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①最強戦闘機はなんだ?「気になる機体があったら深掘りしよう!」

赤井です。「五式戦」について語らせてください②

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続きです。

はい、再度、五式戦に戻ります。
細くスリムな三式戦の機体に星形空冷エンジンを積み込むために、ドイツの技術を得るためにメッサーシュミットMe210とともに輸入されたフォッケウルフFw190の機首周りの処理を参考にしたのは、マニアの間では有名な話ですね。
ちなみに航空審査部でFw190は大東亜決戦機と呼ばれた四式戦「疾風」にも多数の技術が生かされています。
「長っ鼻のドーラ」!
ドイツ機の中で一番好きな機体です!
かっこいいー!

ちょっと脱線します。
アンサイクロペディアで舩坂弘、シモ・ヘイヘと並ぶ、「みんな大好き!魔王「ハンス・ウイルリッヒ・ルーデル」」の愛機ユンカースJu87も2機、昭和14年に日本に入ってきてるんですよ。
まあ、99艦爆の方が優れているとの判断で、あまり参考にはされなかったのも有名な話です!
まあ、「ルーデル」あっての「ユンカースJu87」ですからね(笑)!
ルーデルが出て来る「かたやままこと」氏の「龍空のエイシズ」と「蒼空の魔王ルーデル」は面白いですよ!
「ルーデル」すきな人は必見ですよ!(※余談。(笑))

ハー112Ⅱに換装された五式戦は数は少ないものの活躍しました。
最高速は落ちたものの、「燃料とオイルをいれればいつでも飛べる」と整備兵に言わせたエンジンは重宝されました。
まあ、水メタノールとインジェクションは新機構だったので、その点だけは、慣れるまでトラブルはあったそうです。
続いて、陸軍では改良された「ハー112Ⅱル」は排気タービン「ル2」を増設しました。
水メタノール噴射機構があるので、「インタークーラーの装備は必要無い」という、アメリカ人技師をうならせた工夫で、54キロ(※周辺機材と合わせて合計150キロの説もあり)の軽量ターボは、高度1万メートルで1200hpを発揮し、日本で唯一のB29を上から攻撃できる機体だと航空兵の中では呼ばれてました。

あと、五式戦の優れた点として、機銃の装弾数があげられますね。
零戦52型の20ミリ機銃は各門100発(※7.7ミリは700発。ただ、大戦後期の米軍の機体にはあまり効果はなかった。)ですが、五式戦は、破壊力の大きい20ミリ弾は200発、直進性の良い12.7ミリ弾は250発になっています。
紫電改は、20ミリ4門で、内側の機銃が200発、外側の機銃が250発と多勢に無勢で戦う防空戦で多数の日本航空隊エースが生まれたのも納得がいきますね!
松山沖航空戦の戦果はこの装弾数があってのことですね。
ちなみに零戦21型は、20ミリは60発×2門ですから、台南空、ラバウル航空隊の猛者の撃墜数を見ると、まさに「一撃必殺」だったのだと思います。
開戦時の零戦の優位性があるにしても、少ない弾薬で無駄玉無く敵戦闘機を撃墜するパイロットの技量は凄いものがあると思います。

最後に、零戦を筆頭とする海軍機と川崎が設計した三式戦、五式戦の一番の違いを紹介しておきましょう。
海軍機が、整備性(※空母の中での作業等を考慮した)や組み立て工程の簡易さを狙って、左右独立翼になっているのが、「飛燕」は左端から右端まで一体構造の翼になっています。
零戦が実験中に分解事故を起こしたことや、急降下に耐えられない機体であったことは有名ですね。
しかし、「飛燕」の機体強度は、急降下速度でP51に匹敵するものでした。
三式戦の本土要撃戦で活躍した「震天航空隊」(※東部では「震天隊」、西部では「回天隊」)でも、飛燕搭乗者の生還率は高かったことでも証明されてますね。
体当たり時に機体が空中分解せず、滑空できたため「パラシュート降下」する余裕があったためと言われています。
体当たりが「良い作戦」とは思いませんが、批判を覚悟で書かせてもらうと、ドイツ空軍でも同様の戦法が取られたことを考えると、当時としては「やむをえない」作戦だったのかもしれません。

つらつらと、マニアックなことを書かせてもらいました。
屠龍についても語ると止まらなくなってしまうので、今日は、この辺で。
ちなみに、「五式戦」の活躍は、新谷かおる氏の「日の丸あげて」も良いですが、天沼俊氏の「戦空の魂」の最終巻(12巻)の最終話が良いですね!
もちろん、個人的感想ですが(笑)。
「あーくん」さん、これから先も頑張ってくださいね!

大戦機だと「彩雲」、「東海」、「A26(もちろん日本機)」、「二式飛行艇」について語れる機会があると嬉しいです。
また、遊びによらせてもらいますね。
では、また!




(五式戦は残ってる写真が少ないんですよねー!)




(「戦空の魂」第1期最終巻表紙)
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