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23話 誰も解けてない時計塔の謎
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成人式から数日が経った日、みけ子は実家の押し入れを整理していた。新しい人生の節目に、過去の思い出を整理しようと思い立ったのだ。
古びた段ボール箱を開けると、懐かしい匂いが鼻をくすぐる。
「あれ?これは...」
みけ子の手に触れたのは、おばあちゃんの古い日記だった。表紙には「探偵日記」と書かれている。みけ子は懐かしさと好奇心に駆られ、ページをめくった。
するとそこには、おばあちゃんの細やかな文字で「時計塔の秘密は6時から18時の一時間ごとの影にあり」というメモが書かれていた。
みけ子は思わずため息をついた。おばあちゃんが亡くなる直前まで、この町の古い時計塔の謎を解き明かそうとしていたことを思い出したのだ。
「おばあちゃん...」
みけ子の目に涙が浮かんだ。おばあちゃんが病気にかかり、謎を解き明かすことができないまま亡くなってしまったことが、今でも心に重くのしかかっている。
「よし、おばあちゃんの想いを引き継いで、この謎を解いてみせる!」
みけ子は決意を固め、すぐに仲間たちに連絡を取った。
数日後、みけ子の家に4人の幼なじみが集まった。けんた、まり、ユミ、たける。かつての探偵団のメンバーだ。成人式以来の再会に、少し照れくさそうな雰囲気が漂う。
みけ子は見つけた日記を皆に見せながら説明を始めた。
「みんな、おばあちゃんの日記を見つけたの。時計塔の謎について、手がかりがあったわ」
けんたが興味深そうに言った。
「おお!成人式の時に話してた時計塔の謎の情報が見つかったのか」
まりは目を輝かせて尋ねた。
「どんな手がかりなの?」
ユミは冷静に答えた。
「具体的な情報があれば、私たちの調査も進展しそうね」
たけるは力強く拳を握りしめた。
「よし!この前の話がようやく実現しそうだな。みけ子のおばあちゃんの想いを引き継ぐんだ」
みけ子は仲間たちの反応に安心し、微笑んだ。
「ありがとう、みんな。日記には『時計塔の秘密は6時から18時の一時間ごとの影にあり』って書いてあったの。これを手がかりに、調査してみない?」
けんたが頷いて言った。
「この情報で見えてくることがあるかもしれないな」
ユミが眼鏡を直しながら言った。
「そうね。時間帯を絞って観察すれば、何か見つかるかもしれないわ」
まりが少し不安そうに尋ねた。
「でも、私たちにできるかな?もう学生じゃないし...」
たけるが励ますように言った。
「大丈夫さ。むしろ大人になった今だからこそ、新しい視点で謎に挑めるんじゃないか?」
みけ子が決意を込めて言った。
「そうだね。じゃあ、明日から本格的に時計塔を調査しよう!」
5人は久しぶりの本格的な探偵活動に、少し緊張しながらも期待に胸を膨らませた。
翌日、晴れ渡る空の下、5人は町の中心にある古い時計塔の前に集まった。
みけ子が指示を出す。
「まずは、時計塔の周りをよく観察してみよう。特に、影が落ちる場所に注目して」
全員で時計塔を囲むように歩き始めた。しばらくすると、けんたが声を上げた。
「おい、みんな!ここを見てくれ」
けんたが指さす先には、時計塔を中心とした地面に描かれた大きな円があった。その円の線に沿って、奇妙な記号が刻まれている。
ユミが眼鏡を直しながら言った。
「これは...暗号かしら?」
その時、たけるが驚いた声を上げた。
「あっ!見て!時計塔の影が記号を指してる!」
みけ子が目を見開いて言った。
