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しおりを挟む術後8日目&退院の日
入院最後の朝食は選択メニュー。
母は8時30分にはデイルームに来てくれた。
そして会計しに2階へ行ってくれた。
私はその間に持ってきてもらった洋服に着替えて荷物の片付け。
……というか、袋の中へ詰め込み、投げ込み。
もちろん、ダッちゃんは雑貨がぶつからない場所に丁寧に入れました。
「支払ってきたから、さっさと帰るよ」
「手術の説明があるんじゃないの?」
「ちょっと確認してくる」
そういうと、『入院治療計画書』を私から取り上げて病室を飛び出して行った。
何故か早く帰ろうとする母。
普段なら「もうすぐ回診でしょ? 帰るのは先生にご挨拶してから」とか言いだすのは母の方だ。
……ここの連中、母に何言ったんだ?
すぐに戻ってきた母。
「これは古い奴だから。今度の診察で詳しく説明するって」
そう言って、母は病室に私物が残っていないかを確認して私の袋を持って病室をでた。
デイルームで看護師の一人が気付いて「規則だから」と言って病室に忘れ物チェックに向かった。
数分で戻ってきた看護師は「忘れ物はありませんでした」といった後、「退院、おめでとうございます」と笑顔で言ってくれました。
ナースステーションに退院の挨拶に行った。
「お世話になりましたー」
そう言ったら、右にいた2人の看護師は私を見て頭を下げてくれた。
でも左にいた暴行を繰り返していた看護師たちはこちらを見ただけでスルー。
「うっわ~、シカトぶっこいてる~」
「見かけは若いけど、私以上に老けてて耳が遠いんでしょ。さ、挨拶も終わったし、さっさと帰りましょ」
あー、怒ってるなぁ。
母を知っている看護師もいないから、長居は不要だね。
ということで、生きて退院することができました。
病室内
窓の外
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