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第6話
しおりを挟む「バカですわ。たとえ学生時代は平等だと勘違いしていたとしても、貴族社会は平等ではないという教育なら幼少期に習うものなのに」
「仕方がないだろう? 学生時代でも『平等ではないと理解していない』のだから」
そうなのだ。
学園の掲げる平等とは『貴賤貧富の差をなくし平等な立場で学ぶ』という標語からきたもの。
「事実を話題にするならともかく。事実無根な話を面白おかしく広める行為は、名誉毀損で訴えられてもおかしくない犯罪行為だというのに……」
「それが学べない者は貴族でいる資格はないと思うよ」
彼らはひと月かけて炙り出され、ある夜会において一斉に排除された。
事実を突きつけられて、その場で各自の当主から厳しい処断を突きつけられた。
どこの愚か者たちも同じ脱落の道を辿った。
廃嫡された上、どんな愚かな子息たちでも矯正させるという施設に収容された。
そこでは座学などなく、徹底した肉体改造のみを目的としており、口答えなどすれば腕立て伏せ二百回。
与えられた時間内にランニングを走りきることができなければ、運動場を百周するまで休憩は与えられず。
食事の時間は決められていて、その時間に遅れれば食事抜き。
課せられたノルマをクリアできなければ睡眠時間も削られる。
そうして、過酷な労働に耐えられる肉体に完成した子息たちは、施設の卒業と同時に鉱山や土木建設の現場へと配置されていく。
そこで、親たちが立て替えた慰謝料などの借金を働いて返していくため。
彼らの罰はここから始まるのだ。
その中に、元婚約者たちも含まれている。
ここに収容された子息たちは知らない、施設の卒業を祝う食事の中に生殖機能が滅せられる食材が満遍なく含まれていたことを。
この施設に入っているのは、貴族社会から脱落した異分子。
彼らの遺伝子は後世に必要ないのだから。
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