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クローディア大公の結婚式
伯爵と神子
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どちらも理があり、相反する利を抱えている。こんな場合は争いという方法がとられるのは、人間はもとより、古竜のような超上の存在、あるいは神々ですら、かわらない。
なので、クローディアとガルフィート、双方にとって、ここにふらりと男が現れたのは、決して歓迎出来ないことではなかった。
痩せぎすで、若いころはさぞ二枚目だったであろう。髪も衣類も専属のメイドがいなければ、維持出来ない水準だ。
身につけているものもすべて高価で、一点一点が、ひと財産になるだろう。
だが、クローディアが見たところ、どこか覇気がなく、あるいは体を悪くしているのかもしれない。
男は、クローディアには初対面だったが、ガルフィートは旧知の間柄だったらしく、立ち上がって彼を迎えた。
「お久しぶりです、玲明侯。」
深々にさげた頭に、訪問者は苦笑した。
「いいよ、堅苦しい挨拶は。ここは、ぼくら以外は誰もいない。」
いないことにされたクローディアが苦笑していると、ガルフィートが顔を上げた。
「クローディア陛下。聖光教会の玲明侯を、紹介させていただきます。」
そこまで言われたので、クローディアも気がついた。
玲明侯爵は、神子とも呼ばれ、たしか、聖光教会がその名も無き神、いや聖光教会にとっては、唯一神が、地上に降り立つ時の依代となる存在だ。
これは世襲ではなく、交代で選ばれる。その俗世としての名が玲明侯だ。
引退したあとは、先代玲明侯とか先の玲明侯と呼ばれ、生涯にわたって手厚く保護される。
この男が、当代の玲明侯か。
神の依代、すなわち神子となった時点で、自我は失われると聞いたが、男は充分に人間くさく、別段、何ものかに、憑依されたり、操られたりしている様子はなかった。
「初めてお目にかかります、クローディア陛下。」
そんなふうに、笑顔を浮かべ、手を差し出したのもいかにも人間、であった。
「初めてお目にかかります、玲明侯閣下。」
「ハロルド、という名です。そちらでお呼びください。」
「おい、ハロルド。」
と、呆れたように言ったのは、ガルフィートであった。
「距離を積めるスピードが早いな。」
「いやいや、」
ハロルドは、鷹揚に手を振って見せた。
自ら、ソファに座り込み、ガルフィートにもそうするように命じた。
ガルフィートは、困ったやつだと。顔いっぱいに、書かれたまま腰を下ろした。
「よく、顔を出せたな。アライアス家に。」
そう、ガルフィートが言うと、
「昔懐かしき、アライアスだ。」
ハロルドは、興味深げに周りを見回した。
「まったく、変わってないな。そこの柱の陰から三歳のヘルテが、父ぅえ、と言ってかけてきそうだ。」
「ハロルド閣下は、アライアス家のご出身でなのでしょうか?」
七年前までは。
と、ハロルドは答えた。
「当時はまだ、義理の父母、アライアス家の先代侯爵ご夫妻は、ミトラで暮らしており、私とミーア、ああ、これはアライアス閣下の愛称で近しいものはそう呼ぶのだが。
わたしと、ミーア、それにヘルテの三人でこの屋敷で暮らした。いや、神子などという大役を仰せつかって、離れ離れにされてしまったが、一日足りとて、我が妻、我が子のことは忘れたことはない。」
よく言うわ。
と、ガルフィートは、吐き捨てて笑った。
少なくともこのふたりは、遠慮のいらぬ仲なのだな、とクローディアは思った。
「しかし、どういう風の吹き回しだ、ハロルド。」
ガルフィートが尋ねた。
「クローディア陛下の結婚式には、神の依代として出席を賜る予定だろうが。
おおきな祭事には、かなりの準備がいるときいたぞ。」
「それはおまえと、ミーアが悪い。」ハロルドは切って捨てた。「ギウリークきっての傑物がふたりもついていながら、未だに正式な日取りすら発表できぬとは!」
「それは、なんというか・・・・」
ガルフィートは困って視線をおよがせた。
「大聖堂への化け物の襲来のため、あそこが使えなくなってしまったのが。」
それは、勘違いからくるギムリウスの仕業であった。
「これは、ガルフィート閣下の責ではないのだ、ハロルド閣下。」
見かねて、クローディアは口を挟んだ。
「我々が、オールべを継承するに当たっての細則が複雑でな。」
「火中の栗をひろいましたな、陛下。」
ハロルドはずけずけと言った。
「あそこを安定させて、利益がでるような税収がとれるまで四半世紀はかかるでしょう。」
「それが、だな。」ガルフィートは困った顔で言った。「陛下は、行政のほとんどを鉄道公社にまかせる、とおっしゃっているのだ。」
「税収以外のすべてを、ですか。それは確かにうまい方法ですが、いくら鉄道公社でも承諾しないでしょう。」
「いや、ハロルド。税収もだ。」
苦い顔でガルフィートは言った。
「思い切りましたな、陛下。たしかにオールべは、クローディア大公国からは遠隔地。実をすてて名をとったわけですか。それはまたそれである話だ。しかし」
ハロルドは、目を細めた。
「そうすると、ギウリーク聖帝国が課す兵役はどうなりましょう?
