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第二章
第5話
しおりを挟む「お嬢様……! 私の方がカッコいいと思いませんか⁉︎」
「カッコいいかどうかではなく、傷ついた彼女を癒してくれる存在が彼だったのでしょう?」
「だったら私でも……」
「いいわけないでしょ!」
300年ずっと待ち焦がれた婚約者との再会。
殺された彼も、ずっと彼女を迎えにいこうとしていた。
それを邪魔していたのは、二人を殺した襲撃者たちの存在。
連中は煉獄の箱に閉じ込めた。
天国に向かう前にその身を浄化させるという煉獄。
熱さを感じない浄化の炎だが、罪が深ければ劫火となり魂そのものを焼き消してしまう。
どこにもあるような小さな幸せに手を伸ばして、もうすぐ届くはずだった二人。
それを壊されてしまった。
隣国で二人を知る人たちは彼らの小さなの幸せが叶う日を望んでいた。
怒った隣国は王城を攻め落とした。
手を下したものは車裂きの刑に処された。
命じた国王や宰相たちは火刑に処された。
二人の婚姻は友好の証だった。
国同士の友好だと信じていた愚王たちは、アリアーナが爵位や領地を返却してきたことで『国を裏切るつもりだ』と思い込んだのだ。
アリアーナは隣国へ嫁ぐ。
そして次期当主に相応しい血統が親戚にはいなかった。
そのため親戚一同と相談の上、領民の平穏な日々を思って爵位を返したのだ。
それを処刑前に知らされた国王たちは、二人や共に惨殺された従者や使用人たちに謝罪の言葉をひとことも言わなかった。
お互いに責任転嫁し続けたのだ。
そして自己正当化した。
だから、第四王子たちの遺体と同じように焼かれることになった。
事実を知ったときに後悔して謝罪を口にしていれば、貴族として気高く一瞬で死ねるギロチン刑に処されただろう。
火刑とギロチン刑、彼らは前者を選んだのだ。
当時の記録は歴史書に残されている。
アリアーナたちの悲恋の小説の締めくくりとして、勧善懲悪で滅びる悪人としても残されている。
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