モウム

 私がだれかなんて重要ではない。なぜなら、いつか必ず知るからだ。ただ、モブかと言われたらそうでもない。お楽しみは後でというやつだね。それよりも今は、私の話を聞いてもらおうか。
 
 強い想いは形を成す。常人には見えないそれ、『異形』の存在を知ってしまったら、普通の生活に戻ることは限りなく困難に近い。倒さなと行けない、なんていう綺麗な理由ではなく、死にたくないというあまりにも身勝手で醜い、不純な理由だ。しかし、殺らなければ殺られるのだからしょうがないだろう。
 恐怖を見せてはならない。自分の想いに揺らぎを見せてはならない。そんな世界で生きるために必要なのは―――ずばり、イカれている。もっと言えば、狂っていること。そして、狂うだけではなく自分の想いに従い力に変換すること。この変換が、常人と異形を狩るもの、異能者との違いにつながるのだが、その話はおいておくことにするよ。

 さて、また一人この世界に踏み込んでしまったものがいるようだね。踏み込んでしまったのは不可抗力か、または自分の意思か。はたして彼はどのような奇譚を作ってくれるのだろうか。私に会うために頑張ってくれよ、柊渚君。しかし、まさかあの茜が動くなんて、うん。面白くなりそうだ。いつか会えるように願っていてあげよう。そうすればいつか、きっと、、、。
24h.ポイント 0pt
0
小説 191,950 位 / 191,950件 ファンタジー 44,584 位 / 44,584件

あなたにおすすめの小説

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

ゆきち創作短編集

ゆきち
ファンタジー
作者(ゆきち)がこれまで書いた短いお話をまとめたものです。 それぞれのお話につながりはなく、世界観もバラバラです。 唐突に始まり、突然終わります。 誰かの暇潰しにでもなれば幸いです。 ※タイトルの後に「☆」が付いているお話は、近況ボードにあとがきがあります。(内容の解説やイラスト掲載など)

【取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

イットーサイ

岡山工場(inpipo)
歴史・時代
狸が猿の子孫を滅ぼし天下太平の世が訪れようとしている慶長年間。砦の兵の目をかすめ、生ゴミからその日の糧を奪い取る孤児の集団がいた。リーダー格の石彦と犬丸、その妹の葛。砦の汚わい集めの親分権蔵と手を組んだ別の孤児集団のリーダー太一は石彦らと縄張り争いを繰り返していた。そんなある日、激しい豪雨がやんだ後、石彦たちは崖崩れの中からイットーサイと名乗る老人を拾う。天下一を名乗るその老人こそが石彦たちの人生の転轍機であった。

闇鍋【一話完結短編集】

だんぞう
ライト文芸
奇譚、SF、ファンタジー、軽めの怪談などの風味を集めた短編集です。 ジャンルを横断しているように見えるのは、「日常にある悲喜こもごもに非日常が少し混ざる」という意味では自分の中では同じカテゴリであるからです。アルファポリスさんに「ライト文芸」というジャンルがあり、本当に嬉しいです。 念のためタイトルの前に風味ジャンルを添えますので、どうぞご自由につまみ食いしてください。 読んでくださった方の良い気分転換になれれば幸いです。

ギルド・ティルナノーグサーガ 『ブルジァ家の秘密』

路地裏の喫茶店
ファンタジー
あらすじ: 請け負いギルド ティルナノーグの斧戦士グラウリーは呪われた高山ダンジョン『バルティモナ山』の秘宝を持ち帰ってほしいと言う依頼を受けた。 最初は支部が違うメンバー同士のいがみ合いがあるものの冒険が進む中で結束は深まっていく。だがメンバーの中心人物グラウリーには隠された過去があった。 ハイファンタジー、冒険譚。群像劇。 長く続く(予定の)ギルドファンタジーの第一章。 地の文描写しっかり目。最後に外伝も掲載。 現在第二章を執筆中。 ※2話、3話、5話の挿絵は親友に描いてもらったものです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ー河童奇譚ーカッパになった私は神々と…

逢汲彼方
キャラ文芸
宮村葵。今日も会社への道のりを爆走中。途中、出会った猫に導かれ、とある神社に行くと、なぜか葵は河童になってしまっていた…。 その神社で出会った不思議な神様。つい見惚れてしまうしまうほど美しいのに、性格は高慢でイジワルな、いけ好かない神様だった! 河童になった葵はいったいこれからどうなってしまうのか!この神様はいったい葵を…!?