おっさんが神子って冗談でしょう?

佐倉真稀

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古池悠久

やっちゃいましょう。

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 夕暮れを、庭園で見て、部屋に戻った。夕食が用意されていて、王様と二人で食べた。お風呂の用意ができた、とツォ―に言われて王様の顔を見た。

「じゃあ、テオが先に…」
 といいかけると悲しそうな顔をされた。うう、こ、これは…
「一緒に入りたいのだが。」
 と手を握られてじっと顔を覗きこまれる。心臓がドキドキしてうるさい。パーソナルスペースがどうのって言葉が浮かんで消えた。
「…うん。いいよ?」
 ツォ―が一瞬眉をピクリとさせたのだけどごく平静に微笑んだ。

「では着替えを用意いたしますね。」
 と部屋を出て行った。俺と王様は浴室へと向かった。脱衣所で脱ぐのに手間取っていると脱がせてくれた。

「ありがとう。」
「いや、役得だよ。」
 にっこりと笑ってそういう王様に返事はできなかった。目の前の王様の裸にも圧倒されたこともある。いやね?じっと見るつもりはなかったよ?でもね、目に入るんだ。

 しなやかな鍛え上げられた体躯。割れた腹筋。無駄のない筋肉は綺麗な流線を描く。
 脂肪だらけの俺の身体とは真逆だ。しかもその、凶器が中心にでかでかとあった。
 男としては気になるところで、俺のが小指だったら、王様は3倍くらいあってその、凶悪だった。
 うう。男として何もかもが一級品だ。目のやりどころに困るよ。みっともない身体見せたくないんだけど、あっという間に剥かれて、何故か抱きあげられて浴室に運ばれた。

 入ると花の香りがした。リラックス効果のある香りだ。湯船にその花が浮かんでる。
 シャワーの下に俺を降ろして、手に石鹸を泡立てている王様がいる。まさか手で洗うとか…そんなエロビデオみたいな…。

「ハル、洗うからもっと寄って。」
 手で洗うんだ!!!

「え。ちょっとまって、あれ、そこって。さ、触らないで…テオ…や…」
 首から胸(特に乳首)を丁寧に洗われて、下半身は俺の息子を中心に後ろの穴のあたりを丁寧に洗ってくれた。

 くすぐったいやら恥ずかしいやらで、乳首と息子を弄られた時は気持ちよさも感じてしまって、どうしようか本当に困って、息が上がってぐったりしてしまった。ぐったりしたら小さないすに座らせられて、髪を丁寧に洗ってくれた。

 一旦泡を流し終えると王様は自分を洗って、ぐったりしてた俺を抱えて湯船に沈んだ。俺は彼の膝の上に座らせられている。

「あ、あの、テオ、その、この湯船は広いからこんなにくっつかなくていいと思うんだけど。」
 そう言うとお腹のあたりに回されている手に力が籠っていって、背中がぴったりと彼の鍛え上げられた胸の筋肉と腹筋にくっついてしまって。それに、尻の間に、その、彼の凶器が堅く当たってて。これって勃起してるよなあ…。
「ハルと触れ合っていたいから、これでいい。それとも、いや、かな?」
 その聞き方はずるいんだけど。俺のどこにそんなに性的興奮を覚えるのかわからないんだよなあ。たしかに好意を告白されたけど、王様だから、神子っていう存在に魅かれてるってこともあるかもしれないよな。

 もしかしてデ、デブ専…とか。

 そんな特殊な嗜好を持っているとかだったら納得なんだけど。
「いや、じゃないけど、恥ずかしいんだよ。こんなこと初めてだし。親とだってこんなふうにお風呂に入ったことない…」
 ちょっと声が上ずってしまった。そうしたらキスされた。かなり長いキスで、そりゃあもう、ディープなキス。気持ちよくて頭が真っ白になった。

「ハルの初めては俺がすべてもらいたい。」
 彼の凶器が凶悪さを増した。俺の股間を押し上げてきた。男ってすぐわかるよな。興奮してるの。お湯のせいなんかじゃなく俺の顔が耳まで真っ赤になった。
「…いいよ。テオになら。そんな奇特な人、これから現れるかわかんないしね。」
 王様の顔が驚きに見開かれて、それから紫の瞳が欲情の色に染まった気がした。

 唇にむしゃぶりつかれて息が上がる。片手が俺の乳首を弄る。
 少し陥没していた小さなそれが、指で擦られてぷくりと膨れた。もう片方の手が俺の小ぶりな息子を付かんで揉みしだく。あっという間にそれは勃起して、湯の中に透明な滴を溶かした。
 彼の凶器はますます猛って、尻の谷間を押し上げる。尻孔と、裏筋にいたる感じやすいところを刺激されてあっという間に達してしまった。

「----っ…」
 声は彼の口の中に吸い込まれた。吐精して、身体から力が抜ける。
「テ、テオ…のぼ、せそ、う…」
 俺が訴えるとハッとした様子で、俺を抱えあげて浴室を出た。用意されたタオルで拭いてくれて、寝巻も着せてくれた。そのまま、寝室まで運ばれて、ベッドに寝かされた。

「すまない。つい夢中になってしまって。ハルが、とても嬉しいことを言ってくれたから。」
 俺は赤くなって視線を逸らした。
「うん。その、初めてだからさ、ちょっとすぐには多分、無理だろうから、ゆっくりでお願いしたいかな。俺は逃げも隠れもしないし、言ったことを撤回する気もないよ。まあ、止まらない時があるだろうことはわかるけどさ。すこしずつわかりあいたい。」
 こんなふうに言ってくれる人にはもう出会えないだろう。それだけで、この世界に呼ばれたことを許せる気がする。まあ、おっさんでハゲでデブで、チビな俺では申し訳ないけれども。それでもいいって言ってくれるなら、男なんて些細なことだ。