「本当だ!影が記号を指しているみたい。おばあちゃんの日記の内容と関係あるかも」
5人は息を潜めて、その様子を観察し始めた。
しばらくすると、まりが気づいた。
「ねえ、影が少しずつ動いてる。別の記号を指すようになってきたわ」
けんたが興奮気味に言った。
「そうか!おばあちゃんの日記に『時計塔の秘密は6時から18時の一時間ごとの影にあり』って書いてあったんだろ?これが関係してるんじゃないか?」
ユミが冷静に分析する。
「つまり、太陽の動きに合わせて影が移動し、その影が指す記号に意味があるということね」
みけ子が決意を込めて言った。
「みんな、6時から18時まで1時間ごとに観測しよう。きっと何かわかるはず!」
たけるが頷いて言った。
「了解!でも長時間、観測するのは大変だぞ。交代で担当しよう」
5人は観測計画を立て、それぞれの担当時間を決めた。
また翌日、観測を開始した。朝6時、5人は時計塔に集まった。
まずはみけ子とけんたが時計塔の前に立ち、観測を始めた。
みけ子が眠そうな目をこすりながら言う。
「けんたくん、ありがとう。朝早くから付き合ってくれて」
けんたは元気に答えた。
「いいってことよ。俺たちの新しい冒険の始まりだからな!」
2人は丁寧に影の位置と指している記号を記録した。
時間が経つにつれ、メンバーが交代しながら観測を続けた。
昼頃、まりとユミが担当していた。
まりが不思議そうに言った。
「ねえユミちゃん、この記号、何かのパターンがあるように見えない?」
ユミが真剣な表情で答えた。
「そうね...確かに何かの規則性がありそうだわ。でも、まだ全体が見えないから...」
午後になり、たけるが一人で観測を続けて観測の合間、けんたは退屈しのぎに時計塔の周りをぶらぶらと歩いていた。ふと、入り口付近の低い位置に目をやると、苔に覆われた何かが目に入った。
「おい、これは...」
けんたは身をかがめ、手で苔を払いのけた。すると、そこには古びた金属の銘板が姿を現した。
「みんな!こっちに来てくれ!何か見つけたぞ!」
けんたの声に、他のメンバーが急いで集まってきた。
みけこが息を切らせながら尋ねる。「何、何?何か見つかったの?」
けんたが興奮した様子で説明する。「ああ、古い銘板みたいなものだ。でも苔だらけで、よく見えない」
ユミが冷静に提案する。「じゃあ、みんなで綺麗にしてみましょう」
5人は手分けして苔を取り除き始めた。たけるが小枝を使って細かい部分を掃除し、まりがハンカチで丁寧に拭き取る。
しばらくすると、銘板の表面が姿を現した。
「わあ...」まりが小さく息を呑む。
そこには、はっきりとした文字と記号が刻まれていた。
ユミが眼鏡を直しながら読み上げる。「CLOCKTOWER...そして、そのすぐ下に奇妙な記号が10個並んでいるわ」
みけこが興奮した様子で言う。「ねえ、この記号、私たちが観測してるのと同じじゃない?」
けんたが頷きながら答える。「ああ、間違いない。これは絶対に関係があるぞ」
たけるが銘板をじっと見つめながら言う。「でも、なんでこんなところにあるんだ?」
ユミがメモを取り出しながら提案する。
「とにかく、正確に記録しておきましょう。詳しく調べる必要がありそうよ」
ユミがメモに記号とアルファベットの対応関係を書き始め、他のメンバーも、その様子を食い入るように見守っている。
ユミが眼鏡を直しながら言う。「では、一つずつ確認していきましょう」
みけこが頷きながら言う。「うん、お願い」
ユミは丁寧に説明を始める。
「まず、Cの下には■が描かれていて…」
「次にLは△」
「Oは⬟」
「Cは■」
「Kは❖」
「Tは□」
「Oは⬟」
「Wは▽」
「Eは☆」
「Rは♣」
記号の確認が終わると、一瞬の沈黙が訪れた。
