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王都アルデ(ヒューSIDE)
王都アルデ
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アルデリアの王都アルデ。
この大陸一番に栄えていると言って差し支えないほどの大都市。
そこに、デッザからメルトとともに転移した。
俺の商会の建物の地下室。
そこは転移陣を固定してある転移部屋がいくつもある地下室の一室。
「ついたよ? もうここは王都だ。ここは僕の商会の地下室」
「は?」
「あれ? 言ってなかったっけ? 王都に魔道具の商会を持ってるんだ」
俺は扉を開けて部屋を出る。もちろん、メルトの手を引いてだ。メルトか恐る恐ると言った顔で、周りを見回している。
一階に繋がる階段を上がると、光で眩しい。すぐに慣れると、部屋が並ぶ廊下に出た。一歩進むと、前方の事務室の扉が開いて、セッテが出てきた。
この商会、【龍の爪】を実際に動かしている、アーリウムから来ている従者だ。今は支配人をしている。
ちなみに俺は会長で、副会長はハディーだ。
主に俺の開発した魔道具を取り扱っている。他には俺が開発した酒や、香辛料、調味料だ。それに薬。発情期の抑制剤は俺がレシピ登録をしていたから、今でも品質はうちの商会がトップ。
セッテは水色の髪、紺色の目、ヒューマン年齢二十五歳相当の見た目をしている。俺の顔を見た瞬間驚きと怒りの表情をしてすぐ柔和な顔になった。さすができる侍従。つかつかと歩いてきて、俺の目の前で止まる。
「ヒュー様! また突然いらして。連絡をくださいってあれほど言ったじゃないですか!」
「まあ、まあ、セッテ、落ち着いて。紹介したい人がいるんだ。メルト」
こうなるよな。ずうっと引き籠っていきなりだもんな。メルトをそっと前に押し出す。
「僕の婚約者で、メルト。よろしくね?」
「は?」
セッテの呆け顔はレアだ。メルトに肘で突かれる。ああ、突く仕草も可愛い。
「もっとちゃんと紹介をした方がいいんじゃないか? この方はどなただ?」
「あ!」
そうだ。メルトは全然事情が分からないんだった。いけないいけない。
「ええと、メルト、こちらはセッテ。ハイヒューマンで、国からこの商会を手伝いに来ているんだ。セッテ、こちらはメルト、俺の婚約者だ」
セッテは何もかも諦めた顔で、ため息を吐くと、にっこりと微笑んだ。ちょっと怖い。
「今回ばかりは驚かされました。メルト様、私はセッテと申します。本国の屋敷の侍従をしていましたが、今はこちらの商会を任されております。どうぞ、ヒュー様の事、よろしくお願いいたします」
セッテが胸に手を当てて頭を下げる。メルトは慌てた顔をして応じた。
「お、俺はメルトといいます。ラーン王国の元騎士で、デッザで冒険者をやってます。その、森でたまたま知り合って、昨日婚約者になりました。よろしくお願いします」
メルトは頭を下げた。本当なら、頭は下げないんだけど、しょうがない。そこは今後の課題だな。
「依頼でこっちに来たんだ。ワイバーンの騎乗用具。ミハーラに会ってくる。しばらくここに滞在するから、よろしく」
俺は大人の姿になる。セッテはこの変化を知っているから驚かなかった。
「わかりました。本国に連絡します。いってらっしゃいませ」
俺に引かれるまま歩き出したメルトは通りすがりにセッテに頭を軽く下げる。
裏口の方から出ると、街の喧騒が一気に襲ってきた。
メルトが呆けた顔で、アルデを見回した。
俺はRPGのNPCのように、手を広げた。
「メルト、アルデリアの王都アルデへ、ようこそ」
メルトは驚いた顔をしてから笑顔になって頷いた。
そんなメルトを大勢の人が行き交う通りを手を繋いで歩きだす。
凄いと呟いた彼はきょろきょろと周りを見回しながら俺の横を歩く。
これから向かうのはボルドールの工房だ。メルトの装備を一新する。
「今から行くところはドワーフのボルドールの工房で、王都にある工房の中では一番人気といっても過言じゃないところなんだ。腕は確かだから、そこでメルトの装備を作ろうと思う」
「え、俺はそこそこのところでいいぞ? 第一今からだと相当待つんじゃないのか?」
「ボルドールは俺の古馴染みで、貸しがあるんだ。いつでも優先して作ってもらえる」
なんせ、勇者パーティーの頃からの付き合いだ。依頼の時の貸しもある。
首をひねるメルトを急かして工房へ向かった。
職人街の一角にボルドールの工房がある。
大通りに面したひときわ目立つ建物。臙脂色のレンガで作られた5階建てだ。一階の扉は開いていて奥にカウンターがある。
