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ヨウィスのこと
ギルド「不死鳥の冠」
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ぼくとわたしは、どちらもヨウィスだ。
性格は少し違っていて、まず、わたしは煩わしい人付き合いがだいっきらい。
よほど気に入った相手以外はひとりでいることを好む。
ぼくも煩わしい対人関係は、苦手ではあるが、そこはそれ、適当に合わせておいて、本当にもうダメだと、思ったら、相手も含む一切合切、ズタズタに切り刻めばいいと思っている。
ヨウィスは、家事全般、とくに料理が得意で、気に入った相手にふるまったりするが、ぼくは、食い物は腹が満たされればいいほうで、もし、ひとにご馳走したいなら、適当なレストランをみつくろう。
わたしとぼくの魔力は『 収納』に、ちょっと周りがひくくらいの適性があって、とんでもない量を常時、持ち歩いているが、使う方は、ほぼわたしが行ってる。
ぼくは、収納だけはできるが分類とか、取り出しは苦手だ。
もちろんできないことはないのだが、鍋に水をくもうとして、家を一軒押し流してしまったり、盾を取り出そうして建屋を出してしまったり、けっこうミスが多いのだ。
で、そこまでミスが多いともう「使える」レベルでのはないと、わたしは思う。
だからといって、人格が別かというと決してそうではない。
奨学金とともに妖怪じじいにお褒めのことばまでいただいた(そういうならボルテック閣下または院長先生とちゃんと呼べばいいとぼくなんかは思う)論文「ある魂の統合と分離」を書いたときなどは、ぼくとわたしを意識せずに、執筆を行っていた。
たぶん、ぼくとわたしは、なにかの目的のために分かれた魂の見え方の局面なのだろう。
我ながら面白いと思うのだが、ぼくは、わたしが主人格であって、あまりの陰キャぶりに社会性を高めて周りとコミュニケーションを取るために産まれた第二人格がぼくだと考えている。
いっぽうわたしは、ぼくが第一人格であって、あまりの凶暴性から常時、表にでているのは危険すぎるために、わたしが、造られたのだと思っている。
性と愛についてはどうだろう。
わたしは、ハルトをたぶん好きで、姫《フィオリナ》にあこがれている。
結局、ふたつをひとつにまとめて、ルトとフィオリナのカップルを推している。
わたしの秘密の日記には、想像で書かれたふたりの痴態のあれやこれやが、たぶん本にしたら千ページ分はたまっている。
ぼくも、あの二人が好きだ。
ぼくの好みは、「殺してもしなないヤツ」。
鋼糸でふたつにされた程度で、死んでしまうもろい生き物とは、そもそも恋愛の対象いならない。
その点、あの二人はどちらも合格だ。
ならば、次は肉体的な接触をもとめるのは当然の流れだろう。
ぼくのわたしの体は女性だが、ザレのような凹凸には乏しい。フィオリナのようなすらりと伸びた四肢や躍動感あふれる筋肉美もない。
胸もお尻も貧弱で、糸を操ることでけっこう下をむいてる時間が長いせいか、姿勢も悪い。
わたしは、それにコンプレックスをもっている。人様にお見せするくらいなら、自作のエロ作文で自分を慰めていればすむ。
ぼくは、それはそれでそういう趣味のひとには大いにウケがよいのではないかと思っている。目鼻立ちはまあ、整っているし、それでいて、年齢的には成人に達しているわけなので、後ろ指をさされる心配もない。
いい大人は、性的な欲求はパートナーと解消するべきだ。
というのが、ぼくの持論であって(だってパートナーなんていないし、そんなに簡単につくれるもんじゃないし、とわたしは思う)ハルトはまあ、フィオリナという婚約者がいるのでまずいのなら、フィオリナならばいいのではないか。
あるいは本丸のフィオリナをいきなり、ではちょっと怖いのなら、練習用にザレとつきあってみて、なにも問題はないのだと思う。
そんなもんかなあ、とわたしは思う。
そんなぼくだからこそ、わたしだからこそ。
姑息なやり方で、ハルトと姫を婚約破棄においこんだ王室は許せない。
全身の皮膚を傷つけないようにはがしたあと、塩コショウしてからミンチにしてやろうとわたしが思う。
魂まで切り刻んで、次の輪廻がないようにこの世界から放逐してやる、とぼくは誓う。
「姫か親父殿は?」
数日ぶりの「不死鳥の冠」は、荒れ果てていた。
「営業中止」
の看板を無視してはいったわたしが見たものは。
床にあいた大穴。
倒れた食器棚。
全壊した酒瓶たち。
サブマスターのミュラは、難しい顔で、ひとり書類とにらめっこをしていた。
「挨拶、くらいないの? ヨウィス。」
「ああ、こんにちは。それで姫か親父殿は?」
「明後日まで出入り禁止にしたわ。罪状は、ギルド本部をぶち壊した罪。」
「あの穴も?」
わたしが指さした床の穴に、ミュラは不満そうにフンと鼻で笑った。
「あれはフィオリナが親父殿を投げ飛ばして作った穴ね。投げ飛ばしたのも穴をつくったのもクローディア公爵家の人間だから、請求はクローディア公爵家にするわ。
で、そのとき倒れて壊れた食器棚、食器、および酒類その他一切の弁償もクロ-ディア公爵家が負担することに、たった今、合意が成立したところなの!」
「そうなの。それで姫と親父殿は?
