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扉が閉まる大きな音とともに、俺は部屋へと閉じ込められた。
真っ暗……ではないが、ダンジョン独特の薄暗い明りが周囲を照らしている。
正面には、ギラリと光る六つの鋭い赤眼が俺のことをじっと睨にらみつけている。
三つの首からなる巨大な犬の化け物だ。
戦闘のために持たされた短剣を急いで構えるが、こんなちゃちなものでどうにかなるはずがない。
「どうしろってンだ!」
俺は思わず短剣を投げ捨てそうになるが、なんとか思いとどまる。
国王軍の二人の騎士の裏切りによって、すべてを奪われようとしている。
こんな気持ち悪い魔物たちに、命も尊厳もすべてをくらい尽くされてしまうのだ。
そんなの嫌だ!
俺は手に石コロを生み出した。
俺が使えるたった一つの能力。
石コロを召喚する力だ。
手に生み出した手頃なサイズの石を思いっきり投げつけた。
ぎゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~。
ケルベロスの首が激しく動いて、じゃらじゃらと首輪についた鎖の音を鳴らす。
さっきのでどのくらいのダメージを与えたかは分からない。
HPゲージとかないし。
もとから石ころで何とかなる魔物ではなかったのだ。
目を血走らせたケルベロスは大きな唸り声をあげて、俺に向かって駆けだす。
ヤツを止める方法などない。このしょぼい能力しかないのだ。
俺には他に何も残っていない。
とにかく、あいつを足止めできるだけ石を召喚して、壁に……と手を構えるが、
そんな作戦が間に合うはずもなく、目の前に凶悪な顔をしたケルベロスの顔が口をあけて迫った。
俺の身体を食い千切るつもりだろう。
「ああ、終わったな……」
俺は死を覚悟した。
----時はさかのぼり……------
今日もいつも通り、何の変哲もない高校生の日常が待っていた。
すまない、嘘だ。
すべてが異常といえるほどの出来事が起きていた。
まず、朝起きると、自分の父親が連続強姦魔として逮捕されていた。
罪状は、強姦、殺人、窃盗、放火。
まさに青天のへきれきだ。
違うな。
その程度の人間だということは、日々の言動、暴力や体罰からすでに知っていた。
本物のカス野郎だった。
早く死なないかこいつ、と日々思っていたほどだ。
二人暮らしというのも辛かった。
そして、朝そんなことがあったせいで、遅れて学校へ行くと……。
もう噂が知れ渡っているのか、白い目を向けられた。
噂ってやっぱ怖い。
でも俺をいじめている竹岡って奴は俺の自宅の近くに住んでいるから、噂が出回るのは別におかしくないさ。
昼休み、屋上で俺を囲っているのは、不良みたいなガラの悪い5人の男子生徒だった。
とことん殴る蹴るで、体中に青あざをつくった。
こうして、俺からすれば普段の日常が過ぎていく。
父親が犯罪者として逮捕されて、ようやく解放されたと思っても俺の腐った日常は何も変わらなかった。
俺をいじめている奴らはいつも同じ面子メンツだ。
「けっ、気持ちりぃ」
「なんでニヤついてんだ、よっ!」
俺は横腹を蹴りあげられて、口から血を思わず吐いた。
「ドM確定~だな」
「さっさと死なねえかな?」
「死んだらまずいっしょ?」
「知らねえよ、こんなゴミ、社会に必要ねえよ」
その後も、散々蹴られた揚句、髪の毛を引っこ抜かれて、しょんべんをかけられた。
「なんか俺……臭いな」
異様なにおいから、家へと帰ることにした。
やっぱり、何も変わらないと、その時まではそう思っていた。
もしも俺に力があれば、捻り潰せるのに。
名前書くだけで殺せるノートがあるなら、今すぐ書いて、奴らをあの世へと送ってやれるのに。
なんでもいいから、こいつらを蹴散らせるだけの力がほしい……。
荷物を取りに教室へと戻ると、一人の女生徒が話しかけてきた。
結構、きれいな少女で、黒いロングヘアに白い肌。男子の間では学校一の美少女ともてはやされている端田令未果《はなだれみか》である。
「大丈夫? なんかつらそうだよ?」
「……なんでも、ない」
そういって、俺は差し出された彼女の手を払いのける。
今度はファンクラブの奴らから、手厚い洗礼を受けたくはない。
横を通り過ぎるその一瞬、彼女は心配そうな、それでいて何かを迷っているような表情をしていた。
他のクラスメートたちはというと、俺のことを邪魔な奴としか思っておらず、鼻をつまんで避けて通って行った。
「俺、帰るから……」
誰に言うでもなく、一人ロッカーへと呟き、ベージュの皮鞄を背負う。
話し相手は物くらいなものだ。
そのまま扉から廊下へと出ようとした瞬間、辺りは眩い光に包まれた。
クラスの連中も含めて、俺たちは全く知らない場所へと転移していたのだ。
クラスメートを含めた俺たちは風景の変化に気づく。
