黒と白の世界

賭けろ！

第2話 金と記憶

依頼人がやってきた。50代後半に見える男だった、その目には隈があり疲労と睡眠不足が感じれる。

「ようこそオセローへ」
俺がそう話かけるたび、
「探偵さん助けてください」
そう言ってきた、

「まあ落ち着いてください、ここに座ってください、」
カタッと椅子を引き、話しを伺った。


「私の名前は谷戸ユウイチと申します、しがないサラリーマンです、

私と女房には、大学生の双子の男の子がいるのですが、その弟の方がギャンブルで大量の借金を作ってしまいました、私たちは裕福ではなく返済能力がなく、家の物ほとんどを当てても足りませんでした。　
ここまでならまだある話なのですが、奇妙なことに次男はお金が足りない分、記憶を取られてしまったのです。」
「記憶を…」
俺は困った、今まで色々な奇妙な依頼があったが、こんなのは初めてだ。

「ユウイチ様息子様は、どのようなご様子で？」
イアが尋ねる。
「家まで着いて来れば分かります、長男も今錯乱していて大変なんです、ことがことだから警察にも相談しにくく、とにかく来て下さい。」
結局俺達はついて行くことになった

15時30分
「店長…今回の事件も難しそう」
今回もじゃねーよ！おまえ初めてだろ！
とユキに心の中でツッコミを入れつつ到着した。


ユウイチさんの自宅にお邪魔した、いきなり半狂乱になっている包丁を持った男が居た。　包丁を持った男！
俺は目を疑った、俺は
「落ち着いてください！」
急いで言う、
「やめろ！」
ユウイチさんも急いで言うが
「落ち着いて居られるか！弟がこうなっちまったんだ、家も売り家になった！もう銀行強盗しかないんだ」
そう言いながら俺をバコッとつき倒し走っていった。

「ウインチハンド！」
グィッ　グイッ
その瞬間、イアがウインチのハンドパーツを使って走っていく包丁を持った男を引き寄せた。

男は唖然としていた、
「体温、心拍数の異常、高ストレス状態を検知しました」

イアの耳打ちに答えながら質問する。
「落ち着いてください、あなたはお兄さんですよね」
「ああ…それより今のは？」
「さあ？あなたの気のせいではないですか？それより、弟さんは、どこにいるんですか？」
俺は誤魔化しながら質問する
「弟は今入院しているよ…記憶が戻らなくて…」そう言いながら包丁を床におく。
「お名前は？」
ユキが尋ねる
「俺は谷戸アキラ、会社員だ」

「俺は一之瀬クロト、探偵だ、ユウイチさんの依頼で弟さんを助けに来た」

「探偵さん…ありがとうございます！」
うんうんとユウイチさんが頷く

プルルルプルルルル
突然電話がかかってきた、
「俺がでる」
そう言いながらアキラさんは電話をとった
「もしもし」
「もしもし、私は弟さんの記憶をとった者なんですけど」
「ナニッ」
四人と一台に衝撃がはしる。
「オッホッホ私の名前はチェ．チャウと言います、
あなたのことは、知っています、賭けに負けた時アキラ兄ちゃんごめん…とおっしゃってましたから」

「テメェ」
アキラさんは怒り浸透だ
「オッホッホそう怒んないで下さい、
ちゃんと記憶をギャンブルのチップに変えることは、本人の同意をとりましたから、
ですが私も悪魔ではないです、私のカジノ場で弟さんが負けた分勝って取り返せばいいんですよ、場所は神去商店街跡、そうあのシャッター街の地下ですよ、明日の夜ギャンブルはスタートします、ではでは」

チャウと名乗る男は一方的に話をしてきった。」

「宣戦布告だよね…店長どうする？」
ユキが俺を見る。
「探偵さんなんですよね、この勝負受けてください、俺の記憶を元金にして」
「ああ！」
俺は力強く頷いた、何故なら俺達には必勝法があるからだ。俺はイアを見る、
「任せてください」

イアは作りものであろう目を光らせて言った。