Another World

第一章

注目

僕の住処は、狭くて陽の当らない場所にある。
陽の光は、長いトンネルの向こうにしか見えない。
世界の端っこに追いやられらたような僕にも、ささやかな願いがある。
あるがままの姿で、自由に生きたい。
注目されなくてもいい、ただ太陽の光を浴びて生きたいだけ。
願うのは簡単だけど、実行するのは難しい。
願っていても、努力しなければ何も変わらない。
僕はトンネルを抜けるための努力をした。
まず、しっかりを足を踏みしめる。
それから、僕は薄暗く湿度の高いトンネルの壁にそって、少しずつ進んだ。
大きな岩を越え、時にはヘドロの中を、力を振り絞って切り進んでいく。
湿度の高い壁を、地道に進んでいくと、明るくなっていくのが分かった。
そこで僕は嬉しくなって、一気にトンネルを抜け出した。
ああ、陽の光はいいなぁ。
新鮮な風はいいなぁ。


「あっ！」
僕は外に出た途端、注目されてしまった。
ただ、太陽の光を浴びて、ゆっくりしたいだけなのに。


女は、憧れの男の鼻毛を発見した。