子宮筋腫と診断されまして。《12/23 完結》

アーエル

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さて、病棟から案内してくれた看護師に連れられて、メガネを外して見えない状態で入った部屋は、右側にパーテーションで三分割に区切られてイスが置かれていた。
私は真ん中の椅子に座る。
左側は男性、右側は誰もいなかった。

すぐに4人の女性が私の前に来た。
手術室担当の看護師だろうか?
私の名前を確認して左手首につけられたバーコード付きの腕輪をチェックされた。
看護師も向かって左側から名前を告げていくが、早口なうえに顔が見えないから覚えられませんでした。

そこから今度は手術室へ。
9時の時点で手術着……というより病着の丈の長い浴衣を着ていたため裾を踏まないように立ったりするのが大変。

右側の自動ドアを出ると、長い廊下になっていた。
テクテクと歩き、左側に洗面所。
ここで先生だろうか、数人の男性がヒジまでゴシゴシ。
この中に私の執刀医がいるのだろう。
見えてないからどの人かわかりません。

手術室に入ると、真ん中に両腕を少し開いた固いベッドが置かれていた。
スリッパを脱いで少し高いその上に上がると一斉に作業開始。
まず浴衣をはがそうとしてたから自分でヒモを外した。
すぐに裸の上から重たい布団を乗せられた。
この病院で働いていた母にそれを話すと「電気毛布」だという。
しかし、私には『お湯が入ったマット』を乗せられた感覚だった。

「点滴、始めます」

そう言って左手を何度もさすり、機械で血管の確認後に針が刺された。
ちょうどその頃に扉が開いて男性が入ってきた。
先生だろうか。
酸素マスクをつけられる前に私は意識を手放した。

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