地面には、巨大な魔法陣と思われる光が滲にじんでいて、その上に全員が寝かされていたのだ。
俺は起き上がると、周囲を見回して驚愕した。
「どこだ……ここ!?」
白を基調とした豪奢な内装は、ファンタジー世界でいうところのお城の中みたいだ。
視界をもう少し先に延ばすと、急な段差のある階段を昇った頂上には、玉座があった。
そこには一人の女性?が座っていた。
「ようこそ、勇者様方。ワシはこの国王軍を指揮する国王――マルファーリス=アルカリスじゃ!」
玉座から立ち上がり、手にした王笏おうしゃくを掲げる。
立ち上がったのは、やっぱり……。
赤い豪華なドレスを着ているものの、スレンダーな女性ではなく、小学生くらいの背丈しかない、ただのちびっ子だった。
足元まである長い黒髪が床の上まであり、目つきは若干鋭そうだ。
俺はもちろんのこと、クラスの連中の誰もが無言で彼女を見つめた。
そのちびっ子が国王とか言っている非常識を前にどう反応していいかわからないのもあるが、いまいち現実に思考が追いついていないのだ。
「……そうじゃな。突然、言われても困るか。ではさっそく、現在の状況を詳しく聞かせてやろう。ワシはしゃべりつかれたから、その辺のヤツが説明してくれるはずじゃ。おい、入ってまいれ!」
つまらなそうに玉座に座りなおすと、衛兵の一人を呼んだ。
すると、衛兵によって開かれた横の扉から、続々と騎士風の格好をした男女たちが入ってきた。
この国の騎士たちなのか、いかにも屈強そうだった。
俺は魔法陣の描かれた床の上に立ちつくしたまま、銀色の甲冑を着た騎士たちのほうを向いた。
クラスの連中も、その慌あわただしい状況の中で、物騒な人たちに対しては焦った様子でざわついていた。
「では、わたくし、騎士団長ハンドレッドからご説明させていただきます。そして、改めまして、勇者様方。このたびは遠いところをわざわざ足を運んでいただきありがとうございます」
騎士団長の男は中年で威厳みたいなものがあるようだ。とても言葉がハキハキしていた。
といっても……。なんか俺たちが自分の足で来たみたいに言われてるけど、勝手に連れてこられたというのが正解ではないだろうか……。
「――ではまず、現状の説明から。現在、我がアルカリス国王軍と敵対しているのは、この世界を侵略し、滅ぼそうとしている魔王軍です。帝国軍や聖国など、抵抗できる勢力も世界中で激減し、世界の滅亡まで待ったなしなのです。そして、我らの力だけでは対抗できないことから、異世界の勇者様方に召喚に応じてていただき、ご協力願おうといった次第です」
「はぁ……」
俺はその狂った世界に召喚された……と言うことでいいのか?
腐った日常の世界に未練は無いが、滅びかけている世界に連れてこられたって、状況が悪化している気がする。
クラス連中は、そういったファンタジーな話に疎いらしく、
『なにそれ、どういうこと?』
『ふざけんなよ、意味わかんねぇよ』
『私たちどうなるの?』
などと、困惑の声が聞こえてくる。
「いまのところ、ダンジョンがすべて合わせて583出現しているのが確認されています。また、その一つには大型のダンジョンがあり、地下深くには魔王が潜伏しているという情報もあります。魔王はなかなか位場所がつかめなかったこともあって、話し合いの結果、叩くなら今のうちに勇者の力を借りて……となったわけです」
ざわざわ。
クラスの連中たちは、何の話をされているのか理解しきれないのか仲の良い者同士でひそひそと話す。
今の事態への驚きを共有し、不安や緊張といったものを紛らわしているのだろう。
俺からすれば、この程度の非日常はたいしたことが無い。
朝、突然、刑事のおっさんが枕元に立っていても驚かなかったのだ。
むしろ、余裕で挨拶かまして、事情説明をしてやった。
だから、俺が最初に発言をすることにした。クラスの連中なんて、正直言ってどうなってもいいのだが、俺はなるべく早く事情を理解した上でこれからどうするかを考えておきたい。
それに、お約束のあれがあるはずだ。
もしかしたら、腐った日常を脱出できる最後のチャンスになるかもしれないのだ。
そう……前いた世界では到底手に入らないような超常的な力である魔法が使えるかもしれない。
力がもし手に入ったのならもう腐った日常に戻らなくても……いいはずだ。
俺は挙手した。
「あのいいですか?」
「なんでしょうか?」
騎士団長さんは、笑顔で問い返してきた。
「勇者って事は、すごい剣をもらえたりするんですか? それとも何か特別な力が俺たちにはあるのでしょうか? 例えば『魔法』とか……」
「うん、いい質問です。勇者様方は、異世界から勇者として召喚魔法で呼び出されました。そのため、その人が最も勇者として持つべきにふさわしい、特別な能力や武具が宿ると国王様がおっしゃられていました。魔法もその一つです」
