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第二章
第45話
しおりを挟む『水の迷宮』に関しては、34階まで知られているのと、現在進行形で取り調べ等が行われているため報告はありません。唯一報告があったのは、マーシェリさんのことだけでした。
「マーシェリは、精霊王に預けられたわ」
「最初は渋ってたって聞きました」
「そうなのよ。『闇堕ちしかけた者なんか預かれない』なんて偉そうなこと言っちゃって。それなのに『エアちゃんが救った』とか『精霊王にお願いをしたらどうか』って言ってたことを聞いたらコロッと態度変えちゃったのよ。ホント、娘として恥ずかしいわよ。あれで『精霊王』なんだから」
フィシスさんが少し『ブラック化』しています。さすがにアクアとマリンの二人も引いていますね。青褪めて私の左腕の後ろに隠れています。
「フィシス。ちびっ子たちが怯えてる」
「あら?二人は大丈夫よ。でも悪いことしてたら・・・フフフ」
「フィシスさん。怯えさせないで下さい。二人とも涙目じゃないですか」
「あーあ。こりゃダメだ。仕方がない。これ以上は報告することもないし、今日はここまでね」
「フィシス。ミリィと一緒に、エアちゃんを追い回した連中を『叩き潰して』きて」
「ほら。アクアもマリンも。今日はエアちゃんが泊まってる宿に行くから靴を履いて」
シシィさんに促されて、二人は小さなブーツに足を入れます。上手に靴を履いています。
「エアちゃん。この子たちは今日は『浄化魔法』だけていいわ。着替えとかは明日此処に来てから決めるから」
つまり『入浴も着替えもなし』ということです。ただ連れてって、ご飯を食べたら寝かせて、明日になったら此処へ連れてくる。浄化魔法は身体も衣服もキレイにしてくれるからです。
・・・そして、明日からも私が預かるかどうか分かりません。『とりあえず今日だけお願い』ということでしょう。そのため、『必要以上に手間をかけない』ようにということです。子供ですからね。下手に構えば離れなくなります。
「じゃあ、明日も待ってるから」
「はい。分かりました。アクア、マリン。行くよ」
私が声をかけると「「はーい」」と返事をしながら駆けてきました。
「キッカ。また『不埒者』が現れると困るから三人を宿まで送ってきて」
「ハイハイ。それでは行きましょうか」
「はい。すみませんがお願いします」
キッカさんがアクアとマリンを抱き抱えると楽しそうに燥いでいます。・・・私はそんな風に二人に接することは出来ないでしょう。
王都に帰った翌日以降、私はまた一人で過ごしています。アクアとマリンは、エリーさんとキッカさんたちが『戦い方』を教えています。聖霊の血を引いているからか、大人顔負けの戦闘能力だそうです。
私は、製麺所で中華そばやパスタ、うどんなどに似た麺を購入してきました。この国ではパスタは『炒めもの』に。その他の麺は『汁物』に使うそうです。それも『醤油味』一択で、具材も『湯がいた菜っ葉』です。
それで、厨房を借りて料理をしています。まずは『天ぷら』を作り、そこから『天丼』と『天ぷらうどん』。『天かす』を使った『たぬきうどん』。『焼きうどん』も好評です。『素うどん』に『煮卵』。ええ。素うどんで登録可能でしたよ。それも、この国のうどんは『お湯に醤油を入れる』だけです。だからかつお節で出汁を作ったら『だし汁』で登録出来ちゃいました。
・・・不思議です。本当にこの国は『日本人が聖女として来ていた』のでしょうか?日本人は昔から煮干しやかつお節で出汁を取っていたというのに。かつお節もかつお節削りもあります。もしかして、濾すのが『面倒くさい』から廃れたのでしょうか?
