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第二章
第35話
しおりを挟む『おはよう。朝ごはんだよ。バスケット空いてたら先に送って。食べ終わった食器は洗わなくていいからね』
今朝はユーシスくんからのメールですね。
バスケットを送ったら、今日のランチを送ってくれるつもりでしょうか?
『ユーシスくん、おはよう。このままだと帰るのが夜遅くになっちゃうから、安全のために、帰るのは明日にするわね。肉でも野菜でも海鮮でも、食材で足りないのはある?』とメッセージをバスケットにつけて送りました。
今朝は厚焼きたまごのサンドウィッチです。生野菜に解したとり肉を乗せたサラダと、コンソメスープがついてきました。
美味しく頂いて、空いた食器を宿へ送ろうとステータス画面を開いた所、バスケットが届いていました。
『お昼ご飯を送るよ。無理しないで帰ってきてね。お姉ちゃんのことは、僕たちで守るから心配しないでいいよ』とメッセージもついていました。そして『申し訳ないが、連絡してほしい』とメールが届いていました。食器をトレーに乗せて送り、通話を選択しました。
「もしもし?」
「おはよう。マーレンくん。パパさんを呼んでくれる?」
「うん。ちょっと待ってね。パパー!お姉ちゃんから通話だよー」
「ああ。すぐ行く」
会話が丸聞こえです。
それにしてもどうしたのでしょう。何時もなら客でごった返している時間なのに、通話の向こうが何故か静かです・・・
「すまない。・・・ちょっと聞きたいことがあって」
「大丈夫ですよ。何か足りないものでも出ましたか?」
「あ・・・。いや。そうではない」
何でしょう?何か言葉を選んでいるような・・・あ。もしかして!
「新しいレシピが届きましたか?」
「ああ。・・・それで、その・・・『善哉』と『ぼた餅』に使う小豆のことだが」
パパさんが言うには、「小豆を水に浸すのにどれ位の時間が必要か」とのことでした。レシピには『小豆の状態で浸す時間を変える』とあったそうです。
この世界の小豆は日本と違い、そのまま水から炊いても固いままでした。そのため水に24時間も浸けることで、やっと芯まで柔らかく炊けました。
元々、私は『小豆を水に浸してから使う派』だったので、長時間浸けていても気になりません。だって、水に浸さずに柔らかく炊こうとしたら、その分ガス代がかかるじゃないですか。うちには圧力鍋もありませんでしたし。
だったら、水に浸す時間なんて気になりませんよね。
ただ問題だったのは、この世界での保存方法。小豆はそのまま置いていても傷むことがないため、麻袋に入れたままになっている。それでも収納ボックスに入ってれば良かったんだけどね。
「小豆の保管はどうしてますか?」
「ん?麻袋に入れたまま食材庫の片隅に積み上げているが?」
「ということは、乾燥が進んでいますね」
「ああ。確かにそうだな」
「その分、水に浸す時間が長引くんですよ」
「そうなのか?!」
「はい。私の購入した小豆は、やはり麻袋に入ってますが、収納ボックスに保管されていたため、それほど乾燥していません。それでも24時間の浸透時間が必要でした」
「ウチの場合だと・・・」
「そうですね。実際に見てみないと分かりませんが、30時間掛かる可能性もありますね」
「そうか・・・」
「よければ、すでにふやかした小豆がありますから譲りましょうか?」
「・・・明日帰る予定だと聞いたが?」
「ええ。たぶん今日中に最下層近くまでは行けますが、そうなると戻るのが夜遅くなります。だったら、もう一晩泊まって、明日の午前中に戻った方が安全ですよね。それに、万全の態勢でラスボス戦に挑めますから」
「そうですか。もし良ければ、帰ってからレシピのことを教えてもらえると・・・」
「とーちゃん!疲れて帰ってきたお客さんに・・・それも私らのためにダンジョンに入っているのに!」
「あ、いや。『帰ってすぐ』じゃ・・・」
通話の向こうでママさんが怒ってますね。たぶんパパさんは、『手が空いた時間に』と言いたかったのでしょう。私が何時戻るかの確認をしていたため、ママさんには『帰ってすぐ』と勘違いされたようです。
「ママさん。パパさんは『ゆっくり休んで、またヒマな時に』と言いたかったんですよ。小豆を水に浸す時間が長時間のため、その時間も考慮していたんでしょう?」
「ああ。・・・ウチの小豆なら最低でも30時間掛かるなら」
「ダメだよ!お姉ちゃんはギルドに寄るんだから!」
「お姉ちゃん。また『帰った次の日』は昼まで寝てる?」
「明日は午前、遅くても昼過ぎには宿に帰るつもりだから、明後日は『少し遅め』じゃないかな?」