そして、騎士団長さんは国王を見ると、「そうじゃ」とちびっ子の国王はうなずいた。
「ではみなさん、ステータス起動と唱えてください。そうすれば、どのような能力がその身に宿ったのかがわかります。ただし、書かれている文字が読めない可能性があります。そのため、一人に付き、指導兵が勇者様方には付くことになります。これから戦闘を訓練したり、この城のことを説明など、もろもろの雑用をこなすものたちです」
そういうと、二人ずつになった騎士たちが、一人一人のそばまで歩み寄った。
俺にも男女二人の騎士が嫌がらずちゃんと挨拶をくれた。
分断されたクラスメートたちは、不安を浮かべた表情で騎士たちを見た。
普段から群れてないと何も出来ない女子もいるみたいだ。
兵士は補足説明を始めた。
「あと言い忘れていたのですが、この世界の侵略は順繰りに行われます。いまわれら第48世界の侵略となっている以上、第49世界――つまり世界最後の現存世界(地球)も侵略が始まるということです」
どうやら、滅亡の瀬戸際なのは、この世界だけではなかったらしい。
それ以上にいまのは……話の持っていき方が上手い。
これで本当は帰りたいと思っていた者たちや他人事だと思う者たちを完全に勇者として役割を果たさせる方向にもっていった。
次はステータスチェックか。
それぞれのステータスチェックが始まると、女子は微妙な顔をしていたが、男子はうれしそうに声を上げていた。
確かに、女子がチート能力を得ても、それ何なの?とかなるのは仕方ないだろう。
『火魔法Lv.10』とか言われて、すぐ使い方がわかるのはオタク女子くらいのものだ。
だが、騎士たちが丁寧に教えることで問題は無いみたいだ。
それと、ステータス起動をした男子生徒たちにも魔法やら武具(剣)が使えることがわかったらしい。画面は読めないが、声で聞こえてきたからそうらしい。
ステータス(勇者)として、個人のレベルはみんな同じ『Lv.1』で、魔法のレベルは最高1→10まであり、ほとんどの者が『Lv.10』だったらしい。
そのほか、すばやさ/筋力/体力/耐性~/剣術スキル・投擲スキル・~/など名前が出てくるだけでもたくさんの基本ステータスが存在するようだ。
そして、クラスの連中は複数の魔法や武具を持っているのだという。
聖剣をアイテムボックスから呼び出せる(召喚されたときに入ったらしい)者もいるようで、そいつには剣術スキルがちゃんとあるという具合だ。聖槍とか伝説の弓とかも似たようなものだった。
縦横ともに肩幅程度の大きさの透明な画面に、ステータスの個人情報が書いてあるらしい。
適性のあった魔法やスキルはステータス欄に表示される。
適性の無いものは表示すらされない。
『※※※:※※』
文字が読めないため、騎士たちが変わりに読んで、その適正をクラス連中に伝えていた。
俺も「ステータス起動」ととなえて、表示を見た。
やっぱり読めない文字なので、騎士の二人に聞いてみた。
「あの、俺のはどうでしたか?」
その声に、表示を驚愕した表情でガン見し、二人は焦ったように返答してきた。
「え? ああ、そうね。見てわかると思うけど、能力は一つね」
よかった。全く無かったらどうしようかと思ったから。
「それで、何の能力なんですか?」
「そ、それは……」
そういって女性騎士は男性騎士の肩を叩いた。
「ああ、これは『小石召喚』って書いてあるな。レベルは……まだ1(『Lv.1』)だ」
「なっ!?」
俺は読めもしないステータスの表示をなんとか確認しようと目を凝らす。
だが、読めるはずも無い。
「ざ、残念だったわね……。じゃあ、画面をスライドしてみて」
女性騎士の営業スマイルに促されて、俺は画面をスマホみたいに操作する。
「ここには能力の解説があるの。どうやら、『イメージした小石を形状問わず呼び出せる』そうよ」
それを聞いて、うなずいてはみるものの、がっかり感は否めない。
もう少し、『※※※※※』がいくつも並んでいるようには見えるから文字数が合わないと思うのだが、俺にはこの世界の文字が見えないし、二人が嘘をつく理由も無いはずだ。
石を召喚して何が出来るのか?と聞かれれば、日本なら水きりするのに石を拾わなくていいとか、その程度だ。
ましてや魔王だとか魔物なんて相手に出来ない。それどころか……、
あちらこちらから、クスクスという笑い声が聞こえてくるのだ。
明らかに自分より下のやつがいたことで、安堵して俺を見下し始めているようだ。
これじゃあ、腐った日常を変えられないじゃないか……。
そうこうしているうちに訓練へとはいっていく流れになった。
その日から、能力や武器を使った訓練が始まった。
俺はまず普通の小石を召喚してみた。
「あたっ!」
どうやらまだ出現場所をコントロールできなかったために、頭上に召喚してしまったらしい。