そして、私の料理にはまっているパパさんとママさん。ちなみに『作る』方がパパさんで『食べる』のはママさんです。
ちなみに隣に喫茶店を作る話は受けたそうです。
屋台を開いた時に大繁盛したそうです。何度か「食堂で出してほしい」と打診されたそうですが、全て断ってきたそうです。昔ながらのお客さんが入れなくなるのは困るからです。ですが、『隣に私のレシピを使った料理を出す店を作る』『食堂とは完全に分ける』『隣の空き店舗を商業ギルドが購入するがパパさんに無償で譲る』というシェリアさんから提案を受けたそうです。『ギルドには得にならないのに』と思われたが、屋台で販売した料理は「レシピの購入者が跳ね上がった」ため、知らない料理の美味しさが分かればレシピ購入者が増えると判断したそうです。
何方の料理もパパさんが作るそうです。そして、ミリィさんの希望だった『善哉の食べくらべ』はパパさんが「面白い!」ということでメニュー候補にあがっています。
そして、喫茶店用にパスタメニューを充実させました。パスタ麺の使い方を『炒めもの』しか知らないパパさんは驚いていましたが。
『ミートソースパスタ』『たらこパスタ』『たらこクリームパスタ』『明太子パスタ』『明太子クリームパスタ』『サーモンクリームパスタ』『うにクリームパスタ』『蟹のクリームパスタ』『ジェノベーゼパスタ』『ペペロンチーノ』『ナポリタン』『カルボナーラ』・・・。
やはりユーシスくんのお気に入りは『きのこの和風パスタ』でした。名前は『きのこのパスタ』です。『和風』なんて付けられませんからね。
ユーシスくんは自分でも作るために一生懸命練習していました。簡単ですからね。
フライパンで切ったベーコンを炒める。きのこを入れてさらに炒めたら、茹でたパスタとだし汁、小口切りにしたネギを入れてよく炒め合わせる。
ユーシスくんは自分で毎日作って食べているようです。そして、マーレンくんはミートソースパスタが気に入っているようです。「牛乳と合うんだよ!」と、口にミートソースをいっぱいくっつけて満面の笑みで言っていました。・・・ただし、ナポリタンを食べた時は「これも牛乳に合う」と悩んでいましたが、最終的に『牛乳にはミートソースパスタ派』だそうです。
その日は突然来ました。
部屋で『召喚獣図鑑』を開いていた時に、エリーさんから通話が掛かってきました。一体どうしたのでしょう?
「エアちゃん!今どこ?!」
「宿の部屋にいますよ」
「お願い!今日は宿から出ないで!」
「エリーさん。何かあったのですか?」
「各地で暴動が起きたの!南部は比較的落ち着いているけど、フィシスたちは鎮静のために出たわ。暴動が大きくなれば、魔法による鎮圧もありえるの。出たら巻き込まれるわ」
「分かりました。・・・フィシスさんたちは大丈夫でしょうか?」
「大丈夫よ。南部が落ち着いているから、東部の助っ人に行っただけ」
「そう。良かった。・・・暴動の原因は何ですか?」
「たぶん『黒髪の女性』と『聖女様』のことだと思う。実はね、王都治療院や審神者が収容されている南部では暴動が起きていないのよ」
『騒動の元凶』で一番襲われそうな南部守備隊の詰め所が襲われていない・・・?ちゃんと取り調べが行われているからでしょうか?
