Finale Love

卯月 桜🍒

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♪交 換♪

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弥生は毎日の日課であるブログチェックをしていた。

誰の足ペタ?

弥生は思わずプロフィールへと飛んだ。

バンド組んでるだー・・・。
福岡の人なんだ。
なんでこの人、私のブログ見にきたんだろう?
まっいっか。

弥生はその人のブログを少しだけ読んでみてコメントを残した。

「ブログ拝見ありがとうございます。バンド組んでるんですね。大変だとは思いますが、頑張ってください」

バンドかー・・・。
私も夢見てたなー・・・。
でも今は自分の生活でいっぱいいっぱいだから出来るわけない。
少しこの人が羨ましいかも?
明日も仕事だから寝よ。

弥生は眠りにつた。
翌日、いつも通りの日常を送っていた。

メール送ってみようかなー?
どうしようかなー?

弥生は迷いながらもメールを送信してしまった。
これから先『恋』に堕ちるとは知らずに。
数日後、弥生のスマホにメールの返信がきた。
メールのやり取りをしながらも弥生は興味を抱き惹かれ初めた。
自分の気持ちに気づいた弥生は悩んだ。

私、この人に恋してる。
この人のことが知りたい。
でも、この人はそうじゃないかもしれない。
それでも私はこの人を知りたい。
ファンではなく一個人として。
考えすぎかもしれないけど、もしこの人の彼女になるだったら自分自身が変わらなきゃいけない。
強くならなきゃいけない。
今の自分じゃダメ。

弥生は自分の正直な気持ちをメールで送信した。
けれど、その人からの返信はないままだった。

やっぱ、自分のアドレス教えるのって勇気いる。
これで直接返信がなければそれまで。

それから3日後。
知らないアドレスからメールがきていた。
弥生はまさかと思いメールを開いた。

「メールありがとう。ハルキです。ライブ終わりはバタバタしてて返信遅れた。これからよろしくね。名前なんて言うの?」

えっ!? ウソ!?
返信がくるとは思わなかった。

弥生は戸惑いながらも返信した。

「私の名前は水無月弥生(みなづきやよい)です。こちらこそよろしくお願いします」
「弥生ちゃんね。登録しとくね。遠慮しないでメールしてきてね」
「メールありがとうございます」

まさかメールが返ってくるなんて思わなかった。
でも・・・嬉しい。

遥樹とのメールのやり取りが始まりクリスマスを迎えた。

今年もこの時期がきたかー・・・。
早いなー・・・。
今年も1人だろうな・・・。
遥樹君は今頃何してるだろう?
メールしてみようかなー・・・?
それともやめようかなー・・・。
どうしよう・・・。
クリスマスだからメールでメリークリスマスって送ろうかな。

弥生はスマホに手を伸ばした。

あれ・・・?
メールが入ってる。
誰からだろう?

「メリークリスマス」

遥樹君からだ。
同じこと考えてたんだ。
嬉しい。
遥樹君のアドレスって番号なんだ。
この番号に電話したら遥樹君出るのかな?
夜中の0時だから遅いよねー・・・。
遥樹君と話してみたよなー・・・。
どうしようかなー・・・。

弥生は迷いに迷って電話をしてしまった。
着信に気づいた遥樹は電話に出た。

「はい・・・」
「弥生ですけど・・・」
「ああー・・・」
「今、少し話せます?」
「うん」
「突然、電話なんかしてごめんね」
「別にいいよ」
「今って何してるんですか?」
「これから友達のクリスマスパーティーに誘われてるから行くところだよ」
「そうなんだ・・・。私も今から飛行機に乗って福岡に行こうかな。なんーてね・・・」
「それいいね」
「遥樹君と電話で話すの初めてだね」
「うん」
「遥樹君ってさー・・・」
「何?」
「年上の女性じゃないとダメなんだろうね。遥樹君がすることに対して何も言わなくて束縛しなくて大らかで心の器がでかい人じゃないとダメなんだろうね」
「言われてみるとそうだね。前世で会ってたりして」
「えっ・・・」
「もうー店についたから切るわ」
「楽しんでね」
「うん」

弥生は電話を切った。

前世で会ってたりしていたかもしれない。
もしそうならいいのになー・・・。
私、信じること出来るのかな?
遥樹君をー・・・。
本当に運命のつながりってあるのなー・・・?
それが赤い糸なのかなー・・・?
どうなんだろうー・・・?
なんか、考えるだけで少しイヤになってくるな。
なんだろうー・・・? この気持ち・・・?
でも、今年のクリスマスは少し嬉しいクリスマスになった。
遥樹君と始めて電話で話したし、遥樹君のアドレスと番号わかったし。
なんか、ハッピーになってる。
久しぶりのトキメキ。
ちゃんと恋愛できるか不安。
でも『恋愛』や『恋』は自然にするもの。
無理にするものではない。
遥樹君の声って電話で聞くと低いんだ。
歌声は高いのにー・・・。
私って、声が高くて歌がうまい人に惹かれることが多い。
やっぱり、これって、遺伝なのかな?
私の家族はみんな声が高くて私意外、歌がうまかった。
とくに兄なんて。
兄の歌声なんて、透き通ってキレイな歌声で高い。
ある意味、癒しの歌声。
天使の歌声って言うのかな?
どうなんだろう?
でも、私にとっては兄が1番歌がうまい。
私も兄みたいに絶対音感があればいいのに。
そうすれば、ハモられてもつられることないのに。
でも、つられちゃうんだよな。
やっぱり、私って、才能ないんだよな。
なんか遥樹君が羨ましい。
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