いや、小石だったからか、痛くはなかったが。
もう一度集中してやると、手のひらに収まる小石が現れた。
これで、投げて攻撃しろってことかな……。
まだ、魔物とは戦っていないが、不安が募っていった。
クラスメートたちがバンバン魔法を使う中で、俺は不安だけが募っていた。
いま騎士に連れて行かれている場所は、城の中にある部屋だった。
俺たちが寝泊りと訓練をした城は、アルカリス王家から代存在する古い建物だ。
ところどころ年代を感じさせる古びた壁やの修復跡が見てとれる。
しばらく歩くと部屋の扉がずらっと並んだ廊下だった。
どうやら地下施設らしい。
「ここが?」
女の騎士が頷いてそれに答える。
「そうよ、あなたたちはここで暮らしてもらうことになるわ」
男の騎士がそれに説明を加える。
「この階は自由に移動してもいいが、それ以外の場所は絶対に歩き回らないようにしてくれ。もしなにか城の中のものがなくなってもこっちは責任を取れねえからな」
「はい……。あの、外には出ても?」
「そ、それはダメよ」
「ああ、魔王軍側にお前たちの情報を知られたくないからな。わかってくれ」
「はあ……」
納得できる話ではあるが、この騎士たちの言い方がどこか引っかかった。
「それじゃあね」
「じゃあ、何かあれば言ってくれ」
こうして、波乱の一日目が始まった。
食事は、専用の衛兵騎士たちが部屋に運んでくる。
なんか、牢に捕まった犯罪者の気分になった。
部屋の中は窓もなく、天井に排気口があるだけで外への接続はない。
机もないし、あるのはベッドと木の箱だけだった。
「まさかな……」
探してみるが、アレがない。
部屋はワンルームだし、他に部屋らしい部屋もない。
「そういうことなのか?」
この木の箱、おそらくは簡易トイレということなのだろう。
風呂場もトイレもない。
俺は思わずため息が出た。
あの元いた世界の家も居心地が悪かったが、ここでは江戸時代以下の文明レベルの設備しかないらしい。
魔法使えるのに、こう言うところは発達していないようだ。
翌日、目が覚めたのは早朝だった。
あまりの出来事の連続に、まだ興奮が収まっていないのだろう。
昨日の夜もなかなか寝付けなかった。
小石を作り出せる能力など役には立たない。それなのに、魔王軍と戦わなければならない。
おそらくこれは拒否できないことなのだろう。この世界では、それだけが俺たちが生きていられる唯一の価値なのだ。
この能力では、下手に一人で出て行ってもどうにもならない。異世界に一人で生きたことなどないのだ。この流れに今は乗るしかない。
「せめて、バリエーションくらいはなんとか……」
さまざまな形の小石を作れるようにはしておいた。
しばらくして気づいたのが、小石は最初から形の異なるものが召喚できる。
能力を使っていると、召喚後に石の形状を変えることが出来ることにも気づいた。
「なるほど、召喚後に介入できるのか……ん?」
俺はこの能力に違和感があった。
本当にあの騎士たちが言ったような召喚だけの能力なのだろうか?
形を変える能力は召喚して生み出すのとは別ではないのか?
そんなことを思いつつ、かといって、ほかの理由も思いつかないため、形を変えることを繰り返す。
だが、それだけだった。
訓練ではなぜか騎士の二人はあからさまに俺の訓練には真面目に取り合わなかった。
挙げ句、「魔物なんて小石で大丈夫」とか楽観的なことを言っていたが、そうとは思えない。
だから、武器の形をしたいろんな形状の小石を召喚できるようにだけはしておいた。
他の生徒を見ていると、魔法をかなり使って訓練していた。
スキルとかで剣や槍の武器を使えばいいのに、魔法が中心になっている。
そして数日が経ったある日、いよいよ全軍による魔王のいるダンジョンへの総攻撃が始まった。
ダンジョンがあるのは森の中で、王城から少し離れた森の奥にある洞窟。そこにダンジョンへの入り口がある。
俺は騎士の二人についていき、ダンジョンの中を歩いていったところ、脱出不能の小部屋へと放り込まれた。
戻ろうと、扉を叩いてもびくともしなかった。
まるで何かに操作されているみたいに、ダンジョンが中のものを閉じ込めたのだ。
――そこで冒頭に戻ると言うわけだ。
真っ暗……ではないが、ダンジョン独特の薄暗い明りが周囲を照らしている。
正面には、ギラリと光る六つの鋭い赤眼が俺のことをじっと睨にらみつけている。
三つの首からなる巨大な犬の化け物だ。
戦闘のために持たされた短剣を急いで構えるが、こんなちゃちなものでどうにかなるはずがない。
「どうしろってンだ!」
俺は思わず短剣を投げ捨てそうになるが、なんとか思いとどまる。
国王軍の二人の騎士の裏切りによって、すべてを奪われようとしている。
こんな気持ち悪い魔物たちに、命も尊厳もすべてをくらい尽くされてしまうのだ。
そんなの嫌だ!