「エリーさん。それ以外に『ダンジョンの放置』でしょう。『はじまりの迷宮』がアントの巣になってたのにずっと気付かず。それが発覚しても放置。その時に調べていれば、『大地の迷宮』のコカトリス騒動はもう少し早く片付いていたでしょうし、悪い意味で『貴族の介入』があったでしょう。そして、長年放置してたために『悪党の巣』になっていた『水の迷宮』。・・・どれをとっても『暴動の原因』になりますね。そして、営業を諦めるしかなかった飲食店。宿は食事を提供しないという形で何とか営業を続けられたそうですが、宿泊費を下げたりなどの被害はあったそうですね。その被害の補償はまだ提示されていませんよね」
「ほんと。エアちゃんの言う通りね」
エリーさんが深くため息を吐きました。
元々ギルドが管理するという申し出を、「管理費がもったいない」との理由で王城が管理していたのです。しかし、ここ数日で『管理がされていなかった』ことが露呈しました。何十人の冒険者が魔物に襲われて生命を落とし、何人の冒険者が悪党共の手で生命を奪われたのでしょう。『はじまりの迷宮』で、キッカさんたちが『冒険者の遺品』を多数回収したそうで、死亡が確認された冒険者の遺族に届けられたそうです。それでもまだ倍以上の冒険者が行方不明のままだそうです。
そして王城にある『ダンジョン管理部』は、『管理費の着服』が疑われているようです。ダンジョンは『冒険者ギルドに管理を委託している』として、高額の管理費を貰っていたそうです。
それでも正しく管理をしていたら、多数の死者や行方不明者が出る被害は少なかったでしょう。エリーさんの話では、「『はじまりの迷宮』はアントの様子から、ふた月以上は管理されていない可能性がある」とのことです。
王室も『聖女の一件』があるのだから、汚名返上のために動けば良かったものを・・・。ああ。国王が『引きこもり』中だから、賢いという王太子は動くに動けないってことか。さっさと譲位すればいいのに・・・。
「マーレンくん。ダメよ。そこに入れちゃ。ユーシスくんもまだ早いって」
「なんで?お姉ちゃん。僕の、固くなったよ」
「僕の方は十分大きくなった」
「まだ早いって。チョッ!ダメッたら!もう!ちゃんと言うことを聞きなさい!」
「貴方たち!何をしているの!」
子どもたちが二人ともいないため、「もしかして、お客様の部屋に入っているのでは」と思い二階へ上がったら、子どもたちとお客様の声が聞こえて、私は慌てて部屋へと飛び込んだ。
子どもたちが、お客様を襲っているのではないかと思ってしまったのだ。
この部屋のお客様は、私たち一家にとって『恩人』なのです。魔物の襲撃の際には、収納ボックスに入れていた食材を惜しげもなく差し出して下さった。さらに、肉が足りないだろうと、警戒態勢の中、冒険者以外外出が許されていない中、お一人で様々な肉を獲ってきて下さった。
それらの材料費は、王都周辺で活動する時の定宿とすることで、少しずつお返しすることになっています。
お客様が商人ギルドで登録されたレシピを、無償で提供して頂いている。夫は、お客様の手順を直で見ていたため、レシピ通りの味を再現していると商人ギルドからは高評価を得ています。そして、その高評価された料理を食べるために、新たに任された喫茶店も大盛況している。
・・・その返せない恩を、子どもたちで『返させている』のだろうか。
失礼なことを考えてしまいました。
お客様の部屋に、子どもたちは入り込んでいました。しかし、私の心配は大きく外れていたのです。
床に大きな布を広げ、その上で子どもたちは『水を固めていた』のです。「あっ」と集中を水から私に向けたため、二人の手に持っていた『水の固まり』が、一瞬で元の水に戻り床に・・・落ちる前に、お客様の右手の上で水球となって集められました。左手には筒状の物を手にしています。
「ママさん?・・・ちょっと二人とも!「お手伝いを全部終わらせてからきた」ってウソだったの?!」
「ウソじゃないよ!」
「ちゃんと終わらせてから来たよ!」
「じゃあ、何故ママさんがここまで二人を探して来てるの?」
