子宮筋腫と診断されまして。《12/23 完結》

８５．

朝、目を覚ますとほとんど痛みはなくなっていた。
寝返りをしようとするとお腹がいたい。
これは縫った部分ではなく体内の痛みだ。

先生の回診があり、縫った傷を確認してひと言。

「うん、きれいになってる」

下手な先生が傷口を縫うと、回復するにしたがって盛り上がってしまうそうだ。

点滴をしているため、今日は一日中食事抜き。
「歯磨きはできる」ということで、ベッド上で上半身を起こして歯磨きをした。
午後にはベッドの上で数分は座っていられるようになった。
痛みを訴えずケロッとしている私に看護師たちは驚いた。
私の痛みは『日にち薬』とよばれる、時間がたてば治るもの。
痛み止めで散らすしかない。

「それ以外に痛みは？」
「それは大丈夫」

回復の早さに看護師に驚かれた。
というのも、『術後１日目』にここまで回復できる患者はいないらしい。

「歩けるところまででいいので歩きましょうか」

そう言われて、マスクを装着して点滴と尿道カテーテルをつけた状態で部屋を出て左へ。
ナースステーションの前を通ると突き当たりに新生児室があり、赤ちゃんが並んでいた。
男女あわせて８人。
手前に５人、奥に２人、真ん中に１人。

「多いねえ」
「昨日一日でポコポコと生まれたから」

月の引力で生まれるとは聞いたが、昨日がそれに当てはまるのかは確認していない。

とりあえず、部屋まで戻りベッドに腰掛けて、術後初めての運動は終了。
ふたたび、回復の早さに驚かれた。
そして、翌日に尿道カテーテルを抜くことが決まった。
抜いたら２階のコンビニまで行っていいらしい。

「普通は行けませんよ」

私には二人の守護者がいるからね。
チクチクやズキズキという痛みはあるものの、それ以外は痛みを訴えない。
しかしその痛みを散らすために、痛み止めの点滴は日に数回処方された。