俺は手に石コロを生み出した。
俺が使えるたった一つの能力。
石コロを召喚する力だ。
手に生み出した手頃なサイズの石を思いっきり投げつけた。
ぎゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~。
ケルベロスの首が激しく動いて、じゃらじゃらと首輪についた鎖の音を鳴らす。
さっきのでどのくらいのダメージを与えたかは分からない。
HPゲージとかないし。
もとから石ころで何とかなる魔物ではなかったのだ。
目を血走らせたケルベロスは大きな唸り声をあげて、俺に向かって駆けだす。
ヤツを止める方法などない。このしょぼい能力しかないのだ。
俺には他に何も残っていない。
とにかく、あいつを足止めできるだけ石を召喚して、壁に……と手を構えるが、
そんな作戦が間に合うはずもなく、目の前に凶悪な顔をしたケルベロスの顔が口をあけて迫った。
俺の身体を食い千切るつもりだろう。
「ああ、終わったな……」
俺は死を覚悟した。
----時はさかのぼり……------
今日もいつも通り、何の変哲もない高校生の日常が待っていた。
すまない、嘘だ。
すべてが異常といえるほどの出来事が起きていた。
まず、朝起きると、自分の父親が連続強姦魔として逮捕されていた。
罪状は、強姦、殺人、窃盗、放火。
まさに青天のへきれきだ。
違うな。
その程度の人間だということは、日々の言動、暴力や体罰からすでに知っていた。
本物のカス野郎だった。
早く死なないかこいつ、と日々思っていたほどだ。
二人暮らしというのも辛かった。
そして、朝そんなことがあったせいで、遅れて学校へ行くと……。
もう噂が知れ渡っているのか、白い目を向けられた。
噂ってやっぱ怖い。
でも俺をいじめている竹岡って奴は俺の自宅の近くに住んでいるから、噂が出回るのは別におかしくないさ。
昼休み、屋上で俺を囲っているのは、不良みたいなガラの悪い5人の男子生徒だった。
とことん殴る蹴るで、体中に青あざをつくった。
こうして、俺からすれば普段の日常が過ぎていく。
父親が犯罪者として逮捕されて、ようやく解放されたと思っても俺の腐った日常は何も変わらなかった。
俺をいじめている奴らはいつも同じ面子メンツだ。
「けっ、気持ちりぃ」
「なんでニヤついてんだ、よっ!」
俺は横腹を蹴りあげられて、口から血を思わず吐いた。
「ドM確定~だな」
「さっさと死なねえかな?」
「死んだらまずいっしょ?」
「知らねえよ、こんなゴミ、社会に必要ねえよ」
その後も、散々蹴られた揚句、髪の毛を引っこ抜かれて、しょんべんをかけられた。
「なんか俺……臭いな」
異様なにおいから、家へと帰ることにした。
やっぱり、何も変わらないと、その時まではそう思っていた。
もしも俺に力があれば、捻り潰せるのに。
名前書くだけで殺せるノートがあるなら、今すぐ書いて、奴らをあの世へと送ってやれるのに。
なんでもいいから、こいつらを蹴散らせるだけの力がほしい……。
荷物を取りに教室へと戻ると、一人の女生徒が話しかけてきた。
結構、きれいな少女で、黒いロングヘアに白い肌。男子の間では学校一の美少女ともてはやされている端田令未果《はなだれみか》である。
「大丈夫? なんかつらそうだよ?」
「……なんでも、ない」
そういって、俺は差し出された彼女の手を払いのける。
今度はファンクラブの奴らから、手厚い洗礼を受けたくはない。
横を通り過ぎるその一瞬、彼女は心配そうな、それでいて何かを迷っているような表情をしていた。
他のクラスメートたちはというと、俺のことを邪魔な奴としか思っておらず、鼻をつまんで避けて通って行った。
「俺、帰るから……」
誰に言うでもなく、一人ロッカーへと呟き、ベージュの皮鞄を背負う。
話し相手は物くらいなものだ。
そのまま扉から廊下へと出ようとした瞬間、辺りは眩い光に包まれた。
クラスの連中も含めて、俺たちは全く知らない場所へと転移していたのだ。
クラスメートを含めた俺たちは風景の変化に気づく。
地面には、巨大な魔法陣と思われる光が滲にじんでいて、その上に全員が寝かされていたのだ。
俺は起き上がると、周囲を見回して驚愕した。
「どこだ……ここ!?」
白を基調とした豪奢な内装は、ファンタジー世界でいうところのお城の中みたいだ。
視界をもう少し先に延ばすと、急な段差のある階段を昇った頂上には、玉座があった。
そこには一人の女性?が座っていた。