お客様に強く問われると慌てだす息子たち。お客様に必死に訴えていますが、二人に頼んだ手伝いがまだ残っています。
「貴方たち。頼んだ買い物はどうしたの?」
そう聞くと二人して「あっ!」「忘れてた!」と顔を見合わせました。「何してるの!早く行ってきなさい!」と怒鳴ると、「「ごめんなさーい!」」と言いながら転がるように部屋から飛び出していきました。
「すみません。息子たちがお客様の部屋に入り込んで遊んでいたなんて存じず・・・」
そう言って頭を下げると、驚いたことに「あの子たちは此処へ『勉強』に来ているだけですよ」と笑って言われたのです。
「勉強・・・ですか?」
あの子たちは勉強が好きではないので、思わず聞き返してしまいました。
確かに、部屋のローテーブルには様々な足し算や引き算の書かれた紙が残されています。他にも平仮名やカタカナの紙も。それは確かに息子たちの字です。
「マーレンくんは『計算』を覚えたいそうですよ。食堂と喫茶店が繁盛しているけど、計算が出来るのはママさんとユーシスくんだけなので、自分も計算が出来るようになれば、ママのお手伝いが出来ると」
そう言われて、計算式の書かれた紙を見せられる。そこには、昼のメニューに飲み物の料金を足した金額や、合計金額に人数分を組み合わせた式が書かれています。
「それと。ユーシスくんは『平仮名は問題ないけど、カタカナは読めるが書けない』だそうです。一部『平仮名に似たカタカナなら、なんとなく書ける』そうですが」
「え?・・・確かにユーシスに平仮名は教えましたが」
「メニューの大半がカタカナですよね?そのため、間違えたらどうしようと悩んでいたみたいです」
確かに、ユーシスの注文伝票は平仮名で書かれています。・・・そんな事を考えたことも気にしたこともなかったです。
「お客様の登録されるレシピに平仮名が多いのは・・・」
私の言葉に、お客様は何も語らず微笑んでいるだけです。始めはカタカナが多いメニュー名でしたが、それが少なくなった理由はユーシスだったとは。
「それと今、二人は『水魔法』の練習中です。今やっていたのは、『水を固める』方法です。紐のように伸ばして自由に操ったり、氷のように固める練習ですね」
そう言いながら、お客様は右手の上に浮かべた水球を伸ばして左手に持った筒の中に通し、クネクネと縛ってリボンのように結んで見せました。
「それはどのような役に立つというのでしょう?」
「『水を自由に操る』基本練習ですよ。この筒は特殊でして、この中は魔法が効きません。そのため、水自体に魔力を込めて形を維持していないと通すことが出来ません。外から押えて固めた状態で筒の中に通そうとすると元の水に戻ってしまいます。二人はまだ『外側から水を固めている』ため、水自体が操れていません。これが出来るようになれば、雨で濡れたお客さんを乾かす事も出来ますし、洗濯物を乾かすことも出来ます。思い通りに使えるようになれば、それに『温度』を変える練習が出来ます」
「二人は『火魔法』が不慣れで・・・」
「大丈夫ですよ。『水の温度を変える』だけですから、水魔法だけで出来ることです。ただ、温度を下げるのは簡単ですが、上げる方は魔力が大きく必要になりますので、最初は微温湯からになりますね」
「その下の布は?」
「ああ。これですか?これは『防水シート』です。床を水浸しにする訳にはいきませんから」
確か、これもお客様のアイデアで作られた商品だったはず。
「『水の迷宮』では、普通のシートを下に敷いても濡れるから。そのまま眠ると体温を奪われて死んでしまう」
そう言われて、職人たちが『防水』の効果を付与して作ったシートだと聞きました。
さらに防水の魔法をかけた糸で織られた布は、通常の雨を弾くため、冒険者のフード付き外套として市販され始めたばかりです。完成品に防水魔法を掛けるより、効果が高いと冒険者の間でも人気になり、今では完売状態になっています。それも、冒険者用のため、市販より生地が傷みにくい。出ている外套は色も様々なため、冒険者以外からの人気も高く、品薄状態に拍車をかけています。通常の雨でも、傘をさすよりフードを被るだけで両手が使えて便利なのです。
