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再会編(ヒューSIDE)
王都へ ※
しおりを挟むR18表現があります。
背後注意。
苦手な方は飛ばしてください。
※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※
部屋に入るとメルトが視線を合わせてくれなかった。部屋に入ってすぐに大人の姿をとったせいだろうか?
「メルト?」
なんだか顔を見てもらいたかったので、腰を抱いて引き寄せた。ついでにお姫様抱っこもする。俺のレベルは1000を超えているからそれなりに力がある。筋肉はついてないけどね。
あ、ちゃんと制御できてるよ。ドアノブ握りつぶすなんてしないから。
メルトが首に手を回して掴る。落とさないのになあ。
「俺のメルト。愛してる」
愛しくて愛しくて仕方がない。夕べもたくさん愛したのに、まだ愛し足りない気がする。メルトの顔が真っ赤に染まる。凄く可愛い。
「俺も、愛してる……俺のヒュー……」
ああ、心臓が跳ねる。嬉しい。
「俺はメルトのものだよ。頭の先からつま先まで、髪の一筋でさえ、全部メルトのだ」
俺はメルトのもの。なんて嬉しい。メルトが涙を零した。その涙を唇で吸い取る。
しょっぱいはずなのに、甘い。涙にも、魔力が籠っているからだろうか。
俺にとってはメルトは上等な砂糖菓子のようで、全てが甘い。
「メルトは意外と涙腺が緩いんだな。なんか可愛い」
「ヒュー!」
抗議の声が上がる。泣き虫っていったわけじゃないんだけど。ちょっと口を尖らせているメルトも可愛い。
「ごめん、からかってるわけじゃないよ?」
メルトは眉間の皺と表情を緩めた。メルトは表情が豊かだから思っていることがわかったりする。時にはメルトの話す内容より雄弁だ。
そんなメルトをベッドに下ろして服を脱がせた。服を脱がせるのは俺の楽しみだ。一つ一つ暴いていく感じがいい。
メルトが俺のこの気持ちを知ったら引いてしまうだろうか。
自分も脱いで服はアイテムボックスに入れてしまうとお互いに浄化の魔法をかける。
メルトは浄化の魔法を受けると気持ちよさそうな顔をする。俺の魔力が心地いいのだろうか? メルトが魔法を覚えたら、俺に使ってもらおうか。
ベッドに押し倒して口付ける。ゆっくりと深めていき、メルトの口内も味わう。
唾液が甘くて吸い上げた。歯茎をなぞって、舌を絡ませる。何度も角度を変えて味わった。
メルトの象徴が俺の肌に触れて勃ち上がったのがわかった。俺のモノも同じように熱を持って、先端が濡れている。
「ヒュー……キス、気持ちいい……ヒューの手も、ヒューのでっかいのも……なにもかも、気持ちいい……」
メルトが紅潮した顔で、うっとりと呟いた。その声音に俺はますます煽られて、体温が上がった。
「俺もメルトが感じている顔を見るだけで、気持ちよくなる。ほら、こうなっちゃう」
俺は幹をメルトの象徴に擦りつける。お互いの熱が上がって、硬い感触が伝わる。
「ヒュー、俺、どうしよう。もう、欲しい……」
お強請りに愛撫も何も、手順が飛んでしまう。ごくりと俺は喉を鳴らしてメルトの足を抱えあげた。暴いた窄まりに濡れる先端を押し当てた。
「挿れるよ?」
「うん……来て、ヒュー……」
メルトが息を吐いて力が抜けたそこに、押し込んだ。メルトの目尻に涙がこぼれて俺は焦った。
「メルト、苦しい?」
思わず聞くとメルトは首を横に振った。
「違うんだ。嬉しくて。ヒューと繋がってると思うと、嬉しくなって……」
甘い痺れが俺の胸を掴む。ますます昂ってメルトの中が狭く感じた。思わず奥まで突き込んで、腰を押し付けた。メルトの腰も揺れる。
「あっ……あんッ……凄い……おっきい……」
甘く掠れるメルトの嬌声が俺の耳朶を打つ。たまらず腰を動かした。
「ヒュー……ヒュー……激しくして……いっぱい、中にちょうだい……」
メルトの言葉に、ますます抽挿の速度も激しさも増した。メルトの中のもたらす快感に酔う。魔力が制御できなくて過分に注いでしまう。
「……くっ……」
メルトも、快感を追うのに必死なのか、熱に浮かされるように嬌声が上がる。
「ヒュー好き……好きだ……俺の全部、ヒューのもの、だ」
俺はたまらず奥まで一気に突き上げた。可愛いメルト。大好きで愛しいメルト。
「メルト……俺のメルト……」
俺の大事な伴侶。
俺達はそれから何度も貪るように愛し合って、気絶するように眠った。
翌朝目を覚ますと俺は大人のままだった。最近また魔力量が増えたのかもしれない。
「おはよう、メルト……うーん、いい朝だなあ……」
目の前の愛しいメルトに浮かれた気分でキスをした。メルトが嬉しそうな顔になるのに俺も嬉しくなった。
「お、おはよう……あの、ヒュー……俺、平民なんだけど」
朝が弱いのですぐには目が覚めない。いつもよりはすっきりした感じなのにな。
「ん? それは知ってるよ?」
ふあっとあくびをして意識が覚醒していく。
「貴族とは結婚できないんじゃないか?」
メルトの表情が冴えない。
「え、どうして?」
不思議に思って首を傾げた。なんの話だろう?
「俺の国ではできないんだ」
はい??
ラーンはそんなことになっているのか? でも別に問題はないだろう。俺の国に来ればいい。
「俺の国の国民になればいいよ。俺の伴侶だからメルト・クレムになるかな? どうしてもメルトのご両親が家を継げっていうならラーンの国籍とるけど……あ、ご両親にご挨拶に行かないといけないなあ。ん? どうしたの?」
メルトがシーツに突っ伏した。それからむくりと起き上がった。
「ヒューの国は貴族と平民が結婚してもいいのか?」
「うちの国はというかハイヒューマンは子供ができにくいから、相性がいい者同士が結婚するのは奨励されているし。別に平民だろうが貴族だろうが、俺の選んだ伴侶だからね。許されなきゃ、国を捨てる覚悟はあるよ? まあ、そんなことは起こらないけどね。うちの両親も恋愛結婚だし」
メルトが俺の胸に顔を埋めるようにして抱き着く。
「昨夜は浮かれてて気付かなかったけど、俺の故国では貴族と平民って階級は絶対なんだ。平民は慰み者か愛人にはなれるだろうけど、貴族とは結婚はできない。だから結婚はできないんじゃないかって思ったんだ」
ラーンは何だろう? 貴族主義なのか? 抱きしめ返して額にキスを落とした。
「メルトを悲しませることはしないよ? 誓う。ちゃんと式をあげよう。皆に祝福してもらおう。ね?」
メルトが不安なら正式な手順を踏んで、皆にお披露目しよう。それがいい。
俺の言葉に泣き崩れたメルトをあやしながら、俺は決意した。
依頼を片付けたらラーンへ行こう。ちゃんとメルトのご両親へ挨拶に行く。
それがいい。
まずはアルデリアの王都だ。
依頼もあるがメルトの武器を頼む。
それから……。
引き籠りの間は灰色の日々だった。
今は全てが輝いた極彩色の日々に変わった。
隣のメルトを愛しさを込めて見る。
「アルデリアの王都へ転移するから捕まっていて」
「転移で行けるのか?」
「任せて! あっという間だから」
そして俺達はアルデリアの王都、アルデへ転移した。
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この話でいったん終了になります。お読みいただきありがとうございました。
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