「ようこそ、勇者様方。ワシはこの国王軍を指揮する国王――マルファーリス=アルカリスじゃ!」
玉座から立ち上がり、手にした王笏おうしゃくを掲げる。
立ち上がったのは、やっぱり……。
赤い豪華なドレスを着ているものの、スレンダーな女性ではなく、小学生くらいの背丈しかない、ただのちびっ子だった。
足元まである長い黒髪が床の上まであり、目つきは若干鋭そうだ。
俺はもちろんのこと、クラスの連中の誰もが無言で彼女を見つめた。
そのちびっ子が国王とか言っている非常識を前にどう反応していいかわからないのもあるが、いまいち現実に思考が追いついていないのだ。
「……そうじゃな。突然、言われても困るか。ではさっそく、現在の状況を詳しく聞かせてやろう。ワシはしゃべりつかれたから、その辺のヤツが説明してくれるはずじゃ。おい、入ってまいれ!」
つまらなそうに玉座に座りなおすと、衛兵の一人を呼んだ。
すると、衛兵によって開かれた横の扉から、続々と騎士風の格好をした男女たちが入ってきた。
この国の騎士たちなのか、いかにも屈強そうだった。
俺は魔法陣の描かれた床の上に立ちつくしたまま、銀色の甲冑を着た騎士たちのほうを向いた。
クラスの連中も、その慌あわただしい状況の中で、物騒な人たちに対しては焦った様子でざわついていた。
「では、わたくし、騎士団長ハンドレッドからご説明させていただきます。そして、改めまして、勇者様方。このたびは遠いところをわざわざ足を運んでいただきありがとうございます」
騎士団長の男は中年で威厳みたいなものがあるようだ。とても言葉がハキハキしていた。
といっても……。なんか俺たちが自分の足で来たみたいに言われてるけど、勝手に連れてこられたというのが正解ではないだろうか……。
「――ではまず、現状の説明から。現在、我がアルカリス国王軍と敵対しているのは、この世界を侵略し、滅ぼそうとしている魔王軍です。帝国軍や聖国など、抵抗できる勢力も世界中で激減し、世界の滅亡まで待ったなしなのです。そして、我らの力だけでは対抗できないことから、異世界の勇者様方に召喚に応じてていただき、ご協力願おうといった次第です」
「はぁ……」
俺はその狂った世界に召喚された……と言うことでいいのか?
腐った日常の世界に未練は無いが、滅びかけている世界に連れてこられたって、状況が悪化している気がする。
クラス連中は、そういったファンタジーな話に疎いらしく、
『なにそれ、どういうこと?』
『ふざけんなよ、意味わかんねぇよ』
『私たちどうなるの?』
などと、困惑の声が聞こえてくる。
「いまのところ、ダンジョンがすべて合わせて583出現しているのが確認されています。また、その一つには大型のダンジョンがあり、地下深くには魔王が潜伏しているという情報もあります。魔王はなかなか位場所がつかめなかったこともあって、話し合いの結果、叩くなら今のうちに勇者の力を借りて……となったわけです」
ざわざわ。
クラスの連中たちは、何の話をされているのか理解しきれないのか仲の良い者同士でひそひそと話す。
今の事態への驚きを共有し、不安や緊張といったものを紛らわしているのだろう。
俺からすれば、この程度の非日常はたいしたことが無い。
朝、突然、刑事のおっさんが枕元に立っていても驚かなかったのだ。
むしろ、余裕で挨拶かまして、事情説明をしてやった。
だから、俺が最初に発言をすることにした。クラスの連中なんて、正直言ってどうなってもいいのだが、俺はなるべく早く事情を理解した上でこれからどうするかを考えておきたい。
それに、お約束のあれがあるはずだ。
もしかしたら、腐った日常を脱出できる最後のチャンスになるかもしれないのだ。
そう……前いた世界では到底手に入らないような超常的な力である魔法が使えるかもしれない。
力がもし手に入ったのならもう腐った日常に戻らなくても……いいはずだ。
俺は挙手した。
「あのいいですか?」
「なんでしょうか?」
騎士団長さんは、笑顔で問い返してきた。
「勇者って事は、すごい剣をもらえたりするんですか? それとも何か特別な力が俺たちにはあるのでしょうか? 例えば『魔法』とか……」
「うん、いい質問です。勇者様方は、異世界から勇者として召喚魔法で呼び出されました。そのため、その人が最も勇者として持つべきにふさわしい、特別な能力や武具が宿ると国王様がおっしゃられていました。魔法もその一つです」
そして、騎士団長さんは国王を見ると、「そうじゃ」とちびっ子の国王はうなずいた。
