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悪役令嬢のいる世界〜sideコレット
絶対的な悪役令嬢
しおりを挟む「先程はすまなかったな」
「いえ、私なんかにお声掛け頂きましてありがとうございます」
「君に話があって来た。少しお時間よろしいかな?」
「…申し訳ございません。これでも貴族の令嬢ですから醜聞になるような事は出来かねます」
「…?そうか…」
ゲーム通りもう一度フィルエールとクレマンと話す機会がやって来て、私はやっと心の底から安心できた。
勿論この通り!きちんと丁重にお断りすることが出来た。
「…お、お嬢様用の…ピザが…」
「ねぇ、それ美味しそうね?私のと交換するのは如何かしら?」
「あ、いやコレは…焦げてるし…」
「私、香ばしいくらいが好きなのよ」
あ、このセリフ。
なんだ、凄くしっくり来たわ。
実はゲームしてた時もなんでコレットは殆ど話した事が無かったアロイスと(2回目の邂逅)こんな馴れ馴れしく話してるのかって疑問に思ってたんだよね。
でも、実は裏で何度か話す機会があったのね。
それと、ゲームは本当に大切な場面だけピックアップして見せていたみたい。確かに話の流れが微妙だと思ってた所とかもこれのせいだったのね。
この調理パートで無事最重要アイテムである“助言石”を手に入れて、助っ人アロイスもゲット!出来たし~?もう、完璧すぎて私天才!って感じだよ!
今日の夜は私の激推しエセルフィロルに声をかけられる。これが何よりも楽しみなのよ。
確かに攻略対象達は皆んな綺麗な顔してるけどね?エルセフィロルは貴公子の名に相応しい見た目なのに、結構ダークな部分もあってぇー。
ミリアーナに告白するシーンとかもうキュンキュンでさぁ?生まれた時と母親が亡くなった時にしか涙を流したことが無かった彼が無意識に溢した一雫の線が…って私本当ポエミーよね。
あー、お誘いに乗りたいわぁ。
お断りするのが勿体なさすぎるぅ~。
このルート選択、実はハーレムルートに持っていくならそこまで重要ではないから断らないって言うても…いやいや!此処を乗り越えれば皆んな私のモノなのんだから我慢しなくちゃ!
と言うのもね?
一応ルート選択が存在するのはその人からの好感度が上がりやすくなるからなんだけど、ハーレムルートを目指すならそれはむしろ足枷になる。
ハーレムルートは皆んなバランス良く同じだけ好感度を上げていかないといけないのにルート選択する事で一人一人上がる好感度の数値が変わってしまいバランスが取れなくなる。
他にもそのせいで同じだけ数値を上げようとするとルート選択したキャラ以外と多くイベントをこなさないと行けなくなるけど、それを繰り返すと放って置かれた選択キャラの好感度がただ下がりになったり…まぁ、色々あるけど兎に角無理ゲーになる。
その互換性やら数値とか何やらかんやらを検証しようとした人もいたみたいだけど、皆んな途中で断念してた。だって検証結果を知る為には毎回ゲームクリアまで持っていかないといけない上に、日常パートはAI管理の完全ランダム発生だし…まぁ、それだけこのゲームは難しいのよ。
「あぁ、此処にいたんだね。コレット姫」
「ひ、姫だなんて…」
「今日は一日如何だった?」
「とても楽しく、有意義なお時間でしたわ」
あーん♡
愛しのエルセフィロル様とついにお話してしまったわー♡かっこいい、かわいい、美しい♡
「そう、コレット姫はあまり周りと馴染めてないと聞いたから。少しお役に立てるかなっと思ったのだけど」
「まぁ。公子様にご心配をお掛けしていたとは思いませんでした。…私は田舎の貧乏な男爵家の娘ですから作法に自信がなく…。これから沢山学んで皆様と仲良くなれるように頑張ります!」
「…そ、そう…頑張ってね?」
「…?はい」
あれ、返事ってこんな感じだったけ?
とりあえず、1日目の校外学習イベントは無事全てこなしたし!
問題は明日よ。
明日は朝から攻略対象達がそれぞれアタックを繰り返すのだけども、悉く邪魔が入るのよね。ここはかなり涙を誘う良いシーンなの。
そして、最後にはジャミールへの想いに耽るミリアーナを目の当たりにして全員もれなく失恋する。
このスチルが最高なのよ…。まじ泣ける。
そして、このスチルが見れると言うことは皆んなミリアーナを諦める事になる。よって皆んな私のものになる瞬間ってこと。
最高すぎるでしょ?
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