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第四章
第72話
しおりを挟む「エアさん。お待たせして申し訳ございません。これから何処に出掛けますか?」
「今日は・・・って。キッカさん。今の人たちは放っておいて大丈夫なのですか?」
本日の護衛はキッカさんですが、複数の訪問者がいるようでその人の対応をしていました。それなのに、私に気付いて訪問者たちを放置して駆け寄って来たのです。
彼らはキッカさんの背後で絶賛『お睨み中』です。
キッカさんも気付いているようで、彼らの視界から私を隠すように背後にいます。
「ええ。エリーの客ですから。それで、今日は何処に出掛けますか?」
「キッカさんが一緒ならジェフェールでスイーツを頂きましょう。他の方々は女性たちの中に入るのはちょっと抵抗があるみたいなんです。エリーさんには何かお土産を・・・」
「今日は隊長たちも押しかけて来ると思いますよ」
「あら。じゃあ、ロールケーキかタルトを」
「もったいないです」
「・・・だったら、収納ボックスに入っている『フルーツたっぷりロールケーキ』を出しましょうか。此方はまだ皆さんには出していませんよ?」
「エアさん。それはもしかして」
「もしかしなくても『ジェフェール限定』のアレですよ。『叩き売り』で買ったので、まだまだありますもの」
私がクスクス笑うと『しまった!』という表情を見せてから、顔を寄せて耳元で「それだけは勘弁してください」と小声で言われました。
「わざと『タルト・タタン』やタルト、パイやロールケーキなど『ジェフェールとかぶってしまうスイーツ』を作ってないんですけどねえ。あ、でも好物のアップルパイは作りましたね。じゃあ、他のパイも作ろうかしら」
「エアさん・・・」
「パイで作りたいのがあるので『ひとつだけ』ですよ。それに『ジェフェール』を潰す気はないです。でもジェフェール側が向上心を忘れて人気に『あぐら』をかくようなら、一気にスイーツ部門を充実させますよ」
そう。洋菓子はジェフェールがあるので、作るのを控えているのです。それにパパさんの喫茶店が出来てしまったことも原因のひとつです。パパさんなら理由を知れば『店に出さない』と言ってくれるでしょう。ですが『店の方針に私は関わらない』と決めています。
私自身は洋菓子が好きです。作るのも食べるのも。ですが既存の店と『潰し合い』になるのは好ましくありません。
ちなみに、私が作りたいのは『ミートパイ』です。これなら甘くないため、甘いのが苦手な女性でも男性でも食べられるでしょう。
「エアさん。気を使わせてしまいすみません」
「気にしないでください。私もジェフェールのスイーツを気に入っているんですから。それより、この話はこれで終わりにしましょう。人目につきますよ」
私の言葉に、足元がすでに舗装された道になっているのに気付いたようです。小さな声で「すみません」と謝って来ました。
「さっきはどうしたんですか?何時ものキッカさんらしくないですよ?」
何時もなら冷静な方のキッカさんですが、今日は注意力が欠けているような気がします。
いま私たちがいるのは『ジェフェール』です。30分ほど並んで、やっと空いた端の席に向かい合わせで腰掛けて、スイーツセットを注文したところです。
「エアさん・・・。ちょっと『イヤな話』を聞いてもらっても良いですか?」
「それで少しでも何時ものキッカさんに戻って頂けるのでしたらどうぞ」
窓ぎわの席ですが、私は横と背後は壁で、テーブルとキッカさんの横が窓になっています。外からはキッカさんの姿は見えますが、私は窓から覗かないと見えません。そして周囲から少し離れているのと、スイーツを前に燥ぐ女性たちの声で、あまり聞かれることはないでしょう。
「ありがとうございます。・・・さっき、出てくる時にいた男たちを覚えていますか?」
「ええ。正直に言って存在自体『不快感満載』で溢れていました。気をつけないと、ホブゴブリンと間違えて討伐してしまいそうになりました」
私の率直な意見に小さく吹き出すと、クックッと笑い出しました。
「エ、エアさんの『本能』は流石です。危険予知というか危険回避能力は高いですね。ですが、その本能のまま攻撃しないで下さい。・・・アレが例の『鼻つまみ者たち』ですよ」
「ああ。アレが、ですか」
キッカさんが、まだ止まらない笑いを必死に押さえながら説明してくれました。
