スピア」」
ドドドドド
「風、サイクロンカッター!」
ザザザザ
「獅子剣、雷、雷鳴一閃」
ザキーーーーン!
「「「「「「ギィギァァァ!!」」」」」」
今日、俺達はギルドの依頼でシャーカ王国の西の森で魔猿の中位種、アイアンモンキーと魔猪の中位種、ウインドボアの討伐をしていた。
無限は土貫螺旋でウインドボアを貫き、蒼花は鋼の精霊帝王アストと共にダイヤモンドの矢でアイアンモンキーの頭を射ぬく、キュンは風の嵐で吹き飛ばしながら斬撃をゾディアは剣の柄が獅子の形をした剣を使い雷鳴の一撃を喰らわした。
「ふぅ~これで全部か?」
「そうみたいだね」
「しかしこんなに魔猿の中位種がいるとは」
「ざっとみて魔猿が三十五体、魔猪が十五体ですね」
「ダイン普通魔物てこんなに多いのかな?」
「…いや、そこまで多くないダンジョンや迷宮はここら辺には無いから何かがおかしい」
「気配感知………いないか」
「無限様?」
「何しているの?」
「いや、魔物がいないか確認していた」
最近魔物の討伐依頼が多いような気がする………嫌な予感がするがまぁ、いっか。
「まぁ、討伐は終わったから回収して帰るか」
「そうですね」
「わかりました」
「ダインありがとうね」
「またな」
ダインはいなくなり俺達は倒した魔物を自動解体をしアイテムボックスで回収後帰る事にした。
「しかしこの森は少し荒々しですね」
「確かになお前の作った迷宮の森の方がまだ良かったな」
「そう言えば冒険者ギルドとミツロ商会からダイヤモンドスネークの報酬の件はどうなっているの?」
「確か明後日ぐらい用意が出きる事になると言っていましたね」
ザァァァァァ
「この音………滝か」
俺達はシャーカ王国に帰ろうと森を歩いていると何処からか滝が流れる音が聞こえた。
「近くに滝がありますね」
「皆で見に行かないか」
「私も見てみたい」
「まだ夕方まで時間がありますから構いませんよ」
「行きましょうか」
俺達は滝を見る為に全体マップを見ながら移動した。
「久しぶりに滝行できるな」
「確か年に数回するんだよね」
「嗚呼、蒼花は見たこと無かったよな」
「うん、本当は見てみたかったけど予定で見れなかった」
「無限様が住んでいた所では近くに滝があったんですか?」
「いや、俺の爺ちゃんの知り合いが住んでいる山にあってなそこを使わせてくれたんだ」
俺が最初に滝行したのは小学生六年生ぐらいにだったような気がするがあれはキツかったな。
「成る程そうでしたか」
「確か滝行とは精神を鍛え煩悩を取り除くでしたよね」
「その通りだキュン、諸説色々あるが禊の意味もあるが俺は不動流剣術格闘の修行として精神統一として行っている」
「そろそろ見えて来ましたよ」
そんな話をしていると無限達は森を抜け広けた場所に着くと目の前に大滝が現れた。
「おお!これは凄いな!」
「流れが凄い」
「これ程とは」
「皆様、誰かいるようですよ」
「誰か滝行してるのか?」
「誰だろう」
ゾディアは大滝で誰かが滝行していると気づき無限達も確認した。
「あれは…………悪い俺後ろ向いとく」
「私もそういたします」
「あれは……」
俺とゾディアは滝行しているのが誰なのかわかりすぐに後ろを向いた。
ザァァァァァァ!!!!
「…………」
大滝に打たれていたのは白いくて薄い長襦袢を着たツバキがいた。
「ツバキさんですね…」
「…………凄い」
ツバキは大滝による激しい水圧に打たれながらも平然と合掌していた。
「まさかツバキさんがいるとは」
「けど何で無限とゾディアは後ろ向いているの?」
「蒼花…………ツバキの服装良く見ていみろ」
「…………///!!」
「あ~成る程わかりました」
「そう言う訳です」
ツバキが着ている長襦袢は水に濡れて透けておりその姿は褌以外身につけていなかった。
「…………ねぇ無限///」
「何だ」
「ツバキの………その………見たの?」
「いや、ツバキだとわかった瞬間すぐに後ろを向いたから見てないぞ」
女性が滝行をするとき長襦袢の下は水着等着ているのが普通だがツバキの普段の服装から考えれば何となく予想がつくからな。
「ふぅ…………おやこれはムゲン殿にアオカ、キュン殿、ゾディア殿」
「ツバキ!その前に服を着て///」
ツバキは滝から出てくると無限達がいるのに気づいてそのまま歩いてきたのを蒼花は直ぐ様止め服を着るように言った。
それから数分後。
「いや~これは失礼しました~」
「ツバキ無防備すぎる」
「全く少しは女性なのを自覚してください」
「はい……すいません…………」
「着替え終わったか」
「もう、そちらを見ても大丈夫ですか?」
「無限、ゾディア大丈夫だよ」
俺とゾディアはツバキが着替え終えたので振り向くとツバキはいつもの服を着て座っていた。
「さて、俺も滝行するか」
「今から着替えるんですか?」
「いや」
バァサ!
「無限///!!」
「おお~」
「ムゲン殿///!」
無限は服を脱ぐと日々鍛え上げられた上半身があらわになった。
「ゾディア服を持っててくれ」
「畏まりました」
「それと、ズボンにプロテクトをエンチャント」
俺は滝行するため靴と靴下を脱ぎ更に上半身裸にし服はゾディアに預けズボンとパンツには水に濡れないよう無属性魔法、プロテクトをエンチャントした。
「さて、行きますか」
「無限…行ってらっしゃい///」
(無限の上半身いつ見ても凄い///………)
(あれがムゲン殿の体///なんて鍛えぬかた無駄のない筋肉///)
ザァァァァァ!!!!!
「…………」
無限は無言のまま滝に入り目をつぶり合掌しながら滝に打たれ始めた。
蒼花サイド
「無限様滝行を始めたようですね」
「うん」
「我々はゆっくりとしておきましょ」
私達は無限が滝行が終わるまでゆっくりしているとツバキは無限の滝行を見ながら少し暗い顔をしていた。
ツバキどうしたんだろ無限の滝行を見て…………少し聞いてみよ。
「ねぇ、ツバキ」
「アオカ」
「隣…いい?」
「どうぞ」
私は岩に上に座っているツバキに近づいての隣に座り二人で無限の滝行を見守った。
「「…………」」
「ねぇ、ツバキどうしたの暗い顔をして?」
「!!いえ…………何でもないです」
「…………嘘、無限をみて暗い顔をしていたよ」
「それはその…………」
ツバキは蒼花の指摘に少し動揺していた。
「悩みがあるなら聞くよ」
「……実はダイヤモンドスネーク以来から少し一人で色々と悩んでいて」
「うん」
「話きいてくれる?」
「聞くよ友達だから」
「アオカ」
「良ければ私も聞きましょうか」
「キュン」
「キュン殿」
私達が話しているとキュンも話に入ってきた。
「私は貴方よりも長く生きていますので悩みがあるなら少しはお役にたてますよ」
「ありがとうございます」
続く
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