いえ、実際には今日の西域に、戦などなく、兵の動員などは示威行為かパレードくらいだ。それにしても、その分は大公国が持ち出しされるとのことですか?」
「ギウリークの兵役は、常備軍の数に応じて課されるものです。」
クローディアは涼しい顔で答えた。
「オールべ伯爵領に常備軍はなく、したがって、課される兵役もないのです、ハロルド閣下。」
ハロルドは唖然として、クローディアの厳つい顔を見返した。
「・・・それは・・・しかし、野盗や魔物はどうします?」
「鉄道公社の保安部が対応するでしょう。これまでも鉄道路線の保護のために同じことをしてきた者たちです。
質も量も充分でしょう?」
「街の管理はどうします?
あれだけの大都市だ。事件は数限りなく起こります。」
「これまでオールべを管轄したていた警察機構および司法機構は、そのまま残ります。」
「うまくいく、とお考えですか?」
クローディアはゆったりと笑った。
「これまで、オールべは、野盗と結託し列車を止めては、解決金を巻き上げ、乗客をオールべに降ろすことで不当に利益を得ていました。
いつまでもそんなことを続けられるわけは無い。
わたしは、全知全能の存在ではありませんぞ、ハロルド閣下。より“マシ”な結果を求めるだけです。」
なにか、感じる所があったのか、ハロルドは黙り込んだ。しばらくたってから、ガルフィートを見やった顔は、にやにやとした笑いを浮かべていた。
「なるほど!
結婚式が遅れていたのは、やっぱりおまえのさいだな! ガルフィート。
なんとか、穏便な形でオールべの治世が落ちつくように説得していたというわけだ。
残念! 残念だよ、伯爵閣下。どうも私たちは新しい世界の誕生に立ち会っているらしい。産まれた赤子に産湯を使わせなくても、もう産まれてしまったものはどうにもならないのだ。」
なので、クローディアとガルフィート、双方にとって、ここにふらりと男が現れたのは、決して歓迎出来ないことではなかった。
痩せぎすで、若いころはさぞ二枚目だったであろう。髪も衣類も専属のメイドがいなければ、維持出来ない水準だ。
身につけているものもすべて高価で、一点一点が、ひと財産になるだろう。
だが、クローディアが見たところ、どこか覇気がなく、あるいは体を悪くしているのかもしれない。
男は、クローディアには初対面だったが、ガルフィートは旧知の間柄だったらしく、立ち上がって彼を迎えた。
「お久しぶりです、玲明侯。」
深々にさげた頭に、訪問者は苦笑した。
「いいよ、堅苦しい挨拶は。ここは、ぼくら以外は誰もいない。」
いないことにされたクローディアが苦笑していると、ガルフィートが顔を上げた。
「クローディア陛下。聖光教会の玲明侯を、紹介させていただきます。」
そこまで言われたので、クローディアも気がついた。
玲明侯爵は、神子とも呼ばれ、たしか、聖光教会がその名も無き神、いや聖光教会にとっては、唯一神が、地上に降り立つ時の依代となる存在だ。
これは世襲ではなく、交代で選ばれる。その俗世としての名が玲明侯だ。
引退したあとは、先代玲明侯とか先の玲明侯と呼ばれ、生涯にわたって手厚く保護される。
この男が、当代の玲明侯か。
神の依代、すなわち神子となった時点で、自我は失われると聞いたが、男は充分に人間くさく、別段、何ものかに、憑依されたり、操られたりしている様子はなかった。
「初めてお目にかかります、クローディア陛下。」
そんなふうに、笑顔を浮かべ、手を差し出したのもいかにも人間、であった。
「初めてお目にかかります、玲明侯閣下。」
「ハロルド、という名です。そちらでお呼びください。」
「おい、ハロルド。」
と、呆れたように言ったのは、ガルフィートであった。
「距離を積めるスピードが早いな。」
「いやいや、」
ハロルドは、鷹揚に手を振って見せた。
自ら、ソファに座り込み、ガルフィートにもそうするように命じた。
ガルフィートは、困ったやつだと。顔いっぱいに、書かれたまま腰を下ろした。
「よく、顔を出せたな。アライアス家に。」
そう、ガルフィートが言うと、
「昔懐かしき、アライアスだ。」
ハロルドは、興味深げに周りを見回した。
「まったく、変わってないな。そこの柱の陰から三歳のヘルテが、父ぅえ、と言ってかけてきそうだ。」