そうですか。アレが・・・って。
「あの?たしか一発で『交渉決裂』していませんでしたか?それなのに、まだ此処に残っているのですか?」
ええ。交渉開始から決裂まで僅か1分。
エリーさんに「抱いてやるから交渉相手と会わせろ」と言って決裂しました。
「挨拶もなく開口一番にいうセリフだと思う?」
エリーさんに、火魔法でケシズミにされず、風魔法でミンチにされずに済んで良かったじゃないか。と皆さんが言っていました。エリーさん自身は「エアちゃんの代理じゃなかったら、この世から消してやったのに!」と言いながら、私に抱きついて気持ちを抑えていました。
・・・それなのに来たんですか。懲りない人たちですね。
「そうなんです。さっきも何をとち狂っていたのか、俺を「お抱え騎士にしてやる」と言われたので断って来ました」
「それって、思いっきり『他国の国宝目当て』ですよね。「交渉相手を愛人にしてやる」って宣言していましたし。さすがにキッカさん相手に「愛人にしてやる」って言えませんでしたか」
「・・・笑い事ではないですよ」
クスクス笑う私にキッカさんも苦笑します。そんな私たちのテーブルに「お待たせしました」と言ってケーキセットが運ばれてきました。
あれ?今までそんなこと言われなかった気がするんだけど。黙って横に来てテーブルに乗せていくだけだったのに?キッカさんもチャットで誰かに連絡を取っています。
「エアさん。接客マナーが『アイデア登録』されているようですね」
「え?・・・ああ。そういえば、パパさんに請われてママさんに教えたことがあります」
「此処はそれを取り入れたようですよ。以前、お客で行った時に気持ちよく過ごせたと。・・・もしかして喫茶店の接客をしたことがありませんか?接客マナーが良かったから此処で働いてもらおうと思ったら、何時の間にかいなくなっていたと言っています」
「私が店に出たのは一度。それも短時間だけです。・・・あの時、何番テーブルにいたのでしょう?」
「えっと『8番テーブル』だそうです」
「・・・ああ。フィッシュアンドチップスと厚焼き玉子サンドのお客さん。複数で来られていましたね。あれと別テーブルの明太子クリームパスタは私が作ったんですよ」
「その時の客はラッキーですね。『本人の手料理』が食べられたんですから」
「んー?じゃあ、エリーさんたちやキッカさんたちもラッキーですか?」
「いえ。けっこうな頻度で、それも新作の料理を誰よりも先に口に出来る俺たちは『大ラッキー』ですよ」
その代金が『住処の部屋を一室提供』だそうです。必ずパーティの半数が王都に残っているため、何時でも使い放題だそうです。
そんな話をしながらケーキと紅茶を頂いてから伝票を持ってレジへ。この注文伝票を各テーブルに置いていく方式も、ジェフェールでは取り入れられていました。
実は注文伝票には会計の時に時間短縮になるよう、事前に合計金額を書くようにしました。追加注文時には合計金額も変更されますし、何よりこれはマーレンくんの勉強のためです。注文伝票に書いてあれば、ユーシスくんやママさんも金額が間違っていないかチェック出来るのです。
特に開店直後に入ったお客さんは、ほぼ近い時間で帰られます。そうなのです。レジが混む時間が出来てしまうのです。
開店前に練習してみたら、レジに並ばれるとマーレンくんがパニックを起こしてしまい、計算ミスを繰り返してしまいました。マーレンくんは今までほとんど裏方だったので仕方がないでしょう。
そのため、レジで慌てずに対応するため、『注文された料理が出来る間に金額を事前に書き込む』方式を取ったのです。料金表はカウンターにも置いてあるので、料理名を確認して金額を書くようにしました。そして、一番下に合計金額を書くのは日本と同じです。
これだと、マーレンくんは一度もミスをしなくなりました。
「キミ、『エア・ズ・カフェ』にいた娘だろ?」
レジでキッカさんが伝票を出すと、ピンク色の髪をしたウェイターさんに馴れ馴れしく話し掛けられました。たとえ客が家族や恋人であったとしても『私語は禁止』です。
・・・彼は『接客業失格』ですね。
ちなみに、『エア・ズ・カフェ』とはパパさんがつけた喫茶店の名前です。私の料理だけを出すため、そう名付けたと聞きました。実は恥ずかしいため違う店名にして欲しかったのですが・・・。あの寡黙なパパさんが自慢げに話す姿を見たら、何も言えなくなりました。
