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竜騎士団の始まり
卒院パーティー※
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それから何度も空に飛んだ。大魔導士は馬鹿というが慣れれば可愛く思えた。
私が縛らなくても魔石の支配である程度大丈夫なことがわかった。
兵舎にいる騎士たちとも仲良くなり、まあ、王族と騎士の距離はあったが、のちにこの騎士団に入るのなら上手くやっていけるのではないかと思われた。
親しくなったとはいっても、ドナートをワンクッションに置いてだけれども。
ワイバーンの卵はすぐに私は青、ドナートは赤に染まり、孵ったワイバーンは黒い鱗が光の加減で、私のほうが青く、ドナートの方は赤く見えた。
二週間ほど面倒を見ていたらかわいく思えた。雑食の獰猛な魔物なのだが馬くらいは言うことを聞くようになった。私の方はプルシュ、ドナートはルドと名付けた。
離れるときはぎゃあぎゃあ泣いて宥めるのが大変だった。多分再会するときはもう覚えていないだろうが、元気でいてくれるといいなと思った。
そして新学年が始まる頃、私たちは王宮の自室に戻ることなく、寮へと戻った。大魔導士からは定期的に魔石が送られてきて、私とドナートに魔力を籠めろとのお達しが来た。
魔力の訓練になるので重宝はしているが、竜騎士団が軌道に乗っても、このペースで魔力を込める作業があるのだろうかと、少し不安に陥った。
今年は卒業の年でもあり、進路が決まる年だ。卒院式は成年した貴族の子供の社交界へのデビューの場となっている。卒院式を終えた後、夜に夜会が開かれ白い正装姿でダンスを踊る。婚約者がいれば婚約者、そうでないものは血縁者やあるいは恋人と。
私はどうしようか。
側仕えと言えども幼馴染で公爵家の第3子。パートナーにするのは問題ない。しかし大抵はメイルとフィメルの組み合わせで、メイルとメイルで、パートナーとする習慣はない。
「クエン。」
どうしよう。
「クエン……」
やっぱりハディーに頼むべきか。
「クエンティン!」
「あ、な、なんだ? ドナート。」
はっとして顔をあげると盛大にため息を吐かれた。
「紅茶が冷める。ほら、お茶菓子もあるぞ。そんなに根を詰めないで少し休め。まあ、勉強より、考え事をしていたようだが。」
顔を近づけて覗き込まれる。ドナートの綺麗な瞳に吸い込まれそうになる。
「あ、え、えええ、と。」
思わず視線を逸らして、用意してくれた紅茶に手を伸ばそうとすると、その手を掴まれた。
「何を、考えていたんです?」
あ、丁寧な言葉遣いになった。まずい。
「い、いや? たいしたことはないけ、ど……んっ……ッ……」
キスされて言葉の先がドナートの口の中に消える。ドナートの魔力を感じてぞくりと震えた。
ドナートの魔力が気持ちよくて、熱が上がる。
舌が入ってきて、反射的にその舌に自分の舌を絡ませた。唾液が混じり合う。
「……んんっ……」
一旦、唇が離れて角度が変わる。息継ぎに吐き出された息が熱くて、ますます背筋が震えた。
ごくりとつばを飲み込む音も、熱を煽る。
ドナートに思う存分、口内を弄ばれてやっと解放された。
「……はあ……はあ……」
「相変わらず息継ぎが下手ですね。クエンティン様。」
「ち、違う。絶対、違う。」
きっと睨むと、ドナートは不敵に笑う。だめだ、これは意地悪モードに入っている。気が済まないうちは解放してくれないパターンだ。
「違わないですよ。さ、言ってごらんなさい。何を考えてました?」
「う……。」
「言い換えましょうか? 誰のこと、考えていたんです?」
お前のことだ、と言いたい。
でも言えなくて、睨むだけになってしまう。
何も言わない私に、ドナートはふっと笑って私を抱き上げた。
「わ、お、おいっあぶな、いっ……」
座っている椅子からいきなり抱き上げるから、書斎の勉強机の椅子が倒れた。
がたん、と音がする。
「もう、結界は発動してますから、多少の物音は、問題ないですよ。」
「ドナート……」
私は諦めた。何も言わない私をさっさと、寝室に運んでいく。途中で、浄化をかけられた。
ベッドに落とされると服を脱がされて、お互い裸になる。
キスで、反応していた昂りが晒されて、思わず目を逸らした。そこをすかさずぐっと両膝を押さえて足を開かれた。
じっと視線を股間に留められて、羞恥に目元が染まった。後孔まで丸見えで、すべてを晒しているという事実に、じわじわと熱が上がって、股間のモノが頭をもたげていく。
「私は何もしていないのに興奮していますね。何を想像したんですか?」
普段はすぐに触れてくるのに、視線を昂ぶりに固定したまま何もしない。
「キ、キスのせいだ。あんなキス、するから……」
