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地面が揺れ、壁が大きく動く。
また今回の地震は、前より揺れが小さかった。時間も短い。
階層が1~2階層分だけ下がったのだろう。どうやらまだダンジョンは成長するらしい。
前の階層は虫型だった。
だが、今回は爬虫類が多い。
トカゲや蛇のモンスターが目の前を徘徊していた。
とりあえず、「地雷爆破」の罠を発動し撃破する。
だが、熱源を探知されたのか、モンスターは爆破の瞬間に逃げようとしていた。もうちょっとスピードが早ければ躱されていたところだ。
う~ん、階層が下がったせいでモンスターの種類が変わり、従来の罠が必殺ではなくなった可能性がある。
実際、周囲のモンスターが爆破位置を警戒し始めたのである。
動きの速いモンスターの学習だ。人型は、学習しても逃げられない攻撃ができていた。周囲が学習するほど数も多くなかったのだ。しかし、数も多く、速くて学習するとなると厄介だ。
よし、対策を考えるしかない。
まずは、囲い込みだ。
先に「針攻撃」で魔物の背後を狙い、爆破範囲に誘い込むことにした。
さらに、逃げる動作を起こされないように、「睡眠誘導」を使用して、その後に「地雷爆破」の罠を発動した。
数匹の蛇モンスターがまとめて爆殺された。
だが、その影響は大きく、周囲の魔物が混乱したようにこの場を離れた。
他の階層ではなかったことだ。
二回も大きな熱源を見せてしまったせいかも知れない。するとスキルが増えたのがわかった。
罠の中に「混乱毒」が増えていたのである。
しばらく考えた後、試しに混乱の収まったモンスターの1匹に使ってみることにした。
トカゲのモンスターは、自分の目の前で目を白黒させ、ぐるぐるとその場で回って口から炎を吐いた。
あ、これやばい……。
壁を焼き焦がすように炎が発射される。
仕方なく、「スパーク」で仕留めることにした。
「地雷爆破」を使わないのは熱源に気づせないようにするためだ。
倒すためには目の前に来てもらわないと困る。
スキルに「炎耐性」が追加されていた。
蛇の魔物も同じように「混乱毒」を使ったら、今度は酸で自滅した。
具体的には、酸攻撃を放って、周囲に吹き出した。そのせいで自分も溶けて死んでしまったのだ。
自分も壁の一部が酸で溶け、凹みとなった。
あれ? 不壊属性って壊れないんじゃないの? と思ったが、よく考えてみると、これは溶ける現象だから違うのかと気づく。
どんなに頑丈な壊れそうにない剣でも溶かして作ることができる。
そんな理屈で納得することにした。
こんなファンタジーな世界の理屈を知るわけもないからだ。
しばらくすると溶けた部分が再生を始めた。感覚的にはダンジョン全体が何かの力を自分の中に受け渡して壁を修復するイメージだ。
だが、それは感覚だけで、実際には魔力の譲渡だ。
自分がダンジョンの核というわけではないらしい。
「壁もついでに」くらいの印象だ。
ステータスを見ると「酸耐性」と「自動回復(小)」のスキルが増えていた。
「酸耐性」が付いたのはありがたい。壊れなくても大量の酸で溶けてしまうと困るからだ。蛇を混乱させて「酸耐性」を実験したら、多少の酸では壊れないことを確認できた。 酸の攻撃手段がある魔物に対しても極度に恐れる必要はなくなった。
その後も、中央の空間には多くのトカゲや蛇のモンスターがいた。
だが、今日はその中にカエルがいるのを見つけた。
皮膚は赤く、いかにも毒々しかった。
試しに「混乱毒」を使ってみる。すると、舌を壁に打ち付けて、ネバネバした液体がかかった。舌は壁に弾かれて、あらぬ方向に伸びる。
それが自分の体力を削っていく感覚がして、「スパーク」で即座に撃破する。鑑定するとその正体がわかった。どうやら「毒状態(仮)」に陥っていた。
え、状態異常ってかかったらどうすればいいの?