「なあなあ。キミって可愛いよね~。この店で働かない?固定客増えるよ~。給金も弾むから、もう冒険者をしなくてもイイし。いい案だろ?なあ?あんな『たいしたことのない店』の給金なんか『たいした額でもない』だろ?なあ、今からでも此処で働けよ。オーナーにはオレから頼んでやるからさ~」
「おい。彼女は・・・」
「キッカさん」
慌てたキッカさんを止めて首を左右に振ると、キッカさんは黙ってくれました。こういう時は、誰かが代わりに断るより自分の口で直接断った方が良いでしょう。
「ねえ。さっきから貴方は私を『自分のもの』のように勝手なことを言って勝手に私のことを決めていますけど・・・。肝心な『私の名前』をご存知なのですか?」
「え~。そういえば、キミ、なんて名前?あ!そうだ。キミ、オレの18番目の彼女にしてあげてもイイよ~。だから名前を教えてくれないかな?ああ。今夜、オレ空いてるからさあ。仕事が終わったら、朝までオレのベッドの中で『愛を語り明かそう』ぜ」
あーあ。後ろですごい目で睨みつけている方たちがいます。黒髪の方たちなので、キッカさんのご兄弟でしょうか。
「では改めまして。私の名前は『エア』と申します。一生懸命、私のレシピを再現して下さる方々を二度と侮辱しないでいただけますか?そして、もちろん二度と店に入らないで下さい。『たいしたことのない店』ですし『たいしたことのない料理』ですよね。高尚な貴方のお口には合わないでしょうから、二度と口にしないで下さい。いえ。私のレシピを購入しないで下さい。私の接客マナーを中途半端な気持ちで身につけないで下さい。それも私のレシピです。今の貴方の態度は『接客マナー失格』です。これ以上、私のレシピを侮辱しないでいただけますか?それに・・・貴方の何番目かわからない恋人に選ばれるなんてお断りです。何の『罰ゲーム』ですか?だいたい、貴方みたいな節操なしに目をつけられるのも関わられるのも付き纏われるのも迷惑です。・・・・・・気持ち悪いですわ」
キッカさん。後ろを向いていますが、笑いを堪えていますね?肩が小刻みに震えていますよ。それと、厨房で殺気を纏っていた皆さん。貴方方も、声を出さずにお腹を抱えて笑うなんて器用な技を披露していないでお仕事をして下さい。
お忘れかもしれませんが・・・。私たちはまだ会計を済ませていないのですよ?
「キッカさん。お会計を別の方に代わって頂いた方が良くないでしょうか?。床に座り込んで『汚い方』に、持ち帰りのスイーツを注文なんて汚らわしくて出来ません。『節操なし』や『自意識過剰』や『モテてるつもりの嫌われ者』など、何かしらの『病原菌』が付着して感染してしまいそうです」
「・・・ああ。たしかにそうですね」
私たちの会話が聞こえたのか、すぐに奥から女性が現れました。さっきの気持ち悪い男は、他のウェイターたちに奥へズルズルと引き摺られて行きました。とっくに男の精神力はゼロになっているのか、『抜け殻状態』になっています。
「墓地に深く埋めてあげないと『死霊化や彷徨う死体化や奴隷化した死体化』して、後々面倒になるかもね。その時は遠慮なくトドメを刺してあげるけど」
「残念ですが、彼はまだ生きていますから『見つけ次第あの世に送る』のはダメですよ」
「じゃあ、もう一度『埋め直し』て差し上げましょう」
「・・・ですから、『まだ生きている』ので埋め直ししないで下さい」
「・・・でも『女性の敵』ですよ?生かしていても『百害あって一利なし』でしょう?」
「その時は守備隊に引き渡しましょう。罰金刑で反省しなければ短期間の犯罪奴隷。それでもダメなら、さらに重い罪になります」
奴隷と一概に言っても、ルーフォートの前町長みたいに『下水道の掃除人』だったり、深夜から早朝にかけて『広場や道路の掃除人』みたいに軽い罰から、メルリやガータンの妻子みたいに『娼館や男娼館』に売られる者。そして、鉱山に売られる者。鉱山に売られても、『任期がある者』から『永久奴隷』まで様々ある。はじまりの迷宮にいたボンクラ貴族息子のような未成年なら『期間限定の鉱山奴隷+男娼』はよくあることらしい。横領を繰り返していたボンクラ息子の親族たちは、借金奴隷として鉱山で『横領した額』を返却させられている。・・・少女たちを性奴隷に調教して貴族に売っていたボンクラ息子の父親は、歯をすべて抜かれて去勢後、鉱山に送られて『永久奴隷+性奴隷』として死ぬまで使われることになっている。
『犯した罪と同等かそれ以上の罰』を受けるのがこの世界では常識だ。