婚約破棄はどうなった?」
「フィオリナは一応その・・・婚約を破棄されたショックで寝込んでることになってるわ。
親父殿は、昨日、王室筋のパーティに呼ばれたあと、お屋敷のほうでお仕事中よ。」
「王室のやつらをぶった斬りに行くから、メンバーを募集してほしい。
わたしの希望は、コッペリオとゾア。」
「却下。却下だね。ヨウィス。」
このところ、こんなときの睨みがだんだん姫に似てきた。
「そもそも婚約破棄の話はどこから聞いた?
いや、たぶん今日明日には、『最強パーティ』や『魔王宮』の解放とあわせて、王室の名で触れがでるだろう。
もう秘密でもなんでもないからどうでもいい。」
「ゾアとコッペリオを貸してくれないなら、わたし一人でいい。」
「エルマートのパーティに、『燭乱天使』がついたぞ。」
「へえ。」
ぼくは笑った。
「なら、ぼくの出番か、な?」
ミュラは、ごくりと喉をならした。ひるみはしたが、引かなかった。
「ハルト殿下は、クローディアとグランダの前面対決は避けるつもりだ。
フィオリナも親父殿もその意をくんで動いている。ヨウィスが勝手に動くなら、わたしが止めるぞ。」
ミュラは本気、だった。
それがわかったから、ぼくはミュラの無駄に長いあんよを切断したりしなかった。
「姫はどうするつもり?」
「むこうの動きに、のる。」
ミュラはたんたんと答えた。
足がわずかに震えている。
ぼくのわたしの好きなのは、殺しても死なないやつだったが、その次に好きなのが、殺されても言うことをきかないやつだ。
肉体的接触の最初の相手は、こいつでもいいな、と、ぼくは思った。
だって、こいつは、フィオリナのアレだぞ、とわたしは思った。
「具体的には?」
「親父殿は、ハルト殿下が婚約破棄騒動をしでかしてくれたおかげで、いまや、がっちりエルマート派だ。しかも陛下の信用も厚いらしい。
『魔王宮』でのパーティ育成競争の見届け役を仰せつかった。
あとはハルト殿下の次のしかけを待って動く。」
「見届け?」
わたしは首をかしげた。
「実際に親父殿も迷宮にはいるのか?」
「そういうことになる。
なので、親父殿の護衛用のパーティが必要だ。
いま、クローディア領から騎士団副長のアイベル殿を呼ぶ手筈になっている。
あとは、コッペリオにゾア、ザレあたりの名前があがってる。
あ、そういえば」
ミュラはコホンと咳払いをした。
「ヨウィスの名前もあがっていたな。」
わたしは頬が熱くなるのを感じた。
ぼくはにやにやと笑みを浮かべる。
「迷宮の中なら、エルマートを殺っちゃっていいんだな?」
「逆だな。」
ミュラは冷静に言った。
「こちらの目的はいかにもエルマート殿下の味方のふりをしながら、『燭乱天使』によるハルト殿下の謀殺をふせぐことにある。
エルマート派で王の信用厚いクローディア公爵のパーティには、『燭乱天使』も手はだせない、というわけだからな。」
性格は少し違っていて、まず、わたしは煩わしい人付き合いがだいっきらい。
よほど気に入った相手以外はひとりでいることを好む。
ぼくも煩わしい対人関係は、苦手ではあるが、そこはそれ、適当に合わせておいて、本当にもうダメだと、思ったら、相手も含む一切合切、ズタズタに切り刻めばいいと思っている。
ヨウィスは、家事全般、とくに料理が得意で、気に入った相手にふるまったりするが、ぼくは、食い物は腹が満たされればいいほうで、もし、ひとにご馳走したいなら、適当なレストランをみつくろう。
わたしとぼくの魔力は『 収納』に、ちょっと周りがひくくらいの適性があって、とんでもない量を常時、持ち歩いているが、使う方は、ほぼわたしが行ってる。
ぼくは、収納だけはできるが分類とか、取り出しは苦手だ。
もちろんできないことはないのだが、鍋に水をくもうとして、家を一軒押し流してしまったり、盾を取り出そうして建屋を出してしまったり、けっこうミスが多いのだ。