だが突然、まりが大きな声を上げた。「あ!気づいた!「C」と「O」が二回出てくるけどCは2個とも■の記号を使っていて「O」は2個とも「⬟」を使っているよ」
ユミはが板をもう一度確認し、こういった。
「たしかに同じ記号が使われていますね」
たけるが感心したように言う。
「ということは、同じアルファベットには同じ記号が使われてるんだな」
全員がまりを見つめる中、みけこが目を輝かせながら言う。
「そうか!じゃあ、地面に描かれている円の記号全部がアルファベットを表してるんじゃない?」
けんたが興奮気味に言う。「つまり、俺たちが記録してきた記号も、全部アルファベットってことか?」
ユミが冷静に分析する。「可能性は高いわね。でも、まだ確認できていない記号もあるわ」
たけるが提案する。
「じゃあ、今後も観測してみようぜ」
みけこが決意を込めて言う。
「うん、そうしよう。きっとこれで、おばあちゃんの残したヒントがわかるはず」
5人は、新たな発見の興奮冷めやらぬまま、次の段階の解読に取り掛かろうとしていた。
一日の観測が終わり、ユミがメモ帳を取り出し、集めた13個の記号を書き出す。
「こうなるわ」とユミが言い、メモ帳を皆に見せる。
「□○♢☆♢◎■♠○▲☆⬟▲」
みけ子が眉をひそめ、少し体を前に乗り出す。
「うーん、一見しただけではさっぱりわからないね」
けんたが突然、パンと手を叩く。「待てよ!銘板だ!」全員の視線が彼に集中する。「CLOCKTOWERの対応関係を使えば、いくつかの記号は解読できるはずだ」
ユミが頷き、さっそく既知の対応関係を目メモ帳に書き出す。
「C = ■, L = △, O = ⬟, K = ❖, T = □, W = ▽, E = ☆, R = ♣」
たけるが首をかしげる。「でも、これだけじゃ全部は解読できないよな」
みけ子が静かに言う。
「一つずつ見ていけば、何かわかるかもしれない」
まりは最初の4文字に目を凝らす。「□○♢☆...」突然、彼女の目が輝く。「あ!これってもしかして...TIME?」
一瞬の沈黙の後、みんなが驚きの声を上げる。
けんたが興奮して言う。「そうか!じゃあ、T = □ とE = ☆はもう知ってるから、I = ○, M = ♢,ってことになるな!」
ユミが素早くメモ帳に新しい情報を書き加える。
そしてたけるが記号を指差す。
「じゃあ、あとの♢◎■♠○▲☆⬟▲は...」
そうするとみけ子が迷いながら話す。
「MACHINEかな?Mは♢でI は○とさっき分かったもんね」
ユミが冷静に分析する。
「そうですね。Cは■でEが☆とすでに分かっていたので。そうするとA が◎で Hが♠,で Nが▲ということになります」
けんたが最後の2文字を見つめる。
「最後の⬟▲か...▲がNだから…」
全員が一瞬考え込み、そして同時に顔を上げる。「ON!」
みけ子が深呼吸をして言う。「みんな、これを全部つなげると...」
5人が息を合わせるように、同時に叫ぶ。
「TIME MACHINE ON!」
興奮が満ちる中、ユミが冷静に最終的な対応表を完成させる。
「T = □, I = ○, M = ♢, E = ☆, A = ◎, C = ■, H = ♠, O = ⬟, N = ▲」
みけ子がゆっくりと立ち上がる。
「これで...おばあちゃんの残したヒントが解けたのかな」
たけるが不思議そうに首をかしげる。
「でも、なんでタイムマシンなんだ?」
ユミが眼鏡を直しながら答える。
「時計塔...時を刻む塔がタイムマシンになっている...そういうことなのかもしれません」
けんたが興奮気味に言う。
「じゃあ、次は何をすればいいんだ?」
みけ子が決意を込めて言う。
