子宮筋腫と診断されまして。《12/23 完結》

５２．

私の順番になり検査室へ。
荷台にカバンを置いて、検査台に仰臥位で寝転ぶ。

なんか、ブツブツと何かを言いながら準備している。
内容が、泣き続けた赤ちゃんや付き添い、検査を担当していたであろう人に対してのグチというか文句。
やはり、検査がうまくいかなかったらしい。
…………そんなに不満があるなら仕事を辞めろよ。

そのとばっちりがこちらに向いた。

「肩に余分な力が入っている」

命令口調で力を抜け、と言われた。
言われてすぐにできれば苦労しない！
腫瘍が背中に癒着している影響が肩にまできているのだ。
だいたい、私は『手術前の検査に来ている』のであって、健康診断にきているわけではない。
そんなことも理解できないのか、右肩を掴んで無理矢理動かされた。
掴まれた肩も背中を通って腹部まで痛くなり思わず振り解ほどくと、今度は検査台を何度も蹴られた。
全部で９回。検査がうまくできなかったのだろう。

しばらくしてなんとか検査できたようだが、器具を『丁寧ではない方法』で取り外し、塗ったジェルを拭き取ることもせず。
検査台から立ち自分のタオルで腹部を拭いていたら、検査台にファイルを叩きつけて「ジャマ、早く出てって」と言われた。

「下手くそのくせに」
「なんですってー！」

ここでカーテンを開けたら何も言わなくなった。
誰かに「この人から暴力を受けた！」なんて言われたら大変だもんね。