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再会編(ヒューSIDE)
建築ギルド
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建築ギルドでは魔道具設置が多い家の設計を、紹介された工房が快く引き受けてくれた。魔道具は“龍の爪商会”から入れると言うと目の色が違った。顧客を選ぶ“龍の爪商会”は一種ステイタスになる。優良な顧客というステイタス。
それに魔道具では一流どころ、とみられているらしい。本当は技術を真似てもらって広げたいんだが、帝国のような国にわたると危ないので、なかなか難しい。ハディーが売り先を管理しているし。
俺は作る専門で、販売はハディー任せだからな。
設計図ができたら冒険者ギルドに連絡を欲しいと伝えた。しばらく依頼で王都の方に行くからだ。
時間をかけていいので良いものをと伝え、外に出るともう夕方だった。
「メルト、もう一度、見に行かない? 俺達の土地」
「ああ、そうだな」
通りは家路を急ぐ人々が行き交う。賑やかな職人街を抜けて市場へとやってくる。
賑やかだった露店も、もう店じまいだ。
まだまだ灯りの燃料の油やろうそくは高いから暗くなったら早めに寝てしまう。
貴族や裕福な家は魔道具だけど、魔石も高いし、魔道具自体も高い。
街灯も少ないので、夜は物騒だ。
酒場が多い辺りはそれなりに明るく賑やかだけど、治安はよくない。
早めに宿に戻ろうと思って、少し足早に買った土地に向かった。
区画はロープで区切られていて正面には売約済みの看板が立っていた。
仕事早いなと思いつつロープを越えて中に入る。
ゆっくりメルトの手を引きながら中を散歩する。
メルトはゆっくりと中を見回している。ちょっと楽しそうで俺は嬉しくなった。
「あのロープ張られてるところを塀にして囲う予定。真ん中に門かな? アプローチは馬車が通れる幅にして、正面に母屋。水源の方を厩舎にして庭と鍛錬場、母屋につながるところにお風呂を作って反対側にゲストハウス、お風呂より奥に俺の工房って感じでどうかな?」
「ちょっと想像ができないけれど庭でピクニックできたらいいな。庭も広そうだから馬も走らせることができそうだしな」
泉のようになっている水源の近くの林の傍を歩きながら話す。やや強い風が吹き抜けて俺の髪を攫った。
髪を整えてメルトと向き合う。
握った手を掬い上げて口付けた。
ああ、ドキドキする。
「ヒュー?」
首を傾げたメルトは、夕日に染まって髪が輝いて綺麗だ。
俺より背が高いから俺から伸びる影は胸より下だ。
メルトの後ろの空は暗くなり始めていてグラデーションを描いている。
すうっと息を深く吸い込む。
さあ、言うぞ。
「メルト、俺と結婚して欲しい」
アイテムボックスから取り出した指輪を掬い上げたメルトの左手の薬指に嵌める。
「俺の伴侶になって一生を共にして欲しい。このリングは婚約の証に俺が作った。どうか、受け取って欲しい」
驚いた顔で、指輪を見ていたメルトの目からポロリと涙がこぼれた。
え、泣くほどいや?
「メ、メル、ト? な、泣くほど嫌だった?」
焦った俺の声は裏返っている。
するとメルトは横に首を振った。
「違う、そ、そうじゃない。俺、俺はこんなガタイだし、メイルに見えるし、剣が何より好きで、頭もよくない。料理もできないし、もう、29歳で、ヒューマンでは行き遅れだ」
次から次にメルトの涙は溢れて頬を伝い落ちる。泣かせた俺が思うのもあれだけど、うれし涙だとわかったら、嬉しくて、仕方ない。涙を零すメルトも綺麗で可愛いと頭の隅で思った。
「ヒューこそ、こんな俺で本当にいいのか?」
こんななんて言わないでメルト。唯一無二の俺のメルト。かっこよくて強くて綺麗で可愛い、色っぽいメルト。
「メルトだから、伴侶になって欲しいんだ」
メルトに抱きしめられた。思わず背を抱きしめる。
「俺、俺、ヒューと結婚したい。ヒューの伴侶になりたい。ヒューが俺でいいならヒューと一生共にしたい」
涙声になっているメルトの顔をそっとハンカチで拭く。ああ、最高に嬉しい。
「愛してる、メルト。俺の大事な伴侶」
メルトの唇にそっと触れて吸い上げた。愛おしむようにそっと。ゆっくりと離れてメルトの頬に触れて照れた顔を見て微笑んだ。
メルトは目を合わせてしばらくすると、恥ずかしそうにして俺の肩に顔を伏せた。
俺達は夕日が落ちきるまでずっとそこで、抱き合っていた。
赤くなった目元に俺はキスして治癒魔法をかける。ついでに浄化をして、泣いた涙の痕を消した。
暗く、人がいないのを確認して俺は元の姿に戻った。
「暗いから、わからないよね」
メルトの手を引いて歩き出した。宿ではこっちの姿だし、冒険者ギルドもこっちで出入りしているから戻らないといけない。
メルトは終始落ち着かなそうにしていたが、ちらちらと指輪や俺の顔に視線を向けていた。
宿に着いたが食堂は一階なので、先に夕飯を済ませることにした。