「時計塔の中を調べてみよう。きっと、何かがあるはず」
5人は、新たな発見への期待と不安を胸に、次の行動へと踏み出そうとしていた。
古びた段ボール箱を開けると、懐かしい匂いが鼻をくすぐる。
「あれ?これは...」
みけ子の手に触れたのは、おばあちゃんの古い日記だった。表紙には「探偵日記」と書かれている。みけ子は懐かしさと好奇心に駆られ、ページをめくった。
するとそこには、おばあちゃんの細やかな文字で「時計塔の秘密は6時から18時の一時間ごとの影にあり」というメモが書かれていた。
みけ子は思わずため息をついた。おばあちゃんが亡くなる直前まで、この町の古い時計塔の謎を解き明かそうとしていたことを思い出したのだ。
「おばあちゃん...」
みけ子の目に涙が浮かんだ。おばあちゃんが病気にかかり、謎を解き明かすことができないまま亡くなってしまったことが、今でも心に重くのしかかっている。
「よし、おばあちゃんの想いを引き継いで、この謎を解いてみせる!」
みけ子は決意を固め、すぐに仲間たちに連絡を取った。
数日後、みけ子の家に4人の幼なじみが集まった。けんた、まり、ユミ、たける。かつての探偵団のメンバーだ。成人式以来の再会に、少し照れくさそうな雰囲気が漂う。
みけ子は見つけた日記を皆に見せながら説明を始めた。
「みんな、おばあちゃんの日記を見つけたの。時計塔の謎について、手がかりがあったわ」
けんたが興味深そうに言った。
「おお!成人式の時に話してた時計塔の謎の情報が見つかったのか」
まりは目を輝かせて尋ねた。
「どんな手がかりなの?」
ユミは冷静に答えた。
「具体的な情報があれば、私たちの調査も進展しそうね」
たけるは力強く拳を握りしめた。
「よし!この前の話がようやく実現しそうだな。みけ子のおばあちゃんの想いを引き継ぐんだ」
みけ子は仲間たちの反応に安心し、微笑んだ。
「ありがとう、みんな。日記には『時計塔の秘密は6時から18時の一時間ごとの影にあり』って書いてあったの。これを手がかりに、調査してみない?」
けんたが頷いて言った。
「この情報で見えてくることがあるかもしれないな」
ユミが眼鏡を直しながら言った。
「そうね。時間帯を絞って観察すれば、何か見つかるかもしれないわ」
まりが少し不安そうに尋ねた。
「でも、私たちにできるかな?もう学生じゃないし...」
たけるが励ますように言った。
「大丈夫さ。むしろ大人になった今だからこそ、新しい視点で謎に挑めるんじゃないか?」
みけ子が決意を込めて言った。
「そうだね。じゃあ、明日から本格的に時計塔を調査しよう!」
5人は久しぶりの本格的な探偵活動に、少し緊張しながらも期待に胸を膨らませた。
翌日、晴れ渡る空の下、5人は町の中心にある古い時計塔の前に集まった。
みけ子が指示を出す。
「まずは、時計塔の周りをよく観察してみよう。特に、影が落ちる場所に注目して」
全員で時計塔を囲むように歩き始めた。しばらくすると、けんたが声を上げた。
「おい、みんな!ここを見てくれ」
けんたが指さす先には、時計塔を中心とした地面に描かれた大きな円があった。その円の線に沿って、奇妙な記号が刻まれている。
ユミが眼鏡を直しながら言った。
「これは...暗号かしら?」
その時、たけるが驚いた声を上げた。
「あっ!見て!時計塔の影が記号を指してる!」
みけ子が目を見開いて言った。
「本当だ!影が記号を指しているみたい。おばあちゃんの日記の内容と関係あるかも」
5人は息を潜めて、その様子を観察し始めた。
しばらくすると、まりが気づいた。
「ねえ、影が少しずつ動いてる。別の記号を指すようになってきたわ」
けんたが興奮気味に言った。