「ではみなさん、ステータス起動と唱えてください。そうすれば、どのような能力がその身に宿ったのかがわかります。ただし、書かれている文字が読めない可能性があります。そのため、一人に付き、指導兵が勇者様方には付くことになります。これから戦闘を訓練したり、この城のことを説明など、もろもろの雑用をこなすものたちです」
そういうと、二人ずつになった騎士たちが、一人一人のそばまで歩み寄った。
俺にも男女二人の騎士が嫌がらずちゃんと挨拶をくれた。
分断されたクラスメートたちは、不安を浮かべた表情で騎士たちを見た。
普段から群れてないと何も出来ない女子もいるみたいだ。
兵士は補足説明を始めた。
「あと言い忘れていたのですが、この世界の侵略は順繰りに行われます。いまわれら第48世界の侵略となっている以上、第49世界――つまり世界最後の現存世界(地球)も侵略が始まるということです」
どうやら、滅亡の瀬戸際なのは、この世界だけではなかったらしい。
それ以上にいまのは……話の持っていき方が上手い。
これで本当は帰りたいと思っていた者たちや他人事だと思う者たちを完全に勇者として役割を果たさせる方向にもっていった。
次はステータスチェックか。
それぞれのステータスチェックが始まると、女子は微妙な顔をしていたが、男子はうれしそうに声を上げていた。
確かに、女子がチート能力を得ても、それ何なの?とかなるのは仕方ないだろう。
『火魔法Lv.10』とか言われて、すぐ使い方がわかるのはオタク女子くらいのものだ。
だが、騎士たちが丁寧に教えることで問題は無いみたいだ。
それと、ステータス起動をした男子生徒たちにも魔法やら武具(剣)が使えることがわかったらしい。画面は読めないが、声で聞こえてきたからそうらしい。
ステータス(勇者)として、個人のレベルはみんな同じ『Lv.1』で、魔法のレベルは最高1→10まであり、ほとんどの者が『Lv.10』だったらしい。
そのほか、すばやさ/筋力/体力/耐性~/剣術スキル・投擲スキル・~/など名前が出てくるだけでもたくさんの基本ステータスが存在するようだ。
そして、クラスの連中は複数の魔法や武具を持っているのだという。
聖剣をアイテムボックスから呼び出せる(召喚されたときに入ったらしい)者もいるようで、そいつには剣術スキルがちゃんとあるという具合だ。聖槍とか伝説の弓とかも似たようなものだった。
縦横ともに肩幅程度の大きさの透明な画面に、ステータスの個人情報が書いてあるらしい。
適性のあった魔法やスキルはステータス欄に表示される。
適性の無いものは表示すらされない。
『※※※:※※』
文字が読めないため、騎士たちが変わりに読んで、その適正をクラス連中に伝えていた。
俺も「ステータス起動」ととなえて、表示を見た。
やっぱり読めない文字なので、騎士の二人に聞いてみた。
「あの、俺のはどうでしたか?」
その声に、表示を驚愕した表情でガン見し、二人は焦ったように返答してきた。
「え? ああ、そうね。見てわかると思うけど、能力は一つね」
よかった。全く無かったらどうしようかと思ったから。
「それで、何の能力なんですか?」
「そ、それは……」
そういって女性騎士は男性騎士の肩を叩いた。
「ああ、これは『小石召喚』って書いてあるな。レベルは……まだ1(『Lv.1』)だ」
「なっ!?」
俺は読めもしないステータスの表示をなんとか確認しようと目を凝らす。
だが、読めるはずも無い。
「ざ、残念だったわね……。じゃあ、画面をスライドしてみて」
女性騎士の営業スマイルに促されて、俺は画面をスマホみたいに操作する。
「ここには能力の解説があるの。どうやら、『イメージした小石を形状問わず呼び出せる』そうよ」
それを聞いて、うなずいてはみるものの、がっかり感は否めない。
もう少し、『※※※※※』がいくつも並んでいるようには見えるから文字数が合わないと思うのだが、俺にはこの世界の文字が見えないし、二人が嘘をつく理由も無いはずだ。
石を召喚して何が出来るのか?と聞かれれば、日本なら水きりするのに石を拾わなくていいとか、その程度だ。
ましてや魔王だとか魔物なんて相手に出来ない。それどころか……、
あちらこちらから、クスクスという笑い声が聞こえてくるのだ。
明らかに自分より下のやつがいたことで、安堵して俺を見下し始めているようだ。
これじゃあ、腐った日常を変えられないじゃないか……。
そうこうしているうちに訓練へとはいっていく流れになった。
その日から、能力や武器を使った訓練が始まった。
