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俺は目の前のケルベロスを前に、悟りを開いた気がした。
死ぬ直前というのはこんなにも思考がゆっくり流れるものなのかと。
そういえば、あの騎士二人は完全に俺を陥れてきたな。
理由はわからないけど、他の騎士たちと違って訓練も積極的じゃなかった。
じゃあ、あいつらが言っていた俺のステータスというのは本当なのだろうか?
やけに何列も『※※※※※』が並んでいたのは、もっと何かあったからじゃないのか。
そうだ、少し焦っていた。
冷静に考えて見れば、いまならそう思える。
なんかもっと違う能力とかか? でも石は召喚できるし。
とりあえずデカイ石を召喚できればあんな犬っころ、何とでも出来るが……。こう、頭上からドン!みたいな感じで。
そして、俺は目の前で起きた事に驚いた。
ギャフンッ、という鳴き声を最後に、巨大な岩の塊に押しつぶされていたのだ。
大岩だ。その表現すら生ぬるい。
視界を覆い尽くすほどの石の塊を小石とは言わない。つまり、奴らは嘘をついていた。
って、あれ?
倒しちゃったの?
もしかして助かったのか?
すると少し、身体の中が熱くなるのを感じた。
この現象は、レベルが上がった時に起こるものだ。
「ステータス起動」
我ながら、死ぬ一歩手前にいたというのに、いつのまにか唱えていた。
だが、画面の文字は読めない。
「これ日本語にならないか?」
そんな自動翻訳機があればどんなにうれしいことか。
すると、ステータス画面が一新されて、日本語が浮かび上がった。
「は? なにこれ? 勝手に……」
もちろん俺の独り言が発端だったが、まさかただの画面が反応するとは思わないではないか。
そして、体力や能力の数値などが日本語と数字で一覧になっている。
モノノベ コウセイ
勇者Lv.4(↑Lv.2)
固有スキル:物質支配【Lv.2(↑Lv.1)】
となっていた。
能力の数値が上がっていた。
それに物質支配?に召喚Lv.2となっていた。
一つ上がったけど、支配って何?と思い、画面をスライドさせる。
すると、
『物質支配』
・【物理無効】 Lv.1
斬撃無効
打撃無効
刺突無効
熱無効
麻痺無効
電気(磁気)無効
水無効
毒無効
・【物理操作・強制】Lv.1
物質操作・強制
空間操作・強制
光・電磁気操作・強制
重力操作・強制
水流操作・強制
・【物理召喚】Lv.2
物質召喚
物質転移
以上の物質支配(【物理無効】/【物理操作】/【物理召喚】)は、有機生命体を除く//
なんか俺の能力は石コロ召喚どころではなかった。
勇者として召喚された俺に、生物以外の物質を完全掌握する力が宿っていた。
だが、能力の分類? はあるけど、スキルの解説は最後の一文だけだった。
「有機生命体か……って物質との違いは何だ?」
翻訳上の都合だろうか?
生命体の定義は、なんか生物で習った気がする。確か人間と動物、あと植物とかかな。それは支配できないってことか?
この有機?ってついてるのは……。
うろ覚えではあるが、試してみれば問題ないか。
もしかすると、向こうの知識とは何か違うのかもしれない
このステータス画面が切り替わったのは、操作・強制によるものだろうか?
ステータスは世界から何らかの物質として目の前に画面として出力されているらしい。
確かに淡く光ってるし、物質といわれればそんな気はする。もしかしたらステータス表示は空間操作の一種かもな。
まあ細かいことはいいや。
さっき出した石は召喚だよな?
