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第二章
第1話
しおりを挟む「・・・どういうこと?」
ルーナは
目に涙をためて
オレを睨みつけていた。
いや違う。
睨みつけられた方が
マシだったかもしれない。
ルーナは
酷く傷付いた目を
オレに向けていた。
「あの妖精たちの言った通りだ」
オレは
お前の村を滅ぼした
国王の息子だ。
オレたちを
遠巻きに囲む
仲間たちからも
息を呑む音が聞こえた。
「じゃあ・・・」
私を
牢屋から連れ出した
あの日から
ずっと
私は
『見張られていた』の・・・
ルーナは
そのまま
もの言わず
後ろへと倒れた。
「ルーナ!」
とっさに手を出し
ルーナの身体が
床に倒れる前に庇うことは出来た。
ただ
先に床に打ち付けた両手から
血が滲み出していた。
回復魔法をかけたが
ルーナは
意識を手放したままだ。
「カミュ・・・」
なぜ
あんなことを?
貴方は
誰よりもルーナを
大切にしてきたじゃない。
いつも気の強い
ミリアからは
珍しく
弱々しい声で責められたが
「・・・事実だ」
そう。
オレが
『愚王の息子』であることに
変わりはない。
オレは
青ざめて生気のない
ルーナを抱き抱えて
立ち上がった。
「ここにはもう用はない」
オレたちが
拠点にしている
民家に
帰ろう。
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