俺はまず普通の小石を召喚してみた。
「あたっ!」
どうやらまだ出現場所をコントロールできなかったために、頭上に召喚してしまったらしい。
いや、小石だったからか、痛くはなかったが。
もう一度集中してやると、手のひらに収まる小石が現れた。
これで、投げて攻撃しろってことかな……。
まだ、魔物とは戦っていないが、不安が募っていった。
クラスメートたちがバンバン魔法を使う中で、俺は不安だけが募っていた。
いま騎士に連れて行かれている場所は、城の中にある部屋だった。
俺たちが寝泊りと訓練をした城は、アルカリス王家から代存在する古い建物だ。
ところどころ年代を感じさせる古びた壁やの修復跡が見てとれる。
しばらく歩くと部屋の扉がずらっと並んだ廊下だった。
どうやら地下施設らしい。
「ここが?」
女の騎士が頷いてそれに答える。
「そうよ、あなたたちはここで暮らしてもらうことになるわ」
男の騎士がそれに説明を加える。
「この階は自由に移動してもいいが、それ以外の場所は絶対に歩き回らないようにしてくれ。もしなにか城の中のものがなくなってもこっちは責任を取れねえからな」
「はい……。あの、外には出ても?」
「そ、それはダメよ」
「ああ、魔王軍側にお前たちの情報を知られたくないからな。わかってくれ」
「はあ……」
納得できる話ではあるが、この騎士たちの言い方がどこか引っかかった。
「それじゃあね」
「じゃあ、何かあれば言ってくれ」
こうして、波乱の一日目が始まった。
食事は、専用の衛兵騎士たちが部屋に運んでくる。
なんか、牢に捕まった犯罪者の気分になった。
部屋の中は窓もなく、天井に排気口があるだけで外への接続はない。
机もないし、あるのはベッドと木の箱だけだった。
「まさかな……」
探してみるが、アレがない。
部屋はワンルームだし、他に部屋らしい部屋もない。
「そういうことなのか?」
この木の箱、おそらくは簡易トイレということなのだろう。
風呂場もトイレもない。
俺は思わずため息が出た。
あの元いた世界の家も居心地が悪かったが、ここでは江戸時代以下の文明レベルの設備しかないらしい。
魔法使えるのに、こう言うところは発達していないようだ。
翌日、目が覚めたのは早朝だった。
あまりの出来事の連続に、まだ興奮が収まっていないのだろう。
昨日の夜もなかなか寝付けなかった。
小石を作り出せる能力など役には立たない。それなのに、魔王軍と戦わなければならない。
おそらくこれは拒否できないことなのだろう。この世界では、それだけが俺たちが生きていられる唯一の価値なのだ。
この能力では、下手に一人で出て行ってもどうにもならない。異世界に一人で生きたことなどないのだ。この流れに今は乗るしかない。
「せめて、バリエーションくらいはなんとか……」
さまざまな形の小石を作れるようにはしておいた。
しばらくして気づいたのが、小石は最初から形の異なるものが召喚できる。
能力を使っていると、召喚後に石の形状を変えることが出来ることにも気づいた。
「なるほど、召喚後に介入できるのか……ん?」
俺はこの能力に違和感があった。
本当にあの騎士たちが言ったような召喚だけの能力なのだろうか?
形を変える能力は召喚して生み出すのとは別ではないのか?
そんなことを思いつつ、かといって、ほかの理由も思いつかないため、形を変えることを繰り返す。
だが、それだけだった。
訓練ではなぜか騎士の二人はあからさまに俺の訓練には真面目に取り合わなかった。
挙げ句、「魔物なんて小石で大丈夫」とか楽観的なことを言っていたが、そうとは思えない。
だから、武器の形をしたいろんな形状の小石を召喚できるようにだけはしておいた。
他の生徒を見ていると、魔法をかなり使って訓練していた。
スキルとかで剣や槍の武器を使えばいいのに、魔法が中心になっている。
そして数日が経ったある日、いよいよ全軍による魔王のいるダンジョンへの総攻撃が始まった。
ダンジョンがあるのは森の中で、王城から少し離れた森の奥にある洞窟。そこにダンジョンへの入り口がある。
俺は騎士の二人についていき、ダンジョンの中を歩いていったところ、脱出不能の小部屋へと放り込まれた。
戻ろうと、扉を叩いてもびくともしなかった。
まるで何かに操作されているみたいに、ダンジョンが中のものを閉じ込めたのだ。
――そこで冒頭に戻ると言うわけだ。
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