とりあえず、俺は一つずつ試してみることにした。
場所を変え、『物質支配』がどこまでのものなのか、確かめてみることにした。
・【物理無効】 Lv.1
斬撃無効
打撃無効
刺突無効
熱無効
麻痺無効
電気(磁気)無効
水無効
毒無効
・【物理操作・強制】Lv.1
物質操作・強制
空間操作・強制
光・電磁気操作・強制
重力操作・強制
水流操作・強制
・【物理召喚】Lv.2
物質召喚
物質転移
まず召喚と転移から。
すると、手に石を召喚し、それをはるか先の壁まで転移させることができた。石の重量や大きさ、出現する高さや角度も変えて見るが、このダンジョンの部屋の範囲くらいなら問題ないらしい。
次に、『物理操作・強制』。
試しに手に召喚した小石を念力のように壁に向かって飛ばしてみた。
ズドッと音がして、壁にへこみができた。
これも何度か繰り返して、音速を超えられるか?とか実験してみる。
最終的に、空気抵抗?か何かで火を纏うレベルまで加速した石が、壁を突き破った。
これ空気抵抗の摩擦熱だよな?(そういう物理はよく知らない)
「す、すげ~~~!」
閉じ込められていたみたいだけどダンジョンの壁もこれなら関係ないな。
Lv.1だから、まだ速さの限界点があるのだろうけど、レベルが上がる必要なんてないくらいすごかった。
実験は、『空間操作・強制』『光・電磁気操作・強制』『重力操作・強制』『水流操作・強制』という記述のあった順番に試した。
何ができるのか興味があったが、こんな感じになった。
空間はアクリル板のような四角いキューブのように、空間を区切ることができるみたいだ。
空間というだけでは広いから、自分で四角い枠を決めて、その中を支配すできるようだ。
空間の中のわずかな動きや空気の対流までも肌で直接感じることができる。だが、それだけではなく、能力を使ったことで頭の中に能力の具体的なイメージが流れてきた。
「なるほど、空間を支配できるということは、その空間内でおきるあらゆる事象の優先順位・支配権が俺に一任されるわけか」
たとえば、魔法の攻撃は発動を無力化できる。弓矢での攻撃なんかは、そのすべての方向速度、威力をコントロールできるわけだ。
次に光を自由に発生・収束・屈折させたりしてみた。
電気はその威力を変えて放ったりもできた。(あと電磁気の「磁」は磁力だった)
重力は地面がへこむくらいに重力を強くすることができた。
水流操作というのは、まず水を召喚して、それを操作するというものだった。
渦巻ぐらいは普通に作れた。これは物質を操作すると言うよりも空間と物質の両方、流れみたいなものを動かす感じで、物質操作とはちょっと違った。
そして、今度は、自分に向かってそれを使う番だった。
『物理無効』を試すのだ。
無効というからには、これらすべての攻撃を無効できるはずだ。
自分に向けるのはちょっと怖かったが、さっき死にかけたほどではない。
石ころの弾丸も電気も水もだ。麻痺はまず電気が効かないから確かめられなかったが。
毒は物質召喚で、ひ素をつくりだして飲んで確かめることができた。
鉄でつくった剣で皮膚を切ろうとして見るが、出来ない。
打撃・刺突も剣でやってみるが、まったく俺には効かない。
ところで水無効って何? 溺れないとか? わからんし、これは保留だな。
ただ、最後に一つ気付いた。
これまで試したものが生命体ではないものばかりだ。
だが、最後の一文は、『有機生命体を除く』とある……。
俺は、試しに自分のこぶしで腹を殴ってみた。
「ぐへっ」となってものすごい痛みがあった。
手は有機生命体の一部ということのようだ。
召喚を使って木や紙も生み出せなかった。
つまり、純粋な肉体攻撃、それと有機生命体(木とかそれを武器にしたものである木のムチや棍棒、矢など)の直接攻撃を何とかできれば、俺は無敵だ。
そして、それは少し考えれば出来ることだ。
バトル漫画かなんかで読んだいざという時のための防御。それは周囲にもう一枚、防御用の物質を纏わせることだ。変えても違和感のない範囲で、皮膚の表面を『炭素』で固めた。
不意打ちの一瞬さえ乗り切れば、後は誰であろうと物理攻撃の応酬で殲滅は十分に可能だ。
俺は壁に穴のあいた場所から、この支配の能力を使ってこのダンジョンの中を探検することにした。
魔物を倒して、能力の数値をもうちょっと上げておきたい。
「はははっ……なんか楽しくなってきた。生まれてきてまた楽しいと思う日が来るなんてさ」
ついでにあの裏切り者どもを捻り潰しておこう。
俺を騙した奴も馬鹿にした奴も、俺に害を及ぼすことはもうできないはずだ。
もしここから出れたら、俺は好き勝手に動くことにした。
王国軍はどうするかって?