「じゃあ、お昼食べてから教えてくれる?」
「そうね。『明後日12時の時点で30時間にするには、何時から水に浸すと良いでしょう?』。はい、マーレンくん。何時だと思う?」
「え?えっとー・・・11時。10時。」
マーレンくん。時間を逆に数えていきました。たぶん、指を折って数えているのでしょう。それでは『算数』になりません。
「マーレンくん。一日は何時間?」
「24時間だよ」
「じゃあ『30ひく24』は?」
「えっと・・・?」
「じゃあ、質問を変えよう。『24にいくつ足すと30になる』でしょう?」
「それならカンタンだよ!答えは『6』!」
「だったら『30ひく24』は?」
「え?あれ?・・・あ!『6』だ!」
「あたり。では、『明後日の12時』の24時間前は?」
「明日の12時!」
「そこから『6時間前』は?」
「・・・明日の6時?」
「じゃあ、もう一度聞くね?『明後日12時の時点で30時間にするには、何時から水に浸すと良いでしょう?』」
「明日の6時!」
「はい。正解!と言う訳で、小豆は明日の6時頃から水に浸してね」
「うん!任せて!」
マーレンくんは一人で答えが出せたのが嬉しいのか、声が明るいです。
「すごいわ!マーレン!一人で答えを出せたのよ」
ママさんも大喜びしてますね。ユーシスくんとパパさんも、ママさんほどではないですが、マーレンくんを誉めています。
これが『自信』になるといいのですが・・・マーレンくんの場合は『調子にのる子』なので、今後は注意が必要ですね。
「さあ。そろそろ動きますね。ユーシスくん。今日のお昼ご飯ありがとう」
「うん。無理しないでね」
「ありがとう。じゃあ、また明日ね」
通話を切って、私も準備に入ります。『冒険者の服』を着て気を引き締めてから、テントを出ました。
30階の広場を出ると上の階が異常なくらい賑やかでした。たくさんの人たちの声が聞こえています。探知で確認すると、28階に20人近い人たちが集まっています。
『エリーさん。おはようございます。28階にたくさんの人たちがいるようですが、エリーさんたちですか?』
エリーさんにメールをすると、すぐに『そうよ!エアちゃん逃げて!』と届きました。フィシスさんとアンジーさんからも『魔物の襲撃よ!』『エアちゃん!何処でもいいから広場に隠れてて!』とメールが届きました。
冗談じゃありません!
此処で見捨てて自分だけ助かっても、私は嬉しくありません。
剣を装備すると、風魔法『飛翔』を発動。身体がふわりと浮かび、そのまま一気に飛んで行きます。初めて飛翔を使った時にスピード調整が上手くいかず、『怖い』『広いところで飛ばないとぶつかりそう』と思ったけど、そんな事すら気になりませんでした。
10秒もかけずに28階に着くと、すでにフロアの半分が魔物たちに覆われていました。そのまま天井近くまで飛び上がり、まっすぐ魔物たちの中央まで向かいました。
真っ先に気付いたらしいキッカさんの「エアさん!」という声が聞こえました。続けてエリーさんたちが私の名を口々に叫ぶ声が聞こえたけど、私は目の前にいる巨大な魔物を睨んだままです。視線を外せば、すぐにでも襲ってくるでしょう。
何より、全員キズだらけです。回復魔法を掛ける余裕などなかったのでしょう。
「エリーさん。この魔物たちは『倒していい』のですか?」
「エアちゃん!下がって!」
「ムリだ、シシィ。奴らはすでに標的をエアちゃんに変えている。・・・エアちゃんは、私たちを守るためにやってるのよ。全員、魔物たちから離れて結界を何重にも張って!」
「オレたちが結界を張る。全員オレたちの後ろに下がれ!」
エリーさんの言うとおり、すべての魔物が私に目を向けています。そのため、押され気味だった皆さんは、魔物から一定の距離まで離れることが出来ました。キズついている人たちも、仲間たちに助けられて、キッカさんたちの後ろへと下がっていきます。
「・・・エアちゃん。『倒せる』のね?」
「いえ。『倒します』」
エリーさんの疑問に、断言で返しました。
「分かったわ。全滅させていい魔物よ。いえ。『倒さないといけない』わ」
「分かりました。皆さん、下がってください」
突然現れて空にいる私に攻撃が届かず、怒りでエリーさんたちの存在を忘れた魔物たちを挑発するように左右にフラフラと揺れていた私は、上に向かう階段側へと移動しました。そちらには、二本のツノを持つ巨大なウシが後ろ足で立っています。その姿は、ギリシャ神話に出てくる『ミノタウロス』のようです。・・・あれは『頭が牛』の人間で、本名は別にありましたが。