幌付き馬車にも使い始めたため、生地不足にもなっています。そのすべてがお客様のアイデアだそうです。
「あの子たちを叱らないでくださいね。最初は、ダンジョンの一斉封鎖と暴動で、部屋から出なくなった私を心配して来てくれていたのですから」
その時に、お客様の持っている魔法書に二人が興味を持ち、勉強と練習を始めたそうだ。その時に『お手伝いをすべて終わらせて時間が空いたら』と約束したが、今日は、あの子たちが頼んだ買い物を忘れてお客様の部屋に入っていたようです。
好きではない勉強を先にすることで、魔法という子どもたちの『楽しみ』があとから待っている。その選択にも脱帽しました。
「一応、用事か何かで、二人が呼ばれたら分かるように、扉を開けていたんですけどね」
そう言って、お客様は笑う。確かに自動でカギの掛かるこの部屋には、子どもたちはおろか私も入ることは叶わないはず。
そんな気配りをしてくれるお客様に、私はなんて疑いを掛けてしまったのでしょう。
「時々でいいので、二人を部屋に招いても宜しいですか?もし子どもたちが心配なら、ママさんもご一緒に。と言っても、それほど長くはないですが」
お客様は冒険者です。他所の町や村に向かい、ダンジョンを踏破して回られるでしょう。
きっと子どもたちの成長のためなら、お客様に全面にお任せするほうが良い。しかし・・・
「構いませんが。時々、子どもたちの成果を見学させてもらえますか?」
「はい。分かりました」
お客様がいない間、私がお客様の教え方をまねて子どもたちに教えられるようになりたい。
お客様は私のその思いに気付いたのだろう。
「一緒に、子どもたちの成長を見守って行きましょうね」
お客様はそう言って、慈母のように笑った。
『王都治療院』の犯罪が、共犯者であるはずの審神者の口から暴かれた。審神者になった者は、たとえ審神者を辞めたとしても死ぬまで『真実しか話せない』。それは『すべてが明るみになり罪が確定する』まで審神者本人に知らされることはなかった。
そして『真実しか話せない』審神者に、多数の前で『証言』させたため、王都治療院側は彼を『裏切り者』として口汚く罵った。・・・そう。『多数の人々の前』で。もちろん、ダンジョンの宝箱に呪いを掛けて、さらに解呪した装備品に再び呪いを掛けていたことも。
審神者はすべて『真実』を証言した。
そして、証言だけでなく証拠もある。彼らが不正に置いた宝箱にもそこから出た武器などからも、鑑定で『王都治療院が呪いを掛けた』と表示されていた。
さらに、水の迷宮で魔物の集団を召喚して救助隊を全滅させようとしたことや、黒髪の女性の知識が高いのに目をつけて、魔法で自我を消し、『ニセの聖女』を作り出そうとしたことも証言した。
・・・・・・『本当の聖女をニセの聖女に仕立てる』ってなに考えてるのでしょう?
キッカさんに宿まで送ってもらいながら、前日行われた『公開証言』の話を聞かせてもらった時の率直な感想です。
広場では怒号が飛び交い、審神者は自分の口から出てくる『証言』に段々青褪めていった。そして『言わなくてもいいこと』まで口にして、何人もの貴族の罪も暴いてしまった。さらに『王城内で行われてきた不正』すら証言してしまった。
その中には『聖女の召喚の詳細』から『ダンジョン管理部の不正』、さらに宰相たちが聖女の死を伏せるために行っていた『隠蔽工作』も、第二王子の廃嫡と国王の『離宮に引きこもり』もすべてが明るみになった。
まあ、それを『審神者』が証言しちゃったからね。それに、前日現れた聖女の証言から『国王と第二王子が聖女のひとりを殺した』なんて広がった上、当日の新たな聖女の証言もあったため大変な騒動になったそうです。
「そう遠くない内に、レイモンドは『不死人』として公開処刑されるでしょう。そして国王も譲位後に、何処かに幽閉されて『病死か事故死』で国葬、されればいいですけどね。『聖女様の殺害』の罪がありますから、国王もレイモンドと同じ罰を受ける可能性があります」
私はその処刑を見届けてから、近くの町へ移りましょう。
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