ネバネバがだらっと地面に落ち、壁が修復されると、毒状態が解除された。
ふう……、なんとかなった。なるほどね。
この「(仮)」っていうのがミソで、付着している間は「毒」状態になるらしい。
ついでに、「毒耐性」と「方向反転」というスキルが追加された。
この階層だとまたカエルが出るかも知れないからありがたい。
だが、「方向反転」というのがわからない。試しに、壁に接近した蛇のモンスターで試す。先に混乱毒を使って酸攻撃が始まる。そこで、「方向反転」を使う。
すると壁の一部に酸がかからず、跳ね返すことに成功した。
スキルレベルが低いせいか、ごく一部の範囲だけだったが、これも使えそうだ。
いつもどおり、モンスターを撃破するが、今回は耐性スキルを伸ばすためにあえて攻撃を受けて倒すのを繰り返した。
ただ倒すだけでは飽きるため、今度は新たに発見したスキルを増やすやめの撃破だ。
そうして、その結果を改めてスキルを鑑定で確認することにした。
名称:ダンジョンの壁
レベル:LV89
属性:土(不壊属性)
スキル:鑑定LV5、知覚察知LV13、視覚解放LV12、罠LV30(火矢LV12、毒沼LV11、スパークLV25、完全睡眠LV3、針攻撃LV15、地雷爆破LV28、混乱毒LV10、方向反転LV1、粘着液LV5、噛み付きLV3、舌拘束LV2、滑りLV1、吸着LV1、しっぽ攻撃LV1、甲羅砕きLV1、火炎放射LV1)、魔力吸収LV30、精神異常耐性LV3、恐怖耐性LV3、思考加速LV2、炎耐性LV10、酸耐性LV10、自動回復(小)LV5、毒耐性LV10、夜目LV1
ユニークスキル:人の魂魄
一通り、耐性レベルが上ったようだ。
このスキル群の中で一番驚いたのは「舌拘束」と「しっぽ攻撃」だ。
ダンジョンの壁が、どうやって生物の攻撃を出すのか?
と思ったら、壁から生き物っぽい部位が生成され、それが攻撃として使われたのである。火矢のように、自動で生み出された。
爬虫類の尻尾が岩石の素材で作り出される摩訶不思議だ。
他に、「滑り」というスキルは、天井を這う爬虫類を落としたことで使えるようになったスキルだ。
天井や壁から爬虫類の足を滑らせることができる。
それから、カメのモンスターを撃破して得られたのは「甲羅砕き」という追加ダメージを与えられるスキルだった。
また今回の地震は、前より揺れが小さかった。時間も短い。
階層が1~2階層分だけ下がったのだろう。どうやらまだダンジョンは成長するらしい。
前の階層は虫型だった。
だが、今回は爬虫類が多い。
トカゲや蛇のモンスターが目の前を徘徊していた。
とりあえず、「地雷爆破」の罠を発動し撃破する。
だが、熱源を探知されたのか、モンスターは爆破の瞬間に逃げようとしていた。もうちょっとスピードが早ければ躱されていたところだ。
う~ん、階層が下がったせいでモンスターの種類が変わり、従来の罠が必殺ではなくなった可能性がある。
実際、周囲のモンスターが爆破位置を警戒し始めたのである。
動きの速いモンスターの学習だ。人型は、学習しても逃げられない攻撃ができていた。周囲が学習するほど数も多くなかったのだ。しかし、数も多く、速くて学習するとなると厄介だ。
よし、対策を考えるしかない。
まずは、囲い込みだ。
先に「針攻撃」で魔物の背後を狙い、爆破範囲に誘い込むことにした。
さらに、逃げる動作を起こされないように、「睡眠誘導」を使用して、その後に「地雷爆破」の罠を発動した。
数匹の蛇モンスターがまとめて爆殺された。
だが、その影響は大きく、周囲の魔物が混乱したようにこの場を離れた。
他の階層ではなかったことだ。
二回も大きな熱源を見せてしまったせいかも知れない。するとスキルが増えたのがわかった。
罠の中に「混乱毒」が増えていたのである。
しばらく考えた後、試しに混乱の収まったモンスターの1匹に使ってみることにした。
トカゲのモンスターは、自分の目の前で目を白黒させ、ぐるぐるとその場で回って口から炎を吐いた。
あ、これやばい……。
壁を焼き焦がすように炎が発射される。
仕方なく、「スパーク」で仕留めることにした。
「地雷爆破」を使わないのは熱源に気づせないようにするためだ。
倒すためには目の前に来てもらわないと困る。