「クエンティン様は誰とキスしても、こうなってしまうと?」
「なっ……そ、そんなの、ドナートとしか、するわけないじゃないかっ」
「私だけ? では、先ほどは何を考えて、私の呼びかけに気付かなかったんですか?」
ぴくぴくと昂ぶりが震える。恥ずかしさに足を閉じようとしたらさらに開かされてしまった。
「あ……」
目尻に涙が滲む。
「いいです。何も言わなくて。体に聞きます。」
「え……」
ぱくりと咥えられた。すぐに先端に舌を這わされて、敏感な鈴口に刺激が加わる。
「……あんっ……」
巧みな口淫にすぐにイキそうになるが、根元を握られて堰き止められる。
「あ、ドナート……」
「さて、クエンティン様。何を考えていたんですか?」
「ドナート……」
ぽろりと、涙が零れた。イきたくてイけないせいか、それとも、こんな風にドナートに責められるせいか。
「馬鹿、お前のことに決まってるだろうッ……」
ビクリ、と根元を堰き止めている手が震えた。
「卒院の、……ダンスパーティーで、お前に、パートナーをしてもらいたいけど、無理、だなって思ってっ……でも、他にしてもらいたい人なんて、いない、からっ……悩んで、たんじゃ、ないかっ……」
馬鹿馬鹿と何度も言ったのに、ドナートはそれはそれは嬉しそうな顔をして微笑んだ。
「俺は、もともとパートナーを務めるつもりで根回ししてたから、気にしてなかった。クエン、悪かった。」
ちゅっと唇に蕩けそうな笑顔でキスするドナートに私は自分が空回ってたのを知った。
「馬鹿ッいい加減離していかせろッ」
悪い、と悪びれもせず、ドナートはぱくりと咥えて私をイかせた。
それから3回は素股をして、私はベッドにぐったりと横たわった。後ろからドナートに抱きかかえられた。
「ドナートの馬鹿。知らない。」
「クエン、機嫌直して。」
「紅茶、飲みたかったのに。お菓子も。」
「明日の朝、もっと美味しいの、淹れるから。」
「約束だぞ。」
「はい。クエンティン様。」
「そういうの、慇懃無礼って言うんだぞ。」
「はい?」
結局、ドナートは私のパートナーを務めることになり、私がフィメルの立場で立ち回った。
ダンスはドナートと二回踊って、具合が悪いから、と退場した。
こういう時は病弱と思われているのもいい。
兄たちも、王と一緒に王族の公務として来ていたが、挨拶をしただけで終わった。
卒院後は、2ヶ月後の9月から、私とドナートは竜騎士団に入団する。団長と副団長として。
竜騎士団は私たちの入団をもって、正式に騎士団として発足するのだ。
私が縛らなくても魔石の支配である程度大丈夫なことがわかった。
兵舎にいる騎士たちとも仲良くなり、まあ、王族と騎士の距離はあったが、のちにこの騎士団に入るのなら上手くやっていけるのではないかと思われた。
親しくなったとはいっても、ドナートをワンクッションに置いてだけれども。
ワイバーンの卵はすぐに私は青、ドナートは赤に染まり、孵ったワイバーンは黒い鱗が光の加減で、私のほうが青く、ドナートの方は赤く見えた。
二週間ほど面倒を見ていたらかわいく思えた。雑食の獰猛な魔物なのだが馬くらいは言うことを聞くようになった。私の方はプルシュ、ドナートはルドと名付けた。
離れるときはぎゃあぎゃあ泣いて宥めるのが大変だった。多分再会するときはもう覚えていないだろうが、元気でいてくれるといいなと思った。
そして新学年が始まる頃、私たちは王宮の自室に戻ることなく、寮へと戻った。大魔導士からは定期的に魔石が送られてきて、私とドナートに魔力を籠めろとのお達しが来た。
魔力の訓練になるので重宝はしているが、竜騎士団が軌道に乗っても、このペースで魔力を込める作業があるのだろうかと、少し不安に陥った。
今年は卒業の年でもあり、進路が決まる年だ。卒院式は成年した貴族の子供の社交界へのデビューの場となっている。卒院式を終えた後、夜に夜会が開かれ白い正装姿でダンスを踊る。婚約者がいれば婚約者、そうでないものは血縁者やあるいは恋人と。
私はどうしようか。
側仕えと言えども幼馴染で公爵家の第3子。パートナーにするのは問題ない。しかし大抵はメイルとフィメルの組み合わせで、メイルとメイルで、パートナーとする習慣はない。
「クエン。」
どうしよう。
「クエン……」
やっぱりハディーに頼むべきか。
「クエンティン!」
「あ、な、なんだ? ドナート。」
はっとして顔をあげると盛大にため息を吐かれた。
「紅茶が冷める。ほら、お茶菓子もあるぞ。そんなに根を詰めないで少し休め。まあ、勉強より、考え事をしていたようだが。」
顔を近づけて覗き込まれる。ドナートの綺麗な瞳に吸い込まれそうになる。
「あ、え、えええ、と。」
思わず視線を逸らして、用意してくれた紅茶に手を伸ばそうとすると、その手を掴まれた。