一階に並べられた商品はガラスケースに入れられて展示されて、一点物しか作らないぞという意気込みが見える。
弟子の職人の名前がプレートに書かれているが、その作品のどれも素晴らしい。
ボルドールが認めた腕前の職人しかここには作品を展示できないから当然なんだけど。
その品々を食い入るように見つめるメルト。剣の腕前は一流で、持っている数打ちの剣では実力が発揮できない。俺の持っていた火竜の剣がアイテムボックスに見つからないので、新調するしかない。
「ボルドールの打ったのはそのカウンターの後ろにあるよ。最近は弟子の指導と経営に主眼を置いているからあんまり打たないんだけど……」
装飾は抑えられていて素材を生かしたシンプルで存在感のある剣だ。時折光を放つ赤い刀身はヒヒイロカネと呼ばれる金属を使ってある。火竜の剣はこの剣より刀身が赤くて、もっと輝いていた。
受付のカウンターにいた従業員に訪問を告げると、応接室に通された。
キチンと紅茶が出されて、高級茶葉なのを確認する。
よしよし。
「大丈夫なのか? なんだか、凄い工房だけど……俺はそれなりの装備でいいんだが……」
紅茶を持ったメルトが居心地悪そうにしている。
「え、俺、その、ラーン王国で正騎士やってた頃の白い鎧を着たメルト見てみたいからフルプレートの白銀の鎧と普段用の鎧と剣を二振りと予備の短剣を注文しようかと思ってるんだけど?」
「はあ!?」
メルトが口を開けて呆けた。そして俺を凝視する。照れるじゃないか。
俺はこほんと咳払いすると、ニコッと満面の笑みを浮かべた。
「その、結婚する前祝い品というか。メルトには安全安心でダンジョンとか、依頼とかこなしてほしいし」
メルトに怪我させた奴は俺が処す。
「俺はありがとうと言うだけでいいのか」
「もちろん。着て見せてくれたら嬉しい。もちろん俺がメルトを絶対守るけど、万が一があるからね。実用的な防具は絶対必要。だからパーティーの必要経費だと思って受け取って」
「わかった」
「うん。メルト」
嬉しそうな様子につい、メルトの手を握り締める。目があって見つめあうとメルトの透き通った翠の瞳に引き寄せられるように顔を近づけた。
「ゴホン」
振り返るとボルドールが立っていた。いいところだったのに!
「ここは応接室なんでなあ。いちゃつくなら、宿屋に帰ってからしてほしいなあ。ヒューよ」
にやにやするドワーフのボルドールはがっしりした筋肉質の腕を組んで扉の前に立っていた。
この大陸一番に栄えていると言って差し支えないほどの大都市。
そこに、デッザからメルトとともに転移した。
俺の商会の建物の地下室。
そこは転移陣を固定してある転移部屋がいくつもある地下室の一室。
「ついたよ? もうここは王都だ。ここは僕の商会の地下室」
「は?」
「あれ? 言ってなかったっけ? 王都に魔道具の商会を持ってるんだ」
俺は扉を開けて部屋を出る。もちろん、メルトの手を引いてだ。メルトか恐る恐ると言った顔で、周りを見回している。
一階に繋がる階段を上がると、光で眩しい。すぐに慣れると、部屋が並ぶ廊下に出た。一歩進むと、前方の事務室の扉が開いて、セッテが出てきた。
この商会、【龍の爪】を実際に動かしている、アーリウムから来ている従者だ。今は支配人をしている。
ちなみに俺は会長で、副会長はハディーだ。
主に俺の開発した魔道具を取り扱っている。他には俺が開発した酒や、香辛料、調味料だ。それに薬。発情期の抑制剤は俺がレシピ登録をしていたから、今でも品質はうちの商会がトップ。
セッテは水色の髪、紺色の目、ヒューマン年齢二十五歳相当の見た目をしている。俺の顔を見た瞬間驚きと怒りの表情をしてすぐ柔和な顔になった。さすができる侍従。つかつかと歩いてきて、俺の目の前で止まる。
「ヒュー様! また突然いらして。連絡をくださいってあれほど言ったじゃないですか!」
「まあ、まあ、セッテ、落ち着いて。紹介したい人がいるんだ。メルト」
こうなるよな。ずうっと引き籠っていきなりだもんな。メルトをそっと前に押し出す。
「僕の婚約者で、メルト。よろしくね?」
「は?」
セッテの呆け顔はレアだ。メルトに肘で突かれる。ああ、突く仕草も可愛い。
「もっとちゃんと紹介をした方がいいんじゃないか? この方はどなただ?」
「あ!」
そうだ。メルトは全然事情が分からないんだった。いけないいけない。
「ええと、メルト、こちらはセッテ。ハイヒューマンで、国からこの商会を手伝いに来ているんだ。セッテ、こちらはメルト、俺の婚約者だ」
セッテは何もかも諦めた顔で、ため息を吐くと、にっこりと微笑んだ。ちょっと怖い。