その代わり、被害者が許さなくても『第三者に罰を委託する』ことが出来る。商人ギルドの受付嬢5人の処分をシェリアさんに任せたのがそれにあたる。
ルーフォートで、ブラームスさんの処分としてオーガストさんを町長として導くことにしたのも、『オーガストさんに罰を委託した』ことになっている。『オーガストさんが立派な町長になった』ら許される。しかし、どこかでギルモアのように罪を犯せば、オーガストさんと同じ罪を背負い罰を受ける。
・・・私は、オーガストさんなら立派な町長になりブラームスさんの罪が許されると信じている。
「キッカさん。エリーさんたちのお土産はどれにしますか?」
「そうですね。このパウンドケーキにしましょうか」
「木の実は・・・食べたことがあるので、此方のフルーツを頂けますか?」
私が選ぶと、女性はすぐに『持ち帰り』の準備に入りました。その様子を見ていたら、キッカさんがコソッと話しかけて来ました。
「エアさん。けっこう怒っていたんですね」
「・・・私は事実を言っただけです。それに『私の料理が嫌い』なのは構いません。ですが『店を貶める』のは許せません。あれはパパさんの店だけでなく、あんな男を雇っているジェフェールの名をも貶めたんですよ?」
それに『何番目かの彼女』って、セイマールの王太子と同じことを言っているんですよ?気持ち悪いじゃないですか。
そう言った私に「たしかに、あの男の言った話の内容は全く同じですね」と同意してくれました。
「・・・キッカさん。シェリアさんから『商人ギルドに来て欲しい』とチャットが届きました」
「此方にはエリーから『ブチ切れチャット』が届きました。アレを押し付けたことで「帰ったら覚えてろ」とのことです」
「じゃあ、すぐに離れないと『私が本能からホブゴブリンと間違えて抹殺しようとした』って伝えてください。っていうか、さっきの男で思い出して不快になってます。ふたたび邂逅しようもんなら、『イノシシと間違えて生きながら埋葬する』気だ、と伝えてください。ついでに、窒息で長く苦しませたいが、イノシシと同じように穴の中に『土の杭』を乱立させて一瞬で消した方が良いのかを聞いていると伝えてください」
そう言ったら、キッカさんの表情が引き攣ってしまいました。さっきの男の件で、まだ私が怒っていることに気付いたのでしょう。
手提げ袋にケーキを入れてレジカウンターに置いた女性の表情も青褪めています。
「エアさん。エリーが『今すぐ帰ってくるように』とのことですが・・・。商人ギルドに呼ばれていますから、其方へ行ってから帰りますか?」
「はい。すでにシェリアさんには『これから行きます』と返事しましたから。あっ、合計はいくらですか?」
「いえ。此方の不手際でお客様には不快な思いをさせてしまいましたので、お代はお詫びということで・・・」
「すみませんが、それをされると二度と来られなくなります。スタッフの不手際に対する処分と私への謝罪は切り離して考えて下さい。『飲食代を無料にしたからスタッフは甘い処分になった』など、店からの処分に『手ごころ』を加えられては私だけでなく他の客にも迷惑です。それとも此処にいるお客さん全員の代金も無料にするのですか?外で並んでいる人も、後から聞いて「私も不快になったことがある」と訴えた人にも無料にするのですか?本当に私に対して悪いことをしたと反省されるのでしたら、しっかりスタッフの教育をして『二度と同じことを繰り返さない』ように注意してください」
私の言葉に、お客さんたちから拍手が沸き起こりました。
何が起きているのか分かっていない私は、キッカさんに「エアさん。自覚してなかったんですね」と苦笑されました。
スタッフの処分を店に任せることで、ジェフェールの立場を守ったようです。以前、商人ギルドで受付嬢たちの処分をシェリアさんに任せたことで商人ギルドの立場が守られたのと同じだそうです。
代金を支払おうとしましたが、キッカさんに止められました。ですが、此処へ来たかったのは私なので・・・。
「エアさんに此処の代金を支払ってもらったなんて知られたら、今現在ブチ切れ真っ最中のエリーに生き埋めにされるかケシズミにされます!」
キッカさんに必死に止められて、代金を支払ってもらいました。私からのお礼として、また皆さんに料理を提供しましょう。
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