此処は『迷宮』のため、さらにギリシャ神話に近い状態ですね~。・・・演出が。アリアドネという『異父姉』はいないようなので、『アリアドネの糸』を誰も持っていませんが、『転移石』があるので問題がないでしょう。
私が階段側に移動したため、皆さんの様子が見えます。『逃げ遅れた人』もいないようです。
「ス・テ・ー・キ・は・大・歓・迎・よ!!」
キッカさんたちが結界を張ってくれたため、超巨大な落雷を地面に叩き落としました。
バチバチッ!と地面全体に青白い稲光が走ると共に、稲光は魔物たちの全身を駆け巡り、あっという間に心臓を止めていきました。
私はいま、28階の広場にいます。
私はいま、ミリィさんの腕の中です。横抱きの膝だっこで抱きしめられています。
放電を雷魔法で消去し、床を埋め尽くした魔物の死体を収納ボックスに回収してから床に降りる途中で、駆け寄ってきたミリィさんに捕獲されて現在に至っています。
「エアちゃん。・・・色々と聞きたいことがあるけど良いかしら?」
「この状態で『イヤ』って言えると思いますか?」
私の言葉を聞いたシシィさんには、「ムリよね~」と笑われました。このミリィさんの『がっしりホールド』された現状から逃れられるのなら、何でも聞いてください。・・・話せる範囲で話しますよ。
「ねえ。エアちゃんって空を飛べるの?」
「飛べますよ?」
私の言葉に、ミリィさんが離さないように、さらに抱きしめてきました。
「ミリィさん?」
「ダメ!何処にもやらない」
ミリィさんは私を離す気がないようです。「んー?」と少し考えたあと、私からミリィさんに抱きつきました。「ミリィお姉ちゃん。どうしたの?」と言葉を添えて。それだけで、ミリィさんは少し落ち着いたようで、抱きしめる腕が弱まりました。
「エアちゃん。・・・なぜ飛べるの?」
フィシスさんに再度質問されました。結界を張っていないため、広場にいる全員が私たちの話に『お耳がダンボ』になっているようです。
「『なぜ』って・・・?ただの『風魔法』ですよ?」
「「魔法?!」」
「風魔法だって?!」
ああ。やっぱり皆さん聞いてましたね。っていうか、エリーさん?「エアちゃんが『魔法に特化した子』だって忘れてたわ」って仰ってますけど・・・
「『飛翔』って魔法ですよ。エリーさんも使えるんじゃないですか?『はじまりの迷宮』で、エリーさんが飛んでるの見ましたよ?」
「ああ。私は『風属性のエルフ族』だからよ。ちょっと待って。・・・もしかして。エアちゃん。それを見てどう思ったの?」
「・・・上から魔法をぶっ放したら、安全だし簡単かな~?」
「・・・・・・やっぱり」
エリーさんのため息にフィシスさんのため息が重なりました。アンジーさんとシシィさんは「さすがエアちゃん!」と誉めてくれます。
キッカさんたちは「そういえば、エアさんの考えは『規格外』だった」と笑っています。
「エアちゃん。本当に魔法なの?」
ミリィさんが心配そうな声で確認してきます。見上げると、心配で泣きそうなミリィさんの顔が私を見下ろしていました。実際に魔法を使ってみせた方がいいでしょう。
私とミリィさんに向けて『飛翔』を発動させると、身体がふわりと浮かび上がりました。突然のことで驚くミリィさんに「ほら。一緒に飛んでる~」と笑いかけると、「もう。エアちゃんったら」と笑い返してくれました。
「じゃあ。みんなも一緒~」
そう言って、今度は範囲で飛翔を掛けました。すると、フィシスさんたちもキッカさんたちも、広場にいる全員が、2メートルの高さまで浮かび上がりました。始めはバランスが取れずに引っくり返ったりしてた人たちも、身体が慣れてくると胡座や寝転んだ状態になっていました。
ふわふわプカプカとみんなで浮いて楽しんでから、魔法を解除しました。その状態で落ちるのではなく、ゆっくり床へと降りていきます。
「うわー。身体が重く感じるー」
「ずっと浮いていてー」
冒険者の皆さんは浮遊感に満足したようですね。
「ね?魔法だよ。楽しかった?」
私がミリィさんに笑うと、「うん。楽しかった」と笑って抱きしめてくれました。何時もと同じ、優しい力です。
「でも、良かったわ。エアちゃんが『ハーフエルフ』じゃなくて」
表情の固かったフィシスさんが、やっと笑顔になってくれました。
「ハーフエルフ?」
「両親がエルフと人間のハーフよ。ヒトよりは長寿なんだけど、それを『悪いこと』に使う人がいてね。・・・悪い言い方なんだけど『管理』されてしまうのよ」
「それに従うなら良いけど、管理されるのを嫌がって逃げるハーフエルフもいるわ。そうなると『はぐれエルフ』として『狩られる』の。人と共存するなら、犯罪の芽は早く摘み取る方がいいから。・・・って言われてるわ」