あんな裏切り者やらいじめを容認するクラスメートやらがいる集団のことなど知らない。
まあ、世界が滅ぼされるのは困るから、ついでに魔王だけは後で屠(ほふ)っておこう。
このダンジョンにいるらしいし。
いや、まだ早計か? 魔王がどのくらいの強さなのかわからないのだ。
騎士たちに裏切られてダンジョンに一人放り込まれたが、物質支配のチートを駆使すればこの中を生きて脱出できるはずだ。
このダンジョンは薄暗い上に進んでいるのか後退しているのかわからない。
「ちょっと試してみるか……」
『ステータス起動』と俺はステータス画面を開き、そして命令した。
「――探索マップを」
その一言で画面が一新され、このダンジョンの地図が表示された。
白い三角形が一つと、その周囲に黒い点が複数。
黒い点が魔物らしい。三角は俺自身の現在地ということのようだ。
上にはF1と表示されている。
いま俺がいたのは、地下一階の隅っこの部屋だったらしい。
そこで、近くにいるらしい魔物のほうへと向かい、一度戦ってみることにした。
あのケルベロスのように瞬殺できるのかどうか。
ムカデのような魔物がいた。
あのケルベロスほどではないが、俺の身長の3倍くらいはある巨大な爬虫類型魔物だ。
なかなか気持ち悪いな。
ゲームだとデフォルメきいてるけど現実じゃ足を見るだけで嫌悪感が湧き上がってくる。
そう思った次の瞬間、魔物が口から紫の毒を吐いた。
俺は避けようとするが、戦闘経験の少なさが仇になった。
足がもつれていきなりの攻撃に対応できず、敵の吐いた毒がもろにかかったのだ。
「ぐぉーーーーーーあ?」
特に溶けたりすることはなかった。
「そういえばステータスの無効があったな……外皮(肌)から進行する毒も無効化できるんだな」
毒はどうやら無効化されたようだ。
とりあえず、さっき試した石を召還した。
それを物質操作を使い超音速で発射する。
胴体に穴が開き、苦しそうにムカデの魔物はもがき始める。
俺は手のひらに浮かせる形で再び複数の石を召還した。
そこへいくつも石を放って、穴だらけにすると、ようやくムカデは動かなくなった。
不意をつかれた形になった。
ステータス見たときはその能力のすごさに圧倒されて余裕と思ったが、実践には慣れるのにはもう少しかかりそうだ。
それに、
「う~ん、こういう節足動物は一撃じゃ沈まないのか」
急所と呼べる場所がはっきりあるわけではないらしい。
なんとか倒せたことに安心して、次に進むことにした。
ちなみに体にまとわりついた気持ち悪い毒の液体は、水流操作で洗い流してきれいにした。
しばらく歩くと二体のゴブリンがいた。木の棍棒を武器にしているやつもいた。
試しに自動防御がどの程度安全なのか確認しておくことにした。
木の棍棒で殴りかかってきたゴブリンに対して、俺はそのまま受けてみこるとにした。
流体の鋼鉄を召還して、頭部と背中に防御のためのシールドを作り出す。
分厚い鋼鉄の部分をたたいた形になるゴブリン。
逆に木の棒がへし折れ、ゴブリンの手首が折れていた。
安全を確認できたな。
そこから流れるような動作で腰の短剣を抜いて切りつける。
しかし、浅い切れ目しか入らない。
痛がって数歩だけ下がるゴブリンに、今度は火炎放射をお見舞いした。
電磁気操作で発火を起こして、全身を焼いていく。
二つの黒い塊がもがきながらこちらへと近づいてくる。
最弱のゴブリンですら意外と生命力が高いらしい。
まだ生きていたようだから、石を高速で放ってゴブリンの顔を潰しておいた。
すると動かなくなった。
このダンジョンで遭遇した魔物は巨大でゴブリンの生命力すらこれほど強い。
「この世界は、想像していた以上にハードな仕様なのか? それともこのダンジョンだけ?」
わからない事は置いておくことにして先に進む。
俺はダンジョンの中をゆっくり進む。だが、
「この迷路……マップがあっても迷うな」
あまりに複雑なので、壁をこじ開けられないか?と試してみた。
「あれ?」
どうやらダンジョンは物理操作できないらしい。生きてるのか?