「そうか!おばあちゃんの日記に『時計塔の秘密は6時から18時の一時間ごとの影にあり』って書いてあったんだろ?これが関係してるんじゃないか?」
ユミが冷静に分析する。
「つまり、太陽の動きに合わせて影が移動し、その影が指す記号に意味があるということね」
みけ子が決意を込めて言った。
「みんな、6時から18時まで1時間ごとに観測しよう。きっと何かわかるはず!」
たけるが頷いて言った。
「了解!でも長時間、観測するのは大変だぞ。交代で担当しよう」
5人は観測計画を立て、それぞれの担当時間を決めた。
また翌日、観測を開始した。朝6時、5人は時計塔に集まった。
まずはみけ子とけんたが時計塔の前に立ち、観測を始めた。
みけ子が眠そうな目をこすりながら言う。
「けんたくん、ありがとう。朝早くから付き合ってくれて」
けんたは元気に答えた。
「いいってことよ。俺たちの新しい冒険の始まりだからな!」
2人は丁寧に影の位置と指している記号を記録した。
時間が経つにつれ、メンバーが交代しながら観測を続けた。
昼頃、まりとユミが担当していた。
まりが不思議そうに言った。
「ねえユミちゃん、この記号、何かのパターンがあるように見えない?」
ユミが真剣な表情で答えた。
「そうね...確かに何かの規則性がありそうだわ。でも、まだ全体が見えないから...」
午後になり、たけるが一人で観測を続けて観測の合間、けんたは退屈しのぎに時計塔の周りをぶらぶらと歩いていた。ふと、入り口付近の低い位置に目をやると、苔に覆われた何かが目に入った。
「おい、これは...」
けんたは身をかがめ、手で苔を払いのけた。すると、そこには古びた金属の銘板が姿を現した。
「みんな!こっちに来てくれ!何か見つけたぞ!」
けんたの声に、他のメンバーが急いで集まってきた。
みけこが息を切らせながら尋ねる。「何、何?何か見つかったの?」
けんたが興奮した様子で説明する。「ああ、古い銘板みたいなものだ。でも苔だらけで、よく見えない」
ユミが冷静に提案する。「じゃあ、みんなで綺麗にしてみましょう」
5人は手分けして苔を取り除き始めた。たけるが小枝を使って細かい部分を掃除し、まりがハンカチで丁寧に拭き取る。
しばらくすると、銘板の表面が姿を現した。
「わあ...」まりが小さく息を呑む。
そこには、はっきりとした文字と記号が刻まれていた。
ユミが眼鏡を直しながら読み上げる。「CLOCKTOWER...そして、そのすぐ下に奇妙な記号が10個並んでいるわ」
みけこが興奮した様子で言う。「ねえ、この記号、私たちが観測してるのと同じじゃない?」
けんたが頷きながら答える。「ああ、間違いない。これは絶対に関係があるぞ」
たけるが銘板をじっと見つめながら言う。「でも、なんでこんなところにあるんだ?」
ユミがメモを取り出しながら提案する。
「とにかく、正確に記録しておきましょう。詳しく調べる必要がありそうよ」
ユミがメモに記号とアルファベットの対応関係を書き始め、他のメンバーも、その様子を食い入るように見守っている。
ユミが眼鏡を直しながら言う。「では、一つずつ確認していきましょう」
みけこが頷きながら言う。「うん、お願い」
ユミは丁寧に説明を始める。
「まず、Cの下には■が描かれていて…」
「次にLは△」
「Oは⬟」
「Cは■」
「Kは❖」
「Tは□」
「Oは⬟」
「Wは▽」
「Eは☆」
「Rは♣」
記号の確認が終わると、一瞬の沈黙が訪れた。
だが突然、まりが大きな声を上げた。「あ!気づいた!「C」と「O」が二回出てくるけどCは2個とも■の記号を使っていて「O」は2個とも「⬟」を使っているよ」
ユミはが板をもう一度確認し、こういった。
「たしかに同じ記号が使われていますね」
