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11話 探偵団への挑戦状 その1
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朝の教室に、いつもの騒がしさが広がっていた。窓際の席で、まりが友達と楽しそうにおしゃべりをしている。けんたは宿題を必死に写している。ユミは静かに本を読んでいる。たけるは眠そうにあくびをしながら、黒板を見つめている。
そんな中、教室の扉が勢いよく開いた。
「おはよう、みんな!今日も素敵な一日になりそう!」
猫耳フードをかぶったみけ子が、元気いっぱいに教室に飛び込んできた。クラスメイトたちの視線が一斉にみけ子に集まる。
「相変わらず元気だな、みけ子」けんたが顔を上げて言った。
みけ子は笑顔で自分の席に向かう。しかし、机の前で突然立ち止まった。机の中から、見覚えのない封筒が顔を覗かせていたのだ。
「あれ?これ、誰かのいたずら?」
みけ子は慎重に封筒を取り出した。封筒の表には「探偵団の皆様へ」と丁寧な文字で書かれている。心臓が高鳴るのを感じながら、みけ子は急いで探偵団のメンバーを呼び集めた。
「みんな、大変!何か来てる!」
けんた、まり、たける、ユミが素早くみけ子の席に集まってきた。
「どうしたの、みけちゃん?」まりが心配そうに尋ねる。
「これ」みけ子が封筒を示す。「探偵団宛ての封筒が机の中に入ってたんだ」
「おお!これは気になるな」けんたが目を輝かせた。
昼休み、校庭の大きな木の下。みけ子、けんた、まり、たける、ユミの5人が集まっていた。周りを何度も確認し、誰も近くにいないことを確かめてから、みけ子が封筒を取り出した。
「みんな、準備はいい?開けるよ」
みけ子がゆっくりと封筒を開けると、中から一枚の紙が現れた。そこには挑戦状が書かれていた。
「明日から3日間の給食にヒントが隠されている謎を解けるか」ユミが眼鏡を直しながら読み上げる。「全てのヒントを集め、最終的な謎を解くことができれば、あるものがある...だって」
「おお!これは面白そうだぞ!」けんたが握りこぶしを作って興奮気味に言った。
「でも、誰が仕掛けたんだろう?」まりが首をかしげる。
「それを解明するのが、私たち探偵団の仕事だよ!」みけ子が元気よく宣言した。
「よし、じゃあさっそく明日の給食の時間に調査開始だ!」たけるが力強く言った。
翌日の朝の教室、けんたが不思議そうな表情を浮かべた。
「ねえ、気づいた?給食のおばちゃん、何だかいつもと様子が違うよ」
みんなで給食室を覗くと、確かにおばちゃんの様子がおかしく時々探偵団のメンバーを見ては微笑んでいるように見えた。
それから5人は給食の時間を今か今かと待ち望んだ。授業中も、先生の話を聞きながら、頭の中では給食のことばかり考えていた。ついに給食の時間が来ると、全員が食器を覗き込むように注意深く観察し始めた。
「あっ!」突然、みけ子が声を上げた。「プリンの底に何か書いてある!」
全員がみけ子のプリンに注目する。確かに、容器の底に小さな文字で何かが書かれていた。
「他の人のプリンはどう?」けんたが周りを見回す。
「私のには何もないわ」まりが首を振る。
「僕のもない」たけるも確認する。
「私のにもありません」ユミが報告する。
「じゃあ、これが最初のヒントってことか」けんたが興奮気味に言った。
「でも、これ暗号みたい。そのまま読めないよ」みけ子が眉をひそめる。
「放課後、図書室で解読しよう」ユミが提案した。
全員が頷き、急いで給食を食べ終えた。
放課後、探偵団は図書室に集まり、プリンの底に書かれた暗号の解読を試みているとみけ子がこう言った。
「これは...シーザー暗号かも」
「シーザー暗号?それって何?」たけるが首をかしげる。
「アルファベットをずらして暗号化する方法だよ。例えば、アルファベットの「A」は「D」に、「B」は「E」に変換される」
「へえ、そんな方法があるんだ」まりが感心した様子で言う。
そして暗号文はこう書かれていた「DQFLHQW NHB RSHQV QHZ GRRU」
みけ子はシーザー暗号についてこう説明をした、
「シーザー暗号は通常、シフト量は3だから文字を3つ左にずらせばいいよ」