仕方なく、目の前の壁を石で吹き飛ばし、通り道を作った。
だいぶ距離を歩き、この階にはもう魔物がいないことを確認する。
今度は地面に石を放って穴をあけ、下へと進んでいくことにした。
下の階は、魔物が少し凶悪そうに見えることから、下の階を守るにつれて強くなるのだろうと思った。
片手間で幼虫の虫型・イノシシや狼のような動物型・鷹や蝙蝠のような飛行型・スケルトンやオークといった人型など、様々な魔物を殲滅しつつ、どんどん下の階へと降りていく。
魔物を倒して進むのは、限界までステータスを上げるため。
直接、魔物と戦ってわかったのは、攻撃を受けても大してダメージがない分、相手を戦闘で倒すのに思った以上の時間がかかることだった。
広い部屋なら巨大な石で一発だからそうでもないが、ダンジョン内は石ころ発射以外で倒すのは厳しいのだ。
このまま外に出ても、ただ打たれ強いだけのガキ程度にしかならない。
もっと冒険する人たちのようにかっこよく魔物を倒したい。
そんな欲が出てきた。
どのくらいかというと、剣でさっそうと倒せるくらいにはなりたい。
「それに、このままだと手加減とか一切できないからな」
人と戦うときに、相手を穴だらけにする=殺人、だからな。まあ正当性があれば容赦しないし、正当防衛を言い張るが。
俺は間違ってもあのカス親父のように犯罪者になりたいのではない。
せめて自由に暮らしたいだけなのだ。
15分ほど魔物に会わない場所で休憩を取り、再び探索を始めた。
魔物相手に戦闘を何度も試していると、ステータスは順調に上昇し、勇者のレベルはLv.28になった。
相変わらず、物質召喚はレベルが上がるのが早く、もうLv.5になっていた。他はまだLV.2なのに。
違いが何かを確認してみると、質量や大きさが変化したのではなく、一度に小石を召喚できる数が変わった。
いまは一回の召喚で最大300個ほど召喚できるみたいだ。
大きな石だと十数個が限度だ。
このダンジョンで戦っていると、戦闘訓練していたときよりもものすごく勇者のレベルが上がるのが早い。
Lv.5にすら到達できない騎士が大半という中で、すでにLv.28だ。
だがあまりすごいとは感じなかった。比べる相手がいないし、自分がまだまだ低いレベルだとしか思えないというのもある。
だが、戦いを繰り返すことで、技のキレはもちろんのこと、体の動きも早くなり、知覚も鋭敏になっていくのがわかる。
いままで初心者丸出しだった短剣さばきも少しずつ玄人に近づいてきているのを感じる。さまになる、というやつだ。
とはいえ、専用のスキルを持たないせいで、成長が遅いのも事実だ。勇者のレベルと実戦経験頼りだしな。
次に出会ったのはコウモリにそっくりな3体の魔物だった。
この魔物が厄介なところは、洞窟の中を飛び回っているところだ。
5メートルもある天井には剣は届かないし、石を飛ばしてもこうもりのようにじぐざぐに飛び回って狙いがうまく定まらないのだ。
時折、口から何かを吐き出すようなしぐさをしているが、俺には何も感じない。
おそらく攻撃を無効化しているせいだ。
超音波の攻撃でも使っているんだろう。
とりあえず今回は『操作』系を戦闘で試してみることにした。
すでにLV.2だが、レベルが一つあがったことで、同時に別性質の現象を複雑に操作できるようになっていた。
気体操作で複雑に気流を操るなど、応用性が高そうだったから使ってみる。
俺は立ち位置を洞窟の中心へと変えた。
ダンジョン内の空気を猛烈な勢いでかき回すのだ。
その方が空気の流れを変えやすい。
空気がかき乱されたことで、こうもりたちの動きがあおられるように動きを止めた。
突然の突風に耐えられない様子だ。
さらに水を召還して、それを氷へと変えた。
そのまま物質操作で3体のこうもりを串刺しにすることに成功した。氷のとがった先は洞窟のよこに刺さったままだ。
速さを封じれば、本体は雑魚らしい。
「こうもりは、デカくはなかったけど、素早さに注意だな」
このダンジョン内では珍しい小型の魔物だ。
小さいのにはそれなりの理由があるというわけだ。デカいと動きが制限されるし、長所が生かせないから生物の進化の神秘というやつだな。
勇者のレベルがLv.35へと到達した瞬間だった。
意外な魔物を倒したところで、見つけた隠し階段を下りる。
すると最下層に来たことを、地図(マップ)を見て知った。
もう下がないらしい。
そして、この階層の魔物はいなかった。
あるのは目の前の大きな扉だけ。
「もしかして魔王がここに?」
俺は手に石を召喚し、ゆっくりとその扉を開いた。
死ぬ直前というのはこんなにも思考がゆっくり流れるものなのかと。
そういえば、あの騎士二人は完全に俺を陥れてきたな。
理由はわからないけど、他の騎士たちと違って訓練も積極的じゃなかった。
じゃあ、あいつらが言っていた俺のステータスというのは本当なのだろうか?