そこそこ混んでいたけれど、奥まった席が空いていたのでそこに座った。
「ちょっといいワインをお願いしたいな」
おすすめのコースと、ワインを頼んだ。
先に給仕がグラスとワインボトルを持ってくる。赤の飲み頃のものだ。
若くもなく、古すぎてもいない。
この宿の食堂のレベルでは高級な方だろう。
メインの肉料理にもきちんと合う。
俺とメルトにワインを注ぐと、給仕は去っていった。
「乾杯しよう」
「乾杯?」
「俺とメルトの婚約に」
「あ」
メルトの顔が真っ赤に染まる。
グラスを掲げて宣言する。
「メルトと僕の婚約に乾杯」
「か、乾杯……」
グラスをそっと合わせてワインを一口飲んだ。
うん。美味しい。
メルトも目を瞠ってワイングラスを見ていた。
可愛いなあ。
お酒が好きだって言ってたから、美味しいお酒は好きなんだろうな。アルコールの高い蒸留酒より、きちんと味わいがあるものが好きそう。カクテルもいいかな。
俺のワイナリーのワインのいい奴とか、泡とかどうだろう。
前菜が出てきて、それを摘まむ。
さっぱりとしたお酢の味付けに刻んだ野菜とハムなどを薄く切ったパンにのせたもの。ワインとよく合う。これだけなら白でもいい。
メルトは一口で食べてしまって、目元が下がる。美味しいと思っている顔だ。
3種類あったそれがあっという間になくなってメルトは寂しそうに皿を睨んだ。俺はそっと、その皿に残り2枚を乗っけた。
「いいのか?」
「うん。お昼がボリュームあったからね。そんなに空いてない」
「……わかった。ありがたくいただく」
メルトは嬉しそうに食べて、ワインを飲んだ。
メインは鶏の香草焼きとプラックオーロックス(牛に似た肉)の二種類で俺達は二人で別のを頼んでシェアした。
「俺のほうが多いけど……」
メルトが俺の顔を見て言ってくる。
「大丈夫。これで十分」
パンも籠盛りでいっぱいもらった。
「ワイバーンもよかったが、鳥も美味しいな。皮がパリッとしている」
「うん。ちょうどいい焼き加減。美味しいね」
「俺は、ヒューの作ってくれた照り焼き? が最高だと思う」
「え?」
「鳥の料理ではあれが一番好きだ」
意外なところから褒め殺しが飛んできて俺は一瞬固まった。
「あ、ありがとう……」
こういうストレートな賞賛はあまり受けてないから、困る。アルコールじゃない熱を頬に感じて、食事を終えた。
それに魔道具では一流どころ、とみられているらしい。本当は技術を真似てもらって広げたいんだが、帝国のような国にわたると危ないので、なかなか難しい。ハディーが売り先を管理しているし。
俺は作る専門で、販売はハディー任せだからな。
設計図ができたら冒険者ギルドに連絡を欲しいと伝えた。しばらく依頼で王都の方に行くからだ。
時間をかけていいので良いものをと伝え、外に出るともう夕方だった。
「メルト、もう一度、見に行かない? 俺達の土地」
「ああ、そうだな」
通りは家路を急ぐ人々が行き交う。賑やかな職人街を抜けて市場へとやってくる。
賑やかだった露店も、もう店じまいだ。
まだまだ灯りの燃料の油やろうそくは高いから暗くなったら早めに寝てしまう。
貴族や裕福な家は魔道具だけど、魔石も高いし、魔道具自体も高い。
街灯も少ないので、夜は物騒だ。
酒場が多い辺りはそれなりに明るく賑やかだけど、治安はよくない。
早めに宿に戻ろうと思って、少し足早に買った土地に向かった。
区画はロープで区切られていて正面には売約済みの看板が立っていた。
仕事早いなと思いつつロープを越えて中に入る。
ゆっくりメルトの手を引きながら中を散歩する。
メルトはゆっくりと中を見回している。ちょっと楽しそうで俺は嬉しくなった。
「あのロープ張られてるところを塀にして囲う予定。真ん中に門かな? アプローチは馬車が通れる幅にして、正面に母屋。水源の方を厩舎にして庭と鍛錬場、母屋につながるところにお風呂を作って反対側にゲストハウス、お風呂より奥に俺の工房って感じでどうかな?」
「ちょっと想像ができないけれど庭でピクニックできたらいいな。庭も広そうだから馬も走らせることができそうだしな」
泉のようになっている水源の近くの林の傍を歩きながら話す。やや強い風が吹き抜けて俺の髪を攫った。
髪を整えてメルトと向き合う。
握った手を掬い上げて口付けた。
ああ、ドキドキする。
「ヒュー?」
首を傾げたメルトは、夕日に染まって髪が輝いて綺麗だ。
俺より背が高いから俺から伸びる影は胸より下だ。
メルトの後ろの空は暗くなり始めていてグラデーションを描いている。
すうっと息を深く吸い込む。
さあ、言うぞ。
「メルト、俺と結婚して欲しい」
アイテムボックスから取り出した指輪を掬い上げたメルトの左手の薬指に嵌める。
「俺の伴侶になって一生を共にして欲しい。このリングは婚約の証に俺が作った。どうか、受け取って欲しい」
驚いた顔で、指輪を見ていたメルトの目からポロリと涙がこぼれた。
え、泣くほどいや?