たけるが感心したように言う。
「ということは、同じアルファベットには同じ記号が使われてるんだな」
全員がまりを見つめる中、みけこが目を輝かせながら言う。
「そうか!じゃあ、地面に描かれている円の記号全部がアルファベットを表してるんじゃない?」
けんたが興奮気味に言う。「つまり、俺たちが記録してきた記号も、全部アルファベットってことか?」
ユミが冷静に分析する。「可能性は高いわね。でも、まだ確認できていない記号もあるわ」
たけるが提案する。
「じゃあ、今後も観測してみようぜ」
みけこが決意を込めて言う。
「うん、そうしよう。きっとこれで、おばあちゃんの残したヒントがわかるはず」
5人は、新たな発見の興奮冷めやらぬまま、次の段階の解読に取り掛かろうとしていた。
一日の観測が終わり、ユミがメモ帳を取り出し、集めた13個の記号を書き出す。
「こうなるわ」とユミが言い、メモ帳を皆に見せる。
「□○♢☆♢◎■♠○▲☆⬟▲」
みけ子が眉をひそめ、少し体を前に乗り出す。
「うーん、一見しただけではさっぱりわからないね」
けんたが突然、パンと手を叩く。「待てよ!銘板だ!」全員の視線が彼に集中する。「CLOCKTOWERの対応関係を使えば、いくつかの記号は解読できるはずだ」
ユミが頷き、さっそく既知の対応関係を目メモ帳に書き出す。
「C = ■, L = △, O = ⬟, K = ❖, T = □, W = ▽, E = ☆, R = ♣」
たけるが首をかしげる。「でも、これだけじゃ全部は解読できないよな」
みけ子が静かに言う。
「一つずつ見ていけば、何かわかるかもしれない」
まりは最初の4文字に目を凝らす。「□○♢☆...」突然、彼女の目が輝く。「あ!これってもしかして...TIME?」
一瞬の沈黙の後、みんなが驚きの声を上げる。
けんたが興奮して言う。「そうか!じゃあ、T = □ とE = ☆はもう知ってるから、I = ○, M = ♢,ってことになるな!」
ユミが素早くメモ帳に新しい情報を書き加える。
そしてたけるが記号を指差す。
「じゃあ、あとの♢◎■♠○▲☆⬟▲は...」
そうするとみけ子が迷いながら話す。
「MACHINEかな?Mは♢でI は○とさっき分かったもんね」
ユミが冷静に分析する。
「そうですね。Cは■でEが☆とすでに分かっていたので。そうするとA が◎で Hが♠,で Nが▲ということになります」
けんたが最後の2文字を見つめる。
「最後の⬟▲か...▲がNだから…」
全員が一瞬考え込み、そして同時に顔を上げる。「ON!」
みけ子が深呼吸をして言う。「みんな、これを全部つなげると...」
5人が息を合わせるように、同時に叫ぶ。
「TIME MACHINE ON!」
興奮が満ちる中、ユミが冷静に最終的な対応表を完成させる。
「T = □, I = ○, M = ♢, E = ☆, A = ◎, C = ■, H = ♠, O = ⬟, N = ▲」
みけ子がゆっくりと立ち上がる。
「これで...おばあちゃんの残したヒントが解けたのかな」
たけるが不思議そうに首をかしげる。
「でも、なんでタイムマシンなんだ?」
ユミが眼鏡を直しながら答える。
「時計塔...時を刻む塔がタイムマシンになっている...そういうことなのかもしれません」
けんたが興奮気味に言う。
「じゃあ、次は何をすればいいんだ?」
みけ子が決意を込めて言う。
「時計塔の中を調べてみよう。きっと、何かがあるはず」
5人は、新たな発見への期待と不安を胸に、次の行動へと踏み出そうとしていた。
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