それからみんなで暗号解読に挑戦する。
紙にアルファベットを書いていきしばらくして、ユミは歓声を上げた。
「わかった!『ANCIENT KEY OPENS NEW DOOR』だから『古い鍵は新しい扉を開く』...これが最初のヒントみたい」
「すごいぞ」けんたが感心した様子で言った。
「でも、この言葉の意味は?」みけ子が首をかしげる。
「きっと、これから解く謎のヒントになるんだろうな」たけるが真剣な表情で言った。
「よし、明日の給食も気をつけて観察しよう!」みけ子が元気よく言った。
そして2日目の給食時間。今日のメニューは、パン、ミネストローネ、サラダ、牛乳だ。
「今日はどんなヒントかな?」みけ子が小声で言う。
けんたがパンを手に取り、じっと見つめている。突然、彼の目が大きく開いた。
「おい、みんな!」けんたが興奮した様子で小声で呼びかける。「このパンの包装紙、何か変だぞ」
みんながけんたの周りに集まる。
「どれどれ?」みけ子が覗き込む。
確かに、パンの包装紙に小さな点と線が印刷されているのが見える。
「これって...」けんたが目を細める。
ユミが眼鏡を直しながら近づく。「モールス信号ね」
「モールス信号?」まりが首をかしげる。
「点と線を組み合わせた通信方法よ」ユミが説明する。「私、少し勉強したことがあるわ」
ユミがスマートフォンを取り出し、モールス信号の変換表を調べ始める。みんなで協力しながら、一つずつ解読していく。
「き...ゅ...う...し...ょ...く...し...つ...」たけるが読み上げる。
「の...れ...い...ぞ...う...こ...」まりが続ける。
「の...う...し...ろ...」けんたが付け加える。
「全部つなげると...」みけ子が興奮した様子で言う。「給食室の冷蔵庫の後ろ!」
「やったー!」全員で小さく歓声を上げる。
「鍵がそこに隠されているってことか」たけるが推測する。
「でも、どうやって取りに行くの?」まりが心配そうに尋ねる。
みけ子が考え込む。「うーん、給食当番の時を狙うしかないかな」
「俺、明日給食当番だぞ」けんたが言う。
「じゃあ、けんた。明日、給食室に行ったら、さりげなく冷蔵庫の後ろを確認してみて」みけ子が指示する。
けんたが頷く。「任せろ。絶対に見つけてくる」
5人は顔を見合わせ、小さくうなずいた。
そんな中、教室の扉が勢いよく開いた。
「おはよう、みんな!今日も素敵な一日になりそう!」
猫耳フードをかぶったみけ子が、元気いっぱいに教室に飛び込んできた。クラスメイトたちの視線が一斉にみけ子に集まる。
「相変わらず元気だな、みけ子」けんたが顔を上げて言った。
みけ子は笑顔で自分の席に向かう。しかし、机の前で突然立ち止まった。机の中から、見覚えのない封筒が顔を覗かせていたのだ。
「あれ?これ、誰かのいたずら?」
みけ子は慎重に封筒を取り出した。封筒の表には「探偵団の皆様へ」と丁寧な文字で書かれている。心臓が高鳴るのを感じながら、みけ子は急いで探偵団のメンバーを呼び集めた。
「みんな、大変!何か来てる!」
けんた、まり、たける、ユミが素早くみけ子の席に集まってきた。
「どうしたの、みけちゃん?」まりが心配そうに尋ねる。
「これ」みけ子が封筒を示す。「探偵団宛ての封筒が机の中に入ってたんだ」
「おお!これは気になるな」けんたが目を輝かせた。
昼休み、校庭の大きな木の下。みけ子、けんた、まり、たける、ユミの5人が集まっていた。周りを何度も確認し、誰も近くにいないことを確かめてから、みけ子が封筒を取り出した。
「みんな、準備はいい?開けるよ」
みけ子がゆっくりと封筒を開けると、中から一枚の紙が現れた。そこには挑戦状が書かれていた。
「明日から3日間の給食にヒントが隠されている謎を解けるか」ユミが眼鏡を直しながら読み上げる。「全てのヒントを集め、最終的な謎を解くことができれば、あるものがある...だって」
「おお!これは面白そうだぞ!」けんたが握りこぶしを作って興奮気味に言った。
「でも、誰が仕掛けたんだろう?」まりが首をかしげる。
「それを解明するのが、私たち探偵団の仕事だよ!」みけ子が元気よく宣言した。
「よし、じゃあさっそく明日の給食の時間に調査開始だ!」たけるが力強く言った。
