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第80話 神獣VS斧神
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アウデリアは、呆れたように、城塞のごとくそびえ立つ巨体を見上げている。
「ギムリウス? あのギムリウスか?」
「はい!」
ギムリウスは、はきはきと答えた。
とっても良い子。
「アウデリアさまが、どのギムリウスのことを言ってるのかわかりかねますが、カナル紀からこちらでしたら、わたし以外にギムリウスを名乗る知性ある獣は、おりません。」
「そうか。
ちなみに、わたしは『あの』アウデリアなのだが、『試し』の必要があるのか。」
「はい!
あなたが本当に『あの』アウデリアなのかを試す必要があります。
人間は名前を変えたり、偽ることができるからです。」
「具体的にはどうするのかな?
冒険者証は持っているし、もともとの出身地である中間の侯爵家に伝わる家紋の入ったメダルもあるが。」
アウデリアは、明らかにギムリウスをからかっていた。
ギムリウスは、怒る様子もなく、いたってまじめにこう返した。
「持ち物は、持ち主から譲り受けることが出来ます。
アウデリアの名前の入ったものを持っているものが、あのアウデリアなのかは、判断ができません。」
「ならば何をもって、試す?」
蜘蛛は、支柱ほどもある脚を上げた。
アウデリアにとっては、攻城用の破砕槌を振り上げられたように見えたし、実際の威力もその通りだった。
「ギムリウス? あのギムリウスか?」
「はい!」
ギムリウスは、はきはきと答えた。
とっても良い子。
「アウデリアさまが、どのギムリウスのことを言ってるのかわかりかねますが、カナル紀からこちらでしたら、わたし以外にギムリウスを名乗る知性ある獣は、おりません。」
「そうか。
ちなみに、わたしは『あの』アウデリアなのだが、『試し』の必要があるのか。」
「はい!
あなたが本当に『あの』アウデリアなのかを試す必要があります。
人間は名前を変えたり、偽ることができるからです。」
「具体的にはどうするのかな?
冒険者証は持っているし、もともとの出身地である中間の侯爵家に伝わる家紋の入ったメダルもあるが。」
アウデリアは、明らかにギムリウスをからかっていた。
ギムリウスは、怒る様子もなく、いたってまじめにこう返した。
「持ち物は、持ち主から譲り受けることが出来ます。
アウデリアの名前の入ったものを持っているものが、あのアウデリアなのかは、判断ができません。」
「ならば何をもって、試す?」
蜘蛛は、支柱ほどもある脚を上げた。
アウデリアにとっては、攻城用の破砕槌を振り上げられたように見えたし、実際の威力もその通りだった。
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ご覧いただきありがとうございます。なんとか完結しました。彼らの物語はまだ続きます。後日談https://www.alphapolis.co.jp/novel/807186218/844632510
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