やけに何列も『※※※※※』が並んでいたのは、もっと何かあったからじゃないのか。
そうだ、少し焦っていた。
冷静に考えて見れば、いまならそう思える。
なんかもっと違う能力とかか? でも石は召喚できるし。
とりあえずデカイ石を召喚できればあんな犬っころ、何とでも出来るが……。こう、頭上からドン!みたいな感じで。
そして、俺は目の前で起きた事に驚いた。
ギャフンッ、という鳴き声を最後に、巨大な岩の塊に押しつぶされていたのだ。
大岩だ。その表現すら生ぬるい。
視界を覆い尽くすほどの石の塊を小石とは言わない。つまり、奴らは嘘をついていた。
って、あれ?
倒しちゃったの?
もしかして助かったのか?
すると少し、身体の中が熱くなるのを感じた。
この現象は、レベルが上がった時に起こるものだ。
「ステータス起動」
我ながら、死ぬ一歩手前にいたというのに、いつのまにか唱えていた。
だが、画面の文字は読めない。
「これ日本語にならないか?」
そんな自動翻訳機があればどんなにうれしいことか。
すると、ステータス画面が一新されて、日本語が浮かび上がった。
「は? なにこれ? 勝手に……」
もちろん俺の独り言が発端だったが、まさかただの画面が反応するとは思わないではないか。
そして、体力や能力の数値などが日本語と数字で一覧になっている。
モノノベ コウセイ
勇者Lv.4(↑Lv.2)
固有スキル:物質支配【Lv.2(↑Lv.1)】
となっていた。
能力の数値が上がっていた。
それに物質支配?に召喚Lv.2となっていた。
一つ上がったけど、支配って何?と思い、画面をスライドさせる。
すると、
『物質支配』
・【物理無効】 Lv.1
斬撃無効
打撃無効
刺突無効
熱無効
麻痺無効
電気(磁気)無効
水無効
毒無効
・【物理操作・強制】Lv.1
物質操作・強制
空間操作・強制
光・電磁気操作・強制
重力操作・強制
水流操作・強制
・【物理召喚】Lv.2
物質召喚
物質転移
以上の物質支配(【物理無効】/【物理操作】/【物理召喚】)は、有機生命体を除く//
なんか俺の能力は石コロ召喚どころではなかった。
勇者として召喚された俺に、生物以外の物質を完全掌握する力が宿っていた。
だが、能力の分類? はあるけど、スキルの解説は最後の一文だけだった。
「有機生命体か……って物質との違いは何だ?」
翻訳上の都合だろうか?
生命体の定義は、なんか生物で習った気がする。確か人間と動物、あと植物とかかな。それは支配できないってことか?
この有機?ってついてるのは……。
うろ覚えではあるが、試してみれば問題ないか。
もしかすると、向こうの知識とは何か違うのかもしれない
このステータス画面が切り替わったのは、操作・強制によるものだろうか?
ステータスは世界から何らかの物質として目の前に画面として出力されているらしい。
確かに淡く光ってるし、物質といわれればそんな気はする。もしかしたらステータス表示は空間操作の一種かもな。
まあ細かいことはいいや。
さっき出した石は召喚だよな?
