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59.
しおりを挟む麻酔科の説明は入院当日に病室でするそうだ。
ただ、全身麻酔と硬膜外麻酔の二種類。
それを聞いて「硬膜外麻酔って怖い」と思ったけど、調べたら鎮痛薬を入れたり、局所麻酔で痛みを伝える神経を眠らせて痛みを緩和するためらしい。
術後も鎮痛薬を入れて痛くないようにしてくれるらしい。
……それを知ったら、怖いのが吹っ飛んだ。
ちゃんと知識を持っているのといないのとでは大きく変わるんだな。
ただ、その処置で1時間近くかかるそうで、トータルで4~5時間になるようだ。
それから、大きな問題として手術の時間に変更があるらしい。
「午前の手術の予定ですが……」
前に手術が1つ入ったらしく昼前後にずれ込むらしい。
『胸の手術』と言っていたが、話の内容と緊急性から乳ガンかそれに近いものだと思う。
これで診察と手術の説明は終わった。
「何か聞いておきたいことはありますか?」
「……手術で使う糸は、溶ける糸……ですか?」
私から口を開くことはない。
そんな私が自分から質問した、ということで、先生……驚きすぎです。
「うん、そう。手術で使うのは全部溶ける糸だから。だからといって、切れたり簡単にキズが開いたりしないよ。ちゃんと治るし、身体に吸収されるし、身体に悪いものでは一切ないから」
先生、すごく嬉しそう。
そして、私の手術にやる気を出したようで「先生も頑張るから一緒に頑張ろうね」と言ってくれた。
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