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第4話
しおりを挟む「何を驚いていらっしゃるの? 本日の御前会議に出ていらっしゃられたら言い分を訴えることもできたでしょう。ですが、陛下の招集に応じることを拒否なされました。たとえ決定に不服がございましても申し開きの場に現れなかった以上、皆さまはどのような決定であろうと受け入れることに承諾なされたも同然ですわよ」
そう、『い・ま・さ・ら』ですわよね。
最後の自己正当化ができる場を自らの手で捨てたのですから。
「詳細および下された処罰は各自でご確認くださいませ。ね?」
優雅にカーテシーを決めて、未だ茫然自失状態の彼らに背を向ける。
そこで、大事なトドメを刺すのを忘れていたことを思い出し、嫌々ながら振り向く。
……たったそれだけで、なぜ期待を含んだ視線を向けられるのか。
「最後にひとつ、これも決定事項です。すでに無関係となりましたが……わたくしどもは王命により引き離された本来の婚約者と再度婚約を結びなおしました。国王陛下は、実にならない婚約を王命という名で強要した罪をお認めになられ、一年の猶予をもって退位なされます。4人のお父君も同様に責任をとって当主を引退されます」
「なぜ!!!」
「父は関係ないだろ!」
「それを今ここで仰いますの? 御前会議をすっぽかしたあなた方が?」
反論出来ない彼らを見遣って庭を後にする。
これで私はきっと待っているであろう愛しいひとの元へと向かえると思うと足取りが軽くなる。
申し開きの場が与えられたのに、王子を筆頭になってカナコに侍ってご機嫌取りを優先した。
その間に何もかもが決定事項となり、彼らにとって最悪な結末が待ち受けることになった。
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