「何を、考えていたんです?」
あ、丁寧な言葉遣いになった。まずい。
「い、いや? たいしたことはないけ、ど……んっ……ッ……」
キスされて言葉の先がドナートの口の中に消える。ドナートの魔力を感じてぞくりと震えた。
ドナートの魔力が気持ちよくて、熱が上がる。
舌が入ってきて、反射的にその舌に自分の舌を絡ませた。唾液が混じり合う。
「……んんっ……」
一旦、唇が離れて角度が変わる。息継ぎに吐き出された息が熱くて、ますます背筋が震えた。
ごくりとつばを飲み込む音も、熱を煽る。
ドナートに思う存分、口内を弄ばれてやっと解放された。
「……はあ……はあ……」
「相変わらず息継ぎが下手ですね。クエンティン様。」
「ち、違う。絶対、違う。」
きっと睨むと、ドナートは不敵に笑う。だめだ、これは意地悪モードに入っている。気が済まないうちは解放してくれないパターンだ。
「違わないですよ。さ、言ってごらんなさい。何を考えてました?」
「う……。」
「言い換えましょうか? 誰のこと、考えていたんです?」
お前のことだ、と言いたい。
でも言えなくて、睨むだけになってしまう。
何も言わない私に、ドナートはふっと笑って私を抱き上げた。
「わ、お、おいっあぶな、いっ……」
座っている椅子からいきなり抱き上げるから、書斎の勉強机の椅子が倒れた。
がたん、と音がする。
「もう、結界は発動してますから、多少の物音は、問題ないですよ。」
「ドナート……」
私は諦めた。何も言わない私をさっさと、寝室に運んでいく。途中で、浄化をかけられた。
ベッドに落とされると服を脱がされて、お互い裸になる。
キスで、反応していた昂りが晒されて、思わず目を逸らした。そこをすかさずぐっと両膝を押さえて足を開かれた。
じっと視線を股間に留められて、羞恥に目元が染まった。後孔まで丸見えで、すべてを晒しているという事実に、じわじわと熱が上がって、股間のモノが頭をもたげていく。
「私は何もしていないのに興奮していますね。何を想像したんですか?」
普段はすぐに触れてくるのに、視線を昂ぶりに固定したまま何もしない。
「キ、キスのせいだ。あんなキス、するから……」
「クエンティン様は誰とキスしても、こうなってしまうと?」
「なっ……そ、そんなの、ドナートとしか、するわけないじゃないかっ」
「私だけ? では、先ほどは何を考えて、私の呼びかけに気付かなかったんですか?」
ぴくぴくと昂ぶりが震える。恥ずかしさに足を閉じようとしたらさらに開かされてしまった。
「あ……」
目尻に涙が滲む。
「いいです。何も言わなくて。体に聞きます。」
「え……」
ぱくりと咥えられた。すぐに先端に舌を這わされて、敏感な鈴口に刺激が加わる。
「……あんっ……」
巧みな口淫にすぐにイキそうになるが、根元を握られて堰き止められる。
「あ、ドナート……」
「さて、クエンティン様。何を考えていたんですか?」
「ドナート……」
ぽろりと、涙が零れた。イきたくてイけないせいか、それとも、こんな風にドナートに責められるせいか。
「馬鹿、お前のことに決まってるだろうッ……」
ビクリ、と根元を堰き止めている手が震えた。
「卒院の、……ダンスパーティーで、お前に、パートナーをしてもらいたいけど、無理、だなって思ってっ……でも、他にしてもらいたい人なんて、いない、からっ……悩んで、たんじゃ、ないかっ……」
馬鹿馬鹿と何度も言ったのに、ドナートはそれはそれは嬉しそうな顔をして微笑んだ。
「俺は、もともとパートナーを務めるつもりで根回ししてたから、気にしてなかった。クエン、悪かった。」
ちゅっと唇に蕩けそうな笑顔でキスするドナートに私は自分が空回ってたのを知った。
「馬鹿ッいい加減離していかせろッ」
悪い、と悪びれもせず、ドナートはぱくりと咥えて私をイかせた。
それから3回は素股をして、私はベッドにぐったりと横たわった。後ろからドナートに抱きかかえられた。
「ドナートの馬鹿。知らない。」
「クエン、機嫌直して。」
「紅茶、飲みたかったのに。お菓子も。」
「明日の朝、もっと美味しいの、淹れるから。」
「約束だぞ。」
「はい。クエンティン様。」
「そういうの、慇懃無礼って言うんだぞ。」
「はい?」
結局、ドナートは私のパートナーを務めることになり、私がフィメルの立場で立ち回った。
ダンスはドナートと二回踊って、具合が悪いから、と退場した。
こういう時は病弱と思われているのもいい。
兄たちも、王と一緒に王族の公務として来ていたが、挨拶をしただけで終わった。
卒院後は、2ヶ月後の9月から、私とドナートは竜騎士団に入団する。団長と副団長として。
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