で、そこまでミスが多いともう「使える」レベルでのはないと、わたしは思う。
だからといって、人格が別かというと決してそうではない。
奨学金とともに妖怪じじいにお褒めのことばまでいただいた(そういうならボルテック閣下または院長先生とちゃんと呼べばいいとぼくなんかは思う)論文「ある魂の統合と分離」を書いたときなどは、ぼくとわたしを意識せずに、執筆を行っていた。
たぶん、ぼくとわたしは、なにかの目的のために分かれた魂の見え方の局面なのだろう。
我ながら面白いと思うのだが、ぼくは、わたしが主人格であって、あまりの陰キャぶりに社会性を高めて周りとコミュニケーションを取るために産まれた第二人格がぼくだと考えている。
いっぽうわたしは、ぼくが第一人格であって、あまりの凶暴性から常時、表にでているのは危険すぎるために、わたしが、造られたのだと思っている。
性と愛についてはどうだろう。
わたしは、ハルトをたぶん好きで、姫《フィオリナ》にあこがれている。
結局、ふたつをひとつにまとめて、ルトとフィオリナのカップルを推している。
わたしの秘密の日記には、想像で書かれたふたりの痴態のあれやこれやが、たぶん本にしたら千ページ分はたまっている。
ぼくも、あの二人が好きだ。
ぼくの好みは、「殺してもしなないヤツ」。
鋼糸でふたつにされた程度で、死んでしまうもろい生き物とは、そもそも恋愛の対象いならない。
その点、あの二人はどちらも合格だ。
ならば、次は肉体的な接触をもとめるのは当然の流れだろう。
ぼくのわたしの体は女性だが、ザレのような凹凸には乏しい。フィオリナのようなすらりと伸びた四肢や躍動感あふれる筋肉美もない。
胸もお尻も貧弱で、糸を操ることでけっこう下をむいてる時間が長いせいか、姿勢も悪い。
わたしは、それにコンプレックスをもっている。人様にお見せするくらいなら、自作のエロ作文で自分を慰めていればすむ。
ぼくは、それはそれでそういう趣味のひとには大いにウケがよいのではないかと思っている。目鼻立ちはまあ、整っているし、それでいて、年齢的には成人に達しているわけなので、後ろ指をさされる心配もない。
いい大人は、性的な欲求はパートナーと解消するべきだ。
というのが、ぼくの持論であって(だってパートナーなんていないし、そんなに簡単につくれるもんじゃないし、とわたしは思う)ハルトはまあ、フィオリナという婚約者がいるのでまずいのなら、フィオリナならばいいのではないか。
あるいは本丸のフィオリナをいきなり、ではちょっと怖いのなら、練習用にザレとつきあってみて、なにも問題はないのだと思う。
そんなもんかなあ、とわたしは思う。
そんなぼくだからこそ、わたしだからこそ。
姑息なやり方で、ハルトと姫を婚約破棄においこんだ王室は許せない。
全身の皮膚を傷つけないようにはがしたあと、塩コショウしてからミンチにしてやろうとわたしが思う。
魂まで切り刻んで、次の輪廻がないようにこの世界から放逐してやる、とぼくは誓う。
「姫か親父殿は?」
数日ぶりの「不死鳥の冠」は、荒れ果てていた。
「営業中止」
の看板を無視してはいったわたしが見たものは。
床にあいた大穴。
倒れた食器棚。
全壊した酒瓶たち。
サブマスターのミュラは、難しい顔で、ひとり書類とにらめっこをしていた。
「挨拶、くらいないの? ヨウィス。」
「ああ、こんにちは。それで姫か親父殿は?」
「明後日まで出入り禁止にしたわ。罪状は、ギルド本部をぶち壊した罪。」
「あの穴も?」
わたしが指さした床の穴に、ミュラは不満そうにフンと鼻で笑った。
「あれはフィオリナが親父殿を投げ飛ばして作った穴ね。投げ飛ばしたのも穴をつくったのもクローディア公爵家の人間だから、請求はクローディア公爵家にするわ。
で、そのとき倒れて壊れた食器棚、食器、および酒類その他一切の弁償もクロ-ディア公爵家が負担することに、たった今、合意が成立したところなの!」
「そうなの。それで姫と親父殿は?