翌日の朝の教室、けんたが不思議そうな表情を浮かべた。
「ねえ、気づいた?給食のおばちゃん、何だかいつもと様子が違うよ」
みんなで給食室を覗くと、確かにおばちゃんの様子がおかしく時々探偵団のメンバーを見ては微笑んでいるように見えた。
それから5人は給食の時間を今か今かと待ち望んだ。授業中も、先生の話を聞きながら、頭の中では給食のことばかり考えていた。ついに給食の時間が来ると、全員が食器を覗き込むように注意深く観察し始めた。
「あっ!」突然、みけ子が声を上げた。「プリンの底に何か書いてある!」
全員がみけ子のプリンに注目する。確かに、容器の底に小さな文字で何かが書かれていた。
「他の人のプリンはどう?」けんたが周りを見回す。
「私のには何もないわ」まりが首を振る。
「僕のもない」たけるも確認する。
「私のにもありません」ユミが報告する。
「じゃあ、これが最初のヒントってことか」けんたが興奮気味に言った。
「でも、これ暗号みたい。そのまま読めないよ」みけ子が眉をひそめる。
「放課後、図書室で解読しよう」ユミが提案した。
全員が頷き、急いで給食を食べ終えた。
放課後、探偵団は図書室に集まり、プリンの底に書かれた暗号の解読を試みているとみけ子がこう言った。
「これは...シーザー暗号かも」
「シーザー暗号?それって何?」たけるが首をかしげる。
「アルファベットをずらして暗号化する方法だよ。例えば、アルファベットの「A」は「D」に、「B」は「E」に変換される」
「へえ、そんな方法があるんだ」まりが感心した様子で言う。
そして暗号文はこう書かれていた「DQFLHQW NHB RSHQV QHZ GRRU」
みけ子はシーザー暗号についてこう説明をした、
「シーザー暗号は通常、シフト量は3だから文字を3つ左にずらせばいいよ」
それからみんなで暗号解読に挑戦する。
紙にアルファベットを書いていきしばらくして、ユミは歓声を上げた。
「わかった!『ANCIENT KEY OPENS NEW DOOR』だから『古い鍵は新しい扉を開く』...これが最初のヒントみたい」
「すごいぞ」けんたが感心した様子で言った。
「でも、この言葉の意味は?」みけ子が首をかしげる。
「きっと、これから解く謎のヒントになるんだろうな」たけるが真剣な表情で言った。
「よし、明日の給食も気をつけて観察しよう!」みけ子が元気よく言った。
そして2日目の給食時間。今日のメニューは、パン、ミネストローネ、サラダ、牛乳だ。
「今日はどんなヒントかな?」みけ子が小声で言う。
けんたがパンを手に取り、じっと見つめている。突然、彼の目が大きく開いた。
「おい、みんな!」けんたが興奮した様子で小声で呼びかける。「このパンの包装紙、何か変だぞ」
みんながけんたの周りに集まる。
「どれどれ?」みけ子が覗き込む。
確かに、パンの包装紙に小さな点と線が印刷されているのが見える。
「これって...」けんたが目を細める。
ユミが眼鏡を直しながら近づく。「モールス信号ね」
「モールス信号?」まりが首をかしげる。
「点と線を組み合わせた通信方法よ」ユミが説明する。「私、少し勉強したことがあるわ」
ユミがスマートフォンを取り出し、モールス信号の変換表を調べ始める。みんなで協力しながら、一つずつ解読していく。
「き...ゅ...う...し...ょ...く...し...つ...」たけるが読み上げる。
「の...れ...い...ぞ...う...こ...」まりが続ける。
「の...う...し...ろ...」けんたが付け加える。
「全部つなげると...」みけ子が興奮した様子で言う。「給食室の冷蔵庫の後ろ!」
「やったー!」全員で小さく歓声を上げる。
「鍵がそこに隠されているってことか」たけるが推測する。
「でも、どうやって取りに行くの?」まりが心配そうに尋ねる。
みけ子が考え込む。「うーん、給食当番の時を狙うしかないかな」
「俺、明日給食当番だぞ」けんたが言う。
「じゃあ、けんた。明日、給食室に行ったら、さりげなく冷蔵庫の後ろを確認してみて」みけ子が指示する。
けんたが頷く。「任せろ。絶対に見つけてくる」
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