「ハル…」
 手を彼の頬に伸ばしてそっと撫でた。
「多分俺、テオの事好きだと思うよ。じゃないとその、絶対出来ないよ。キスとかさ。だから優しくして欲しいな。」
 ベッドのふちに腰掛けて俺を覗き込む王様の頭を引きよせて俺からキスした。王様からのキスの返しは優しかった。ちゅ、ちゅっと何度かキスを交わすと、一旦離れた。

「そこの小瓶、使って…。」
 サイドボードに置いてあるツォ―にもらった潤滑剤を王様に示すと、意味がわかったのか少し驚いた様子を見せた後、嬉しそうに微笑んで頷いた。
 ああ、すっごく恥ずかしい。

「わかった。ハル…」
 王様が覆い被さってきて、口付けを繰り返す。身体が次第に熱くなってきて、いつの間にか、寝間着を脱がされていた。
 王様の手があちこちを撫でていく。乳首を摘んで擦る。甘い痺れがいつの間にか、そこから湧き起こった。

「テオ、そこ、なんか変だ…」
 息を乱して、汗を全身に浮かばせながら掠れた声で訴えた。すでに王様も一糸まとわぬ姿になっている。まだ触られてもいない俺の息子がまた立ち上がっている。

「ここが?」
 きゅうっと指で押しつぶすように乳首をつまみあげられる。ビクンと身体が震えて、息子から透明な滴が零れた。
「…あっ…ああっ…」
 掠れた嬌声をあげてしまう。声は抑えきれない。自分の声じゃない、なんだかAV女優が洩らすようなそんな声が自分から洩れるなんて考えたことはなかった。

「可愛い…」
 ちゅ、ちゅ、っと王様は胸や腹にキスを落としていく。乳首も強く吸われて、ぷっくりと腫れている。身体が熱くて、触られるところが気持ちいい。どうしよう。頭が真っ白になりそうだ。

「…あっ…テオ、気、気持ちイイ…」
 王様が嬉しそうに微笑んだ。右手を握られて、王様の凶器に導かれた。そっと握ると堅いそれがピクリと震えて先端か濡れた。
「…大きい…」
 これ、入るのか?無理じゃないのかな。無理だよな。
「ありがとう。」
 くすっと笑われて赤くなった。誤魔化すように手を動かした。見る見るうちに堅さと容積を増した。…MAXじゃなかった。王様の零す滴が手について、幹を濡らして水音が立った。
 俺が扱いている間に俺の窄まりに冷たい指が触れた。つぷ、と王様の指が入ったのがわかった。

「ひ、あ…」
 思わずきゅうっと食い締めてしまった。王様の幹から手が離れた。
「きついね。ゆっくりと慣らして行こう。」
 俺は真っ赤になった。そ、そりゃあ、俺から言ったことだけど!恥ずかしすぎる!

「テ、テオ…その、…や、優しくして、くれよ?」
 涙目になって俺は王様に強請る。ごくりと王様の喉が鳴った。
「…煽らないでくれ?もちろん、そうするにきまっている。」
 王様のそれは立ち上がったままで、痛いほど、きついだろうに、多分、今夜はきっと入れられない。なのに、優しくしてくれるって、言ってくれた。
「うん。…嬉しい。」
 王様にキスをされた。さっきより激しいキスだ。
 俺の腹に、王様の凶器が押しつけられる。足は開かれて、全てを王様に晒している。
 指が抜き差しされて中を広げていく。潤滑剤が足されて、二本目が入ってきた。中を掻きまわすように動かされた。それでもそこは狭いようでなかなか、緩みはしなかった。王様の分身の出す滴に腹が濡れる。俺のそれにも王様の分身に擦りあげられて、それが快感になってびくりと腰が揺れてしまう。

「あっ…あ…」
 ふいにひっくり返されて、腰を高くあげられた。膝を閉じられてその足の上を王様がまたいで腰を押しつけてきた。谷間を王様の雄の先端がなぞって太股の間に突き入れられた。
「…あ…」
 こ、これって噂に聞く…、素股?
 動揺してたら腰を揺さぶられた。思わずシーツを掴む。
「あっ…あっ…」
 股間を滑っていく熱い感触にぞくぞくとする。その動きに合わせて指も抜き差しされて入ってないのに、している気分になる。幹同士が擦りあって俺の息子もまたはちきれそうに頭をもたげている。水音と打ちつけられる淫靡な音が、快感を煽る。

「あ、…テオ、テ…あっ…あああっ」
 後孔に入っていた指が俺の敏感な場所に当たった。びくりと背を反らせて、俺は達してしまった。
「ハル…」
 興奮の色をにじませた色っぽい声で名を呼ばれた。俺の心臓がどきっと跳ねた。

 まだ、王様は達していない。多分入れたいと思う。でも我慢している。それが嬉しい。俺は開きそうな太ももに力を入れて王様自身を締め付けた。
 それに煽られたように腰の動きが激しくなった。前立腺を掠めるように指が動いてまた快感をもたらした。

「…あっ…そ、こ…ダメ…あっ…」
 目の前がちかちかする。自慰では感じたことのない快感が押し寄せて意識を持って行かれそうになる。いつの間にか俺も腰を揺らしていた。

「…く…」
 小さなうめき声が聞こえて王様が達した。腰の動きがゆっくりになる。

 指も抜かれて、腰を落とされた。出したモノをそばにあったタオルで王様が拭い取った。
 一通り拭いてくれて抱きしめられながら、その夜は眠った。

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