とりあえず、俺は一つずつ試してみることにした。
場所を変え、『物質支配』がどこまでのものなのか、確かめてみることにした。
・【物理無効】 Lv.1
斬撃無効
打撃無効
刺突無効
熱無効
麻痺無効
電気(磁気)無効
水無効
毒無効
・【物理操作・強制】Lv.1
物質操作・強制
空間操作・強制
光・電磁気操作・強制
重力操作・強制
水流操作・強制
・【物理召喚】Lv.2
物質召喚
物質転移
まず召喚と転移から。
すると、手に石を召喚し、それをはるか先の壁まで転移させることができた。石の重量や大きさ、出現する高さや角度も変えて見るが、このダンジョンの部屋の範囲くらいなら問題ないらしい。
次に、『物理操作・強制』。
試しに手に召喚した小石を念力のように壁に向かって飛ばしてみた。
ズドッと音がして、壁にへこみができた。
これも何度か繰り返して、音速を超えられるか?とか実験してみる。
最終的に、空気抵抗?か何かで火を纏うレベルまで加速した石が、壁を突き破った。
これ空気抵抗の摩擦熱だよな?(そういう物理はよく知らない)
「す、すげ~~~!」
閉じ込められていたみたいだけどダンジョンの壁もこれなら関係ないな。
Lv.1だから、まだ速さの限界点があるのだろうけど、レベルが上がる必要なんてないくらいすごかった。
実験は、『空間操作・強制』『光・電磁気操作・強制』『重力操作・強制』『水流操作・強制』という記述のあった順番に試した。
何ができるのか興味があったが、こんな感じになった。
空間はアクリル板のような四角いキューブのように、空間を区切ることができるみたいだ。
空間というだけでは広いから、自分で四角い枠を決めて、その中を支配すできるようだ。
空間の中のわずかな動きや空気の対流までも肌で直接感じることができる。だが、それだけではなく、能力を使ったことで頭の中に能力の具体的なイメージが流れてきた。
「なるほど、空間を支配できるということは、その空間内でおきるあらゆる事象の優先順位・支配権が俺に一任されるわけか」
たとえば、魔法の攻撃は発動を無力化できる。弓矢での攻撃なんかは、そのすべての方向速度、威力をコントロールできるわけだ。
次に光を自由に発生・収束・屈折させたりしてみた。
電気はその威力を変えて放ったりもできた。(あと電磁気の「磁」は磁力だった)
重力は地面がへこむくらいに重力を強くすることができた。
水流操作というのは、まず水を召喚して、それを操作するというものだった。
渦巻ぐらいは普通に作れた。これは物質を操作すると言うよりも空間と物質の両方、流れみたいなものを動かす感じで、物質操作とはちょっと違った。
そして、今度は、自分に向かってそれを使う番だった。
『物理無効』を試すのだ。
無効というからには、これらすべての攻撃を無効できるはずだ。
自分に向けるのはちょっと怖かったが、さっき死にかけたほどではない。
石ころの弾丸も電気も水もだ。麻痺はまず電気が効かないから確かめられなかったが。
毒は物質召喚で、ひ素をつくりだして飲んで確かめることができた。
鉄でつくった剣で皮膚を切ろうとして見るが、出来ない。
打撃・刺突も剣でやってみるが、まったく俺には効かない。
ところで水無効って何? 溺れないとか? わからんし、これは保留だな。
ただ、最後に一つ気付いた。
これまで試したものが生命体ではないものばかりだ。
だが、最後の一文は、『有機生命体を除く』とある……。
俺は、試しに自分のこぶしで腹を殴ってみた。
「ぐへっ」となってものすごい痛みがあった。
手は有機生命体の一部ということのようだ。
召喚を使って木や紙も生み出せなかった。
つまり、純粋な肉体攻撃、それと有機生命体(木とかそれを武器にしたものである木のムチや棍棒、矢など)の直接攻撃を何とかできれば、俺は無敵だ。
そして、それは少し考えれば出来ることだ。
バトル漫画かなんかで読んだいざという時のための防御。それは周囲にもう一枚、防御用の物質を纏わせることだ。変えても違和感のない範囲で、皮膚の表面を『炭素』で固めた。
不意打ちの一瞬さえ乗り切れば、後は誰であろうと物理攻撃の応酬で殲滅は十分に可能だ。
俺は壁に穴のあいた場所から、この支配の能力を使ってこのダンジョンの中を探検することにした。
魔物を倒して、能力の数値をもうちょっと上げておきたい。
「はははっ……なんか楽しくなってきた。生まれてきてまた楽しいと思う日が来るなんてさ」
ついでにあの裏切り者どもを捻り潰しておこう。
俺を騙した奴も馬鹿にした奴も、俺に害を及ぼすことはもうできないはずだ。
もしここから出れたら、俺は好き勝手に動くことにした。
王国軍はどうするかって?