「それって『言い訳』なんですね?」
私の指摘に、エリーさんが「エアちゃんは鋭いね」と苦笑しました。
「実はね。エルフは『森と共に生きる』ことで長生きが出来るの。ただハーフエルフには『身を寄せる森』がない。だから、長生き出来ずにヒトより短命になってしまう。そしてはぐれエルフは、『欲望を跳ね返す理性とチカラ』が備わっていないから、欲望のまま犯罪に手を貸してしまう。中には『罪人』として生涯を牢の中で終える者もいる」
「んー?・・・じゃあ、私が空を飛んでたから『ハーフエルフじゃないか』って?」
「エアちゃんみたいに魔力が強いと、エルフの『森の牢獄』に入れられてしまうわ。・・・死ぬまでね」
「・・・私が人間なのは、冒険者ギルドに入った時に確認されてると思うけど。フィシスさんたちも一緒にいましたよね?」
そう言ったらフィシスさんが「あ!」と驚いた表情を見せました。登録した時に、一部のステータスは確認されてますからね。
「だからエアちゃんなら大丈夫って言ったでしょ?」
アンジーさんの言葉に、シシィさんも「ねー」と同意しています。
「ああ。やはりボケが進行していましたか」
「ちょっとキッカ!」
「言われてもしかたがないわね。ミリィはあの時『制裁中』でいなかったから仕方がないけど、フィシスとエリーは一緒にいたでしょ」
「やーねぇ。二人とも。もうボケが始まってるの?」
「ちょっとぉ。フィシスがボケ始めたなら、年上のシェリアなんて、すでに大ボケじゃないの?」
「シェリアの場合、天然かボケなのか分からないわよ」
「じゃあ。無害だから放っといてもいいわね」
「ちょっと。アンジー。シシィ。・・・アンタたち、いい加減にしなさいよ」
「ダメだ。フィシス。残念だけど、私たちに言い返す権利はない。忘れてたのは間違いないしな」
「ちょっと!エリーは何方の味方なのよ!」
「私?私は『エアちゃんの味方』よ」
「あら。それは私たちも一緒よ」
「当然ミリィも、でしょ?」
「当たり前。エアちゃんの敵は私の敵。・・・エアちゃんを疑ったから、フィシスも敵」
「ちょっとミリィ!私だってエアちゃんの味方よ!」
「エアちゃんをイジメたから、エリーも敵」
「ちょっ!イジメてないって!」
「でも・・・『フィシスさんのお父さん』と初めて会った時に『人間がいる』と言われました。もし私がハーフエルフなら、『人間がいる』なんて言われなかったですよね?」
二人は「あ・・・」と言葉を呟いて、顔を見合わせています。それを見たアンジーさんが、私の耳元で内緒話をしてきました。頷いて、アンジーさんの提案通りに飛翔を発動。
エリーさんとフィシスさんを空中に浮かせると、二人の周りに『空気の膜』でボールのように覆いました。
「ちょっとエアちゃん!」
「キャー。ごめんなさーい!」
慌てる二人を揶揄うように、キッカさんたちが『ぽーん』とボールを弾ませたり、転がしたりしています。その度に、中に入っている二人も、中で彼方へコロコロ。此方へコロコロ。と転がり、大変な状態のようです。
ミリィさんから離れて自分の周りをボールで覆うと、ぴょーんと跳ねまわって冒険者さんたちに『体当たり』して回りました。
「ハハハ。エアさんは上手いな」
「ちょっとキッカ!」
「エアさんを見ろよ。上手くバランスを取って楽しんでいる」
その言葉通りにボールの中で飛び跳ねながら、冒険者さんたちを追い回して、時々弾んでは上から潰してました。中に入ったら、子供の頃に入って遊んでいた『空気で膨らました遊具』を思い出しました。あの遊具、好きだったんだよね。元々トランポリンも好きだったし。
私の様子を見ていたエリーさんもコツをつかんだようで、「さっきはよくもやってくれたなー!」と叫びながら、冒険者さんたちを追い回し始めました。
「エアちゃ~ん!そっち行ったよー」
「わーい!はさみうち~!」
「うわー!此方に来るなー!」
ドーンッという音と共に、エリーさんの入っているボールと私のボールで3人が潰されました。
「エアちゃん!これけっこう面白いね!」
「うん。バランスをとる練習にも良いんだよ」
「ああ。たしかに。・・・フィシス~。まだキッカに支えてもらわないとバランスが取れないの~」
「フィ~シ~ス~さ~ん」
「きゃー!止めて~!来ないで~!」
ドーンッ!
エリーさんと一緒にフィシスさんに『飛びついた』ら、フィシスさんの入ったボールが壁に吹き飛びました。
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