スキルに「炎耐性」が追加されていた。
蛇の魔物も同じように「混乱毒」を使ったら、今度は酸で自滅した。
具体的には、酸攻撃を放って、周囲に吹き出した。そのせいで自分も溶けて死んでしまったのだ。
自分も壁の一部が酸で溶け、凹みとなった。
あれ? 不壊属性って壊れないんじゃないの? と思ったが、よく考えてみると、これは溶ける現象だから違うのかと気づく。
どんなに頑丈な壊れそうにない剣でも溶かして作ることができる。
そんな理屈で納得することにした。
こんなファンタジーな世界の理屈を知るわけもないからだ。
しばらくすると溶けた部分が再生を始めた。感覚的にはダンジョン全体が何かの力を自分の中に受け渡して壁を修復するイメージだ。
だが、それは感覚だけで、実際には魔力の譲渡だ。
自分がダンジョンの核というわけではないらしい。
「壁もついでに」くらいの印象だ。
ステータスを見ると「酸耐性」と「自動回復(小)」のスキルが増えていた。
「酸耐性」が付いたのはありがたい。壊れなくても大量の酸で溶けてしまうと困るからだ。蛇を混乱させて「酸耐性」を実験したら、多少の酸では壊れないことを確認できた。 酸の攻撃手段がある魔物に対しても極度に恐れる必要はなくなった。
その後も、中央の空間には多くのトカゲや蛇のモンスターがいた。
だが、今日はその中にカエルがいるのを見つけた。
皮膚は赤く、いかにも毒々しかった。
試しに「混乱毒」を使ってみる。すると、舌を壁に打ち付けて、ネバネバした液体がかかった。舌は壁に弾かれて、あらぬ方向に伸びる。
それが自分の体力を削っていく感覚がして、「スパーク」で即座に撃破する。鑑定するとその正体がわかった。どうやら「毒状態(仮)」に陥っていた。
え、状態異常ってかかったらどうすればいいの?
ネバネバがだらっと地面に落ち、壁が修復されると、毒状態が解除された。
ふう……、なんとかなった。なるほどね。
この「(仮)」っていうのがミソで、付着している間は「毒」状態になるらしい。
ついでに、「毒耐性」と「方向反転」というスキルが追加された。
この階層だとまたカエルが出るかも知れないからありがたい。
だが、「方向反転」というのがわからない。試しに、壁に接近した蛇のモンスターで試す。先に混乱毒を使って酸攻撃が始まる。そこで、「方向反転」を使う。
すると壁の一部に酸がかからず、跳ね返すことに成功した。
スキルレベルが低いせいか、ごく一部の範囲だけだったが、これも使えそうだ。
いつもどおり、モンスターを撃破するが、今回は耐性スキルを伸ばすためにあえて攻撃を受けて倒すのを繰り返した。
ただ倒すだけでは飽きるため、今度は新たに発見したスキルを増やすやめの撃破だ。
そうして、その結果を改めてスキルを鑑定で確認することにした。
名称:ダンジョンの壁
レベル:LV89
属性:土(不壊属性)
スキル:鑑定LV5、知覚察知LV13、視覚解放LV12、罠LV30(火矢LV12、毒沼LV11、スパークLV25、完全睡眠LV3、針攻撃LV15、地雷爆破LV28、混乱毒LV10、方向反転LV1、粘着液LV5、噛み付きLV3、舌拘束LV2、滑りLV1、吸着LV1、しっぽ攻撃LV1、甲羅砕きLV1、火炎放射LV1)、魔力吸収LV30、精神異常耐性LV3、恐怖耐性LV3、思考加速LV2、炎耐性LV10、酸耐性LV10、自動回復(小)LV5、毒耐性LV10、夜目LV1
ユニークスキル:人の魂魄
一通り、耐性レベルが上ったようだ。
このスキル群の中で一番驚いたのは「舌拘束」と「しっぽ攻撃」だ。
ダンジョンの壁が、どうやって生物の攻撃を出すのか?
と思ったら、壁から生き物っぽい部位が生成され、それが攻撃として使われたのである。火矢のように、自動で生み出された。
爬虫類の尻尾が岩石の素材で作り出される摩訶不思議だ。
他に、「滑り」というスキルは、天井を這う爬虫類を落としたことで使えるようになったスキルだ。
天井や壁から爬虫類の足を滑らせることができる。
それから、カメのモンスターを撃破して得られたのは「甲羅砕き」という追加ダメージを与えられるスキルだった。
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