あんな裏切り者やらいじめを容認するクラスメートやらがいる集団のことなど知らない。
まあ、世界が滅ぼされるのは困るから、ついでに魔王だけは後で屠(ほふ)っておこう。
このダンジョンにいるらしいし。
いや、まだ早計か? 魔王がどのくらいの強さなのかわからないのだ。
騎士たちに裏切られてダンジョンに一人放り込まれたが、物質支配のチートを駆使すればこの中を生きて脱出できるはずだ。
このダンジョンは薄暗い上に進んでいるのか後退しているのかわからない。
「ちょっと試してみるか……」
『ステータス起動』と俺はステータス画面を開き、そして命令した。
「――探索マップを」
その一言で画面が一新され、このダンジョンの地図が表示された。
白い三角形が一つと、その周囲に黒い点が複数。
黒い点が魔物らしい。三角は俺自身の現在地ということのようだ。
上にはF1と表示されている。
いま俺がいたのは、地下一階の隅っこの部屋だったらしい。
そこで、近くにいるらしい魔物のほうへと向かい、一度戦ってみることにした。
あのケルベロスのように瞬殺できるのかどうか。
ムカデのような魔物がいた。
あのケルベロスほどではないが、俺の身長の3倍くらいはある巨大な爬虫類型魔物だ。
なかなか気持ち悪いな。
ゲームだとデフォルメきいてるけど現実じゃ足を見るだけで嫌悪感が湧き上がってくる。
そう思った次の瞬間、魔物が口から紫の毒を吐いた。
俺は避けようとするが、戦闘経験の少なさが仇になった。
足がもつれていきなりの攻撃に対応できず、敵の吐いた毒がもろにかかったのだ。
「ぐぉーーーーーーあ?」
特に溶けたりすることはなかった。
「そういえばステータスの無効があったな……外皮(肌)から進行する毒も無効化できるんだな」
毒はどうやら無効化されたようだ。
とりあえず、さっき試した石を召還した。
それを物質操作を使い超音速で発射する。
胴体に穴が開き、苦しそうにムカデの魔物はもがき始める。
俺は手のひらに浮かせる形で再び複数の石を召還した。
そこへいくつも石を放って、穴だらけにすると、ようやくムカデは動かなくなった。
不意をつかれた形になった。
ステータス見たときはその能力のすごさに圧倒されて余裕と思ったが、実践には慣れるのにはもう少しかかりそうだ。
それに、
「う~ん、こういう節足動物は一撃じゃ沈まないのか」
急所と呼べる場所がはっきりあるわけではないらしい。
なんとか倒せたことに安心して、次に進むことにした。
ちなみに体にまとわりついた気持ち悪い毒の液体は、水流操作で洗い流してきれいにした。
しばらく歩くと二体のゴブリンがいた。木の棍棒を武器にしているやつもいた。
試しに自動防御がどの程度安全なのか確認しておくことにした。
木の棍棒で殴りかかってきたゴブリンに対して、俺はそのまま受けてみこるとにした。
流体の鋼鉄を召還して、頭部と背中に防御のためのシールドを作り出す。
分厚い鋼鉄の部分をたたいた形になるゴブリン。
逆に木の棒がへし折れ、ゴブリンの手首が折れていた。
安全を確認できたな。
そこから流れるような動作で腰の短剣を抜いて切りつける。
しかし、浅い切れ目しか入らない。
痛がって数歩だけ下がるゴブリンに、今度は火炎放射をお見舞いした。
電磁気操作で発火を起こして、全身を焼いていく。
二つの黒い塊がもがきながらこちらへと近づいてくる。
最弱のゴブリンですら意外と生命力が高いらしい。
まだ生きていたようだから、石を高速で放ってゴブリンの顔を潰しておいた。
すると動かなくなった。
このダンジョンで遭遇した魔物は巨大でゴブリンの生命力すらこれほど強い。
「この世界は、想像していた以上にハードな仕様なのか? それともこのダンジョンだけ?」
わからない事は置いておくことにして先に進む。
俺はダンジョンの中をゆっくり進む。だが、
「この迷路……マップがあっても迷うな」
あまりに複雑なので、壁をこじ開けられないか?と試してみた。
「あれ?」
どうやらダンジョンは物理操作できないらしい。生きてるのか?