「メ、メル、ト? な、泣くほど嫌だった?」
焦った俺の声は裏返っている。
するとメルトは横に首を振った。
「違う、そ、そうじゃない。俺、俺はこんなガタイだし、メイルに見えるし、剣が何より好きで、頭もよくない。料理もできないし、もう、29歳で、ヒューマンでは行き遅れだ」
次から次にメルトの涙は溢れて頬を伝い落ちる。泣かせた俺が思うのもあれだけど、うれし涙だとわかったら、嬉しくて、仕方ない。涙を零すメルトも綺麗で可愛いと頭の隅で思った。
「ヒューこそ、こんな俺で本当にいいのか?」
こんななんて言わないでメルト。唯一無二の俺のメルト。かっこよくて強くて綺麗で可愛い、色っぽいメルト。
「メルトだから、伴侶になって欲しいんだ」
メルトに抱きしめられた。思わず背を抱きしめる。
「俺、俺、ヒューと結婚したい。ヒューの伴侶になりたい。ヒューが俺でいいならヒューと一生共にしたい」
涙声になっているメルトの顔をそっとハンカチで拭く。ああ、最高に嬉しい。
「愛してる、メルト。俺の大事な伴侶」
メルトの唇にそっと触れて吸い上げた。愛おしむようにそっと。ゆっくりと離れてメルトの頬に触れて照れた顔を見て微笑んだ。
メルトは目を合わせてしばらくすると、恥ずかしそうにして俺の肩に顔を伏せた。
俺達は夕日が落ちきるまでずっとそこで、抱き合っていた。
赤くなった目元に俺はキスして治癒魔法をかける。ついでに浄化をして、泣いた涙の痕を消した。
暗く、人がいないのを確認して俺は元の姿に戻った。
「暗いから、わからないよね」
メルトの手を引いて歩き出した。宿ではこっちの姿だし、冒険者ギルドもこっちで出入りしているから戻らないといけない。
メルトは終始落ち着かなそうにしていたが、ちらちらと指輪や俺の顔に視線を向けていた。
宿に着いたが食堂は一階なので、先に夕飯を済ませることにした。
そこそこ混んでいたけれど、奥まった席が空いていたのでそこに座った。
「ちょっといいワインをお願いしたいな」
おすすめのコースと、ワインを頼んだ。
先に給仕がグラスとワインボトルを持ってくる。赤の飲み頃のものだ。
若くもなく、古すぎてもいない。
この宿の食堂のレベルでは高級な方だろう。
メインの肉料理にもきちんと合う。
俺とメルトにワインを注ぐと、給仕は去っていった。
「乾杯しよう」
「乾杯?」
「俺とメルトの婚約に」
「あ」
メルトの顔が真っ赤に染まる。
グラスを掲げて宣言する。
「メルトと僕の婚約に乾杯」
「か、乾杯……」
グラスをそっと合わせてワインを一口飲んだ。
うん。美味しい。
メルトも目を瞠ってワイングラスを見ていた。
可愛いなあ。
お酒が好きだって言ってたから、美味しいお酒は好きなんだろうな。アルコールの高い蒸留酒より、きちんと味わいがあるものが好きそう。カクテルもいいかな。
俺のワイナリーのワインのいい奴とか、泡とかどうだろう。
前菜が出てきて、それを摘まむ。
さっぱりとしたお酢の味付けに刻んだ野菜とハムなどを薄く切ったパンにのせたもの。ワインとよく合う。これだけなら白でもいい。
メルトは一口で食べてしまって、目元が下がる。美味しいと思っている顔だ。
3種類あったそれがあっという間になくなってメルトは寂しそうに皿を睨んだ。俺はそっと、その皿に残り2枚を乗っけた。
「いいのか?」
「うん。お昼がボリュームあったからね。そんなに空いてない」
「……わかった。ありがたくいただく」
メルトは嬉しそうに食べて、ワインを飲んだ。
メインは鶏の香草焼きとプラックオーロックス(牛に似た肉)の二種類で俺達は二人で別のを頼んでシェアした。
「俺のほうが多いけど……」
メルトが俺の顔を見て言ってくる。
「大丈夫。これで十分」
パンも籠盛りでいっぱいもらった。
「ワイバーンもよかったが、鳥も美味しいな。皮がパリッとしている」
「うん。ちょうどいい焼き加減。美味しいね」
「俺は、ヒューの作ってくれた照り焼き? が最高だと思う」
「え?」
「鳥の料理ではあれが一番好きだ」
意外なところから褒め殺しが飛んできて俺は一瞬固まった。
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