「ハロルド閣下は、アライアス家のご出身でなのでしょうか?」
七年前までは。
と、ハロルドは答えた。
「当時はまだ、義理の父母、アライアス家の先代侯爵ご夫妻は、ミトラで暮らしており、私とミーア、ああ、これはアライアス閣下の愛称で近しいものはそう呼ぶのだが。
わたしと、ミーア、それにヘルテの三人でこの屋敷で暮らした。いや、神子などという大役を仰せつかって、離れ離れにされてしまったが、一日足りとて、我が妻、我が子のことは忘れたことはない。」
よく言うわ。
と、ガルフィートは、吐き捨てて笑った。
少なくともこのふたりは、遠慮のいらぬ仲なのだな、とクローディアは思った。
「しかし、どういう風の吹き回しだ、ハロルド。」
ガルフィートが尋ねた。
「クローディア陛下の結婚式には、神の依代として出席を賜る予定だろうが。
おおきな祭事には、かなりの準備がいるときいたぞ。」
「それはおまえと、ミーアが悪い。」ハロルドは切って捨てた。「ギウリークきっての傑物がふたりもついていながら、未だに正式な日取りすら発表できぬとは!」
「それは、なんというか・・・・」
ガルフィートは困って視線をおよがせた。
「大聖堂への化け物の襲来のため、あそこが使えなくなってしまったのが。」
それは、勘違いからくるギムリウスの仕業であった。
「これは、ガルフィート閣下の責ではないのだ、ハロルド閣下。」
見かねて、クローディアは口を挟んだ。
「我々が、オールべを継承するに当たっての細則が複雑でな。」
「火中の栗をひろいましたな、陛下。」
ハロルドはずけずけと言った。
「あそこを安定させて、利益がでるような税収がとれるまで四半世紀はかかるでしょう。」
「それが、だな。」ガルフィートは困った顔で言った。「陛下は、行政のほとんどを鉄道公社にまかせる、とおっしゃっているのだ。」
「税収以外のすべてを、ですか。それは確かにうまい方法ですが、いくら鉄道公社でも承諾しないでしょう。」
「いや、ハロルド。税収もだ。」
苦い顔でガルフィートは言った。
「思い切りましたな、陛下。たしかにオールべは、クローディア大公国からは遠隔地。実をすてて名をとったわけですか。それはまたそれである話だ。しかし」
ハロルドは、目を細めた。
「そうすると、ギウリーク聖帝国が課す兵役はどうなりましょう?
いえ、実際には今日の西域に、戦などなく、兵の動員などは示威行為かパレードくらいだ。それにしても、その分は大公国が持ち出しされるとのことですか?」
「ギウリークの兵役は、常備軍の数に応じて課されるものです。」
クローディアは涼しい顔で答えた。
「オールべ伯爵領に常備軍はなく、したがって、課される兵役もないのです、ハロルド閣下。」
ハロルドは唖然として、クローディアの厳つい顔を見返した。
「・・・それは・・・しかし、野盗や魔物はどうします?」
「鉄道公社の保安部が対応するでしょう。これまでも鉄道路線の保護のために同じことをしてきた者たちです。
質も量も充分でしょう?」
「街の管理はどうします?
あれだけの大都市だ。事件は数限りなく起こります。」
「これまでオールべを管轄したていた警察機構および司法機構は、そのまま残ります。」
「うまくいく、とお考えですか?」
クローディアはゆったりと笑った。
「これまで、オールべは、野盗と結託し列車を止めては、解決金を巻き上げ、乗客をオールべに降ろすことで不当に利益を得ていました。
いつまでもそんなことを続けられるわけは無い。
わたしは、全知全能の存在ではありませんぞ、ハロルド閣下。より“マシ”な結果を求めるだけです。」
なにか、感じる所があったのか、ハロルドは黙り込んだ。しばらくたってから、ガルフィートを見やった顔は、にやにやとした笑いを浮かべていた。
「なるほど!
結婚式が遅れていたのは、やっぱりおまえのさいだな! ガルフィート。
なんとか、穏便な形でオールべの治世が落ちつくように説得していたというわけだ。
残念! 残念だよ、伯爵閣下。どうも私たちは新しい世界の誕生に立ち会っているらしい。産まれた赤子に産湯を使わせなくても、もう産まれてしまったものはどうにもならないのだ。」
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