仕方なく、目の前の壁を石で吹き飛ばし、通り道を作った。
だいぶ距離を歩き、この階にはもう魔物がいないことを確認する。
今度は地面に石を放って穴をあけ、下へと進んでいくことにした。
下の階は、魔物が少し凶悪そうに見えることから、下の階を守るにつれて強くなるのだろうと思った。
片手間で幼虫の虫型・イノシシや狼のような動物型・鷹や蝙蝠のような飛行型・スケルトンやオークといった人型など、様々な魔物を殲滅しつつ、どんどん下の階へと降りていく。
魔物を倒して進むのは、限界までステータスを上げるため。
直接、魔物と戦ってわかったのは、攻撃を受けても大してダメージがない分、相手を戦闘で倒すのに思った以上の時間がかかることだった。
広い部屋なら巨大な石で一発だからそうでもないが、ダンジョン内は石ころ発射以外で倒すのは厳しいのだ。
このまま外に出ても、ただ打たれ強いだけのガキ程度にしかならない。
もっと冒険する人たちのようにかっこよく魔物を倒したい。
そんな欲が出てきた。
どのくらいかというと、剣でさっそうと倒せるくらいにはなりたい。
「それに、このままだと手加減とか一切できないからな」
人と戦うときに、相手を穴だらけにする=殺人、だからな。まあ正当性があれば容赦しないし、正当防衛を言い張るが。
俺は間違ってもあのカス親父のように犯罪者になりたいのではない。
せめて自由に暮らしたいだけなのだ。
15分ほど魔物に会わない場所で休憩を取り、再び探索を始めた。
魔物相手に戦闘を何度も試していると、ステータスは順調に上昇し、勇者のレベルはLv.28になった。
相変わらず、物質召喚はレベルが上がるのが早く、もうLv.5になっていた。他はまだLV.2なのに。
違いが何かを確認してみると、質量や大きさが変化したのではなく、一度に小石を召喚できる数が変わった。
いまは一回の召喚で最大300個ほど召喚できるみたいだ。
大きな石だと十数個が限度だ。
このダンジョンで戦っていると、戦闘訓練していたときよりもものすごく勇者のレベルが上がるのが早い。
Lv.5にすら到達できない騎士が大半という中で、すでにLv.28だ。
だがあまりすごいとは感じなかった。比べる相手がいないし、自分がまだまだ低いレベルだとしか思えないというのもある。
だが、戦いを繰り返すことで、技のキレはもちろんのこと、体の動きも早くなり、知覚も鋭敏になっていくのがわかる。
いままで初心者丸出しだった短剣さばきも少しずつ玄人に近づいてきているのを感じる。さまになる、というやつだ。
とはいえ、専用のスキルを持たないせいで、成長が遅いのも事実だ。勇者のレベルと実戦経験頼りだしな。
次に出会ったのはコウモリにそっくりな3体の魔物だった。
この魔物が厄介なところは、洞窟の中を飛び回っているところだ。
5メートルもある天井には剣は届かないし、石を飛ばしてもこうもりのようにじぐざぐに飛び回って狙いがうまく定まらないのだ。
時折、口から何かを吐き出すようなしぐさをしているが、俺には何も感じない。
おそらく攻撃を無効化しているせいだ。
超音波の攻撃でも使っているんだろう。
とりあえず今回は『操作』系を戦闘で試してみることにした。
すでにLV.2だが、レベルが一つあがったことで、同時に別性質の現象を複雑に操作できるようになっていた。
気体操作で複雑に気流を操るなど、応用性が高そうだったから使ってみる。
俺は立ち位置を洞窟の中心へと変えた。
ダンジョン内の空気を猛烈な勢いでかき回すのだ。
その方が空気の流れを変えやすい。
空気がかき乱されたことで、こうもりたちの動きがあおられるように動きを止めた。
突然の突風に耐えられない様子だ。
さらに水を召還して、それを氷へと変えた。
そのまま物質操作で3体のこうもりを串刺しにすることに成功した。氷のとがった先は洞窟のよこに刺さったままだ。
速さを封じれば、本体は雑魚らしい。
「こうもりは、デカくはなかったけど、素早さに注意だな」
このダンジョン内では珍しい小型の魔物だ。
小さいのにはそれなりの理由があるというわけだ。デカいと動きが制限されるし、長所が生かせないから生物の進化の神秘というやつだな。
勇者のレベルがLv.35へと到達した瞬間だった。
意外な魔物を倒したところで、見つけた隠し階段を下りる。
すると最下層に来たことを、地図(マップ)を見て知った。
もう下がないらしい。
そして、この階層の魔物はいなかった。
あるのは目の前の大きな扉だけ。
「もしかして魔王がここに?」
俺は手に石を召喚し、ゆっくりとその扉を開いた。
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