婚約破棄はどうなった?」
「フィオリナは一応その・・・婚約を破棄されたショックで寝込んでることになってるわ。
親父殿は、昨日、王室筋のパーティに呼ばれたあと、お屋敷のほうでお仕事中よ。」
「王室のやつらをぶった斬りに行くから、メンバーを募集してほしい。
わたしの希望は、コッペリオとゾア。」
「却下。却下だね。ヨウィス。」
このところ、こんなときの睨みがだんだん姫に似てきた。
「そもそも婚約破棄の話はどこから聞いた?
いや、たぶん今日明日には、『最強パーティ』や『魔王宮』の解放とあわせて、王室の名で触れがでるだろう。
もう秘密でもなんでもないからどうでもいい。」
「ゾアとコッペリオを貸してくれないなら、わたし一人でいい。」
「エルマートのパーティに、『燭乱天使』がついたぞ。」
「へえ。」
ぼくは笑った。
「なら、ぼくの出番か、な?」
ミュラは、ごくりと喉をならした。ひるみはしたが、引かなかった。
「ハルト殿下は、クローディアとグランダの前面対決は避けるつもりだ。
フィオリナも親父殿もその意をくんで動いている。ヨウィスが勝手に動くなら、わたしが止めるぞ。」
ミュラは本気、だった。
それがわかったから、ぼくはミュラの無駄に長いあんよを切断したりしなかった。
「姫はどうするつもり?」
「むこうの動きに、のる。」
ミュラはたんたんと答えた。
足がわずかに震えている。
ぼくのわたしの好きなのは、殺しても死なないやつだったが、その次に好きなのが、殺されても言うことをきかないやつだ。
肉体的接触の最初の相手は、こいつでもいいな、と、ぼくは思った。
だって、こいつは、フィオリナのアレだぞ、とわたしは思った。
「具体的には?」
「親父殿は、ハルト殿下が婚約破棄騒動をしでかしてくれたおかげで、いまや、がっちりエルマート派だ。しかも陛下の信用も厚いらしい。
『魔王宮』でのパーティ育成競争の見届け役を仰せつかった。
あとはハルト殿下の次のしかけを待って動く。」
「見届け?」
わたしは首をかしげた。
「実際に親父殿も迷宮にはいるのか?」
「そういうことになる。
なので、親父殿の護衛用のパーティが必要だ。
いま、クローディア領から騎士団副長のアイベル殿を呼ぶ手筈になっている。
あとは、コッペリオにゾア、ザレあたりの名前があがってる。
あ、そういえば」
ミュラはコホンと咳払いをした。
「ヨウィスの名前もあがっていたな。」
わたしは頬が熱くなるのを感じた。
ぼくはにやにやと笑みを浮かべる。
「迷宮の中なら、エルマートを殺っちゃっていいんだな?」
「逆だな。」
ミュラは冷静に言った。
「こちらの目的はいかにもエルマート殿下の味方のふりをしながら、『燭乱天使』によるハルト殿下の謀殺をふせぐことにある。
エルマート派で王の信用厚いクローディア公爵のパーティには、『燭乱天使』も手はだせない、というわけだからな。」
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