「今回ばかりは驚かされました。メルト様、私はセッテと申します。本国の屋敷の侍従をしていましたが、今はこちらの商会を任されております。どうぞ、ヒュー様の事、よろしくお願いいたします」
セッテが胸に手を当てて頭を下げる。メルトは慌てた顔をして応じた。
「お、俺はメルトといいます。ラーン王国の元騎士で、デッザで冒険者をやってます。その、森でたまたま知り合って、昨日婚約者になりました。よろしくお願いします」
メルトは頭を下げた。本当なら、頭は下げないんだけど、しょうがない。そこは今後の課題だな。
「依頼でこっちに来たんだ。ワイバーンの騎乗用具。ミハーラに会ってくる。しばらくここに滞在するから、よろしく」
俺は大人の姿になる。セッテはこの変化を知っているから驚かなかった。
「わかりました。本国に連絡します。いってらっしゃいませ」
俺に引かれるまま歩き出したメルトは通りすがりにセッテに頭を軽く下げる。
裏口の方から出ると、街の喧騒が一気に襲ってきた。
メルトが呆けた顔で、アルデを見回した。
俺はRPGのNPCのように、手を広げた。
「メルト、アルデリアの王都アルデへ、ようこそ」
メルトは驚いた顔をしてから笑顔になって頷いた。
そんなメルトを大勢の人が行き交う通りを手を繋いで歩きだす。
凄いと呟いた彼はきょろきょろと周りを見回しながら俺の横を歩く。
これから向かうのはボルドールの工房だ。メルトの装備を一新する。
「今から行くところはドワーフのボルドールの工房で、王都にある工房の中では一番人気といっても過言じゃないところなんだ。腕は確かだから、そこでメルトの装備を作ろうと思う」
「え、俺はそこそこのところでいいぞ? 第一今からだと相当待つんじゃないのか?」
「ボルドールは俺の古馴染みで、貸しがあるんだ。いつでも優先して作ってもらえる」
なんせ、勇者パーティーの頃からの付き合いだ。依頼の時の貸しもある。
首をひねるメルトを急かして工房へ向かった。
職人街の一角にボルドールの工房がある。
大通りに面したひときわ目立つ建物。臙脂色のレンガで作られた5階建てだ。一階の扉は開いていて奥にカウンターがある。
一階に並べられた商品はガラスケースに入れられて展示されて、一点物しか作らないぞという意気込みが見える。
弟子の職人の名前がプレートに書かれているが、その作品のどれも素晴らしい。
ボルドールが認めた腕前の職人しかここには作品を展示できないから当然なんだけど。
その品々を食い入るように見つめるメルト。剣の腕前は一流で、持っている数打ちの剣では実力が発揮できない。俺の持っていた火竜の剣がアイテムボックスに見つからないので、新調するしかない。
「ボルドールの打ったのはそのカウンターの後ろにあるよ。最近は弟子の指導と経営に主眼を置いているからあんまり打たないんだけど……」
装飾は抑えられていて素材を生かしたシンプルで存在感のある剣だ。時折光を放つ赤い刀身はヒヒイロカネと呼ばれる金属を使ってある。火竜の剣はこの剣より刀身が赤くて、もっと輝いていた。
受付のカウンターにいた従業員に訪問を告げると、応接室に通された。
キチンと紅茶が出されて、高級茶葉なのを確認する。
よしよし。
「大丈夫なのか? なんだか、凄い工房だけど……俺はそれなりの装備でいいんだが……」
紅茶を持ったメルトが居心地悪そうにしている。
「え、俺、その、ラーン王国で正騎士やってた頃の白い鎧を着たメルト見てみたいからフルプレートの白銀の鎧と普段用の鎧と剣を二振りと予備の短剣を注文しようかと思ってるんだけど?」
「はあ!?」
メルトが口を開けて呆けた。そして俺を凝視する。照れるじゃないか。
俺はこほんと咳払いすると、ニコッと満面の笑みを浮かべた。
「その、結婚する前祝い品というか。メルトには安全安心でダンジョンとか、依頼とかこなしてほしいし」
メルトに怪我させた奴は俺が処す。
「俺はありがとうと言うだけでいいのか」
「もちろん。着て見せてくれたら嬉しい。もちろん俺がメルトを絶対守るけど、万が一があるからね。実用的な防具は絶対必要。だからパーティーの必要経費だと思って受け取って」
「わかった」
「うん。メルト」
嬉しそうな様子につい、メルトの手を握り締める。目があって見つめあうとメルトの透き通った翠の瞳に引き寄せられるように顔を近づけた。
「ゴホン」
振り返るとボルドールが立っていた。いいところだったのに!
「ここは応接室なんでなあ。いちゃつくなら、宿屋に帰ってからしてほしいなあ。ヒューよ」
にやにやするドワーフのボルドールはがっしりした筋肉質の腕を組んで扉の前に立っていた。
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